人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

川瀬賢太郎 ✕ 渡辺香津美 ✕ 神奈川フィル でロドリーゴ「アランフェス協奏曲」、ファリャ「三角帽子」第1組曲、第2組曲他を聴く~フェスタサマーミューザ

2019年07月31日 07時24分01秒 | 日記

31日(水)。早いもので今日で7月も終わりです 梅雨が明けて本格的な夏ですね。私は汗っかきなので夏は嫌いです

ということで、わが家に来てから今日で1582日目を迎え、トランプ米大統領が、自分に批判的な民主党の黒人議員の選挙区について、ツイッターで「人間は住みたくない」「ネズミだらけ」などとののしった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      ドブネズミみたいな男が大統領のアメリカには 住みたくない国民が多いかもね

 

         

 

昨日、夕食に大学時代の友人S君が送ってくれたサバを塩焼きにして、イカを醤油焼きをにしました あと生野菜サラダを作りました。サバもイカも新鮮ですごく美味しかったです S君ありがとう。持つべきものは友だちです

 

     

 

         

 

昨日、ミューザ川崎で神奈川フィルのコンサートを聴きました これは「フェスタサマーミューザ2019」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①ボッケリーニ(ベリオ編曲)「マドリードの夜警隊の行進」、②ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」、③シャブリエ:狂詩曲「スペイン」、④ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」第1組曲、第2組曲です 演奏は②のギター独奏=渡辺香津美、指揮=川瀬賢太郎です

 

     

 

午後3時からの本番に先立って、午前11時半から約1時間公開リハーサルが開かれました 前日と同じ3階センターブロックで聴きました。川瀬氏はTシャツ姿で、楽員もカジュアルスタイルです 最初にプログラム後半のファリャ「三角帽子」をさらって、その後、シャブリエとボッケリーニをさらいました アランフェス協奏曲はすでに最終リハ―サルが済んでいるのか、この時はやりませんでした

さて本番です。オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成、コンマスは崎谷直人です

1曲目はボッケリーニ(ベリオ編曲)「マドリードの夜警隊の行進」です この曲はルイジ・ボッケリーニ(1743-1805)が数多く書いた弦楽五重奏曲の一つ「作品30‐6」の第5楽章をルチアーノ・ベリオ(1925-2003)が管弦楽用に編曲したものです 私は初めてこの曲を聴きましたが、生き生きとしたリズムが心地よい音楽で、だんだん行進が近づいてきて、目の前を通り過ぎ、だんだん遠ざかっていく様子が管弦楽によって見事に描写されていました

ステージ上の模様替えが行われ、2曲目のロドリーゴ「アランフェス協奏曲」に備えます この曲はホアキン・ロドリーゴ(1901‐1999)が1939年にパリで作曲したギター協奏曲です 第1楽章「アレグロ・コン・スピリート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・ジェンティーレ」の3楽章なら成ります

ギター独奏の渡辺香津美氏はアコースティック・ギターで演奏し、ギター直結のアンプで音を増幅する形をとります 普通のギターとも エレキ・ギターとも違う形での演奏で、彼自身初の試みということで興味が湧きます

川瀬氏の指揮で演奏に入ります。最初にギターの音が出て来た時、正直言ってすごく違和感を覚えました 今まで聴いてきた「アランフェス協奏曲」は、ギターの前にマイクを置いてその音を増幅して聴かせる(したがってオケは控えめに演奏する)のですが、今回の演奏はギターとアンプをコードで繋げて、ストレートに音を増幅する形を取っているので、出てくる音はエレキ・ギターの音に限りなく透明に近いブルーなのです はっきり言って「アランフェス協奏曲」独特の繊細なニュアンスが生かされなくなってしまったような気がします この違和感は、例えて見ればソプラノ歌手がマイクを使ってオペラのアリアを歌っているような違和感です 「これ、ミュージカルじゃん」といった感じです。さらに言えば、70年代にカラヤンがベルリン・フィルを振って普門館でリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語り」を演奏した時、普門館にはパイプオルガンがないので、カラヤンはどうしたかと言うと、テクニクスの電子オルガンを鳴らしたのです 私は叫びたかった。「金返せ」と。その時の違和感と同じです 今回の演奏はソリストもオケも、演奏そのものは素晴らしいものがありましたが、肝心のソロ楽器の使用方法に問題があると思わざるを得ませんでした

 

     


プログラム後半の1曲目はシャブリエ:狂詩曲「スペイン」です この曲はエマニュエル・シャブリエ(1841-1894)が1882年秋にスペインを旅行した時の印象をもとに作曲した管弦楽曲です

コンマスが”歩く気障男” 石田組長に代わります   在京オケ(神奈川フィルを含む)の中で最もアクの強いコンマスと言っても過言ではないでしょう

川瀬氏のタクトで演奏が開始されますが、短い演奏時間の中で これほどスペインを強く感じさせる曲も少ないと思います 一度聴いたら忘れられないメロディーに溢れ、太陽が燦燦と輝くスペインを思い浮かべます 鮮やかな演奏でした

最後はファリャ:バレエ音楽「三角帽子」第1組曲と第2組曲です 「三角帽子」はマヌエル・デ・ファリャ(1876-1946)が1918~1919年に作曲し1919年にロンドンで初演されました 1916年から17年にかけて作曲したパントマイム「代官と粉屋の女房」をロシア・バレエのセルゲイ・ディアギレフの勧めにより改作した作品です 物語は、魅力的な粉屋の女房と、彼女に言い寄る代官、嫉妬深い亭主の繰り広げる喜劇です 「三角帽子」とは代官のかぶる帽子のことで、いわば権力の象徴を表しています

この曲は、ファンダンゴ、セギディーリャ、ホタなどスペイン特有のリズムの舞踊が次々と登場しますが、川瀬氏は元気いっぱいの指揮で、色彩感豊かに物語を紡いでいきました

満場の拍手にカーテンコールが繰り返され、舞台袖から走って登場した川瀬氏は、振り向きざまにタクトを振り上げ、ビゼー「カルメン」の「トレアドール」を勇ましく演奏、聴衆を興奮の坩堝に巻き込みました 演奏後、石田組長から何やら耳打ちされた川瀬氏は破顔一笑しましたが、組長はいったい何を囁いたのでしょうか

 

     

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アラン・ギルバート✕東京都交響楽団でレスピーギ「ローマの噴水」「ローマの松」「リュートのための古風な舞曲とアリア」、ヴォルフ「イタリア風セレナーデ」を聴く ~ フェスタサマーミューザ

2019年07月30日 07時22分39秒 | 日記

30日(火)。昨日午前、買い物からの帰り道、巣鴨地蔵通り商店街を歩いたのですが、商店街の入口近くで若い女性ばかり50メートルほどの行列が出来ていて、「何じゃこれ」と思いました 店から出て来た女性が手にしている大きめのプラスチック・カップを見て、どうやら今はやりの「タピオカドリンク」のショップがオープンしたことが分かりました 「おばあちゃんの原宿」と呼ばれて久しい地蔵通り商店街も、これを機に愛称を返上して「コギャルの巣鴨」になるのか、と一抹の不安と期待を覚えましたが、「この流行、いつまで続くことやら」とも思いました。取りあえず、彼女たちの背中に向かって「そのカップ、その辺に捨てんじゃねーぞ」と念力ビームを送りつけておきました

ということで、わが家に来てから今日で1581日目を迎え、北方領土返還に関して「戦争」に言及した丸山穂高衆院議員(日本維新の会から除名)は29日、自らのツイッターで「NHKから国民を守る会」に入党する意向を表明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       「捨てる神あれば拾う神あり」だろうけど 丸山議員を選んだ選挙民は救われない

 

         

 

昨日、夕食に「牛タン塩焼き」と「トマトとスナップエンドウとレタスの卵スープ」を作りました 私がコンサートのため外食だったので娘のために作りました

 

     

 

         

 

昨日、ミューザ川崎で東京都交響楽団のコンサートを聴きました これは「フェスタサマーミューザ2019」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①ヴォルフ「イタリア風セレナーデ ト長調(管弦楽版)」、②レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア(第3組曲)」、③同:交響詩「ローマの噴水」、④同:同「ローマの松」です 指揮は都響首席客員指揮者のアラン・ギルバートです

 

     

 

午後7時からの本番に先立って、3時半から約2時間公開リハーサルが開かれました 前日と同じ3階センターブロックの席で聴きました。アラン・ギルバート(黒のTシャツ)も団員もカジュアル・スタイルです リハーサルは本番とまったく逆の順序で演奏されました 最初に「ローマの松」のフィナーレ部分をおさらいしましたが、3階席左右にバンダ(トランペット)がスタンバイしていて、ステレオ効果を確かめていました あとの3曲は、演奏しては止めて注意を促し、また演奏を再開し、という形をとりました さすがと思ったのは、ギルバートは母親が日本人ということもあって、団員への指示はすべて日本語で通していたことです もちろん都響メンバーは英語でOKなのですが、ギルバートはより親密なコミュニケーションを図るという意図があるのでしょう 都響にとっては得難い指揮者です

 

     

 

さて本番です。オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの都響の並び。コンマスは四方恭子さん、隣席には矢部達哉氏が控えています

1曲目はヴォルフ「イタリア風セレナーデ ト長調(管弦楽版)」です この曲はフーゴ・ヴォルフ(1860-1903)が1892年頃に書いた作品で、元々弦楽四重奏曲として作曲されました その後、マックス・レーガー(1873-1916)が独奏ヴィオラを伴うオーケストラ用に編曲しました

アラン・ギルバートの指揮で演奏に入ります。ヴィオラ独奏は首席の鈴木学です この曲はベルリオーズの「イタリアのハロルド」ほどシンフォニックではないし、ヒンデミットの「白鳥を焼く男」ほど協奏曲的でもないし、微妙な曲だと思いますが、曲名の「セレナーデ」のごとく、軽快で親しみやすい曲だと思いました 途中で首席・古川典生のチェロがツッコミを入れるところが面白いと思いました

2曲目はレスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア(第3組曲)」です この曲はオットリーノ・レスピーギ(1879-1936)が、16~17世紀の様々な作曲家のリュート曲を用いて、各4曲から成る3つの管弦楽組曲(1917年、1923年、1931年)を作曲したものです この日の演奏は第3組曲で、弦楽器のみで演奏されます 第1曲「イタリアーナ」、第2曲「宮廷のアリア」、第3曲「シチリアーナ」、第4曲「パッサカリア」の4曲から成ります

この曲を聴いていて思い出すのは第3曲「シチリアーナ」です この曲はNHK・FMの「クラシックアワー」という番組のテーマ音楽として使われていました 最近FM放送を聴く機会があまりないので、今でもこの番組があって、この曲が使われているのかどうかは分かりませんが、とても穏やかで心和む曲です 都響の弦楽セクションで聴く「第3組曲」は、ルネサンスに生まれ、20世紀前半に蘇らせた音楽を21世紀に花開かせたような趣がありました

 

     


プログラム後半の1曲目はレスピーギ:交響詩「ローマの噴水」です この曲は1914年から1916年にかけて作曲された作品で、ローマの4つの噴水が夜明けから夕刻まで、一日の時の移ろいを追って描かれています 第1曲「夜明けのジュリアの谷の噴水」、第2曲「朝のトリトンの噴水」、第3曲「昼のトレヴィの噴水」、第4曲「たそがれのメディチ荘の噴水」の4曲から成ります

ギルバートの指揮で第1曲「夜明けのジュリアの谷の噴水」の演奏に入ります。色彩感溢れる表現に惹きつけられますが、特にオーボエとフルートが素晴らしい演奏を展開していました 「おやっ」と思ったのは、中盤でリヒャルト・シュトラウス(1864-1894)の歌劇「ばらの騎士」の下降音型によく似たメロディーが管楽器によって演奏されたことです レスピーギは明らかにリヒャルト・シュトラウスの影響を受けていることが分かったのが、今回の大きな収穫でした

最後はレスピーギ:交響詩「ローマの松」です この曲は1925年に作曲された作品です。第1曲「ボルゲーゼ荘の松」、第2曲「カタコンブ付近の松」第3曲「ジャニコロの松」、第4曲「アッピア街道の松」の4曲から成ります

この曲を聴いていて特に素晴らしいと思ったのは第3曲「ジャニコロの松」におけるクラリネット首席のサトーミチヨさんの演奏です そして、公開リハーサルで最初に取り上げた第4曲「アッピア街道の松」のフィナーレにおける3階のバンダ(トランペット)を含むステレオ効果抜群のスケールの大きな演奏です

今回の演奏は、首席客員指揮者アラン・ギルバートの名前を、普段クラシックに馴染みのない聴衆にまで知らしめたコンサートになったのではないか、と思います


     

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上岡敏之 ✕ 小川典子 ✕ 新日本フィルでラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」、プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」組曲から抜粋を聴く~フェスタサマーミューザ2019

2019年07月29日 07時16分02秒 | 日記

29日(月)。わが家に来てから今日で1580日目を迎え、日本郵政グループは、かんぽ生命の保険を委託販売する日本郵便の営業ノルマについて、廃止する方針を固めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      「かんぽだから安心」とか「〇〇だから安全」というのは疑った方がいいと思う

 

         

 

昨日、ミューザ川崎で新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートを聴きました これは「フェスタサマーミューザ2019」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18」、②プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲から抜粋です 演奏は①のピアノ独奏=小川典子、指揮=上岡敏之です

午後6時からの本番に先立って、3時半から約1時間公開リハーサルが開かれました 数年前の「フェスタサマーミューザ」でたまたま隣り合わせになった地元・神奈川県在住のS氏と3階センター席で聴きました 本番とは逆の順序でプロコフィエフからおさらいしました 公開リハーサルというと、ほとんどの指揮者はカジュアルな服装でリラックスした感じでタクトを握るのですが、新日本フィル音楽監督の上岡敏之氏はネクタイこそ締めていないものの上下黒のスーツです 彼にとってはこれがカジュアルなのでしょうか 主要な組曲を演奏して途中で止めてやり直しをするといった形で約30分おさらいし、一旦休憩をとり、ピアノをセンターに移動してラフマニノフのリハーサルに入りました 小川典子さんはカジュアル・スタイルです 第1楽章を通してさらった後は、第2楽章と第3楽章でソリストが気になるところをさらって短時間で仕上げました

 

     

 

さて、本番です オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの編成。コンマスはチェ・ムンス氏です   いつものように、第2ヴァイオリンの篠原英和氏と松崎千鶴さんを確認しました

1曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)が1900年から1901年にかけて作曲、1901年にラフマニノフの独奏で初演されました よく知られている通り、ラフマニノフは1897年に発表した交響曲第1番の初演が酷評され、自信喪失に陥ってしまいました その後、精神科医ニコライ・ダ―リの催眠療法により創作意欲が復活したと伝えられています その復活第1弾がこの「ピアノ協奏曲第2番」だったのです 第1楽章「モデラート」、第2楽章「アダージョ・ソステヌート」、第3楽章「アレグロ・スケルツァンド」の3楽章から成ります

オレンジ系の衣装を身に着けた小川典子さんが上岡氏とともに登場、さっそく第1楽章に入ります 小川さんの演奏は何度か聴いたことがありますが、その度に思ったのは明快な音楽作りです 自分の考えたことを自信を持ってストレートに表現するので、聴いていて気持ちよさを感じます 今回の演奏も例外ではなく、ロマンに満ちた音楽を明快に奏でていきます。特に素晴らしいと思ったのは第2楽章の クラリネット首席の重松希巳江とピアノとの会話です   全楽章を通して、上岡氏の指揮は、小川典子さんとの協演が初めてとは言えないほどピタリと付けていました

満場の拍手とブラボーに 小川さんは会場の隅々まで聴こえるような大きな声で「アンコールにラフマニノフの練習曲”音の絵”作品39-1を演奏します」と宣言し、超絶技巧曲を鮮やかな演奏で弾き切り、会場の温度を2度上昇させました たいていのソリストはアンコール曲名を言わずにいきなり弾き出すか、曲名を言ったとしても とても聴こえない小さい声かのどちらかなのに対し、小川さんはどこまでも明快です    流行りの言葉で言えば「聴衆ファースト」の立場に立っています    彼女がミューザ川崎シンフォニーホールアドヴァイザーを務めているのも伊達ではないと思います

 

      

 

プログラム後半はプロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲から抜粋です この曲はセルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953)が1935年に完成したものの、2時間を超える長さが不評を買いバレエの上演契約が破棄されてしまいました プロコフィエフは音楽だけでも演奏されるようにと、組曲として編み、第1組曲は1936年、第2組曲は翌37年に、さらに第3組曲が1946年に初演されました この日演奏されるのは3つの組曲から9曲が抜粋され、ストーリー順に演奏されるものです 演奏されるのは次の9曲です

①モンタギュー家とキャピュレット家(第2組曲)、少女ジュリエット(第2)、ジュリエット(第3)、ロメオとジュリエット(第1)、僧フローレンス(第2)、タイボルトの死(第1)、別れの前のロメオとジュリエット(第2)、ジュリエットの墓の前のロメオ(第2)、ジュリエットの死(第3)

上岡氏の指揮で1曲目の「モンタギュー家とキャピュレット家」(第2組曲)の演奏に入ります この曲は「ロメオとジュリエット」組曲の中で最もポピュラーな曲だと思いますが、上岡氏の指揮は「静と動」の表現の落差が鮮やかで、最初からプロコフィエフの世界に引きずり込まれてしまいます 第2曲「少女ジュリエット」では少女ジュリエットの可憐な様子が表現されますが、クラリネット首席の重松さんのソロと、チェロ首席の長谷川さんのソロ光っていました この組曲のハイライトは「タイボルトの死」(第1組曲)でしょう この曲は「ロメオの親友マーキュシオがタイボルトに殺され、激怒したロメオがタイボルトを殺してしまう」というストーリーですが、冒頭の高速テンポで演奏される戦いの音楽はバーンスタインのウエストサイドストーリーのようなジャジーな趣です しかし、後半は一転 葬送行進曲となります。この組曲だけで立派な「音のドラマ」となっています  新日本フィルは切れ味鋭い演奏を展開しました

上岡氏はインタビューで「今回は音楽だけ取り出すことで、聴く方にどれだけ情景が浮かぶように表現できるのか、新鮮なチャレンジになります。いまの新日本フィルの表現力で、この作品の名旋律と、美しくも悲しいストーリー堪能していただければと思います」と語ってますが、その目論見は十分達成できたと思います

 

     

 

     

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「フェスタサマーミューザ2019オープニングコンサート」 ~ ジョナサン・ノット ✕ タマラ・ステファノヴィッチ ✕ 東響でベートーヴェン「交響曲第1番」、リゲティ「ピアノ協奏曲」他を聴く

2019年07月28日 07時21分28秒 | 日記

28日(日)。わが家に来てから今日で1579日目を迎え、米連邦最高裁は26日、トランプ米政権がメキシコ国境に壁を建設するため国防費を流用することを認める判決を下した というニュースを見て南米諸国からの難民にアドヴァイスを送るモコタロです

 

     

     最高裁までバカの壁を築いたようだけど 陸がダメなら海があるよ 舟で行こうぜ!

 

         

 

いよいよ今年も「フェスタサマーミューザ」が始まりました ミューザ川崎で7月27日から8月12日まで開かれるこのコンサートは、早くも今年で15回目を迎えます 昨日午後1時55分から「歓喜の広場」でジョナサン・ノット指揮東響管楽アンサンブルにより「オープニング・ファンファーレ」が華々しく演奏されました

 

     

 

     

 

     

 

オープニングコンサートのプログラムは①バリー・グレイ「ザ・ベスト・オフ・サンダーバート」~ジョナサン・ノット  スペシャル・セレクション(オリジナル・サウンドドラックより)、②リゲティ「ピアノ協奏曲」、②ベートーヴェン「交響曲第1番 ハ長調 作品21」です 演奏は②のピアノ独奏=タマラ・ステファノヴィッチ、管弦楽=東京交響楽団、指揮=ジョナサン・ノットです

 

     

 

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置。コンマスは水谷晃です ステージ上には収音マイクが林立しています オケのメンバーを見渡して気が付いたのは、女性陣にパンツルックが多いということです 普段は黒のロングスカートが多いのですが、この日は黒のパンツルックが圧倒的多数でした どうせならこの路線でいった方が良いと思います 数年前、チョン・ミュンフン指揮アジア・フィルのコンサートを聴いた時、圧倒的に若いメンバーが揃っていたことと、女性奏者が全員パンツルックで統一していてカッコよかったことに感動さえ覚えました パンツルックの方が機能的だし、男女ともパンツルックの方が統制が取れていて美しく見えます

自席は1階センターブロック最後列です。残念ながら通路側は取れませんでした。会場は9割以上埋っているでしょうか

1曲目はバリー・グレイ「ザ・ベスト・オフ・サンダーバート」~ジョナサン・ノット  スペシャル・セレクション(オリジナル・サウンドドラックより)です 「サンダーバード」というのは、知る人ぞ知る 知らない人は知らない、1960年代にテレビで放映されたイギリスの近未来SF物語(人形劇ドラマ)です 指揮者のノットはテレビ番組を食い入るように見ていたそうで、さらに 初めて観た映画が「サンダーバード」だったとのことで、「この時の音楽との出会いが自分を指揮者の道へと導いたと言っても過言ではない」とインタビューで語っています

スリー」「ツー」「ワン」のカウントダウンに合わせて勇ましいマーチが演奏されます Not  only Nott  but  allso I  も子供時代に白黒テレビでこの番組を観ていた一人ですが、肝心の音楽はほとんど覚えていませんでした それだけにこの日の演奏を新鮮な気持ちで聴きました


     


グランド・ピアノがセンターに移動し、オケのメンバーが配置に着きますが、規模が縮小し30人規模となります 右奥には打楽器奏者が1人だけスタンバイします

2曲目はリゲティ「ピアノ協奏曲」です この曲はジェルジュ・リゲティ(1923-2006)が1985~88年に作曲し、1988年2月に全曲初演された作品です 第1楽章「ヴィヴァーチェ・モルト・リトミコ・エ・プレチーソ」、第2楽章「レント・エ・デゼルト」、第3楽章「ヴィヴァーチェ・カンタービレ」、第4楽章「アレグロ・リゾルート、モルト・リトミコ」、第5楽章「プレスト・ルミノソ」の5楽章から成ります

ノットの指揮で第1楽章の演奏に入りますが、リズム中心の音楽で、いくつかのリズムが微妙にずれて演奏されるミニマル・ミュージックのような趣の音楽です リゲティはこれを「ポリリズム」と名付けましたが、私にはジャズのインプロヴィゼーション(即興演奏)のように聴こえました たった一人の女性打楽器奏者が複数の打楽器を忙しそうに移動しながら操る獅子奮迅の活躍に目が釘付けになります この女性、第2楽章ではハーモニカも吹くし、金属の菅も縦笛のように吹きました 第3楽章はピアノの「一人時間差攻撃」のような演奏が印象に残ります 各楽器のアタックの激しい演奏が聴かれる第4楽章、再び「ポリリズム」が戻って来る第5楽章が続き、最後はピアノと打楽器がピタリと決めました

カーテンコールが繰り返されましたが、私は獅子奮迅の活躍を見せた女性打楽器奏者に大きな拍手を送りました


     


プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第1番 ハ長調 作品21」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1799年から1800年にかけて作曲、1800年4月に初演されました

第1楽章「アダージョ・モルト~アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ・コン・モート」、第3楽章「メヌエット:アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アダージョ~アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

ノットの指揮で演奏に入ります。ノットの指揮の特徴は流麗でありながらメリハリのある音楽作りです ベートーヴェンの初めての交響曲である「第1番」はハイドンが確立した古典様式を受け継いでいますが、新しい時代を切り開く意欲を感じさせる推進力に満ちた音楽です ノットは楽員をうまく乗せ、個々の演奏能力を最大限に引き出します

多くの人は、ジョナサン・ノットが過去に「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」の音楽監督を務めていたことからか、「ジョナサン・ノットは現代音楽が良い」と言います。私はそれを否定する者ではありませんが、個人的には「ノットは古典が良い。とくにベートーヴェンが良い」と思っています。それだけ彼はレパートリーが広いという証左でもあるわけです

かくして今年の「フェスタサマーミューザ」のオープニングコンサートは満場の拍手とブラボーの嵐で幕を閉じました

 

     

     

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東京藝大「ロシア室内楽の夕べ」と「藝大シンフォニーオーケストラ定期公演」のチケットを取る / 中島京子著「長いお別れ」を読む ~ 認知症の父親をめぐる妻と3人の娘たちの奮闘

2019年07月27日 07時20分20秒 | 日記

27日(土)。わが家に来てから今日で1578日目を迎え、トランプ米大統領は25日のFOXニュースの電話インタビューで、北朝鮮による同日の飛翔体の発射について「彼らは核実験はしていないし、小さいミサイルしか発射していない」と述べ、問題視しない立場を示した というニュースを見て金正恩委員長の立場になって本音を漏らすモコタロです

 

     

        ほら 友だちのトランプ君は怒らなかったでしょ じゃあ何のために発射したんだ?

 

         

 

昨日、夕食に「梅ポンおろしステーキ」と「わさび枝豆」を作りました 「梅ポン~」は鶏もも肉をベースに、梅干し、だし汁、ポン酢醤油、青じそ、大根おろしなどで味付けしますが、初挑戦にしては美味しく出来ました

 

     

 

         

 

東京藝大主催のチケットを2枚取りました 1枚目は11月1日(金)午後7時から東京藝大奏楽堂で開かれる「ロシア室内楽の夕べ」です プログラムは①チャイコフスキー「なつかしい土地の思い出 作品42」、②グラズノフ「エレジー  ト短調 作品44」、③ショスタコーヴィチ/L.アウエルバッハ編曲「24の前奏曲 作品34」(ヴィオラとピアノ版)より第1曲 ハ長調、第14曲 変ニ長調、第16曲 変ロ短調、第17曲 変イ長調、第20曲 ハ短調、④プロコフィエフ「ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 作品94bis、⑤ショスタコーヴィチ「チェロ・ソナタ  ニ短調 作品40」、⑥同「ピアノ五重奏曲 ト短調 作品57」です 演奏はヴァイオリン=渡辺玲子、小林美恵、ヴィオラ=市坪俊彦、チェロ=河野文昭、ピアノ=青柳晋、東誠三、有森博、江口玲です

 

     

 

2枚目は、11月21日(木)午後7時から東京藝大奏楽堂で開かれる「東京藝大シンフォニーオーケストラ 第6回定期演奏会」です   プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲 ハ長調 作品56」、②ベルリオーズ「幻想交響曲 作品14」です   出演は、①のピアノ独奏=東誠三、ヴァイオリン=植村太郎、チェロ=中木健二、管弦楽=東京藝大シンフォニーオーケストラ、指揮=迫昭嘉です

 

     

 

         

 

中島京子著「長いお別れ」(中公文庫)を読み終わりました   中島京子さんは1964年生まれ。2003年「FUTON」でデビュー、野間文芸新人賞候補となる。2010年「小さいおうち」で直木賞を受賞し、2014年に山田洋次監督により映画化 2015年刊行の「長いお別れ」で中央公論文芸賞と日本医療小説大賞を受賞

中島京子さんの作品を読むのは「小さいおうち」以来で、2冊目です その時の感想は2012年12月29日のtoraブログに書きましたので、興味のある方はご覧下さい

 

     


この小説は「全地球測位システム」「私の心はサンフランシスコ」「おうちへ帰ろう」「フレンズ」「つながらないものたち」「入れ歯をめぐる冒険」「うつぶせ」「QOL(クオリティ・オブ・ライフ」の8つの物語が連作短編として展開しています

かつて中学の校長だった東昇平は、ある日、同窓会の会場に辿り着けず自宅に戻ってきてしまう 認知症と診断された昇平は、迷い込んだ後楽園遊園地で幼い姉妹に頼まれて一緒にメリーゴーランドに乗ったり、入れ歯を次々と無くしたり(本当は隠したり)と、妻の曜子、長女・茉莉、次女・菜奈、三女・芙美を混乱に貶める 長女の茉莉は生物学者の夫・今村新、15歳の潤、小学1年生の崇と共にサンフランシスコ近郊で暮らしている 次女の菜奈は夫・林葉健次と8歳の息子・将太と共に暮らしている 三女・芙美は30代独身でフード・コーディネーターをしていつも忙しく働いている 娘たちがそれぞれの生活を営む中、認知症の夫の面倒を看ていた妻の曜子が網膜剥離の手術のため数週間入院しなければならなくなり、その間、だれが昇平の面倒を看るのか、と大騒動になる その間にも昇平の病状は少しずつ進行していく 3人の娘たちは、それまで父親の介護を一手に担っていた母親の入院によって、いかに認知症の親の介護が大変かを自覚するようになる

それから数年後、カルフォニア州で中学生になった崇は学校をさぼっていたため、校長室に呼ばれる 校長から「なんでもいいから君のことを話してほしい。学校に来なかったのはなぜだか話してくれてもいいし、なんでもいい」と言われ、崇は答える。「祖父が死にました。ずっと病気でした。ええと、いろんなことを忘れる病気で」「認知症だね」「十年前に、友達の集まりに行こうとして場所が分からなくなったのが最初だって、おばあちゃんはよく言ってます」「十年か。長いね。ロング・グッドバイ(長いお別れ)だね。その病気をね、そう呼ぶんだよ。少しずつ記憶を失くして、ゆっくりゆっくり遠ざかって行くから

昇平は家にいても、気に入らないことがあるとすぐに「家に帰る」と言い張り、後に引きません 無理に何かを食べさせようとしたり、入れ歯を入れようとしたりすると、口をつぐんで絶対に開こうとしません 昇平と家族あるいはヘルパーさんとのやり取りは可笑しくて、つい笑ってしまいますが、現実に認知症の人を相手に何かをしてもらおうとして拒否されたら、いくら家族でも「もういい加減にして」と堪忍袋の緒が切れるでしょう それでも、妻と3人の娘たちはそれぞれが、記憶が薄れていく昇平のことを思い懸命に尽くします

ところで、「入れ歯をめぐる冒険」は、東家の物語とは関係のない工藤晴夫が主人公となる話から始まり、東家の入れ歯騒動の話を挟んで、最後は工藤晴夫の話に戻って結ばれます それは工藤晴夫が認知症の母親からハンカチに包んだ何かをもらうが、「包みを開き、そこにあるものを目にして、口を半開きにし、目を逸らし、もう一度、その物体を凝視する」という文章で結ばれているのですが、母親がくれた「あるもの」とは何かという疑問が湧きました 文章のタイトルからすれば「入れ歯」だと思いますが、果たしてそうなんだろうか

この作品は映画化されているので、読んでから観るのも良いし、観てから読むのも楽しいと思います 認知症と介護の問題をユーモアを交えて描いた優れた小説としてお薦めします


     

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アラン・ギルバート ✕ 東京都交響楽団でモーツアルト「交響曲第38番”プラハ”」、ブルックナー「交響曲第4番”ロマンティック”」を聴く

2019年07月26日 07時21分22秒 | 日記

26日(金)。昨日はまるで梅雨明けのように暑く、曇ってはいるものの明るい空だったので、午前中に長袖シャツにアイロンをかけて畳んでタンスにしまい、代わりに半そでシャツを出しました この衣替えの作業は猛暑だった昨年よりだいぶ遅れていると思います

ということで、わが家に来てから今日で1577日目を迎え、韓国軍合同参謀本部は25日、北朝鮮が同日午前5時34分と同57分に東部の元山付近から日本海に向けて2発の飛翔体を発射したと明らかにした という記事を見て 北朝鮮の金正恩委員長に成り代わって本音を述べるモコタロです

 

     

     短距離ミサイルだったら 友だちのトランプ君は怒らないもんね 米に実害ないから

 

         

 

昨日、夕食に「厚揚げの土佐煮」「豚汁」「冷奴」を作りました 「厚揚げ~」は新聞の「料理メモ」を見て初めて作りましたが、何とか味が整いました もう一つは「わさび枝豆」です。これはsoprano-motokoさんから教えていただいたレシピで、枝豆を茹でて、あごだしにワサビを溶かした だし汁に漬け込んで7時間以上冷蔵庫で冷やしたものです motokoさんによると、塩ゆでしないのでヘルシーとのこと。朝作って夜いただきましたが、なかなか”オツな味”でビールのおつまみにピッタリです   また作ります

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで東京都交響楽団の第883回定期演奏会Bシリーズを聴きました プログラムは①モーツアルト「交響曲第38番ニ長調K.504”プラハ”」、②ブルックナー「交響曲第4番変ホ長調”ロマンティック”」(ノヴァーク版)です。指揮はアラン・ギルバートです

アラン・ギルバートは2017年まで8シーズンにわたりニューヨーク・フィル音楽監督を務め、現在はロイヤル・ストックホルム・フィル桂冠指揮者、2018年4月から都響首席客演指揮者を務めています。なお、今年9月にNDRエルプフィル首席指揮者に就任予定です

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは矢部達哉氏です

1曲目はモーツアルト「交響曲第38番ニ長調K.504”プラハ”」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1786年12月6日に完成し、1787年1月19日にプラハでモーツアルトの指揮により初演されました この作品は、長い間プラハでの演奏会を念頭に書いたものと考えられてきました(それゆえ、「プラハ」という愛称が付いている)が、最近の研究ではそれ以前に完成されていたようです モーツアルトがこの交響曲を書いていたところに、プラハから招待状が届いたため、急きょプラハで初演することになったということです

この曲は第1楽章「アダージョ~アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「フィナーレ:プレスト」の3楽章から成ります

アラン・ギルバートが指揮台に上がり、第1楽章の演奏に入ります 前半のアダージョを聴いていると、まるでオペラ「ドン・ジョバンニ」の世界ではないか、と思ってきます デモーニッシュな世界が繰り広げられています オーボエ首席の弘田智之氏の演奏が素晴らしい

この曲の大きな特徴は、モーツアルトの交響曲は通常「メヌエット」を含む4楽章形式であるのに、この交響曲は「メヌエット」を除く3楽章から構成されているということです この時期になぜモーツアルトは3楽章形式の交響曲を書いたのか、個人的には大いに興味があります 小宮正安氏はプグラム・ノートに、「モーツアルトの交響曲にはつきもののメヌエット(王侯貴族の優雅な踊りの音楽)が一切登場しないことは、王侯貴族中心の文化に密かに背を向け、わが道をひたすら疾走していたモーツアルトの反骨精神が表れていると言うと大げさだろうか」と書いています 「真相はモーツアルトのみ知る」ですが、私はこの曲の演奏時間が全3楽章で30分以上かかることから、メヌエットを加えると交響曲としては長すぎて、プラハの市民にそっぽを向かれるから省いたのではないか、と考えています

モーツアルトの音楽の一番肝心なのはテンポ設定ですが、ケント・ギルバートの指揮は適切で、自然な流れを作っていました


     


休憩時間は男子トイレに長蛇の列。ブルックナーの音楽と男子トイレの行列の正比例現象は今なお健在のようです 自席の周囲を見ただけでも前後左右すべて男性です。会場全体を見渡して見ても男性客が7割以上ではないかと推測します

プログラム後半はブルックナー「交響曲第4番変ホ長調”ロマンティック”」(ノヴァーク版)です この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1874年に作曲(第1稿)、1878~1880に改訂(第2稿)、1881年2月20日にウィーンでハンス・リヒター指揮ウィーン・フィルによって初演されました この時、ブルックナーは56歳でした。「遅咲きブルックナー」と言われる所以です 第1楽章「動きをもって、速すぎず」、第2楽章「アンダンテ・クワージ・アレグレット」、第3楽章「スケルツォ:動きをもって」、第4楽章「フィナーレ:動きをもって、ただし速すぎず」の4楽章から成ります

ギルバートの指揮で第1楽章に入ります 弦楽器による聴こえるか聴こえないかの微妙なトレモロが神秘的に奏でられる中、ホルンがテーマを奏でます そして次第に演奏する楽器が増えていき、爆発します この冒頭部分はまるで宇宙のビッグバンのようです 冒頭のホルンは持ちこたえ、その後好調な演奏を披露しました そして、オーボエ、フルート、ファゴットといった木管楽器が冴えわたります

第2楽章では、ヴァイオリン、チェロ、コントラバスがピッツィカートを奏でる中、ヴィオラがメランコリックなメロディーを奏でますが、この部分は都響の弦楽アンサンブルの素晴らしさを最大限に発揮した演奏でした 第3楽章はホルンの呼びかけで開始されますが、ホルンは増々絶好調です 中間部ではフルート、ファゴット、オーボエといった木管楽器が牧歌的なメロディーを奏でますが、これが素晴らしい そして最後の第4楽章のフィナーレを迎えます。ブルックナーは常に神を意識して作曲を心がけていましたが、この楽章のフィナーレは、まさに「上へ、上へ・・・もっと高く、もっと高く、神の世界まで届け」と言わんばかりの渾身の演奏でした

満場の拍手とブラボーに包まれたギルバートに対しカーテンコールが繰り返されます

拍手を送りながら思ったのは、「こういう音楽はヘッドホンやイヤホンで聴いていては、曲の本当の良さが分からないだろうな」ということでした 皆さん、マーラー、ブルックナーは生演奏で聴きましょうね

 

     

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「クァルテット・エクセルシオ + 吉井瑞穂 + 影山梨乃」公演のチケットを取る / 「新聞記者」を観る ~ 内閣府と新聞記者との闘いをめぐる社会派エンタテインメント

2019年07月25日 07時35分31秒 | 日記

25日(木)。わが家に来てから今日で1576日目を迎え、英与党の保守党は23日、ジョンソン前外相を新党首に選んだ というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       第2のトランプのトップ就任でEUからの合意なき離脱が確実となる 大英帝国崩壊か

     

         

 

昨日、夕食に「豚の生姜焼き」「生野菜サラダ」「小松菜のお浸し」を作りました 夏は豚肉がスタミナ源としては良いようです

 

     

 

         

 

12月12日(木)午後7時から紀尾井ホールで開かれる「クァルテット・エクセルシオ+吉井瑞穂+影山梨乃」公演のチケットをWEBで取りました   プログラムは①カプレ「エドガー・アラン・ポーの『赤死病の仮面』によるハープと弦楽四重奏のための『幻想的な物語』」、②ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第10番変ホ長調作品74”ハープ”」、③モーツアルト「オーボエ五重奏曲ハ短調K.406」(原典:弦楽五重奏曲第2番)、④ドビュッシー「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」、⑤クヴィエシュ「オーボエ、ハープと弦楽四重奏のための六重奏曲”フルビーン変奏曲”」です 演奏はオーボエ=吉井瑞穂、ハープ=影山梨乃、弦楽四重奏=クァルテット・エクセルシオです

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーで「新聞記者」を観ました この映画は藤井道人監督が東京新聞の望月衣塑子記者の原案をもとに2019年に映画化した作品(113分)です

東都新聞記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)のもとに、医療系大学院大学新設計画に関する極秘情報が匿名faxで届く 日本人の父(元・新聞記者)と韓国人の母のもとにアメリカで育ち、強い思いを秘めて日本の新聞社で働く彼女は、真相を突き止めるべく調査に乗り出す 一方、内閣情報調査室の官僚・杉原拓海(松坂桃季)は現政権維持のために情報操作を行い、政府に盾突く人物のスキャンダルをでっちあげてマスコミに流すような仕事に、後ろめたさを感じながら従事していた そんなある日、杉原は尊敬するかつての上司・神崎と久々に再会するが、神崎はその数日後に投身自殺を図る 真実に迫ろうともがく吉岡と、政権の暗部に気づき選択を迫られる杉原の人生が交差し、ある重大な事実が明らかになる

 

     

 

医療系大学院大学新設計画に関する極秘文書」が事件の発端とくれば、誰もが国家戦略特別区域に指定された今治市の加計学園グループによる「岡山理科大学獣医学部新設問題」を想い起こすでしょう 1984年以降、既存の16大学以外が獣医学部を新設することが認められなかったのに、2013年、第2次安倍内閣の下で国家戦略特区が制度化され、2016年に加計学園が選定されたのは、同学園の代表者が安倍総理とゴルフ仲間で、「総理のご意向」に沿った措置だったのではないか、との疑惑が大きな問題になったものです

この映画では、上司や官僚に必死に食い下がる一人の女性記者の姿を通して、権力を相手に闘うジャーナリストの姿が描かれています 物語の終盤で、官僚の杉原と新聞記者の吉原が、なぜ神崎が自殺しなければならなかったのかの証拠を見い出すシーンが映し出されますが、ここから、物語は架空のストーリー(つまりエンタテインメントの世界)に入っていきます 登場人物のセリフを借りれば「こんなことをやったら政権がひっくり返る」ことになります

国際NGO「国境なき記者団」の2019年「報道の自由度ランキング」によると、9年前に11位だった日本は、180か国・地域中67位までに落ちています 国境なき記者団は「『特定機密保護法』の成立によって特定の国家機密を漏らした内部告発者が罰せられることから、公務員が報道機関への情報提供を自粛する恐れが強くなった」ことを理由の一つに挙げ、「日本のメディアの自由は、安倍晋三首相が2012年に首相に就任して以来、衰えてきている」と指摘しています 幸い、原作者の望月記者のような どこまでも政府のスポークスマンに食い下がる根性のある記者がいるのが救いです こういう記者がもっともっと増えて欲しいと思います

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イザベル・コイシュ監督「マイ・ブックショップ」、バリー・ジェンキンス監督「ビール・ストリートの恋人たち」を観る~ギンレイホール

2019年07月24日 07時15分46秒 | 日記

24日(水)。わが家に来てから今日で1575日目を迎え、北朝鮮の朝鮮中央通信は23日、金正恩朝鮮労働党委員長が 新たに建造した潜水艦を視察したと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      潜水艦の建造も結構だけど 全国民に食糧や医療品は十分行き渡っているのかな?

     

         

 

昨日、夕食に「カリカリ豚のねぎソース」「生野菜とアボカドのサラダ」「卵スープ」を作りました 「カリカリ~」は初挑戦ですが、赤唐辛子がピリリと効いて美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「マイ・ブックショップ」と「ビール・ストリートの恋人たち」の2本立てを観ました

「マイ・ブックショップ」はイザベル・コイシュ監督による2017年イギリス・スペイン・ドイツ合作映画(112分)です

1959年イギリスのある海岸地方の小さな町。書店が1軒もないこの町でフローレンス(エミリー・モーティマー)は戦争で亡くなった夫との夢だった書店を開業しようとする しかし、保守的なこの町では女性の開業はまだ一般的ではなく、フローレンスの行動は住民たちに冷ややかに迎えられる フローレンスは読書は嫌いだが機転が利く少女クリスティーンを雇い入れる。40年以上も自宅に一人で引きこもり、ただ本を読むだけの毎日を過ごしていた老紳士エドモンド・ブランディッシュ(ビル・ナイ)と出会ったフローレンスは、老紳士に支えられ、書店を軌道に乗せる そんな中、彼女を良く思わない地元の有力者ガマート夫人(パトリシア・クラークソン)が”政治力”を使って書店を潰そうと画策していた


     


この映画は、イギリスの文学賞ブッカー賞を受賞したペネロピ・フィッツジェラルドの小説をイザベル・コイシュ監督が映画化した作品です

知人に薦められて「ロリータ」を読んだフローレンスは、当時としては斬新なこの作品を店で売るべきかどうか迷い、町一番の読書家のブランディッシュに相談しますが、彼は彼女をわざわざ自宅に招き、「あなたは勇気がある。あなたを応援したい。売るべきだ」と答えます。それを受け、フローレンスは「ロリータ」を大量に仕入れますが、これが大当たりして店には人だかりができます

「ロリータ」はロシア生まれのウラジミール・ナボコフが1955年に発表した長編小説で、少女性愛者のハンバート・ハンバートと 彼が心惹かれた少女ドロレス・ヘイズとの関係が描かれています   この映画の物語の前年=1958年にアメリカでベストセラーになっています    今では「ロリータ・コンプレックス」(いわゆる”ロリコン”)の元として知られています

フローレンスは読書嫌いなクリスティーンに「いつかは、これを読まなきゃだめよ」と言って「ジャマイカの烈風」(リチャード・ヒューズ著)を手渡します    フローレンスが舟で町を離れるとき、ただ一人見送りに駆け付けたクリスティーンの胸には「ジャマイカの烈風」が抱かれていました それから何年か後、フローレンスの夢はかつての読書嫌いの少女に引き継がれていることが示されます。爽やかなラストシーンでした


         


「ビール・ストリートの恋人たち」はバリー・ジェンキンス監督による2018年アメリカ映画(119分)です

1970年代のニューヨーク。19歳のティッシュ(キキ・レイン)は幼なじみの恋人ファニー(ステファン・ジェームズ)と幸せな日々を送っていた ある日、白人警官の怒りを買ったファニーは無実の罪で逮捕されてしまう 妊娠中のティッシュは両親の力を借りながら婚約者の無実を晴らそうと奔走する


     


この映画は、「ムーンライト」でアカデミー作品賞を受賞したバリー・ジェンキンス監督が1970年代のハーレムに生きる若い黒人カップルの愛を描いた作品です

この映画を観て真っ先に思ったのは、1970年代のアメリカは典型的な黒人差別社会だったのだな、ということです ちょっとしたイザコザが起こると、白人ではなく黒人が罪を着せられ逮捕されてしまう 無実を証明するには証人探しや弁護士費用がかかるが、貧しい彼らにはそんな大金はない そこでどうするかと言えば、ティッシュとファニーの両方の父親は金を作るために商品を略奪し横流しする ティッシュはそのことを知っているが口出しできない。一方、牢獄にいるファニーはそんなことを知る由もない これが彼らを取り巻く現実です

やがてティッシュは男児アロンゾを生みます 数年後、2人で刑務所に面会に来た時、3人で手を取り合って神への祈りを捧げますが、アロンゾが言います。「神さま、パパをお守りください」。これはティッシュが日頃からアロンゾに言い聞かせていた言葉でした アロンゾの言葉はティッシュとファニーの絆を一層深め、いつかは必ず3人で幸せな暮らしが出来るという希望を与えました

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スパイク・リー監督「ブラック・クランズマン」&「ドゥ・ザ・ライト・シング」を観る ~ アメリカにおける人種差別を扱った映画:明らかにトランプ批判の描写も

2019年07月23日 07時20分15秒 | 日記

23日(火)。わが家に来てから今日で1574日目を迎え、第25回参院選は21日投開票され 22日朝までに全議席が確定し、自民党が57議席(改選数67)、公明党が14議席(同11)を獲得し、与党は計71議席で改選議席の過半数となったが、投票率は48.80%(前回比5.90ポイント減)で50%を割り、戦後2番目の低さだった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     理由もなく投票しない者に 政治が悪い 将来が不安だ と言う資格はないと思うよ

 

         

 

昨日は、夕食に大学時代の友人S君が送ってくれたアジを塩焼きにし、「生野菜とアボカドのサラダ」「マグロの山掛け」を作りました もう一つの総菜は買ってきたものです。アジは大振りでとても美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で「ブラック・クランズマン」と「ドゥ・ザ・ライト・シング」の2本立てを観ました

「ブラック・クランズマン」は、スパイク・リー監督・製作・脚本による2018年アメリカ映画(135分)です

1979年、コロラド州コロラドスプリングスの警察署で、初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワース(ジョン・デビッド・ワシントン)は、署内の白人刑事たちから冷遇されながらも捜査に燃える 新聞広告に掲載されたKKKのメンバー募集に勢いで電話をかけ、黒人差別発言を繰り返して入団の面接にまで漕ぎつけてしまう しかし、黒人であるロンはKKKと対面できないため、同僚の白人刑事フリップ(アダム・ドライバー)に協力してもらうことになる。かくして、電話はロンがかけ、対面はフリップが担当して2人で1人の人物を演じながらKKKの潜入捜査を進めていく

 

     


この作品は、黒人刑事が白人至上主義団体「KKK(クー・クラックス・クラン)に潜入捜査した実話を綴ったノンフィクション小説をもとに、スパイク・リー監督が映画化したものです

「電話での声と対面者を役割分担する」と口では簡単に言えても、よほど声が似ていて アクセントも完璧でないと「別人では?」とすぐに見破られてしまうのではないか、と思います しかし、実話ということなので、実際にはよく似ていたのでしょう

KKK内部の集会で参列者たちが「アメリカ・ファースト」と叫ぶシーンは、彼らが白人至上主義者の集まりなので「白人ファースト」と聴こえました

映画の終わりに、過去にアメリカで起きた黒人差別事件の映像が流れますが、2017年8月にバージニア州シャーロッツビルで起きた極右集団と反対派の衝突で女性が死亡した事件について、トランプ大統領が当初、白人第一主義者を擁護するかのような発言をした時の映像も流れました あの時は、トランプ大統領が世論の批判を浴びて「いかなる人種差別も許さない」とあらためて声明を出して収まったのでした こういう映像の使用は、明らかに人種差別発言を繰り返すトランプ大統領への批判の表れです


         


「ドゥ・ザ・ライト・シング」は、スパイク・リー監督・製作・脚本・出演による1989年アメリカ映画(120分)です

その年の最高気温を記録した猛暑のニューヨークのブルックリンが舞台 イタリア人のサル父子は黒人街でピザ屋を経営している。サルはメイヤー(市長)と呼ばれる飲んだくれのホームレスに雑用を与える サル(ダニー・アイエロ)はデリバリーボーイとして黒人のムーキー(スパイク・リー)を雇っていた メイヤー(オジ・ディヴィス)は街の人たちに「ドゥ・ザ・ライト・シング(正しいことをしろ)」と言うのが口癖だった。ある日、ムーキーの友人がやってきて、店内に黒人スターの写真が1枚も貼り出されていないことに憤慨しクレームを付けたが、経営者のサルはそれをまともに相手にしなかった この一件がきっかけになり、やがて事件が起こる ムーキー、その友人、いつも巨大なラジカセを携帯して大音響で音楽を鳴らしている黒人ラジオ・ラヒーム、サルと息子たち、韓国人のカップルといった面々を巻き込んで暴動へと発展していく そして、駆けつけた警官が警棒でラジオ・ラヒームの首を絞めるが、やり過ぎて死んでしまう メイヤーの説得も効果なく暴動は激化し、店はガラスが割られ、レジから現金が盗まれ、放火されて店が全焼してしまう 黒人たちのために美味しいピザを作ってきたという矜持を持つサルは、黒人たちによって店が壊されたことに憤慨する ムーキーは「保険が降りるだろう」と言うが、サルは「お金の問題ではない」と吐き捨てる

 

     

 

この映画のラストに、「人種差別に暴力で闘うのは愚かである」というマーティン・ルーサー・キングの言葉と、「暴力を擁護する者ではないが、自己防衛のための暴力を否定する者でもない」と言うマルコムXの言葉が紹介されます この二人の言葉をもとに、われわれは「ドゥ・ザ・ライト・シング」の意味を考えなければなりません

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新交響楽団「ドヴォルザーク”連作交響詩”」のチケットを取る / 「実用ことわざ新辞典」を読む / 中島京子「長いお別れ」、新保裕一「遊園地に行こう!」他を買う

2019年07月22日 07時18分00秒 | 日記

22日(月)。昨日は午前中に近所の小学校に行き、参院選の投票を済ませてきました 過去を振り返ってみると、私は時の与党に投票したことがありません。民主主義政治を健全に進めていくためには与党を監視する目の存在が大事だと思うからです

ということで、わが家に来てから今日で1753日目を迎え、反社会勢力のパーティーで会社を通さない「闇営業」をしていたとして、吉本興業との契約を解消された宮迫博之さんと田村亮さんが20日午後、東京都内で吉本興業を通さない記者会見を開き、金額や経緯、事実について会見をさせて欲しいと直訴した際、吉本興業の岡本昭彦社長から「やってもええけど、そしたら全員連帯責任、クビにする。俺にはお前ら全員クビにする力があるんだ」と告げられたと語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      社長の体質こそ「反社会勢力」そのものじゃないの? お笑いじゃなくお笑い草だ

 

         

 

10月13日(日)午後2時から池袋の東京芸術劇場コンサートホールで開かれる「新交響楽団第247回演奏会」のチケットを取りました    プログラムはドヴォルザークの連作交響詩(水の精、真昼の魔女、金の紡ぎ糸、野鳩、英雄の歌)です ドヴォルザークの一連の交響詩が1度に聴ける絶好のチャンスです

 

     

 

         

 

本を5冊買いました 1冊目は中島京子著「長いお別れ」(文春文庫)です 映画化されて話題になっていますね

 

     

 

2冊目は真保裕一著「遊園地に行こう!」(講談社文庫)です 「デパートへ行こう!」「ローカル線で行こう!」は当ブログでご紹介しました

 

     

 

3冊目は高橋源一郎著「間違いだらけの文章教室」(朝日文庫)です より良い文章を書くにはどうすればよいか、参考になればと思って買いました

 

     

 

4冊目は「三省堂ポケット故事成語辞典」です 故事成語やことわざの類は中学生の頃から大好きで、辞書や本を買って読んでいました。文章を書くうえでの参考にしたいと思います

 

     

 

5冊目は高橋書店編「実用ことわざ新辞典」です これも「故事成語辞典」と同様に、ブログを書くうえで参考にしたいと思います

 

     

 

         

 

「辞書は調べるだけでなく、読め」とは学校でよく言われた言葉です さっそく高橋書店編「実用ことわざ新辞典」を一通り読み終わりました 書店で何冊かの「ことわざ辞典」を比べて見たのですが、この高橋書店の辞典が一番読み易く実用的だと思いました 他の辞典と違う大きな特徴は①横書きで読み易い、②用例、類義、対義の他に誤記・誤読・誤用に対する「注意」や、故事の由来や言葉の原義などの「知識」が書かれている、③ことばによっては内容が同じ英語のことわざを紹介している、という点です ほんの一例を挙げれば、「流れに掉さす」と「他山の石」の説明は以下のようになっています

「流れに掉さす(ながれに さおさす)」

川の流れに乗り、棹を操って舟を進める。都合のよいことが重なって、物事がうまく進行することのたとえ。

【知識】「棹さす」を「反発する」と解釈しがちだが誤り。「時流に掉さす」は、時流に逆らうのではなく、うまく乗っていくという意味。

【用例】時勢の流れに掉さし 事業は発展の一途をたどった。

【類義】得手に帆を揚げる / 追い風に帆

「他山の石(たざんのいし)」

ほかの山から出た粗末な石でも、自分の玉を磨くときの砥石(といし)として使うことができる 転じて、他人の言行や失敗が、自己を磨き鍛えるための参考や戒めとなるということ 反面教師。『詩経』の「他山の石以て玉を攻(おさ)むべし」に由来することば

【注意】「ほかの山の粗悪な石」が原義で、手本の意味はないので「私も先輩の活動を他山の石としてがんばります」などと、目上の人の言行に対しては使わない

【英語】The  fault  of  another is a good  teacher.(他人の欠点はよい教師である)

この辞書の巻末には「類義語・対義語索引」が付いているほか、「人生」「智恵」「仕事」などのテーマ別索引も付いています。読んでも良し、調べても良しのことわざ辞典です

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