人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ウォルフガング・ペーターゼン監督「U・ボート」(ディレクターズ・カット版= 3時間半)を観る~リスト「前奏曲」がラスト・シーンを暗示

2017年12月31日 08時10分13秒 | 日記

31日(日)。とうとう2017年も本日 365日目を迎えました この1年はあっという間でした

ということで、わが家に来てから今日で1187日目を迎え、この1年に亡くなった人にコール元ドイツ首相、太田昌秀元沖縄県知事、羽田孜元首相、日野原重明氏、野際陽子さん、松方弘樹さん、小林麻央さんらがいた というニュースを読んで感想を述べるモコタロです

 

     

      世間的には無名でも 個々人にとっては忘れがたい人が亡くなっているんだろうな

     

          

 

昨日、池袋の新文芸坐で「U・ボート」(ディレクターズ・カット版)を観ました これはウォルフガング・ペーターゼン監督による1981年/1997年 西ドイツ映画(208分)です

この作品は第二次世界大戦中に原作者ロータル=ギュンター・ブーフハイムがドイツの潜水艦Uボート・U96に同乗して取材した体験を基に、当時大西洋を席巻したドイツの潜水艦・Uボートの艦内を舞台として、極限状態にある人間のありようをリアルの描写した戦争映画で、当初公開された時は135分の上映時間でしたが、97年にペーターゼン監督自らが編集したディレクターズ・カット版では208分(3時間半弱)になっています

 

     

 

第二次世界大戦中の1941年秋、ナチス・ドイツの占領下にあったフランスのラ・ロシェル港から、Uボート「U96」が出航する。弱冠30歳の艦長のもと乗組員は皆20代前半という若者主体のグループだった 彼らの任務は大西洋を航行する連合国護送船団への攻撃だった。報道班員のヴェルナー少尉はUボートの戦いを取材するためU96に乗り込む 荒れ狂う北大西洋での孤独な敵戦艦の監視業務、ようやく発見した敵船団への攻撃と戦果、海中で息を潜めながら聴く敵駆逐艦のソナー音と爆雷の恐怖、そして、目の前で溺れ死んでいく敵の姿などを目撃する 疲労したU96の乗組員たちはクリスマスは帰港できることを願うが、母国から届いた指令はイギリス軍の地中海要衝であるジブラルタル海峡を突破してイタリアに向かえ、という過酷なものだった 中立国スペインのビゴで偽装商船から補給を受けたU96は、敵が厳しく警戒するジブラルタル海峡突破に挑むが、敵の攻撃を受けてU96は水深280メートルの海底に沈む。水圧でボルトが飛び、水が浸水する中、艦長は希望を捨てずU96の修復作業を命じる。その結果、U96は無事に浮上しラ・ロシェル港に戻った そこで出迎えのパレードが行われるが、栄光の喜びに満ちた艦長、ヴェルナー少尉、そして乗組員たちに、上空から敵機が容赦のない攻撃を開始し現場は修羅場と化す 艦長は 沈みゆくU96を見届けると 息を引き取る

 

     

 

自国の潜水艦が攻撃されて沈む映画をよくぞ撮ったというのが率直な感想です ディレクターズ・カット版はオリジナル版に73分映像が追加された(元に戻された)計算になります。どの場面をカットしてオリジナル版を作成したのかは分かりませんが、ディレクターズ・カット版で映像を観ると どこもカットできないのではないかと思えるほど充実した内容になっています ほとんどのシーンが潜水艦の中の密室での出来事を描いているわけですが、艦長はじめ乗組員たちのその時々の心理状況がヒシヒシと伝わってきて 最後まで感情移入し、まったく飽きることがありません

ところで、映画の序盤で、聴音・通信担当兵がリストの「前奏曲」を艦内に流すと、乗組員が「(音を)消せ」と怒鳴るシーンがあります。このシーンにおける「レ・プレリュード」は 映画のラストを暗示する象徴的な使い方だと思います なぜならリストが1854年に作曲した交響詩「前奏曲」は、「人生は死への前奏曲である」という考えに基づいているからです  3時間半の中でクラシック音楽が使われているのはこの曲のみ、しかも1度だけです  考え抜いて選曲された1曲ではないかと推測します

この作品を含め、新文芸坐で開催中の「魅惑のシネマ・クラシックス vol.26 銀幕の戦う男たち」は下のチラシの通り、来年1月6日まで上映されます

 

     

     

 

この1年、toraブログをお読みいだだきありがとうございました 来年も1日も休まず書き続けて参りますので モコタロ ともどもよろしくお願いいたします

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ジョン・カサべテス監督「フェイシズ」を観る~顔のクローズアップを多用する手法が冴える:早稲田松竹クラシックス

2017年12月30日 07時53分36秒 | 日記

30日(土)。昨日は大掃除第3弾としてキッチン、洗面所、トイレを掃除しました 昨年までの大掃除で放ったらかしていた お中元・お歳暮・香典返しなどで頂いた お茶やら海苔やら佃煮やらの賞味期限を調べてみたら3年以上前に切れているのがほとんどんだったので、すべて捨てることにしました 大きなゴミ袋4つにもなり自分でもびっくりです

ということで、わが家に来てから今日で1186日目を迎え、宝石箱のような箱を発見し 何やら世界を視野に入れて独り言をつぶやいているモコタロです

 

     

      これが「パンドラの箱」だったら 開けても 希望が残るはず 世界に希望はある? 

 

          

 

昨日、夕食に「豚バラこんにゃく」「生野菜とワカメと生ハムのサラダ」「里芋の味噌汁」を作りました これが私の今年最後の手料理です。特別な事情がない限り月曜から金曜まで週5日作ってきたことになります。何が面倒かといって「今夜の献立を考える」ことほど面倒なことはありません 献立さえ決まれば料理本のレシピ通りに作ればよいのでそれほど難しくはありません 料理に限りませんが、続けることが大事だと思います

 

     

 

          

 

早稲田松竹で「フェイシズ」を観ました これはジョン・カサべテス監督による1968年アメリカ映画(モノクロ・130分)です

娼婦ジェニー(ジーナ・ローランズ)の家で飲んで騒ぐ二人の男の一人リチャード(ジョン・マーレイ)はジェニーが気に入り、彼女を巡って相方と言い争う その後、帰宅したリチャードは、いつも通り夕食をとりベッドに入る。しかし翌朝、妻のマリア(リン・カーリン)に離婚の意志を告げる。妻は戸惑うばかり その日リチャードはジェニーの家の泊まる。一方、マリアは気晴らしに友人たちとディスコに行く。そこで踊っていたチェット(シーモア・カッセル)を自宅に連れ込んで語り合うが、友人たちはそれぞれ言いたい放題言っては帰宅してしまう やがてマリアはチェットとベッドに。しかし、翌朝目覚めたチェットはマリアが睡眠薬自殺を図ったことを知り うろたえる。介抱するうち彼女への愛に気付く。そこへ朝帰りのリチャードが家に戻り、寝室に入るとチェットは窓から抜け出し逃走を図っていた 残された二人はお互い、たばこを吸いながら虚無感に浸る

 

     

 

この映画を観て驚くのはほとんどドキュメンタリーのような撮り方で、しかも顔のクローズアップが多用されているということです それもそのはず、題名が「フェイシズ」(顔)です とくに冒頭の男2人女2人によるバカ騒ぎは、あたかも最初から最後までアドリブのような大騒ぎです  モノクロながら 画面から物凄いエネルギーが伝わってきます。この映画には、深刻なことも笑い飛ばしてしまうような楽観的な魅力を感じます

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ジャン=リュック・ゴダール監督「軽蔑」(デジタル・リマスター版)を観る~ブリジット・バルドーの魅力:早稲田松竹クラシックス / 秋山和慶氏 恩師・齋藤秀雄の指揮を語る

2017年12月29日 08時14分24秒 | 日記

29日(金)。わが家に来てから今日で1185日目を迎え、見慣れない物体に警戒心を抱いているモコタロです

 

     

       キミィ 悩みが一つもないような楽観的な顔付きしてるけど どこのどいつだい? 

 

                     

 

昨日、夕食に「ハヤシライス」と「生野菜サラダと鶏むね肉のサラダ」を作りました ハヤシライスはお代わりしました

 

     

 

                     

 

朝日朝刊に連載中の「語る  人生の贈りもの~秋山和慶編」が昨日 第13回目を迎えました  今回は、恩師・齋藤秀雄氏の指揮法、いわゆる「斎藤メソッド」について語っています。超訳すると

「意外に思うかもしれないが、指揮の基本は脱力だ 手を上げて、ふっと力を抜き、ぱーんと手を落とす。不思議に出来ないものだ 現実の重力との折り合いをつけ、音楽に新しい浮力を与えていくのが指揮という仕事だ 戦前のN響を振っていた名匠ローゼンシュトックの指揮を見たのが齋藤先生が指揮を研究するきっかけになったようだ 父上が辞典を編纂した英語学者だったので『おやじの血だな』と常々言っていた。先生は指揮の基本動作を7つに絞った。有名なのが『タタキ』だ。上から手を落とし、跳ね返らせる。その瞬間に生まれる『点』に、楽員たちが反応して音を出す 皆の心をそろえるため、自ら『無心』になる。技術はそのためにある。先生の教えはこれに尽きる 小澤征爾氏が1959年に日本人で初めて仏ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝した時、先生に『タタキは最大の武器である』と電報を打ってこられたとき、先生は それはそれは嬉しそうだった」

ここで秋山氏が「父上が辞典を編纂した英語学者だった」と言っているのは、英語の権威・齋藤秀三郎氏のことで、私も大学受験で「熟語本位英和大辞典」のお世話になりました 「赤尾の豆単」と違い、単語を熟語の中で覚える「読む辞書」という意味でユニークな辞書でした。その頃は クラシックのクの字もなかったので、まさか指揮者・齋藤秀雄氏の父上だったとは思いもよりませんでした

 

                     

 

昨日、早稲田松竹で「軽蔑」(デジタル・リマスター版)を観ました この作品はジャン=リュック・ゴダール監督・脚本による1963年フランス・イタリア・アメリカ合作映画(102分)です。イタリア人作家アルベルト・モラビアの同名小説をもとに、ゴダールがスター女優ブリジッド・バルドーを主演に迎えて撮った作品です

脚本家のポール(ミシェル・ピッコロ)は映画プロデューサーのプロコシュ(ジャック・パランス)から、フリッツ・ラングが監督する大作映画「オデッセイア」の脚本の手直しを依頼される ポールと妻のカミーユ(ブリジット・バルドー)はプロコシュの邸宅へ招かれるが、プロコシュの車でカミーユが先に行き、ポールが遅れて到着するとカミーユの態度はなぜか豹変していており、彼に対して軽蔑の眼差しを向ける ポールはプロコシュの秘書に気があるそぶりを見せていたのだった。やがてポールとカミーユは映画のロケのため、カプリ島にあるプロコシュの別荘を訪れる。ポールはなぜ自分に態度が冷たくなったのかカミーユを問い詰めるが、彼女はポールのせいだと答える 二人の関係がぎくしゃくしたままだったが、ある日カミーユからの置手紙があり、プロコシュとともにローマに発つと書かれていた。ローマ行の途上、彼らを悲劇が襲う

 

     

 

この作品は当時、妻であるアンナ・カリーナとの関係に悩んでいたゴダールが、彼自身の苦悩を作品に投影させたと言われていますが、所詮 男と女はどこまでいっても解り合えない存在だ ということを教えているように思います

冒頭のシーンで画面に赤のフィルターがかけられたり、青のフィルターがかけられたり、普通のカラーに戻ったりしていますが、どういう意図があるのか不明です 映像上の実験をしているのかも知れません

この映画は何と言ってもブリジット・バルドーの魅力です 演技力が特段優れているとは思えないのですが、独特の存在感があります

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日本経済新聞 文化欄「今年の収穫 音楽」を読んで思うこと~忘れがたい体験だったカンブルラン+読売日響のメシアン「アッシジの聖フランチェスコ」

2017年12月28日 07時55分36秒 | 日記

28日(木)。昨日は年末大掃除第2弾をぶちかましました 取りあえず前日のリベンジとして窓ガラスを拭き直して綺麗にしました   今度は完璧です。やっぱり窓ガラスが綺麗だと気持ちが良いものです 次に難関のガスレンジ回りの掃除に入りました。レンジフードを外したら半端ない油がこびりついていて閉口しました 油汚れ落とし用の道具がいろいろ出ているので助かります。とくに簡単な油汚れなら拭くだけで取れるウエットシートの威力にはビックリです 昨日は2カ所を掃除しただけでくたびれ果て、戦意喪失しました。大掃除第3弾は日を改めてやることにします

ということで、わが家に来てから今日で1184日目を迎え、米国で昨冬 鳥インフルエンザの一種が米ニューヨークのネコ500匹に感染するなど大流行し ウィルスが人や他の哺乳類にもうつりやすりタイプに変化したとみられる との研究結果を東京大の河岡義裕教授らのチームが27日までにまとめた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 干支ではトリの次はイヌの順番だけど 米国は干支がないからネコにうつった? 

 

          

 

昨日、夕食に大学時代の友人で勝浦在住のS君が送ってくれたアジを塩焼きにしました あとは「マグロの山掛け」「生野菜と鶏のむね肉のサラダ」です

 

     

 

          

 

26日の日経夕刊・文化欄に「今年の収穫 音楽」が載りました 1.クラシック(東京) 2.クラシック(関西) 3.オペラ  4.ジャズ  5.ロック の別に、今年話題を呼んだコンサートやオペラを 各分野の評論家が振り返っています

このうち1.クラシック(東京)は江藤光紀氏が担当しており、①サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル(11月、サントリーホール)、②ファビオ・ルイージ指揮NHK交響楽団(4月、NHKホール)、③中村恵理(12月、ヤマハホール)を挙げています 実際にこれらのコンサートを聴いた人にとっては「ああ、あの公演ね」と分かるでしょうが、そうでない人にはチンプンカンプンだと思います  いずれも何が演奏されたのかが書かれていないからです。このうち②のルイージ+N響(4月)は A定期でメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」とマーラー「交響曲第1番」が、C定期でベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番」とブラームス「交響曲第4番」が演奏されています 私はC定期を聴きましたが、江藤氏のコメントにある「ルイージは自在に揺れるテンポにN響がぴたりとつけて熱狂を誘った」というのは どの演奏を指しているのか不明です  マーラーかブラームス、あるいはその両方を指していると推測しますが、限られたスペースの中に必要最小限のことを盛り込むことの限界を感じます

一方、「選外だが」として「戦前・戦後の日本の作曲を連続性のうちに捉えた9月のサントリー・サマーフェスティバル『日本再発見』は企画・演奏ともに出色」と紹介しているのは、実際に聴いた一人として共感できます 初めて聴いた大澤壽人(おおざわ ひさと)の「ピアノ協奏曲第3番”神風協奏曲”」(1938年作曲)のモダンな音楽には驚かされました

2.クラシック(関西)は白石知雄氏が担当しており、①メシアン「アッシジの聖フランチェスコ」(11月、カンブルラン+読売日響:びわ湖ホール)、②バーンスタイン「ミサ」(7月、井上道義+大阪フィル:フェスティバルホール)、③マスカーニ「イリス」(5月、関西二期会:あましんアルカイックホール)を挙げています

3.オペラは山崎浩太郎氏が担当しており、①メシアン「アッシジの聖フランチェスコ」(11月、カンブルラン+読売日響:サントリーホール)、②ワーグナー「タンホイザー」(9月、ぺトレンコ+バイエルン国立歌劇場:NHKホール)、③モンテヴェルディ「ポッぺアの戴冠」(11月、バッハ・コレギウム・ジャパン:東京オペラシティコンサートホール)を挙げています   ①について山崎氏は「演奏会形式ながら、ついに全曲の日本初演を実現させた公演は、歌唱も演奏も作品に精通したシルヴァン・カンブルランの指揮の下、その歴史的意義をさらに忘れがたい体験にする素晴らしさ。巨大な宗教画が音となって現出した」と評しています 延べ5時間の大作、カンブルランの鮮やかなタクトさばき、まさに忘れがたい体験でした

今年はこれまで203回のコンサートを聴きましたが、2017年の「マイベスト10」は来年1月1日に当ブログで発表させていただきます。乞うご期待

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伊坂幸太郎+阿部和重「キャプテン サンダーボルト(上・下)」を読む~二人でツッコミを入れながら楽しく書いたようなエンタメ小説

2017年12月27日 08時08分03秒 | 日記

27日(水).昨日はお天気も良かったので思い切って大掃除に取り掛かりました 取りあえず第1弾として窓ガラスを綺麗にすることにしました いつものガラスクリーナー溶液がなかったので、重曹を薄めた液で清掃したのですが、外窓にこびりついた汚れが落ちません やっぱり、いつものやり方でやらないとダメだなと思い、新たに買ってきたガラスクリーナー溶液で今日、再挑戦します こういうのを二度手間と言います 骨折り損のくたびれ儲けとも言います われながら情けないです 今日は油だらけのレンジ回りの掃除もやります。頑張らなくっちゃ

ということで、わが家に来てから今日で1183日目を迎え、自分によく似た物体が気になるモコタロです

 

     

      お姉ちゃんが誕生祝いにもらったスリッパらしい 僕にとっては履かない一生だ

 

                     

 

昨日の夕食は娘が巨大アウトレットで買ってきたプルコギを焼きました あとは「生野菜とアボカドのサラダ」 「トマトとエノキダケとチンゲン菜のスープ」、ついでに、買ってきたキムチです

      

 

                     

 

伊坂幸太郎+阿部和重「キャプテン  サンダーボルト(上・下)」(文春文庫)を読み終わりました 阿部和重は1968年生まれ.山形県出身.94年「アメリカの夜」で第37回群像新人文学賞を受賞しデビュー 一方,伊坂幸太郎は1971年生まれ.仙台市在住.2000年「オーデュボンの祈り」で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー このブログでも多くの作品をご紹介してきました

この作品は2014年11月に文芸春秋から刊行された単行本を文庫化にあたり2分冊にしたもので,書き下ろしのボーナストラックが付いています

題名の「サンダーボルト」は,主人公の相場時之と井ノ原悠が少年時代に観ていたという架空の戦隊ヒーローもの「鳴神戦隊サンダーボルト」と,作中映画館で上映される実在のアメリカ映画「サンダーボルト」から採られています チミノ監督のデビュー作「サンダーボルト」は,クリントイーストウッド演じるサンダーボルトと,ジェフ・ブリッジス演じるライトフットという悪党2名の逃亡劇です

 

     

 

相場時之は,目の前に突如として現れた謎の外国人テロリストに「ゴシキヌマの水をよこせ」と迫られ,映画館に逃げ込むと,そこで小学校時代の旧友・井ノ原悠と再会する ここから悪友コンビによる逃亡劇が始まる.「ゴシキヌマの水」とは何なのか? それは蔵王連峰にある火口湖である「御釜」別名「五色沼」の水のことだった 二人は 東京大空襲の時 東京に向かうべきB29がなぜか蔵王方面に飛び墜落したということを知る 一方,村上病という疫病が「御釜」の水と何らかの関係があることを突き止める 二人は 外国人テロリストの追及をかわしながらB29墜落事件と村上病とゴシキヌマの水の関係を究明すべく「御釜」に向かう

 

     

 

私は伊坂幸太郎氏の作品は数多く読んでいますが,阿部和重氏の作品は今まで読んだことがなく今回が初めてです しかし,この作品の中のどの部分を伊坂氏が書いて,どの部分を阿部氏が書いたのかは全く分からないので,阿部氏の文体がどういうものかが把握できません しかし,そういうことを詮索するのは意味のないことかも知れません

映画の中のサンダーボルトとライトフットを 小説の中の相場時之と井ノ原悠に投影させているわけですが,読んでいると,この二人に阿部和重と伊坂幸太郎自身を投影させて お互いにツッコミを入れながら楽しんで書いているように思えます

一気読み必至のエンターテインメント小説です.お薦めします

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朝日新聞「アルゲリッチ,ウィーン・フィルと初共演 なぜ」の記事を読んで~バレンボイムの指揮でリスト「ピアノ協奏曲第1番」を演奏,アンコールで連弾も

2017年12月26日 08時09分38秒 | 日記

26日(火).昨日は,重い腰を上げて年賀状を作成しました.年賀状ソフトのお陰で宛名などが自動的に打ち出されるので助かります 文面は印刷だけでは味気ないので それぞれ ひと言添えるようにしました

ところで,23日の日経朝刊に「病院生まれの赤ちゃん  誕生日『クリスマス』最多」という見出しの記事が載っていました 超訳すると

「日本経済新聞が過去10年分の出生日を分析したところ,病院で生まれた子供の誕生日で最も多いのはクリスマスだった 一方 12月31日~1月3日は出産件数が1年で最少だった.調査は 厚生労働省の『人口動態統計』の2007~16年の10年分を集計したもので,病院,診療所,助産所で生まれた合計約1040万6千人を対象に分析した 最も多かったのは12月25日の17,849人,2番目は9月25日の17,472人,3番目は12月26日の17,292人だった.病院のスタッフが少なくなる年末年始の前に陣痛促進剤や帝王切開で計画出産する妊婦が多いためとみられる

「子供の誕生日はクリスマスが最多」というのは意外でした というのは,娘が12月25日生まれで,同じ誕生日の友だちが皆無だったからです.しかし,実際には ひと昔前の 娘が生まれた頃も同じような傾向だったのかもしれません 

という訳で,誕生祝いの花を食卓に飾りました   昨夜はせっかくのクリスマスでもあったのに,娘は叔母が築地で寿司をご馳走してくれるといい,息子は大学に行ったまま帰らず,ということで,夕食はバラバラになってしまいました 辛うじて21時頃のケーキ・セレモニーだけは揃いました 暗すぎてインスタ映えしないので写真は省略します

 

     

 

ということで,わが家に来てから今日で1182日目を迎え,民間人殺害事件で禁固刑25年の判決を受けて収監されていた南米ペルーのアルベルト・フジモリ元大統領について,同国のクチンスキー大統領が24日,人道的配慮から恩赦を与えることを決めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 日系人の元大統領が恩赦を受けたことについて 御社はどうお考えですか?

     

          

 

昨日の朝日朝刊・国際面のコラム「風~ウィーンから」はヨーロッパ総局長・石合氏による「アルゲリッチさん初共演  なぜ」という見出しの記事を紹介していました 超訳すると

「マルタ・アルゲリッチはウィーン・フィルとの共演を長年拒み続けてきた その彼女が11月末,76歳にして初めてダニエル・バレンボイム指揮ウィーン・フィルのバックのもとリストの『ピアノ協奏曲第1番』を演奏した なぜアルゲリッチはウィーン・フィルとの共演を拒んできたのか,楽屋を訪ねて本人に直接聞いてみた 彼女の答えは『女性がひとりもいないオケだったから』というものだった 1942年に設立されたウィーン・フィルは常任の指揮者を置かない任意団体で,国立歌劇場管弦楽団から選ばれるメンバーは長年,男性だけだった 女性の入団を認めたのは1990年代後半からで,現在は148人の奏者のうち約1割を女性が占める 今回の公演でコンマスを務めたのは11年に正団員になったアルベナ・ダナイローバで,楽団史上,初めてこの立場についた 多くの団員がオーストリア出身だが彼女はブルガリア出身だ.コンマスの選考は,序盤では奏者の姿を隠し,音の良し悪しに集中するため,ついたてのある部屋で行われた 今回共演を持ちかけたのは同じアルゼンチン出身で盟友のバレンボイムだったが,この日の演奏会のアンコールでアルゲリッチは ピアニストでもあるバレンボイムと連弾した 演奏後,彼女は受け取った花束から一輪を抜き取り,ダナイローバにさりげなく手渡した

この記事を読んで,そういえばアルゲリッチがウィーン・フィルと共演したという話を見たことも聴いたこともないな,と思いました  上の記事,最後の一行がいいですね

アルゲリッチの2番目の夫であるシャルル・デュトワが,過去にオペラ歌手ら女性4人に対しセクハラ行為があったとして窮地に立たされている中で(本人は否定しているようですが),アルゲリッチは今なお 世界中から引っ張りだこのようです

 

     

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ベートーヴェン「第九交響曲」,ワーグナー「タンホイザー序曲」を聴く~末廣誠+文屋小百合,菅有実子,渡邉公威,大山大輔+都民交響楽団+ソニー・フィルハーモニック合唱団

2017年12月25日 07時53分36秒 | 日記

25日(月).わが家に来てから今日で1181日目を迎え,目の前の物が食べられるのかどうか確かめようとしているモコタロです

 

     

      同じ「クリーム」でも 食べられるのと食べられないのがあるらしいけど  これは?

 

                     

 

昨日,東京文化会館大ホールで都民交響楽団2017年特別演奏会を聴きました プログラムは①ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲,②ベートーヴェン「交響曲第9番ニ短調”合唱付き”」です 出演は,ソプラノ=文屋小百合,アルト=菅有実子,テノール=渡邉公威,バリトン=大山大輔,合唱=ソニー・フィルハーモニック合唱団,指揮=末廣誠です

実は,今年「第九」を聴く予定はなかったのですが,前日観た映画「ダンシング・ベートーヴェン」に刺激されて どうしても生演奏で聴きたくなり,音楽情報誌「ぶらあぼ」で調べたら在京オーケストラを中心に年末までいくつか公演があることが分かりました その中から日程が一番近い24日のアマチュア・オケ 都民交響楽団の公演を選びました 決め手は言うまでもなくS席2000円,A席1000円という安価なチケット代と,ソリスト4人のうち3人は今まで聴いたことがあるということでした 急に思い立ったので,開演1時間前に会場に行って当日券(A席)を購入しました.取った席は1階30列35番,後ろから2列目の右端から2つ入った席です

プログラムを読んでから会場に入り ビックリしました 5階席まで9割近く埋まっているのではないでしょうか その何割かはオーケストラや合唱団の家族・親戚・友人・知人・会社関係者などだろうと想像がつきますが,それにしても良く入りました

 

     

 

指揮者の末廣誠氏は鹿児島出身で,鹿児島大学と桐朋学園を卒業し,秋山和慶,堤俊作,ハインツ・レーグナー各氏に師事,群馬交響楽団や札幌交響楽団でも指揮をとってきたとのことです ソプラノの文屋小百合さんは国立音大卒,二期会会員で,第3回東京音楽コンクール声楽部門第1位を受賞しています 私は一度「第9」のソロを聴いています アルトの菅有実子さんは東京藝大卒,第62回日本音楽コンクール第2位入賞の経歴の持ち主です テノールの渡邉公威氏は国立音大卒,二期会会員で,カルーソー国際声楽コンクール第3位の受賞歴を持っています バリトンの大山大輔氏は東京藝大卒,モーツアルト,ロッシーニ,プッチーニ等を得意としています ソニー・フィルハーモニック合唱団は,ソニー株式会社創立50周年を記念して1995年に結成,1996年に「第九」でデビューを飾りました ソニーグループの社員,OB,OG,家族等により構成されています

オーケストラのメンバーが入場し配置に着きます.弦は左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスという編成をとります コンマスは女性ですが,椅子の座面を高く設定していて,ほとんど中腰スタイルです 他のメンバーに演奏姿が良く見えるようにという配慮です.特に第1ヴァイオリンは彼女の背中を見ながら演奏することになるのでしょう

1曲目はワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲です この曲はワーグナーが30歳の時,1843年から翌44年に掛けて作曲されましたが,「タンホイザーおよびワルトブルク歌合戦」が正式な題名です

指揮者のタクトで演奏が開始されますが,冒頭のホルンが不安定です 弦は強音から弱音に移るところがスムーズにいきません.「この調子で『第九』は大丈夫か?」と心配になってきました

15分の休憩後はいよいよ「第九」です あらためてご紹介すると この曲は,第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ・エ・ウン・ポコ・マエストーソ」,第2楽章「モルト・ヴィヴァーチェ~プレスト」,第3楽章「アダージョ・モルト・エ・カンタービレ~アンダンテ・モデラート」,第4楽章「プレスト~アレグロ・アッサイ」の4楽章から成ります

まずソニー・フィルハーモニック合唱団の面々がオケの後方にスタンバイします.総勢約120名の男女比率は女声2対男声1の割合です.コーラス・グループはどうしても男声が少数派になってしまいますね

次いでオケのメンバーが配置に着き,指揮者のタクトで第1楽章に入ります 1曲目を聴いた時の心配が現実となり,この楽章でも金管楽器が不調です 弦は何とか踏ん張っています.一方ティンパニは絶好調です 第2楽章に入ると,速いテンポに乗ってやや持ち直した感じがします この楽章が終わったところで,ソリスト4人が入場し合唱の前にスタンバイします

第3楽章の冒頭は弦楽器のアンサンブルが美しい この曲で一番好きな楽章です.しかし,残念ながら中盤で金管が崩れました.1か所だけにとても残念です 第4楽章になってやっと安定してきました.ソリストではソプラノの文屋小百合さんが好調でした 渡邉公威さんは声量がイマイチでした そうした中で大健闘だったのはソニー・フィルハーモニック合唱団の力強いコーラスです

さて,こうして聴いてみて思うのは,アマチュア・オーケストラの演奏をどのように評価すべきか,という問題です 言うまでもなく同じアマチュア・オケでもピンからキリまであり,かつて作曲家の芥川也寸志氏が音楽監督を務めた「新交響楽団」のように毎回プロ顔負けの演奏を披露するオーケストラもあるし,そうでないオケもあるわけです 今回演奏した都民交響楽団は1948年(昭和23年)創立とのことで,来年70周年を迎える歴史と伝統のあるアマチュア・オケです 楽団プロフィールによると,入団オーディションのほか,入団後も4年に1度更新オーディションを課しているということで,アマ・オケの中でも厳しい条件を課しているようです

まず最初に,アマチュア・オケの演奏はプロ・オケの演奏と同等に評価すべきではないというのは多くの人から共感を得られると思います プロは給料をもらって演奏している専門家集団ですから上手くいって当たり前です.その点,アマチュア・オケは本業を別に持つ人たちが週に1度くらいのペースで集まって練習し,年に2度か3度の演奏会で披露するというのが大方の実態だと思います したがって,コンサートを練習の成果を披露する「発表会」と考えれば,それなりの評価の仕様もあると思います そういう観点から言えば,今回の公演はアマチュア・オケのコンサートとしてはよく検討した,と言えるのではないか,と思います

ただ,同じアマチュアでも歴史と伝統と実績のある「新交響楽団」のようなオーケストラはS席3000円,A席2500円,B席1500円と,アマチュア・オケの中では比較的高い料金設定になっています 聴く側としてはチケット代に見合った演奏が聴けるかどうかが判断基準になります.私としてはプロに一歩近い判断基準で聴くことになります 皆さんはいかがでしょうか

話は180度変わりますが,第4楽章の中盤でコーラスが歌うクライマックスの時,2階か3階の左サイドでピカッと光りました どこぞの大馬鹿者が写メするためフラッシュを炊いたものと思われます プロのオケの公演ではとても考えられない異常な行為です 今回はアマチュア・オケの公演とはいえ,演奏中にフラッシュを炊くなど 非常識極まりない行動だということは,誰が考えたって常識です こういう輩は二度と来るなと言っておきます

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「ダンシング・ベートーヴェン」を観る~モーリス・ベジャール・バレエ団 ✕ 東京バレエ団 ✕ ズービン・メータ+イスラエル・フィルによる世紀の公演 / クリスマスツリー・セレクション

2017年12月24日 08時05分23秒 | 日記

24日(日).わが家に来てから今日で1180日目を迎え,お兄ちゃんの山形土産を前に独り言を言っているモコタロです

 

     

        お土産は有難いんだけど  ぼくにとっては「絵に描いたお茶漬け」なんだよね  

 

                     

 

昨日は普段は料理を作らない土曜日でしたが,娘が某巨大アウトレットで牡蠣を500グラム買ってきたので牡蠣鍋にしました 材料は牡蠣,エビ,焼豆腐,白菜,長ネギ,椎茸,シメジ,蟹入り団子で,地鶏味噌ちゃんこスープを使いました 〆はおじやにしました

 

     

 

          

 

昨日,新宿武蔵野館で「ダンシング・ベートーヴェン」を観ました これはアランチャ・アギーレ監督による2016年 スイス・スペイン合作映画(83分)で,2007年に逝去したフランスの天才バレエ振付師モーリス・ベジャールの代表作「第九交響曲」の東京上演(2014年11月・NHKホール)に向けたバックステージを捉えたドキュメンタリーです

ベジャールと言えば,ストラヴィンスキー「春の祭典」とラヴェル「ボレロ」の名振付が忘れられません 「第九交響曲」はバレエダンサー80人余,ソロ歌手,オーケストラ,コーラスをあわせて350人というスケールの大きな上演作品です

スイスのローザンヌではバレエ「第九交響曲」出演のためモーリス・ベジャール・バレエ団のダンサーたちが過酷な練習に取り組んでいた ベジャールの後継者ジル・ロマンから第2幕のメインを任せられた才能豊かなソリスト,カテリーナは喜びに満ち溢れ練習に励んでいた しかし,カテリーナに妊娠が発覚しメインを下されてしまう 一方,その子の父となるオスカーは生まれてくる子供のために良き父親になろうとしていた カテリーナはキャリアが中断されることへの不安と生まれてくる子供への愛情の間で揺れ動く 様々な想いを抱きながらダンサーたちは東京での「第九交響曲」のステージに挑む

 

     

 

この映画は,モーリス・ベジャール・バレエ団の芸術監督ジル・ロマンの娘で女優でもあるマリヤ・ロマンが,両親や 同バレエ団や 東京バレエ団のダンサーたちにインタビューする形で進行し,①冬のローザンヌ,②春の東京,③夏のローザンヌ,④秋の東京・本番と 四季を追って展開します

コロンビア出身のオスカー・シャコンはじめソリストたちが踊るバレエは 練習,本番を問わず実に素晴らしく,思わず見入ってしまいます惜しいのはドキュメンタリーの時間的制約のせいか,カット割りが短く 連続してひとつのシーンが見られないことです

ダンサーたちの国籍・人種・肌の色は様々で,ジル・ロマンの言う通り「ダンスに差別はない.手をつないだ先が黒でも緑でも,関係ない」のです これはまさにベートーヴェンの「第九」のテーマである「人類は兄弟」という精神と結びついています

本番は指揮=ズービン・メータ,管弦楽=イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団,ソリスト=クリスティン・ルイス,藤村実穂子,福井敬,アレクサンダー・ヴィノグラードフ,合唱=栗友会合唱団,バレエ=モーリス・ベジャール・バレエ団,東京バレエ団という布陣ですが,オーケストラと合唱がステージに乗り,その前でダンサーたちが踊ります しかし,本番が映し出されるシーンは極めて短く,欲求不満に陥ります それでも第4楽章フィナーレにおける同心円上で踊られるダンサーたちの群舞は まるで万華鏡のように美しく感動的です

この映画を観て,今にして思うのは,3年前の2014年11月,あの公演を観に行けばよかったということです.当時は相当迷いました しかし,あまりにも高価な入場料金(確かS席が4万円近く,B席でも3万円近くしたのではなかったか)と,他のコンサートの日程との兼ね合いなどを考慮して諦めたのでした

今度来日公演があったらきっと行くと思います

 

     

 

         

 

毎年恒例の「コンサートホール・クリスマスツリー・セレクション」をお届けします

 

     

               サントリーホール前のカラヤン広場

 

     

              東京オペラシティコンサートホール

 

     

                 新国立劇場(オペラパレス)

 

     

                    紀尾井ホール 

 

     

                    ミューザ川崎  

 

     

                    NHKホール前

 

お正月には神社やお寺に初詣に行く日本人の皆さま メリークリスマス お子さんをお持ちの方はプレゼントで ベリークルシミマス

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2020年東京五輪にあわせて「トゥーランドット」「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を上演~朝日の記事から / 「俺たちポップスター」「ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走」を観る~新文芸坐

2017年12月23日 07時57分37秒 | 日記

23日(土・祝).わが家に来てから今日で1179日目を迎え,政府が22日 2018年度当初予算案を閣議決定し,一般会計の総額が97兆7128億円と 17年度当初予算より0.3%増え 6年連続で過去最大となった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       97兆7128億円は「急なナイフは 危険だからよさんか!」と読めなくもなくね?

 

          

 

昨日の夕食はすき焼きにしました すき焼きにも日本酒の熱燗でしょ

 

     

 

          

 

昨日の朝日朝刊に「東京五輪にあわせてオペラ」という見出しの小さな記事が載りました 超訳すると

「2020年の東京五輪・パラリンピックに合わせ,東京文化会館と新国立劇場は21日,2つのオペラを共同制作し 19年夏と20年夏に一つずつ上演すると発表した  発案したのは指揮者・大野和士氏で,総合プロデュースと指揮を務める  19年夏にプッチーニ『トゥーランドット』,20年夏にワーグナー『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を両施設で上演する

さて,問題は2020年の時点で 誰がトゥーランドット姫とカラフを,誰がハンス・ザックスとエファを歌うのか,ということです

 

          

 

現在,池袋の新文芸坐では「シネマ・カーテンコール2017」を開催中です昨日「俺たちポップスター」と「ボン・ボヤージュ~家族は大暴走」の2本立てを観ました

 

     

 

「俺たちポップスター」はアキヴァ・シェイファー監督による2016年アメリカ映画(86分)です

幼馴染の3人で結成した世界的に有名なヒップホップバンド「スタイル・ボーイズ」はフロントマンのコナーがソロデビューしたため呆気なく解散してしまった 専属DJに成り下がったオーエン,引退して農家に転身したローレンスの元メンバー2人を尻目に,コナーはファースト・アルバムが大ヒットして人気絶頂の中で自身のドキュメンタリーを製作することになる しかし,やることすべてが裏目に出て,セカンドアルバムは不評でコケてしまい,ワールドツアーも中止に追い込まれてしまう オーエンはかつての仲間二人の間を取り持ちグループ再結成に向けて動き出す

 

     

 

「スタイル・ボーイズ」を演じているのは,実在のコメディグループ「ザ・ロンリー・アイランド」の3人で,この3人が監督,製作,脚本に関わっているとのことですグループの波乱に満ちた音楽人生がドキュメンタリー・タッチで描かれています ヒップポップが好きな人には堪らなく面白い映画でしょう.次々と大音量のヒップホップ・ミュージックが炸裂します 映画の中で,マライア・キャリーが出てくるけど,ホンモノだろうか?  いったいどこまでがホンモノで どこからがパロディーなのか はっきり分かりません とにかくスピード感の溢れる賑やかな映画には違いありません

 

          

 

「ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走」は二コラ・ブナム監督による2016年フランス映画(92分)です

整形外科医の父トム,妊娠中の母ジュリア,不思議少女 9歳の娘リゾン,活発な7歳の息子ノエから成るコックス一家は,祖父と一緒にトムの自慢の新車で夏休みのバカンスに出掛ける しかし,最新機能を満載したはずのトム自慢の新車はブレーキが故障しており,ブレーキをかけても全く効かず 制御不能になる 無能な警察官や電話での問いに答えられない能天気なカーディーラー,後部座席に潜んでいた女性らを巻き込み,一家を乗せた新車はパニックの中,高速道路を時速160キロで暴走し続ける 車は停止することが出来るのか   一家は生きながらえることが出来るのか

 

     

 

ブレーキの効かなくなった車に乗った家族のパニック状態がヒシヒシと,そして面白可笑しく伝わってくる映画です ガソリンが満タンでブレーキの効かない車が渋滞の車列に突っ込もうとする時に,いったいどうやって暴走車を止めることが出来るだろうか,と考えながら観ていて,一つアイディアを思い付きました それはパトカーが暴走車の前に出てピタリと付けて,パトカーがブレーキを踏むという方法です われながらグッド・アイディアだと思っていたら,映画でも警察官が同じ方法を取りました しかし,ブレーキをかけ続けたことによりタイヤが過熱して破裂しそうになり途中で断念しましたが 最後のシーンを観て,事故を起こさないためには必ずしも暴走車を止めることに拘らなくても良いわけだな,と思いました

 

     

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アガサ・クリスティー原作「オリエント急行殺人事件」を観る~ケネス・プラナー,ジョニー・デップ,ペネロペ・クルスほか豪華キャスト:ポワロが大きさの違う2つの卵を食べる時

2017年12月22日 07時55分20秒 | 日記

22日(金).今年1年分のコンサートのプログラム類が溜まり,厚さにして30センチを超えたので整理してかなり捨てました 毎年年末に保存しているのは新国立オペラのプログラムと在京各オケのプログラム最新号です

ということで,わが家に来てから今日で1178日目を迎え,リニア中央新幹線の建設工事を巡る入札談合事件で,大手ゼネコン4社の受注希望を大成建設元幹部が 各社の担当者を通じて集約していたことが関係者への取材で分かった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 大成建設は 大勢に影響ない と思っただろうが 感心せんなあ  団子なら歓迎だけど

 

          

 

昨日,夕食に「麻婆茄子」「生野菜と鶏むね肉のサラダ」「つみれのスープ」を作りました お酒はやっぱり日本酒の熱燗でしょ

 

     

 

          

 

昨日,新宿バルト9で「オリエント急行殺人事件」を観ました これはアガサ・クリスティー原作のミステリーをケネス・ブラナーが監督・主演した2017年アメリカ映画(114分)です

エルサレムからイスタンブールに移り休暇をとろうとした名探偵エルキュール・ポワロ(ケネス・ブラナー)は,イギリスでの事件の要請を受けて急きょ トルコ発フランス行きの豪華列車オリエント急行に乗車することになった 車内で読書を楽しむポアロに大富豪のラチェット(ジョニー・デップ)が話しかけてきた.彼は脅迫を受けているので身辺警護を頼みたいと言ってきたが,ポアロは断る 深夜,雪崩のために脱線事故が起こり,山腹の高架橋で列車が立ち往生する中で,ラチェットが何者かにメッタ刺しにされ,死体で発見された 車両にいたのは,教授(ウィレム・デフォー),執事,伯爵,伯爵夫人,秘書,家庭教師(デイジー・リドリー),宣教師(ペネロペ・クルス),未亡人(ミシェル・ファイファー),セールスマン,メイド,医者,公爵夫人(ジュディ・デンチ),車掌の13人だった ポワロは一人一人と面談し 事件の背景を探っていくが,すべての人物が疑わしいことが分かる ポワロは 列車内における いわゆる”密室殺人”の真犯人を挙げることが出来るのか

 

     

 

私はミステリー好きですが,実はこの有名なアガサ・クリスティーの「オリエント急行殺人事件」を読んだことがありません それが反って良かったと思います ミステリーの場合,真犯人が誰かがあらかじめ判っていたら面白くないでしょう もちろん,多くの映画ファンは結論が判っている原作を監督がどのように映画化するのか,あるいは贔屓にしている俳優がどのような役割でどのような演技をするのかを楽しんでいるのだと思いますが,ミステリーは別だと思います

この映画では,冒頭のポワロが朝食に ゆで卵を食べようとするシーンが印象的です(原作にあるのかどうかは知りませんが).二つ用意されたゆで卵の高さを図り,まったく同じでないと「釣り合っていない」として食べないのです  つまり,このエピソードによって,ポワロが不釣り合いなこと,ひいては間違ったことは許せない性格であることを示しています

そういう性格のポワロですが,乗客たちとの面談から今回の殺人事件の背景(過去の悲惨な事件)を探り当て,真犯人が目の前にいることを突き止めたにも関わらず,乗客たちに「殺人事件は起こりましたが,この中に犯人はいません.警察は 犯人がラチェットを殺害のうえ逃走したと判断することになるでしょう」と言って列車から降ります 間違ったことは許せない性格のポワロは,この時 大きさの違う ゆで卵を食べた,つまり 自説を曲げたのです

登場人物が多いだけに,それぞれの出番が少ないので,観る人によっては物足りなさを感じるかも知れませんが,ホンモノのオリエント急行の列車内にカメラが収まりきれないため,わざわざ作り込んだという豪華列車は見ものです

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