人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

小泉和裕 ✕ 東京都交響楽団でモーツアルト「交響曲第40番」、ブラームス「交響曲第1番」を聴く ~ 「不動の小泉」健在:フェスタサマーミューザKAWASAKI

2024年08月02日 00時17分21秒 | 日記

2日(金)。昨日は12時半から銀座ブロッサムホールでオペラ映画「ばらの騎士」の上映会があったのですが、19時から「フェスタサマーミューザ・都響公演」があったので、腰痛悪化防止のためハシゴを避けて諦めました 今月は12日までに11公演聴くので、そちらを最優先することにしました

     

参考までに、このオペラ映画「ばらの騎士」(R.シュトラウス作曲)は1960年制作映画で、カラヤン指揮ウィーン・フィル、元帥夫人=エリーザベト・シュヴァルツコップ、オクタヴィアン=セーナ・ユリナッチ、オックス男爵=オットー・エーデルマン、ゾフィー=アンネリーゼ・ローテンベルガー、ファー二ナル=エーリッヒ・クンツといった当時最高峰の歌手陣を揃えた公演です 独身時代に銀座のヤマハホールで何度か観ましたが、レーザーディスクが発売されたので買い求め、自宅で鑑賞していました しかしLD再生機が壊れてしまったので、泣く泣くセコハン屋に売り飛ばしました この映画を観て、ユーゴスラヴィア出身のメゾソプラノ、セーナ・ユリナッチの大ファンになり、モーツアルトやR.シュトラウスのオペラを中心にCDを買い漁りました

     

ということで、わが家に来てから今日で3489日目を迎え、中国内陸部の湖南省で、「指導者はいらない。選挙が必要」「授業、仕事をボイコットし、独裁、国賊の習近平を罷免せよ」という横断幕が歩道橋に掲げられたとする動画が「X」に投稿されたというニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     領海拡大を狙いアジア諸国を脅かす中国にも 民主主義的精神を持つ国民がいるんだ

         

昨日、夕食に「豚肉の冷しゃぶ」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「大根の味噌汁」を作りました 冷シャブにはキャベツが敷いてありますが、豚肉と相性がいいです

     

         

昨夜、ミューザ川崎シンフォニーホールで「フェスタサマーミューザ 東京都交響楽団」のコンサートを聴きました プログラムは①モーツアルト「交響曲第40番 ト短調 K.550」、ブラームス「交響曲第1番 ハ短調 作品68」です 指揮は小泉和裕です

小泉和裕は東京藝大を経てベルリン芸術大学で学ぶ。1973年カラヤン国際指揮者コンクール第1位 これまで新日本フィル音楽監督、ウィニペグ響音楽監督などを歴任。現在、都響終身名誉指揮者、九響終身名誉指揮者、名古屋フィル名誉音楽監督、神奈川フィル特別客演指揮者

開演前の18時20分からプレコンサートがあり、滑り込みセーフで聴きました 曲目はモーツアルト「フルート四重奏曲第1番ニ長調K.285」です 演奏はフルート=小池郁江、ヴァイオリン=伊東翔太、ヴィオラ=石田紗樹、チェロ=伊東裕というメンバーです この曲はモーツアルト(1756-1791)が1778年に完成した作品で、第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド」から成ります フルートを中心にニ長調らしい明るく溌溂とした演奏が繰り広げられました 第2楽章「アダージョ」ロ短調から第3楽章「ロンド」ニ長調に移るところは、間を空けて演奏していましたが、モーツアルト特有の「暗から明への急転換」(泣いていたと思ったら、もう笑っている)を際立たせるためには、アタッカで続けて演奏した方が効果的だと思いました

     

さて本番です 会場はほぼ満席です

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの都響の並び。コンマスは水谷晃です 東響コンマスから都響コンマスに移って、違和感なく座っている姿が頼もしく感じます

1曲目はモーツアルト「交響曲第40番 ト短調 K.550」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1788年夏に、第39番(6月26日)、第41番(8月10日)とともに、7月25日に完成した交響曲です  第1楽章「モルト・アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット:アレグレット」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・アッサイ」の4楽章から成ります

小泉が指揮台に上がり第1楽章に入りますが、小泉の指揮姿を見て「まったく変わらないなあ」と思いました 両脚を肩幅まで広げ、そのままの姿勢で脚が指揮台に根を張ったかのように動かしません 両手を大きく振って指揮を採ります。その姿はカラヤンそっくりです この姿勢は楽章間でも崩さず、曲が終わるまで脚を指揮台に固定して動かしません こういう指揮スタイルは世界広しといえども小泉和裕ただ一人だと思います

演奏は黒澤明の映画のような「様式美」を感じさせる正攻法の直球勝負とでも言うべきもので、ムリ・ムダ・ムラのない楷書体のような演奏です したがって、音楽の流れが自然ですんなりと入ってきます これが小泉の特徴かもしれません とくに印象的だったのは第3楽章「メヌエット」におけるフルート、オーボエ、ファゴットといった木管楽器群の演奏でした

     

プログラム後半はブラームス「交響曲第1番 ハ短調 作品68」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833ー1897)が1855年の構想から76年にかけて作曲、1876年11月にカールスルーエで初演されました 第1楽章「ウン・ポコ・ソステヌート ~ アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・ソステヌート」、第3楽章「ウン・ポコ・アレグレット・エ・グラツィオーソ」、第4楽章「アダージョ・ピウ・アンダンテ ~ アレグロ・ノン・トロッポ、マ・コン・ブリオ ~ ピウ・アレグロ」の4楽章から成ります

オケは16型に拡大します

第1楽章がティンパニの規則的な連打を伴って力強く開始されます 重心の低い重厚感に満ちた堂々たる演奏が続きます オーボエとフルートが冴えています 聴きどころは第4楽章のホルンにより有名な旋律が朗々と奏でられ、次いでフルートが同じ旋律を受け継ぐところ ここは聴くたびに感動します そしてその後に弦楽器による”勝利のテーマ”とでも呼ぶべき旋律が悠然と奏でられ、徐々にテンポを上げてクライマックスに突き進むところです

最後は、オーケストラの総力を挙げての渾身の演奏により雄大なフィナーレを飾りました 小泉は最後まで脚を動かすことはありませんでした「不動の小泉」と言っておきましょう

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました

     

     

     

     

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沖澤のどか ✕ 阪田知樹 ✕ 大木麻理 ✕ 読売日響でリスト「ピアノ協奏曲第2番」、サン=サーンス「交響曲第3番”オルガン付き”」、R.シュトラウス「ドン・ファン」を聴く

2024年08月01日 00時20分12秒 | 日記

8月1日(木)。わが家に来てから今日で3488日目を迎え、東京地検特捜部が30日、公設秘書の勤務実態がなく 国から給与をだまし取った疑いで、自民党の広瀬めぐみ参院議員(岩手選挙区)の事務所などに家宅捜査に入ったことを受けて、広瀬氏は同日 離党届を提出し、受理された  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     またもや自民党得意の「政治とカネ」問題が浮上した 党の悪しき体質は変わらない

         

昨日、夕食に大学時代の友人S君が送ってくれた「ホッケを塩焼き」にして、「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「焼き肉」「舞茸の味噌汁」を作り、「マグロの刺身」と一緒に食べました ホッケは肉厚でとても美味しかったです

     

 

         

昨夜、ミューザ川崎シンフォニーホールで「フェスタサマーミューザ 読売日本交響楽団」のコンサートを聴きました プログラムは①リヒャルト・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン 作品20」、②リスト「ピアノ協奏曲第2番 イ長調」、サン=サーンス「交響曲第3番 ハ短調  ”オルガン付き” 作品78」です   演奏は②のピアノ独奏=阪田知樹、③のパイプオルガン独奏=大木麻理、指揮=沖澤のどかです

沖澤のどかは東京藝大、ベルリン・H.アイスラー音大で学ぶ。ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝 2020年~22年にはベルリン・フィルのキリル・ペトレンコのアシスタントを務める 2023年4月から京都市交響楽団常任指揮者を務め、2024年2月にセイジ・オザワ国際フェスティバル首席客演指揮者に就任した

開演前の18時20分からプレトークがありました 沖澤のどかと阪田知樹が揃って出てきたので「はて?」と思いましたが、沖澤が「風邪を引いたのか 喉が痛くて声が十分出ないので、トークは阪田氏にお願いします」とアナウンスして舞台袖に引き上げました ご懐妊ということなのでちょっと心配です   阪田はこの日のプログラムを簡単に解説し、一人では荷が重いと考えたのか、特別客演コンマス・日下紗矢子、ソロ ヴィオラ・柳瀬省太、ティンパニ首席・武藤厚志の3人を呼んで、それぞれの立場から見た沖澤のどか評を求めました   3人が語ったのは「指示が的確」「無駄のないリハーサル」「確固たる信念をもって指揮をしている」ということでした

     

さて、満席の会場で本番です

オケは16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の並び コンマスは日下紗矢子、隣は林悠介というダブルトップ態勢を敷きます

1曲目はR.シュトラウス「ドン・ファン  作品20」です この曲はリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)が1888年から89年にかけて作曲、1989年11月11日に作曲者の指揮ヴァイマール宮廷劇場管弦楽団により初演されました なお、1885年6月13日にフランクフルトでパウル・ハイゼの戯曲「ドン・ファンの最期」を観劇したことが作曲のキッカケなったと言われています

沖澤はキビキビした指揮で読響からエネルギッシュな演奏を引き出します 彼女は身体こそ小柄ですが、指揮ぶりは正確かつダイナミックで思わず引き込まれます オーボエ首席の荒木奏美の演奏が素晴らしい 沖澤は読響らしいゴージャスなサウンドを引き出し聴衆を魅了しました

2曲目はリスト「ピアノ協奏曲第2番 イ長調」です この曲はフランツ・リスト(1811-1886)が1839年に作曲、その後数度の改訂を経て1857年にワイマルで初演されました 第1部「アダージョ・ソステヌート・アッサイ」、第2部「アレグロ・アジタート・アッサイ」、第3部「アレグロ・モデラート」、第4部「アレグロ・デチーソ」、第5部「マルツィア ~ レ・ウン・ポコ・メノ・アレグロ」、第6部「アレグロ・アニマート」の6部から構成されますが、間断なく続けて演奏されます

ピアノ独奏の阪田知樹は東京藝大を経てハノーファー音楽演劇大学大学院ソリスト課程に在籍。2016年フランツ・リスト国際コンクール第1位、6つの特別賞を受賞、2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール第4位入賞 ピアニストとしての傍ら、作曲・編曲の分野でも活躍している

協奏曲のため、弦楽器は12型に縮小します

沖澤の指揮で木管のアンサンブルから演奏に入ります リストは当初この曲に「交響的協奏曲」というタイトルを付していたそうですが、まさにピアノとオーケストラが混然一体となって進行する曲で、リストらしい強靭かつ華麗な音楽が展開します 阪田は超絶技巧を駆使してクリアで美しい演奏を繰り広げます 遠藤真理のチェロがソリストに華を添えます 阪田は2日前に東京フィルとモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番」を演奏したばかりですが、それぞれの曲想に応じた素晴らしい演奏で聴衆を納得させます どちらかと言うと、リストの方が性に合っているかもしれません 実は、この曲は今年5月に他のコンサートで聴いているのですが、その時は「技巧をこねくり回した難しい曲」のような印象で、曲の良さがよく分かりませんでした しかし、今回 阪田の演奏を聴いて「なるほどこの曲はこういう曲だったのか」と納得させられ、リスト国際コンクール第1位は伊達ではないことが良く分かりました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中 カーテンコールが繰り返され、阪田はアンコールにフォーレ(阪田編)「ネル」をチャーミングに演奏、再び大きな拍手に包まれました

     

プログラム後半はサン=サーンス「交響曲第3番 ハ短調  ”オルガン付き” 作品78」です この曲はカミーユ・サン=サーンス(1835-1921)が1886年に作曲、同年ロンドンで初演され、リストに献呈されました   第1楽章(第1部)アダージョ ~ アレグロ・モデラート、(第2部)ポコ・アダージョ、第2楽章(第1部)アレグロ・モデラート ~ プレスト、(第2部)マエストーソ ~ アレグロから成ります

パイプオルガン独奏の大木麻里は東京藝大大学院修了。ドイツ学術交流会、ポセール財団の奨学生としてリューベック及びデトモルト音楽大学を満場一致の最優等で卒業 第3回ブクスフーデ国際オルガンコンクールで邦人初優勝 ミューザ川崎シンフォニーホールオルガニスト

弦楽器は16型に拡大し、ステージ下手にはピアノ(連弾)が、2階正面のパイプオルガンには大木麻里がスタンバイします

第1楽章がミステリアスな曲想で開始されます オーボエの荒木奏美、フルートのフリスト・ドブリノヴの演奏が冴えています 私が好きなのは第1楽章第2部でオルガンが静かに入ってきて弦楽アンサンブルと美しいハーモニーを奏でるところです 読響の弦楽セクションは天国的な美しさを奏でます その後の第2楽章第1部冒頭の弦楽による切れ味鋭い演奏は特筆に値します 第2部の冒頭でパイプオルガンが会場いっぱいに鳴り響き、ピアノ連弾が美しいハーモニーを奏でるところも大好きです オルガンが鳴り響き、管楽器が咆哮し、打楽器が炸裂し、弦楽器が渾身の演奏を展開し壮大なフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されました 沖澤のどかの並外れた統率力が証明されたコンサートでした

     

     

     

     

     

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