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クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ベートーヴェン+テレマン+ドヴォルザーク~今期最後の新日本フィル室内楽シリーズを聴く

2014年07月31日 07時01分10秒 | 日記

31日(木)。信じられないことに、7月も今日で終わりです。暑い暑いと言っていたのに、これからが夏本番の猛暑なのですね 誰だよ、今年の夏は冷夏になるって言ってた奴は

 

  閑話休題  

 

昨夕、すみだトリフォ二―ホール(小)で新日本フィルの今期最後の室内楽シリーズを聴きました プログラムは①ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第8番”ラズモフスキー第2番”」、②テレマン「4つのヴァイオリンのための協奏曲ト長調」、③同「同ニ長調」、④ドヴォルザーク「弦楽五重奏曲第2番」です

 

          

 

いつものように、公演前にコントラバス奏者の村松裕子さんのプレ・トークがありました 驚くべきことに、村松さんは弦楽四重奏曲などロクに聴いたことがなかったそうで、プレ・トークを担当するようになってしっかり聴くようになったとのこと 村松さんはこの日の演奏曲目を解説してくれましたが、3曲目のドヴォルザークの解説の時、「ドヴォルザークは列車が大好きで、例えば交響曲第9番”新世界より”の第4楽章の冒頭部分なんかは汽車が走り出すところのように聴こえませんか?」と言って、メロディーを口ずさみました たしかに汽車が走り出す時の様子が目に浮かびます この日は今シーズン最後の室内楽コンサートですが、次年度は10月スタートと思いきや来年4月スタートだそうです。ずい分間が空きますね

1曲目のベートーヴェン「弦楽四重奏曲第8番ホ短調」は「ラズモフスキー第2番」と呼ばれています。1806年、ラズモフスキー伯爵に依頼されて作曲された3曲の弦楽四重奏曲のうち2番目の曲です 演奏は、第1ヴァイオリン=岸田晶子、第2ヴァイオリン=山恵子、ヴィオラ=木村恵子、チェロ=多田麗王というメンバーです。プログラムの解説によると「ベートーヴェンが弾きたい!」という若き岸田さんが他のメンバーを拝み倒して演奏に漕ぎつけたのが真相のようです 何という無謀な、もとい、何というチャレンジ精神に溢れた行為でしょうか 若きチャレンジャーとその仲間に拍手を送ります

2曲目はテレマンの「4本のヴァイオリンのための協奏曲ト長調」です。演奏は、第1ヴァイオリン=宗田勇司、第2ヴァイオリン=篠原英和、第3ヴァイオリン=澤田和慶、第4ヴァイオリン=深谷まりというメンバーです あとで明かされたことには、この役割分担は厳選なるくじ引きで決めたそうです

曲は主旋律を弾く主役が次々と交替していく”フーガ”で、曲想としてはほとんどヴィヴァルディに近いと思いました 親しみやすいメロディーで、流石はターヘルムジーク(食卓の音楽)をたくさん書いた作曲家だと思いました 演奏者はいかにも”仲良し4人組”といった感じで、見事なアンサンブルでした

次のニ長調の4本のヴァイオリン協奏曲も、ヴィヴァルディに近い曲想で、親しみやすいメロディーでした 第4楽章が終わった後の4人の「やったー あとは楽しい打ち上げだー」という開放感に満ちた顔が印象的でした 練習時間と反省会と称する飲み会と、どちらが長かったのでしょうか。真実を知るのは4人のみです

休憩後はドヴォルザークの「弦楽五重奏曲第2番ト長調」です。第1ヴァイオリン=チェ・ムンス、第2ヴァイオリン=中矢英視、ヴィオラ=原孝明、チェロ=弘田徹、コントラバス=渡邉玲雄というメンバーです

プログラムの曲目紹介欄にチェロの広田徹さんが的確なコメントを寄せています

「この曲が大好きな方がいらっしゃったらゴメンナサイ。『なるほど、普段あまり演奏されない訳だ』と思わせるくらい、ツマラナくて地味で土臭くて、それでいてアンサンブルがめちゃくちゃ難しい曲です。『いかに面白く聴かせられるか』というのが、聴きどころでしょうか

私はこういう正直なコメント大好きです

第1楽章から実に男っぽいというか、力強い演奏が展開されます 力づくでねじ伏せてやろうかと思わんばかりの迫力です。1曲目のベートーヴェンの演奏と比較すると、第1ヴァイオリンの実力の差が歴然としています。チェ氏はダテにコンマスをやっている訳ではありません そうかと思うと、第3楽章「ポコ・アンダンテ」では”男のロマンティシズム”とでも言うような音楽を語ります チェさんのほかに特にいいなと思ったのはヴィオラの原孝明さんとチェロの弘田徹さんです その弘田さんがプログラムのコメント通り『いかに面白く聴かせられるか』をやってくれました 第4楽章「フィナーレ」に入って間もなく、チェロから「ブチッ」という音が聞こえました。次の瞬間、演奏がストップしました そう、チェロの弦が切れたのです 他の4人はステージ上で凍り付いています。あとで聞いたら、舞台袖でも他のメンバーが凍り付いていたそうです。広田さんは舞台袖に引っ込み、楽器を直してから再び登場しましたが、その時、会場から拍手が起こりました 私も思いきり拍手しました。これだから生演奏は止められないのです 一期一会です。CDではこんな経験は出来ません。彼が戻って第4楽章を冒頭から演奏し直しましたが、それはそれは白熱した演奏でした

実は私も弘田さんが書かれていたように、この曲は「ツマラナくて地味で土臭い」と思っていたのですが、彼らの演奏で聴いてみたら、名曲に聴こえました こういうのは演奏が優れている証拠なのです。実にいい演奏でした

会場一杯の拍手に5人はアンコールを演奏しました。出だしで「ああ、モーツアルトのアイネ・クライネね」と思っていると、別の曲が混じってきて、そのうち”汽笛一声新橋の・・・”が出てきたり、終盤には”ほたるの光”が出てきたりと、昔「フックト・オン・バッハ」というバッハの有名な音楽がメドレーで出てくる音楽が流行りましたが、あんな感じの曲でした あとで掲示で確かめるとドイツ語らしき言語で「テディ・ベア作曲マック・モーツアルトのアイネ・クライネ・・・・ムーンライト・・・・ミュージック」とありました。どうも、どこぞの日本人が編曲した”冗談音楽”のようです だって、テディ・ベアの”汽笛一声新橋の~”ですよ、奥さん

演奏終了後、アフター・トークがあり、村松さんの前任者・篠原英和さんが再度登場しました 村松さんが「篠原さん、お顔が赤いのは照明のせいですよね。すでにゼロ次会を始めてしまったわけではありませんよね?」と仕掛けると、真赤なお顔のトナカイさん、もとい、篠原さんは「演奏が終わったら、もう飲まずにいられない・・・・」と本音を吐いていました 篠原さんは8年間もプレ・トークを担当されていたそうですが、村松さんが驚いていたのは「篠原さんは時計を持たずに、ぴったり15分間話をしていた」ということです 私が、それ以上に驚くのは「原稿をまったく見ないで人名、地名、年月日などを間違いなく紹介する天才的なトーク」です

その貴重な記録を、2012年8月と同10月のワンコイン・パーティーの席上、篠原さんからCDーROMの形で2枚いただきました いずれも篠原さんの名調子を聞くことが出来ます。この2枚は私の宝物です

 

          

          

          

                 

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読売日響のオール・チャイコフスキー・コンサートを聴く~フェスタサマ―ミューザ

2014年07月30日 07時05分54秒 | 日記

30日(水)。昨日、ミューザ川崎で読売日本交響楽団のコンサートを聴きました これは毎年夏、ミューザ川崎で開かれている「フェスタサマ―ミューザ」の一環として挙行されたコンサートです

開演40分前からプレ・コンサートがあったので自席で聴きました。フルート、オーボエ、ホルン、ファゴット、クラリネットの木管五重奏なのですが、最初にクラリネット奏者が曲目の解説をしてくれたのは良いのですが、早口と会場の残響時間との相乗効果で、何を言っているのかさっぱり分かりません 多分、プーランクか誰かフランスの作曲家による曲なのですが分かりません。コンサート・ホールでのトークは会場の残響時間を考慮に入れてゆっくりと話さなければならないことを理解してほしいと思います

もう一つ。曲が終わったので席を立ってロビーに出たのですが、何と2組目の演奏があったのです 弦楽合奏によるモーツアルト「ディヴェルティメントK.136」の第1楽章と第3楽章でした。また席に戻って聴こうかと思ったのですが、隣席の高齢者が足が不自由で、出たり入ったりすると迷惑がかかるので、ロビーのモニター・テレビを観て我慢しました こういうのも、あらかじめ「2曲演奏します」とひと言アナウンスしてくれていれば席に座って待っていられたのです プレ・コンサートとは言え、ちょっとした配慮が欲しいと思いました

 

この日も「ほぼ日刊サマーミューザ朝刊」が配られ、27日の東京シティ・フィルの演奏の模様が写真入りで紹介されていました

 

          

 

  閑話休題   

 

さて、本番はオール・チャイコフスキー・プログラムで①バレエ音楽「眠りの森の美女」からワルツ、②ヴァイオリン協奏曲ニ長調、③交響曲第6番ロ短調”悲愴”です。指揮はダレル・アン、②のヴァイオリン独奏は松山冴花です

 

          

 

自席は1C-7列16番、センターブロック左から3つ目の席です。会場はほぼ満席 オケのメンバーが配置に着きます。ほとんど顔が分かりません。弦楽器ではヴィオラの柳瀬省太、コントラバスの西澤誠治くらいしか分かりません。それにしても読響は相変わらず男性比率が非常に高いオケです

コンミスの日下紗矢子が登場します。彼女は今年4月から読響のコンミスに就任したばかりです 定期公演でなく、サマーフェスティバル公演に敢えて出演させたのは、読売日響、ひいては親会社である読売新聞社の、一般聴衆を定期会員に引き入れるための戦略なのでしょう

指揮者ダレル・アンはブザンソンやトスカニーニといった世界のコンクールで優勝したシンガポール生まれの若き俊英です 私の第一印象は”非常に落ち着いている”指揮者です

1曲目の「眠りの森の美女」のワルツは絢爛たる舞踏会が目に浮かぶような優雅な演奏です まずはダレル・アンと日下紗矢子のお披露目パフォーマンスといったところです

2曲目のヴァイオリン協奏曲は、9歳でニューヨークに渡り、ジュリアード音楽院で学んだ松山冴花が独奏を務めます。真赤なドレスで登場しました 私は何度か女性ヴァイオリニストでこの曲を聴いてきましたが、ほとんどが「赤い」衣装で演奏していたように記憶しています。たしかに、この曲全体のイメージは”情熱の赤”が最も相応しい色と言えます

ダレル・アンのサポートで第1楽章がゆったりと奏でられます。松山冴花は目をパッチリ開けて、自分の出した音の行方を見届けるようにしっかり前を見て演奏します 第1楽章終了後、フライングの拍手が起こりました まあ無理もありません。白熱の演奏でしたから。第2楽章のカンツォネッタではたっぷりと美しい”歌”を聴かせ、第3楽章では息もつかせぬアレグロで駆け抜けました。しかし、全体的な印象としては”静かな情熱を湛えた演奏”とでも言うべきものでした

演奏後、松山は会場後方に向けてウィンクをしましたが、その先には誰がいたのでしょうか

 

          

 

休憩後は交響曲第6番”悲愴”です。総合プログラムに首席ファゴット奏者の吉田将さんが「ファゴット吹きには”悲愴”は暗くて気分を引きずる」といったことを書いていますが、第1楽章序盤、第4楽章では、まさに「今にも死にそうな暗いメロディー」が楽章全体を覆います

この曲を聴いていて、いつも心配になることがあります。それは第3楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」が終了した直後、曲が終わったと勘違いした聴衆が大拍手を浴びせて、演奏者の緊張感を弛緩させないかということです そこは世界の指揮者コンクールを制覇してきたダレル・アンです。第3楽章がフォルティッシモで終わっても、両手を下ろしません。そのまま、間をとって第4楽章につなげます。これで緊張感が途切れることなく、本来の”悲愴”な曲想に戻ります

それにしても第3楽章の”勇ましい行進曲”と第4楽章の”今にも死にそうな重苦しさ”との落差はどうでしょうか きっと、37歳で教え子と結婚したものの、すぐに結婚生活が破たんしてしまったことと関係があるのではないかと思います

ダレル・アンの指揮はスタイリッシュで無駄がなく、しかも終始落ち着いており、年齢の割には自分のスタイルが”出来上がっている”ように思いました

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ポール・アダム著「ヴァイオリン職人の探究と推理」を読む

2014年07月29日 07時00分37秒 | 日記

29日(火)。コンサートホール入り口で配布されたコンサート・チラシの中から手頃な料金の公演を選んでみました 1枚目は8月16日(土)午後5時半からサントリーホール(ブルーローズ)で開かれる「YEKアンサンブルアカデミー特別演奏会東京公演」です YEKとはヤング・アンサンブル・軽井沢のことだそうです。ヴァイオリンの吉田恭子、ダニエル・ゲーデ、ヴィオラの鈴木康治などがショスタコーヴィチ「ピアノ五重奏曲ト短調」を演奏します。全席指定2,500円は安い 問い合わせは☎03-6418-1008・YEK実行委員会まで

 

          

 

2枚目は9月26日(金)午後7時からヤマハホールで開かれる「ライジング・アーティスト・コンサート」です このコンサートは日本音楽コンクールや東京音楽コンクールなどで入賞したアーティストを集めて、モーツアルト「オーボエ四重奏曲」や「クラリネット五重奏曲」等を演奏する意欲的な公演です 出演は、オーボエ=荒川文吉、クラリネット=コハーン・イシュトヴァーン、ヴァイオリン=石亀協子、ヴィオラ=鈴木康治ほか。入場料は全席指定2,000円、チケットぴあでも扱っています

 

          

 

3枚目は10月12日(日)午後3時から東京藝大奏楽堂で開かれる「異国のバッハ~フランス編」です バッハの幻想曲やフランス風序曲などが演奏されるほか、ラモーのカンタータ「オルフェオ」が野々下由香里のソプラノで歌われます 入場料は全自由席2,000円、チケットぴあでも扱っています

 

          

 

4枚目は東京文化会館小ホールで開催されるモーニングコンサートです。東京音楽コンクールの入賞者によるコンサートで、12月12日(金)は黒岩航紀(ピアノ)がショパン「幻想ポロネーズ」等を、来年1月14日(水)は篠原悠那(ヴァイオリン)がラヴェル「ツィガーヌ」他を、2月18日(水)は多久和怜子(フルート)がモーツアルトの「ロンド・ニ長調」他を、3月3日(火)は嘉目真木子(ソプラノ)がプッチーニ「ジャン二・スキッキ」より「私のお父さん」他を歌います 現在、上野の東京文化会館は改装工事中ですが、このコンサート・シリーズが始まる頃にはリニューアル・オープンしているということですね 入場料は全席自由で500円。ローソンチケットとイープラスでも扱っています

 

          

 

  閑話休題  

 

ポール・アダム著「ヴァイオリン職人の探究と推理」(創元社推理文庫)を読み終わりました ポール・アダムは1958年イギリス生まれ。1993年に文壇デビューしました

 

          

 

ジャン二はストラディヴァリの生まれたイタリアのクレモナに住むヴァイオリン職人 ある夜、同業者で親友のトマソが何者かに殺されてしまう。トマソはその前の週にイギリスに”メシアの姉妹”と呼ばれるヴァイオリンを探しに行っていた。それこそ、1千万ドルを超える価値のある幻のヴァイオリンだった ジャン二は友人で刑事のグァスタフェステに協力して事件の真相を探り始める。その過程でヴァイオリン・ディーラーが殺される 果たしてこの2つの事件はどうつながっているのか。トマソが探していた叶わなかった”メシアの姉妹”をジャン二は発見できるのか

ヴァイオリンをテーマにした作品だけに、名曲を演奏するシーンも描かれています 3回の個所に出てくるのはJ.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004」です。最初はジャン二が亡き友トマソを偲んで演奏する次のシーンです

「朝食の後、わたしはすぐ自分のヴァイオリンのところへ行き、そのときの暗い気分にいちばん合いそうな曲に取り組んだーーパルティータ・ニ短調のシャコンヌは、バッハが愛する妻マリア・バルバラを悼む作品として書いたものだ バッハは長く家をあけたあと帰宅して、彼女が亡くなっていたばかりか、すでに埋葬されていたことを知ったのだった。バッハの嘆きは耐え難いものだったに違いなく、シャコンヌは彼の悲嘆の苦しみで貫かれている

もう一つは亡きトマソの孫娘ソフィアがヴァイオリン・リサイタルで演奏するシーンです

「彼女が最後のシャコンヌを弾き始めたときーー今回の演目全体で、ヴァイオリンのために書かれたものとしては最も素晴らしい曲だろうーー私は自分の肌が発疹のように粟立つのを感じ、聴衆の中で同じように感じていない人はただの一人もいないとはっきり知った。目に涙が湧いてきた。この曲は私の人生の大切な一部だった

最後は、ソフィアがジャン二からプレゼントされたヴァイオリンの名器”デル・ジェス”を弾くシーンです

「私は椅子に掛けて目をつぶった。最初の一音から、彼らがお互いのためにつくられたことがわかった・・・・私が”デル・ジェス”を聴いているいま、聞こえるのは天使の声ではなく、神そのものの声だった

音楽の知識のない人にも十分楽しめるミステリーとしてお薦めします

作者のポール・アダムという人はよほどバッハの”シャコンヌ”がお気に入りのようですね 私の愛聴盤はヒラリー・ハーンのデビューCDです。晴れわたる青空のように清々しいバッハです

 

          

 

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宮本文昭+東京シティ・フィルのコンサートを聴く~フェスタサマ―ミューザ

2014年07月28日 07時00分28秒 | 日記

28日(月)。昨日午前、今住んでいるマンションの管理組合の新役員初の理事会が開かれ、役職を決定しました。互選の結果、私が理事長に選出されました。何度目の理事長か自分でも思い出せません。役員の任期は2年ですが、取りあえず理事長の役職は1年だけという条件で引き受けました 元職場のOB会の代表幹事に次いでの重責ですが、現在住んでいるマンションのことなので自分自身のこととして引き受けることにしました 元職場のOB会は、年寄りのわがまま集団なので、来年の定時総会をもって代表幹事を降りることに決めました

 

  閑話休題  

 

理事会が終わったその足で、酷暑の中、わざわざ川崎までコンサートを聴きに行く人の気が知れませんと言うわけで、午後2時からミューザ川崎で東京シティ・フィルのコンサートを聴きました これは毎年夏に開かれている「フェスタサマ―ミューザ」の一環として開かれたコンサートです。プログラムは①ムソルグスキー「組曲”展覧会の絵”」、②モーツアルト「フルート協奏曲第2番」、③ラヴェル「ボレロ」です。指揮は宮本文昭、②のフルート独奏はサラ・ルヴィオンです

 

          

 

会場に入る時、前日と同じように「ほぼ日刊サマーミューザ朝刊」が配布されました もう前日の東響のコンサート(スダーンとゲリンガスの協演)の模様が写真入りで紹介されていました。さすがです

 

          

 

自席は1C10列15番、センターブロック左から2つ目の席です。会場は9割方埋まっている感じです オケのメンバーが登場して配置に着きますが、コンマスは、よく見るとN響のコンマス・山口裕之さんではないですか まさか、N響を辞めて東京シティフィルのコンマスに転職したのかな?あるいはこの日だけ客員コンマスとして呼ばれたのかな?・・・・・と思案しましたが、後で調べたらN響は昨年11月に定年退職したとのこと。ちっとも知りませんでした

指揮者の宮本文昭がいつものように指揮棒を持たずに登場します。衣装が凝っています 黒を基調としてはいますが、フラミンゴのような模様の派手っちいドレス・シャツで、一人だけ浮いています。まあ、これが彼のキャラクターなのですが・・・・・

さっそく1曲目のムソルグスキー作曲・ラヴェル編曲「展覧会の絵」が始まります。「プロムナード」から「小人」、「古城」へと続きますが、聴きどころと言うか、見どころだったのは「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」のトランペット奏者の熱演です 顔を真っ赤にしてトランペットで「お代官様、それだけはお許しくだせえまし」と叫んでいるようで、聴いている方は「お手並み拝見」と楽しみましたが、吹いている方は「地獄の黙示録」だったに違いありません 獅子奮闘の活躍でした。最後の「バーバ・ヤーガ」から「キエフの大門」はいつ聴いても興奮しますね こういう曲はCDで聴いていたのでは曲の魅力が伝わりません。生演奏ならではの迫力です

休憩後の最初はモーツアルトの「フルート協奏曲第2番ニ長調K.314」です。フルートのソロはフランクフルト歌劇場管弦楽団の首席フルーティスト、サラ・ルヴィオンです 私は女性のソリストの時は、ステージに姿を現す前に何色のドレスで登場するか予想を立てるのですが、彼女については「赤」系統の色を予想しました。見事予想は当たり、彼女は鮮やかなローズ・レッドの衣装で登場しました

「フルート協奏曲K.314」は私にとって特別な曲です。というのは、私がクラシック音楽を聴くきっかけとなった曲だからです 当時大学生だった私は、ラジカセに録音した森正指揮N響によるこの曲を録音して繰り返し聴きました。ソリストはN響首席の宮本明恭さんでした

宮本文昭の合図で第1楽章が始まります。軽快なテンポです。サラ・ルヴィオンのフルートが入ってきます。何度聴いても素晴らしい曲です サラの奏でる音楽がミューザの天井まで届いていきます。各楽章のカデンツァも美しいフルートの音色が生かされた見事な演奏でした こういう演奏を聴くと、生きてモーツアルトが聴ける幸せを感じます

会場一杯の拍手に、フランス人の彼女はアンコール曲にドビュッシーの「シランクス」を選びました 美しくふくよかなフルートの音色が会場の隅々まで響き渡りました

ここで小編成のオケの配置から大編成の配置へと舞台の模様替えがあります。最後の曲はラヴェルの「ボレロ」です 面白いのは小太鼓が2つ舞台中央に配置されたことです。何となく、ボレロと言えば一つの小太鼓が最初から最後まで叩き続けると思われがちですが、終盤ではもう一つ加わり迫力を増すのです

さて、演奏は小太鼓と弦のピチカートに乗って、フルート、クラリネット、ファゴット・・・・と次々と楽器が入れ替わり立ち代り同じリズム、同じメロディーを奏でていきます そしてだんだん楽器の数が増えていき、だんだん速度が増していき、最後はどんでん返しで曲を閉じます。これほど単純な音楽なのに、演奏する側も聴く側もどんどん興奮状態に引きこまれていきます。まさにラヴェルのかけた魔法です

演奏後は会場一杯の拍手に、宮本はソロを受け持った管楽器を一人一人立たせ拍手を求め、さらに弦楽器もセクションごとに立たせました。前半の「展覧会の絵」の時もそうだったのですが、こうした”セレモニー”をあまりしつこくやるとダレてきます 常任指揮者としては、楽員を引き立てたいという気持ちが強く働くのは分かるのですが、何ごとも「過ぎたるは及ばざるがごとし」だと思います

会場を後にして川崎駅に向かう途中の「ミューザデッキ」を歩いていると、天井からモーツアルトの交響曲第39番K.543の第3楽章「メヌエット」の快活なメロディーが流れてきました 以前聴いた時は現代楽器による現代の演奏スタイルだったのですが、この日聴いたのは古楽器による演奏スタイルでした 大好きなモーツアルトの中でも、最も好きな曲の一つです

 

          

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スダーン+東響のベルリオーズ「幻想交響曲」を聴く~フェスタ・サマーミューザ始まる

2014年07月27日 08時07分41秒 | 日記

27日(日)。昨日、酷暑の中、川崎まで出かけ、ミューザ川崎で東京交響楽団のコンサートを聴きました毎年夏にミューザ川崎が主催している「フェスタ・サマーミューザ2014」のオープニング・コンサートです プログラムは①ベルリオーズ「ローマの謝肉祭」序曲、②シューマン「チェロ協奏曲」、③サン=サーンス「交響曲第3番」で、指揮はユベール・スダ―ン、②のチェロ独奏はダーヴィド・ゲリンガスです

 

          

 

入場時に配られた総合プログラムには、この日の午前11時にスタートしたサマーフェスタのオープニング・ファンファーレの様子が写真入りで紹介された「ほぼ日刊サマーミューザ朝刊」が挟み込まれていました。なかなかやりますね

 

          

 

自席は1C6列36番、1階右ブロック前から3列目の左から3つ入った席です。会場は9割方埋まっている感じです オケのメンバーが登場しますが、いつもは黒一色なのに全員が上は白で統一しています サマーフェスティバルなので夏服なのでしょう。コンマスはグレヴ・ニキティンです

スダーンが登場して1曲目のベルリオーズ「序曲”ローマの謝肉祭”」が始まります。いつものようにスダーンはタクトを持ちません。両手で指揮をします 「フェスタ」(つまりフェスティバル)のオープニングを飾る曲として最も相応しい曲でしょう 冒頭、賑やかな謝肉祭の喧騒のあと、コーラングレが美しいメロディーを吹きます。これがほれぼれする良い演奏でした

2曲目はシューマン「チェロ協奏曲イ短調」です。ソリストのゲリンガスがスダーンとともに登場します。ゲリンガスは今月19日にヴィオッティ指揮東響でドヴォルザークの「チェロ協奏曲」を聴いたばかりです この曲はシューマン晩年の作品(1850年)で、全3楽章から成りますが、間を置かず続けて演奏されます

まさにロマン派の協奏曲といった感じの曲を、ロストロポーヴィチに師事したゲリンガスは朗々と演奏します 先日のドヴォ・コンもそうだったのですが、ゲリンガスの演奏は物語を語っているように聞こえます。それが他のチェリストと違う点かも知れません

ゲリンガスはアンコールに、19日の時と同じ曲を演奏しました。最初にココリアーノ「ファンシー・オン・バッハ」とバッハ「無伴奏チェロ組曲第1番」から第1曲「プレリュード」を続けて演奏し、次にヴァスクスの「”本”より第2曲」を演奏しました。特に最後の曲はチェロの高音部を使った繊細な曲で、ゲリンガスは演奏しながらメロディーを口ずさみ、さながら一編の物語を聴いているような気持ちになりました

休憩後は本日のメーン・ディッシュ、サン=サーンス「交響曲第3番ハ短調”オルガン付き”」です 全2楽章(4部)という構成の曲です。全曲を通じてパイプオルガンが華々しい活躍をします イメージとしてはスペインにある、アント二オ・ガウディの未完の教会サクラダ・ファミリアのような威厳のある曲です スダーンは東響から色彩感溢れる響きを引き出し、華々しいフィナーレを飾りました

スダーンは会場一杯の拍手とブラボーに何度もステージに呼び戻されましたが、途中、第2ヴァイオリンの女性奏者の所に行って、手を取り祝福していました 彼女は今月いっぱいで東響を定年退職することになっています。こういうところはスダーンらしい優しさです 10年間の音楽監督の期間の間に、何度かこのようなシーンを見ました。いつまでも止まない拍手は、この日の熱演に対するものであるとともに、こうしたスダーンの人間的な魅力に対して向けられたものでもあると思います

 

          

 

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ヤルヴィ+ドイツ・カンマーフィル、前橋汀子カルテット他のチケットを買う

2014年07月26日 07時28分36秒 | 日記

26日(土)。昨夕、元の職場(社団法人)の職員OB会があり出席しました。私は幹事なので司会をやりましたが、今回、元職場事務局主催の懇親会が、経費節減の折から中止となったことから、事務局責任者への批判の矛先が私に向けられました。私は今の勤務先の仕事の合間に無報酬でOB会の会計処理をはじめとする”お仕事”をやらされている立ち場にありますが、なぜ私がその批判を受けなければならないのか、意味不明・理解不能です。「事務局責任者を今ここに呼んで、説明させろ。幹事はそういう要請をしたのか」とさえ言われました。幹事団は本来主催者であるべき事務局に2回ほど、出席のうえ挨拶してほしい旨依頼したのに、誰も出席しなかったからです。そういう批判が他の議事を含めて1時間も続き、「この暑い中、わざわざ出て来たのに水の一杯、お茶の一杯も出ないのか」という批判も出ました。例年30分以内で会議が終わっているので何にも用意していなかった当方にも落ちがありましたが、要するに懇親会が無くなった腹いせに、一言言いたい人たちが集まってきて、幹事を餌に言いたい放題言って意気揚々と引き上げていったのが実態でした。普通の感覚だったら、「巨人の星」の星飛雄馬の父・一徹のように”ちゃぶ台をひっくり返して”「そこまで言うんなら、あんたが幹事やれよ」と逆切れするところですが、不幸なことにその会議で幹事1年継続が決まってしまったので、少なくともあと1年は幹事として残り、今まで通り会計処理やら雑務をこなさなければなりません。時期をみて何らかの落とし前をつけさせてもらおうと思っています。

 

  閑話休題  

 

チケットを4枚買いました 1枚目と2枚目は11月1日と2日によみうり大手町ホールで開かれる「モーツアルトハウス・ウィーン イン ジャパン2014」公演です。2日間とも第1部と第2部から成りますが、私は両日とも後半のプログラムを選びました

1日(土)午後4時からの公演は、三浦文彰と菊池洋子がモーツアルトの「ヴァイオリン・ソナタ第25番」他を演奏します 2日(日)午後3位からの公演は「ガラ・コンサート」で、ペーター・シュミ―ドル(クラリネット)、菊地洋子ほかが、モーツアルトの「クラリネット五重奏曲」、「ピアノ四重奏曲第1番」他を演奏します

 

          

 

3枚目は11月21日(金)よみうり大手町ホールで開かれる「前橋汀子カルテット」演奏会です オール・ベートーヴェン・プログラムで①弦楽四重奏曲第4番ハ短調」、②同「第8番ホ短調”ラズモフスキー第2番”」、③同「第16番ヘ長調」です 演奏は、ヴァイオリン=前橋汀子、久保田巧、ヴィオラ=川本嘉子、チェロ=原田禎夫です

 

          

 

4枚目は12月10日(水)午後7時から東京オペラシティコンサートホールで開かれるドイツ・カンマー・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートです プログラムは①ブラームス「ピアノ協奏曲第1番ニ短調」、②同「交響曲第1番ハ短調」で、指揮はパーヴォ・ヤルヴィ、①のピアノ独奏はラルス・フォークトです

これで今年は何回コンサートを聴きに行くことになるんだろうか

 

          

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指揮者列伝『山田一雄と渡邉暁雄』に思うこと~”動”の山田 対 ”静”の渡邉

2014年07月25日 07時01分23秒 | 日記

25日(金)。日経夕刊に連載中の音楽ジャーナリスト岩野裕一氏の「日本指揮者列伝」が昨夕第4回目を迎えました 今回取り上げられたのは山田一雄氏と渡邉暁雄氏の二人です。山田一雄氏と言えばマーラーの「交響曲第2番”復活”」や「交響曲第8番”千人の交響曲”」、ストラヴィンスキーの「春の祭典」など、近代の先進的な音楽を日響(後のN響)とともに初演したことで知られています 私は一度と限らず彼の指揮を見たことがありますが、指揮台の上で踊っていました 元祖『踊る指揮者』と言っても間違いではないでしょう 白髪でゲジゲジ眉毛がトレードマークのような人で、小柄ながらエネルギッシュに指揮をしていました

 

          

 

一方、渡邉暁雄氏は、山田一雄氏より7つ年下でしたが、フィンランド人の母と日本人の父との間に生まれた人です 1956年に日本フィルの常任指揮者に就任し、シベリウスのスペシャリストとして活躍しました。私は元の職場の新人時代に、彼の実兄・渡邉忠恕(ちゅうじょ)さんと仕事をご一緒したことがあります。彼は同盟通信(後の共同通信社)などで国際的に活躍された後、日本新聞協会の欧米代表、顧問を務められました 当時国際部に所属していた私にも声がかかり、何度かコンサートをご一緒しました 残念ながら実弟・渡邉暁雄さんの指揮するコンサートを一緒に聴くことはありませんでした

 

          

 

山田一雄氏と渡邉暁雄氏、お二人の指揮を一言で言い表せば、山田一雄氏の「がむしゃらで情熱的な指揮」に対し、渡邉暁雄氏の「高潔で冷静な指揮」といったところでしょうか 「動の山田 対 静の渡邉」と言えるかもしれません

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歌野晶午著「そして名探偵は生まれた」を読む~「葉桜の季節に~」を超えられるか?

2014年07月24日 07時00分38秒 | 日記

24日(木)。22日の日経夕刊に「中国、倹約へ海外演奏制限~著名ホールは禁止、まずウィーン」という記事が載っていました 記事を超約すると

「中国文化省は中国の芸術団体が公金を使って海外の著名な音楽ホールで公演することを原則禁止した。さっそくウィーン楽友協会『黄金のホール』(ウィーン・フィルの本拠地)で7月29日に予定されていた『中国の生徒・合唱団によるコンサート』が中止となった 『黄金のホール』は1回につき2万~3万ユーロ(約275万円~410万円)で借りることが出来、人民日報によると昨年だけでも130を超える中国の団体がステージで演奏した 料金さえ払えば芸術レベルは問われず、中国メディアは『黄金のカラオケホールと化した』と批判していた。中国では地方政府が芸術分野の実績づくりのため、管内の芸術団体が海外の著名ホールで公演することを奨励し、資金を出すこともある 文化省の副局長は『200万~300万元(3300万~5000万円)の大金をかけて文化交流の”成果”を得ようとするのでは納税者に対し筋が立たない。中国の芸術的尊厳も損なう』と批判した

この記事を読んで心の底から驚いたのは、「昨年だけでも130以上の中国の団体が、ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートの会場としても有名なウィーン楽友協会の黄金のホールで演奏した」という事実です 年間130回と言えば1年の3分の1強ですよ、奥さんもう一つ驚いたのは文化庁の副局長の「中国の芸術的尊厳も損なう」という発言です。芸術的尊厳って、どこにあるんでしょうか

中国と言えば、中国食肉加工会社「上海福喜食品」が、使用期限を半月過ぎた鶏肉やカビが生えた牛肉を使っていたというニュースが茶の間の話題をさらっています 日本マクドナルドやファミリーマートはこの会社から食材を調達していたことから、チキンナゲット等の販売を中止をせざるを得なくなりました テレビで、同社の従業員が床に落ちたひき肉を拾って元に戻すシーンや、従業員の「これを食べたって死にはしないよ」という発言を放映していましたが、あんな不衛生な処理を日常的にやっているかと思うと、”中国”というだけで食べる気がしなくなります 中国では「あれは一部の特定の業者がやっているに過ぎない」と言うかもしれませんが、人々はそうは見ません。「一事が万事」です この問題に対する中国人へのインタビューの答えが印象的です

「中国で食品の使用期限が切れているとか、うるさく言ったら、中国では食べる物が何もなくなってしまうよ」

それならそれで、そういう不衛生な食品はすべて中国の国内で消費して、他国へ輸出しないで欲しいと思います かつて日本が遣唐使や遣隋使を派遣して師と仰ぎ、文化を輸入してきた”文化大国”中国はいったいどこへ行くのでしょうか

 

  閑話休題  

 

歌野晶午著「そして名探偵は生まれた」(祥伝社ミステリー)を読み終わりました 歌野晶午は1961年、千葉県生まれ。東京農大卒。2003年「葉桜の季節に君を想うということ」が「このミステリがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」の第1位になり、日本推理作家協会賞を受賞しました この作品に”してやられた”ため、「春から夏、やがて冬」を読み、そして「そして名探偵は生まれた」を読むに至ったわけです

 

          

 

この本には表題作のほか、「生存者、1名」「館という名の楽園で」「夏の雪、冬のサンバ」の全4作品が収録されています

「そして名探偵は生まれた」は、「雪の降る夜、外には足跡一つなく、現場は密室」という典型的な”密室殺人事件”の解明に当たる探偵・影浦と、弟子の武邑の活躍が描かれていますが、金にならない事件は引き受けない影浦に代わり武邑が事件の真相に迫り、名探偵が生まれる、という話です

「生存者、1名」は、無人島の中で起こる”孤島ミステリー”です。新興宗教団体の信者6名がクルーザーで鹿児島の沖合いの無人島に上陸する。彼らは都内で爆弾テロを起こした実行犯4人と幹部2人だった 事件のほとぼりが冷める頃、海外へ逃亡するというシナリオだったが、結果として裏切られ、島から脱出できなくなってしまう 残り少なくなっていく食糧を巡り、一人一人が殺されていく。いったい誰が犯人か? 全員が死んだはず、と思っていると生存者が1人だけいた。それは誰か。意外な結果に唖然とする

「館という名の楽園で」は、探偵小説好きが嵩じて「探偵小説に出てくるような館(やかた)に住みたい」という夢を実現させた男が、大学時代の探偵小説研究会の仲間4人を招いて、その館を舞台に推理ゲームを展開するというものです 犯人役、被害者役、探偵役に分かれてゲームが始まります。読者としては、ゲームと言いながら本当に殺人が起きるのではないか、などと推理するのですが、ゲームはゲームで何も起こりません が、最後にどんでん返しが待っていて、意外な人物が死ぬことになります。また、この小説では館の中の各部屋の名前のイニシャルがトリックの材料にされていますが、アルファベットだからこそ可能だったことは否定できません

「夏の雪、冬のサンバ」は”密室殺人事件”です。この作品でも巧妙なトリックが施されていますが、ちょっとムリがあるのではないか、と率直に思います

「葉桜の季節に君を想うということ」を超えるのは相当難しいようですね

 

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三ツ橋敬子+菊池洋子のモーツアルト「ピアノ協奏曲第26番」ほかのチケットを買う

2014年07月23日 07時00分26秒 | 日記

23日(水)。昨夕、当ビルのテナントS新聞社の若手2人を交えて6人で地下のRで飲みました 生ビールを2杯飲んでから日本酒を飲み続けました 覚えていない間に1升を空けていた・・・談志一升の不覚とか言っちゃって 

ところで、昨日の朝日朝刊「文化欄」に日本文学者のドナルド・キーンさんのインタビュー記事が載っていました キ―ンさんは今春、米国を3週間旅をして、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)ではオペラを3度観たそうです

「一番印象に残っているのはロッシーニ『ラ・チェネレントラ』で、名テノールのフローレスが病気で代役になったが、代役のメキシコ人歌手が歌い終えるとアンコールが起こった 日本に戻り、映画館で「METライブビューイング」の『ラ・チェネレントラ』を観たら、休んでいたフローレスが歌っていた。歌手が変わるとまた違いがあって面白い。繰り返し見れば細かな演出の違いがわかり、楽しくなるそれは歌舞伎と同じだろう

キーンさんは、われわれクラシック音楽ファンの心情を代弁してくれています われわれは何故、先日聴いたばかりの曲なのにまたコンサート会場に足を運ぶのでしょうか?それは指揮者が違い、あるいはオーケストラが違うからです 同じ曲の同じスコアをどのように解釈して演奏するのかに興味を持って聴きに行くのです 歌舞伎もそうでしょう。歌舞伎は”型”が決まっています。それを、贔屓の役者がどう演ずるのかを楽しみに観に行くのです

キーンさんは北区にお住まいです。北区のどの辺りか知りませんが、隣の豊島区に住んでいる住人として親近感があります

 

  閑話休題  

 

チケットを4枚買いました 1枚は9月28日(日)午後2時30分からサントリーホールで開かれる日本フィルの第362回名曲コンサートです。プログラムは①ロッシーニ「歌劇”セヴィリアの理髪師”序曲」、②モーツアルト「ピアノ協奏曲第26番”戴冠式”」、③プッチーニ「歌劇”マノン・レスコ―”より第3幕への間奏曲、④レスピーギ「交響詩”ローマの松”」で、指揮は三ツ橋敬子、②のピアノ独奏は菊池洋子です

 

          

 

2枚目は11月6日(木)午後7時から紀尾井ホールで開かれる「ドイツ・ロマン派ピアノ音楽の諸相2014」です プログラムは①メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第6番ヘ短調」、②シューベルト「弦楽四重奏曲第12番ハ短調”四重奏断章”」、③ブラームス「ピアノ五重奏曲ヘ短調」で、ピアノ独奏=ペーター・レーゼルとゲヴァントハウス弦楽四重奏団による演奏です これは何と言ってもメンデルスゾーンの曲が聴けるのと、出演者が良いので選びました

 

          

 

3枚目は11月14日(金)午後7時から東京オペラシティコンサートホールで開かれる「ユリアンナ・アヴデーエワ・ピアノリサイタル」です アヴデ―エワはマルタ・アルゲリッチ以来のショパン・コンクール女性優勝者(2010年)です プログラムは①モーツアルト「ピアノ・ソナタ第6番K.284」、②リスト/ヴェルディ「アイーダより神前の踊りと終幕の二重唱」、③リスト「巡礼の年第2年『イタリア』からダンテを読んで」、④ショパン「24の前奏曲」です どれもが魅力的な選曲ですが、特に期待するのはショパンです

 

          

 

4枚目は11月16日(日)午後3時からミューザ川崎で開かれる「第5回音楽大学オーケストラ・フェスティバル」です 大勝秀也指揮昭和音楽大学でブラームス「交響曲第2番」が、尾高忠明指揮東京藝大オーケストラがチャイコフスキー「交響曲第5番」を演奏します 本当は他の音大のコンサートも聴きたいのですが、すでにコンサートの予定が入っていて聴きに行けないのが残念です いつもこのtoraブログで書いているように、学生オーケストラをバカにしてはいけません。何の”しがらみ”もないだけに彼らは純粋で真剣です。それに入場料1,000円だし

 

          

 

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インバル+都響でマーラー「交響曲第10番」を聴く~都響スペシャル

2014年07月22日 07時00分50秒 | 日記

22日(火)。昨日、サントリーホールで東京都交響楽団の「都響スペシャル」コンサートを聴きました プログラムはマーラー「交響曲第10番嬰ヘ長調」1曲で、指揮はエリアフ・インバルです

この曲はマーラーの中でも滅多に聴く機会がないので、あらかじめサイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルのCDで予習し、全体の流れを把握しておきました

 

          

 

自席は2C9-36番、2階センター右ブロック後方の右から二つ入った席です。会場は9割方埋まっている感じです 定期公演ではなくインバルによるマーラーの「特別公演」であることからか、若い聴衆もかなり目立ちますが、圧倒的に男性比率が高いようです。これがブルックナーだったらもっと男性が多くなるでしょう

オケの態勢は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという配置です コンマスは四方恭子、その隣に矢部達哉が並び、ダブル・コンマス・シフトを採っています。都響の力の入れようが分かります

都響の桂冠指揮者エリアフ・インバルが登場、譜面台の大きな楽譜に向かいます。第1楽章「アダージョ」がヴィオラによって開始されます

 

          

 

マーラーは1911年に51歳を前に病没したため、交響曲第10番は未完のまま遺されました その草稿はとても全曲演奏できる状態ではなく、第1楽章のほとんどと、第3楽章の冒頭がかろうじて演奏可能な状態になっていたものの、他の楽章はほとんどが不完全な略式総譜のままでした 音楽学者デリック・クックは1960年、マーラー生誕100年を記念してこの曲の補完全曲版(一部欠落あり)を英国BBCで放送初演しましたが、1964年には欠落部も埋め通した補完全曲版が初演されました 指揮者のインバルは、この曲の演奏のリハーサルでオーケストレーションについてクックと話し合ったこともあり、クックによる補完全曲版によって演奏します プログラムの表記によると「デリック・クック補筆による、草稿に基づく演奏用ヴァージョン」によって演奏されます

第1楽章の途中、マーラーの置かれた悲劇的な立場を象徴するかのように、突然オケが咆哮します マーラーがこの曲を作曲し始めたのは1910年7月中旬ですが、7月末には妻アルマ・マーラーと建築家ヴァルター・グロピウスとの不倫関係が発覚し、マーラーは精神的に大きな打撃を蒙ったのです ケン・ラッセルの映画「マーラー」(1974年)では、湖の畔の作曲小屋が爆発炎上するシーンでその咆哮する音楽を流していました。あれは音と映像による見事な悲劇と絶望の象徴でした

第2楽章「スケルツォ」は、知らないで聴いていたらブルックナーと勘違いしそうな曲想です この楽章が終わると、インバルは一旦舞台袖に引き上げます。マーラーの指示があったとは思えませんが、おそらくマーラー自身により残されたスコアが多い第2楽章までと、かなり補完せざるを得なかった第3楽章以降とを峻別して演奏しようとしたのかも知れません

インバルが指揮台に戻り、第3楽章が開始されます。「少年の不思議な角笛」から引用された旋律がもとになっているだけに、曲の雰囲気が「交響曲第4番」に似ています。全体的にアイロニカルと言っても良いかもしれません

第4楽章「スケルツォ」で印象的なのは終結部の大太鼓の強打です。悲劇に止めを刺すかのようにズシンと重くのしかかります そして、続く第5楽章では、大太鼓が、もはや立ち直れないほどまで打撃を与えるかのように断続的に打ち鳴らされます 大太鼓はやや小柄な女性奏者が打っていますが、ここぞ、というタイミングでドン!、ドン!と重く響かせ、存在感抜群です

クライマックスでは第1楽章冒頭のヴィオラによるテーマが回帰されますが、後半は弦楽器の総力でクライマックスを築き、最後は静かに曲を閉じます

最後の音が消え、しばし”しじま”が訪れ、インバルのタクトが下ろされると、会場一杯の拍手 とブラボーが嵐のように沸き起こりました インバルは管楽器、打楽器、弦楽器と順に立たせて演奏を賞賛し、最後に譜面台の交響曲第10番のスコアに両手を置き、「マーラーの作品にこそ拍手を」と言わんばかりの表情を見せ、ステージを後にしました

この曲を聴きながら感じていたのは、この曲はマーラー自身の人生を描いているのではないか、ということでした ユダヤ人として生まれ、結婚などのためキリスト教に改宗、アルマとの結婚、長女マリア・アンナの誕生、そして死、妻アルマの裏切り、敗血症での死・・・・

インバルの指揮は、そのように思わせる解釈による演奏だったと思います やっぱり、インバルは『マーラー指揮者』と呼ぶに相応しい人だ、と強く思った演奏会でした

 

         

 

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