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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョゼ・ソアーレス ✕ 壺阪健登 ✕ 東京シティ・フィルでガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」、外山雄三「管弦楽のためのラプソディ」、ドヴォルザーク「交響曲第9番」他を聴く

2025年05月11日 01時00分54秒 | 日記

11日(日)。わが家に来てから今日で3771日目を迎え、トランプ米大統領は9日、自身のSNSで、高関税措置を巡り自身に批判的な報道姿勢を取るウォールストリート・ジャーナル紙を「非常に不正確で、中国寄り」だと批判し、編集トップの交代を要求した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

新聞社の編集トップの人事にまで口出しするとは  さすがは”ファシストの裸の王様”トランプだな

         

昨日、ティアラこうとう大ホールで東京シティ・フィル「第82回ティアラこうとう定期演奏会」を聴きました 本公演は「日本・ブラジル外交関係樹立130周年」記念演奏会という位置づけで開催されました したがって、プログラムも指揮者もブラジル所縁のラインナップとなっています プログラムは①グアル二エリ「3つの舞曲」、②外山雄三「管弦楽のためのラプソディ」、③ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」、④ドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95」です 演奏は②のピアノ独奏=壺阪健登、指揮=ジョゼ・ソアーレスです

本公演の30分前から、楽団員による「日本・ブラジル外交関係樹立130周年」を記念したプレ・コンサートが開かれました フルート、オーボエ、ホルン、ファゴット、クラリネットの五重奏により、最初に日本の「浜辺の歌」「村祭り」「ふるさと」が、続いてブラジルの「ショーロ」「フレーロ」が演奏され、大きな拍手を浴びました

   

指揮を執るジョゼ・ソアーレスはブラジル・サンパウロ出身。2021年に23歳で第19回東京音楽コンクール”指揮”で第1位、及び聴衆賞を受賞 現在、ブラジルのミナス・ジェライス・フィルのアソシエイト・コンダクターを務める

東京シティ・フィルは常任指揮者・高関健と首席客演指揮者・藤岡幸夫の2人が中心となり、東京オペラシティとティアラこうとうで定期演奏会を開催しています 2人以外の指揮者を招聘する際も日本人に限定しています これはおそらく、経費のかかる海外の指揮者を招聘しないことにより、チケット代(年間定期会員券代)を安く抑えて集客力を高めるという方針によるものと思われます いくつものオーケストラがしのぎを削る東京首都圏で、生き残りを懸けるオーケストラの一つの在り方を体現していると言えます そんなこともあり、これまでの公演で 外国人指揮者がシティ・フィルを最後に振ったのはいつだったのか思い出せません ソアーレスは本当に久しぶりの外国人指揮者です

オケは12型で 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつものシティ・フィルの並び コンマスは戸澤哲夫です

1曲目はサンパウロ生まれのグァル二エリ「3つの舞曲」です この曲はモザルト・カマルゴ・グァル二エリ(1907-1993)が別々の時期に作曲しました 第1曲「ブラジル舞曲」は1928年に、第2曲「密林の踊り」は1936年に、第3曲「黒人の踊り」は1946年にそれぞれ作曲されました

ソアーレスの指揮で演奏に入ります 第1曲ではフルートやピッコロが陽気な舞曲を演奏します 第2曲では打楽器とブラスが力強い音楽を展開します 第3曲ではイングリッシュホルンの抒情的な演奏が印象的です

2曲目は外山雄三「管弦楽のためのラプソディ」です この曲は外山雄三(1931-2023)が1960年のN響海外公演のために作曲し、岩城宏之の指揮で初演されました 曲は急ー緩ー急の3部構成となっています 拍子木の音を模した前奏に続き、肥後民謡「あんたがたどこさ」が演奏され、次いで北海道の「ソーラン節」が、そして筑豊の「炭坑節」が聴こえてきます さらに紀州の「串本節」が出てきて、信州民謡「信濃追分」の旋律がフルートで奏でられます 正木知花のフルートは、時に尺八を吹いているかのようなこぶし回しが素晴らしく、この曲のハイライトでした 最後は群馬と栃木の「八木節」がオーケストラ総動員による躍動感あふれる演奏で繰り広げられ、熱狂のうちにフィナーレになだれ込みました

つくづく良い曲だと思います 聴いていて日本人の血が騒ぐというか、自然と身体が動きます 日本のオーケストラは定期公演で もっと取り上げてほしいと思います

3曲目はガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」です この曲はジョージ・ガーシュイン(1898-1937)が25歳の時に3週間で書き上げ、1924年2月12日にニューヨークで初演されました

ピアノ独奏の壺阪健登(つぼさか  けんと)は横浜市出身。慶應義塾大学卒業後に渡米。2019年にバークリー音楽院を首席で卒業 ジャズのユニットを結成し、内外で活躍中

クラリネットの長大なイントロで曲が開始され、やがてピアノのソロが入ってきます 壺阪のピアノは粒立ちが美しく、技巧的にも素晴らしい 特に感銘を受けたのは長大なカデンツァです 唯一無二の独特の世界観によるインプロヴィゼーションを展開しました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました 壺阪はアンコールにアントニオ・カルロス・ジョビン「デサフィナ―ド」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました

プログラム後半はドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)がニューヨークのナショナル音楽院の院長として米国滞在中の1893年に作曲、同年12月16日にニューヨークで初演されました 第1楽章「アダージョ ~ アレグロ・モルト」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

この曲は世界中で一番演奏回数の多い交響曲であると言われています それだけ世界中の聴衆に愛されている名曲中の名曲だと言えます

この曲の聴きどころは、言うまでもなく第2楽章「ラルゴ」です イングリッシュホルン(コーラングレ)による”家路”のメロディーの抒情的な演奏が素晴らしい フルートもオーボエもよく歌います

第4楽章の冒頭は”鉄道オタク”ドヴォルザークの面目躍如といった音楽です どう聴いても「止まっている機関車が動き始める時の様子を描いている」としか思えません

この曲の良いところは、フィナーレ部分です 壮大に終わるかと思いきや、最後の音が引き延ばされ、静かに音が消えていくところです

満場の拍手とブラボーが飛び交うなか、カーテンコールが繰り返されました 管楽器も、弦楽器も、打楽器もよく鳴っていたのが印象的でした これは 楽団員の演奏力はもちろんのことですが、ソアーレスの適格な指揮があってこそだと思います


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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ご無沙汰です ()
2025-05-11 03:50:39
グーグロブの各局の皆さんも移転で訪問者も減ってきましたね・・
で…移転のご準備離されておられるのでしょうか?
移転となると、書き溜めた資料の移転も大編ですね
かなりカットされるのかな・・・
残してほしい資料ですね・・
私などはその日の出来事などですべ記事はて没としますが、・・・ぜひとも没にならないようお考え下さい
移転先決まりましたら、お知らせください・・
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ブログの引っ越し (tora)
2025-05-11 10:41:39
鮎さま いつもご訪問いただきありがとうございます。また今回は嬉しいコメントありがとうございました

ブログの引っ越しの件ですが、アクセス数の記録を出来るだけ伸ばしたいので、ギリギリまでgooブログで書き続けようと思います。したがって、引っ越しは9月下旬ごろになると思います。
この件については、明日(12日)にアップするtoraブログでご説明しようと思っていますのでご覧くださいね
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