人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015」のチケットを手配:5月2日~4日の3日間で18公演

2015年02月28日 08時57分14秒 | 日記

28日(土)。わが家に来てから153日目を迎え、鼻でバランスボールを押すオスのモコタロです 

 

          

            こんなバランスボールなんか鼻であしらってやるぜ

 

  閑話休題  

 

毎年5月の連休に東京国際フォーラムを中心に開かれている「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」(”熱狂の日”音楽祭)が今年も5月2日(土)から同4日(月)までの3日間「PASSIONS(パシオン)」をテーマに開かれます 私は第2回目の2006年から毎年聴きに出かけているので、今年が10回目になります

「熱狂の日フレンズ」に登録しているので、先日、先行発売の案内メールが入りました 取りあえず20日からのフレンズ先行発売のうち「抽選販売」について3公演を応募しておきました 本当は7公演まで応募可能だったのですが、ネットでの予約方法の理解が不十分だったため3公演しか応募できませんでした しかし、24日の当選発表日には以下の3公演とも当選したという通知が届きました さっそくセブンイレブンを通じてチケットを入手しました

①公演番号123番:5月2日(土)13:45-14:35 B7ホール ブラームス「ピアノ四重奏曲第3番」、マーラー「四重奏曲断章」(プラジャーク弦楽四重奏団ほか)

②公演番号232番:5月3日(日)12:00-12:45 B5ホール バッハ「3声のシンフォニア」より第11番、ぺルト「鹿の叫び」他(ピアノ:クレール=マリ・ルゲ、ほか。

③公演番号361番:5月4日(月)10:30-11:15 G409ホール モーツアルト「ピアノ・ソナタ第11番K.331」他(ピアノ:クレール=マリ・ルゲ)

25日(水)からはフレンズ先行発売(先着順)が始まったので、あらかじめ公演日程表に印を付けておいた公演のチケットを「チケットぴあ」で買い求めました チケット入手の方針としては、比較的収容キャパの大きなホールの公演を選びました。というのはキャパの小さいホールは「抽選販売」ですでに売り切れている可能性が高いからです したがってB5(256席)、D7(221席)、G409(153席)、相田みつを美術館(110席)での公演は最初から捨てて、Aホール(5008席)、Cホール(1494席)、よみうりホール(1101席)、B’ホール(822席)の公演を抑えました。手配したコンサートは以下の15公演です

①公演番号141番:5月2日(土)10:00-11:00 Cホール ヴィヴァルディ「四季」他(リチェルカール・コンソート他)

②公演番号112番:5月2日(土)11:45-12:45 Aホール ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」他(チェロ=エドガー・モロー、他)

③公演番号114番:5月2日(土)16:15-17:15 Aホール プッチーニほか「オペラ・アリア」他 (指揮:ロベルト・トレヴィーノほか)

④公演番号115番:5月2日(土)18:30-19:20 Aホール ベートーヴェン「交響曲第3番」(トレヴィーノ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィア)

⑤公演番号175番:5月2日(土)19:45-20:30 よみうりホール ブラームス「ピアノ五重奏曲」(ピアノ:田部京子、プラジャーク弦楽四重奏団)

⑥公演番号221番:5月3日(日)10:30-11:15 B7ホール シューマン「クライスレリアーナ」他(ピアノ:児玉桃)

⑦公演番号213番:5月3日(日)14:15-15:05 Aホール ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」(Vn:デュメイ、トレヴィーノ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィア)

⑧公演番号224番:5月3日(日)15:45-16:40 B7ホール シューベルト「弦楽五重奏曲」(アルデオ弦楽四重奏団)

⑨公演番号245番:5月3日(日)18:30-19:15 Cホール チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」(ピアノ:ラナ、デュッセルドルフ交響楽団)

⑩公演番号216番:5月3日(日)20:30-22:30 Aホール バッハ「ヨハネ受難曲」(ミシェル・コルボ指揮ローザンヌ声楽・管楽アンサンブル)

⑪公演番号342番:5月4日(月)12:15-13:00 G409ホール バッハ「カンタータBWV106、BWV182」(バッハ・コレギウム・ジャパン)

⑫公演番号343番:5月4日(月)14:00-15:15 Cホール バッハ「ミサ曲ト短調」他(ローザンヌ声楽・管楽アンサンブル)

⑬公演番号324番:5月4日(月)16:00-16:55 B7ホール シューマン「ピアノ五重奏曲」(ピアノ:ラナ、アルデオ弦楽四重奏団)

⑭公演番号315番:5月4日(月)18:30-19:30 Aホール バッハ「2台のピアノのための協奏曲第1番」他(ピアノ:デジュー・ラーンキ他)

⑮公演番号316番:5月4日(月)21:00-22:00 Aホール グリーグ「ピアノ協奏曲」他(シンフォニア・ヴァルソヴィア他)

以上の通り、「抽選販売」分を含めて全18公演ですが、6公演×3日間聴くことになります

なお、ちけっとピアで上記チケットを買い求めている段階で、5月3日(日)午後4時からよみうりホールで開かれる公演番号273番の公演はピアニストが未定のため、会員先行販売はせず、3月14日からの一般販売から受け付けるとのことです また5月4日(月)午後2時からB7ホールで開かれる公演番号323番の「躍動のバロック~ヴァイオリンの饗宴」はすでに売り切れとのことでした よい子はよく確かめてからチケットを買いましょうね

 

          

 

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秋山和慶+キット・アームストロング+東響でブリテン「ピアノ協奏曲」を聴く~第627回定期演奏会

2015年02月27日 07時01分08秒 | 日記

27日(金)。わが家に来てから152日目を迎え、読者に挑戦するモコタロです 

 

          

                  たまには読者のみなさんがキャプションつけてね

 

  閑話休題  

 

昨日の日経朝刊・文化欄に日本モーツアルト協会副理事長の日和崎一郎氏が「嗚呼、モーツアルト生の喜び」というテーマでエッセイを書いていました。書き出しは

「大学時代は喫茶店『モーツアルト』でモーツアルトの音楽を聴いた 東京の水道橋と神保町の間にあった素朴な風情の小さな店だ。・・・・1950年代後半の昔にしては珍しく店に流れるのはモーツアルトのレコードばかり

私も時代の違いこそあれ、70年代の中頃の学生時代、水道橋と神保町の間を毎日のように歩いていましたが、残念ながら『モーツアルト』という名前の喫茶店はすでにありませんでした その代り『白十字』という喫茶店があり、バッハなどが流れていました お店は今でもまだあると思います。さらに日和崎氏は次のように語ります

「昔は若い人ばかりだったが、今は55歳以上が全会員の90%以上と、高齢化が進んだ

日本モーツアルト協会は、会員になると会員番号が与えられるようですが、その番号はモーツアルトの作品に付けられたケッヘル番号だということです したがってケッヘル1番からケッヘル626番まで626人の正会員がいるはず。昔からケッヘル番号を持った会員がそのまま高齢化して55歳以上になったのでしょう これは何も日本モーツアルト協会に限った話ではなく、ほとんどのオーケストラの定期会員にも共通した問題です いかに若い聴衆を増やすか、そのためにはどうすればよいか、オケの事務局の皆さんは日々そういう悩みを抱えているはずです

そうそう、日本モーツアルト協会副理事長の日和崎氏は、最後にしっかり「モーツアルト交響曲全45曲演奏会」のPRを書いていました

 

          

 

  閑話休題  

 

昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第627回定期演奏会を聴きました プログラムは①V.ウィリアムス「グリーンスリーヴスの主題による幻想曲」、②サラ=サーテ「スコットランドの歌」、③ブリテン「ピアノ協奏曲」、④エルガー「交響曲第1番変イ長調」です。指揮は指揮者生活50周年を迎えた秋山和慶、③のピアノ独奏はキット・アームストロングです

 

          

 

コンマス水谷晃のもとチューニングが行われます。拍手の中、ロマンス・グレイの秋山和慶が登場します 最初の曲はン十年前に私がフルート教室の発表会で冷や汗をかいた「グリーンスリーヴス」です もともとはイングランド民謡ですが、V.ウィリアムズが幻想曲に仕立てたのです。曲の冒頭、ハープに乗せてフルートが懐かしいメロディーを奏でます。甲藤さちの演奏はいつ聴いても素晴らしいですね 次いで弦楽器がお馴染みのメロディーを演奏します

次の曲はサラサーテの「スコットランドの歌」です。この曲は、ヴァイオリンを主役として6つのスコットランド民謡が展開されます ソロ・コンマスの大谷康子が明るいブルーのドレスで登場します 秋山和慶のシュアなサポートのもと、時に超絶技巧を要する民謡を鮮やかに演奏します

ピアノがステージ左サイドからセンターに運ばれ、ソリストの登場を待ちます。秋山和慶に伴われて中学生が出てきました おっと、中学生ではなく、きっとアームストロングです プロフィールによるとロンドンの王立音楽院から音楽の学位を、パリ大学から数学の学位を授与されています。数学ですよ、奥さん しかも13歳から、かのアルフレッド・ブレンデルに師事しているといいますから只者ではありません

ブリテンの「ピアノ協奏曲 作品13」は1938年夏のBBCプロムナード・コンサートで初演されましたが、その時、ソリストを務めたのはブリテンその人でした

第1楽章「トッカータ」の冒頭、速いパッセージを弾くアームストロングの演奏を見て唖然としました 中学生を撤回します。プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番の有名なパッセージを、ものすごく速くしたような曲想ですが、彼は何の苦も無くあっけらかんと弾き切ります 第2楽章は「ワルツ」と題されていますが、そういう感じはしませんでした。第3楽章は「アンプロンプチュ(即興曲)」、第4楽章は「マーチ」と題されています これについてブリテンは「この作品は、ピアノの様々な重要な特徴を探求しようというアイディアをもって構想された。例えば幅広い音域、打楽器的な特性、装飾への適合性など。したがって、ピアノ付交響曲では全くない、むしろ管弦楽伴奏付きの華麗な協奏曲だ」と述べています

とにかく、アームストロングの演奏は凄いの一言です 久々の大型新人の登場と言ったところです。彼はアンコールにウィリアム・バードの「森はこんなに荒れて」をリズミカルに演奏しました

 

          

 

休憩後はオケの規模が拡大し、フル・オーケストラでエルガーの「交響曲第1番」に臨みます この曲は、英国軍のチャールズ・ゴードン将軍の姿に感銘を受けて構想し、純音楽として完成したものです 第1楽章「アンダンテ~アレグロ」、第2楽章「アレグロ・モルト」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「レントーアレグロ」の4つの楽章から成りますが、第1楽章冒頭に奏でられる英雄的で勇壮なテーマが第3楽章、第4楽章にも回想されるところに大きな特徴があります 秋山和慶は折り目正しい、まったく無駄な動きのない引き締まった指揮でオーケストラをコントロールします 楽員から大きな信頼を受けている様子が窺えます

ところで東京交響楽団の1/2月号のプログラムの巻頭に、小澤征爾が「秋山和慶 指揮者生活50周年」を迎えてメッセージを寄せています。超訳すると

「秋山さんは斎藤先生の一番理想的な弟子だと今でも思っています 斎藤先生は、亡くなるまで一番信頼されていたのが秋山さんでしたし、先生を一番幸せにしたのが秋山さんだと思います そして、斎藤先生に一番迷惑をかけたのが、山本直純と私だったと思っています これからも、斎藤指揮法を継承する中心者として、世界中の指揮者に良い影響を与えてください

秋山和慶さん 指揮者生活50周年 おめでとうございます これからも お元気で素晴らしい音楽を聴かせてください

 

          

 

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METライブビューイング、レハール「メリー・ウィドウ」を観る~まるでミュージカル!

2015年02月26日 07時01分10秒 | 日記

26日(木)。わが家に来てから151日目を迎え、耳を後ろに向けて警戒モードのモコタロです 

 

          

            いつも後ろを警戒しているんだ 逃げる時は脱兎のごとく!

 

   閑話休題  

 

有給休暇が15日も残っていることが判ったので、昨日休暇を取って、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、レハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」を観ました これは今年1月17日に米ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場で上演された公演のライブ録画映像です        

キャストはハンナ・クラヴァリにルネ・フレミング(ソプラノ)、ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵にネイサン・ガン(バリトン)、ヴァランシエンヌにケリー・オハラ(ソプラノ)、カミーユ・ド・ロシヨンにアレック・シュレイダー(テノール)、ツェータ男爵にトーマス・アレン(バリトン)、二ェグシュにカーソン・エルロッド、バックを務めるのはアンドリュー・デイヴィス指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団、スーザン・ストローマンによる新演出です

 

          

 

ポンテヴェドロ(架空の国)のツェータ男爵は未亡人になったハンナがパリの男に言い寄られ莫大な遺産が国外に流失するのを恐れ、書記官のダニロ(昔ハンナと恋人同士だった)に『国の財政危機を避けるためハンナと結婚せよ』と指令を出す 一方、ツェータ男爵の妻ヴァランシエンヌはパリの伊達男カミーユから熱烈な求愛を受けているが、夫は気が付かない(以上第1幕)。ヴァランシエンヌはカミーユの誘惑に負け、庭の小屋で忍び合いをするが、その様子を覗き見た男爵は腰を抜かす しかし、ハンナがヴァランシエンヌと入れ替わってうまく危機を救う 成り行きから、ハンナはカミーユと婚約するのだと公言するのでダニロは動揺する(以上第2幕)。ダニロはハンナの結婚を阻止しようとするので、ハンナはダニロが自分を愛していることを確信する しかし、ダニロは財産目当てだと思われたくないので意地になって求婚しない。最後に、身代わりの誤解が解けると、ハンナは「再婚すれば自分は全財産を失う」という夫の遺言を読み上げる。するとダニロは即座に求婚する これを受けたハンナは「自分の失った財産は再婚相手に与えられる」と遺言の続きを読み上げ、ハッピーエンドで幕を閉じる(以上第3幕)

 

          

                   ルネ・フレミングとネイサン・ガン

 

ウィークデーの昼間というのに新宿ピカデリーはかなりの観客が詰めかけています いつものように左ブロックの後方、右通路側席に座ります

大画面に映し出されたオーケストラ・ピットを見ると、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれる対向配置をとっていることが窺えます イギリスの指揮者アンドリュー・デイヴィスが登場、タクトを持たずに第1幕イントロダクションの指揮を始めます このオペレッタの主要なメロディーが次々と現われてきます。ハンナが第2幕で歌う「ヴィリアの歌」、男たちが勢ぞろいして歌う「女、女、女のマーチ」そして「メリー・ウィドウのワルツ」など、このオペレッタのエッセンスがメドレーで登場します

今回の公演を観て、一番感じるのは「まるでミュージカルじゃん」ということです。特にヴァランシエンヌを演じるケリー・オハラはブロードウェイで活躍するミュージカル界のトップスターなのです 他の歌手が歌う時にはオペラ、あるいはオペレッタを感じるのですが、オハラが歌う時には、「これって、ジュリー・アンドリュースが歌っているみたい」と感じてしまうのです。歌い方がミュージカルなのです。ちなみに彼女は大学の時オペラを専攻していたそうで、当時はコロラチューラ・ソプラノを歌っていたそうです。基礎が出来ているということですね

もう一つ「まるでミュージカルじゃん」と思わせるのは、今回の演出がブロードウェイで活躍するスーザン・ストローマンだからです 彼女は幕間のインタビューでジョイス・ディドナートから「ミュージカルとオペラの演出上の違いは?」と質問され、「今回の演出はあくまでも”歌が第一”と考えました。ミュージカルはマイクを使うので歌いながら激しい踊りもこなせますが、オペラは生の声を会場の隅々まで届かせなければならないので、歌手が無理なく歌える範囲でダンスなどの演出をしました」と答えていました

さらに「まるでミュージカルじゃん」と思わせる決定的な要因は、今回のプロダクションがドイツ語でもフランス語でもなく英語で歌われているということです オペラやオペレッタをドイツ語やフランス語で聴くのに慣れてるので、英語はやはり違和感があります。歴史から見ればヨーロッパからアメリカに渡ったオペレッタはミュージカルの原型となり、20世紀を代表するエンターテインメントになったのです

さて、このオペラのヒロインは言うまでもなくハンナですが、ハンナを歌ったルネ・フレミングの魅力をどのような言葉で表現すればいいのか・・・・とにかくビロードのような美しい声で何の苦もなくウィーンの歌を歌い上げます 「ヴィリアの歌」の何と素晴らしかったことか METの誇るトップスターと言っても過言ではありません

そのお相手を務めるダニロ役のネイサン・ガンは堂々たる体格でセクシーで歌も上手いといった魅力あふれるバリトンです

ヴァランシエンヌを歌ったケリー・オハラは先に書いたように、まるでミュージカルを歌い演じているようで、本人がこの役を楽しんでいる様子がよく分かりました 第3幕のキャバレー・マクシムの場面では合唱と一緒に歌う「グりセットの歌」を歌いながら、踊り子たちと一緒にダンスを踊ります。さすがはブロードウェイのトップスターです このシーンは本当に感激しました。プロのダンサーによるカンカンも見事でした

そのお相手を務めるカミーユ役のアレック・シュレイダーは輝くテノールです。身も軽く演技も上手です。そして、オペレッタとしてのいい味を出していたのがツェータ男爵を演じたベテラン、トーマス・アレンです。シブいバリトンを聴かせてくれました

もう一人、狂言回し役のニェグシュを演じたカーソン・エルロッドは、一度も歌う場面がないのですが、この人がいないとこのオペレッタが成り立たないほど重要な役割を見事に演じ笑わせてくれました

演出面で気が付いたことを挙げるとすれば、パーティーで女性談義に花を咲かせる男たちが踊りながら歌う「女、女、女のマーチ」のシーンも、まさにブロードウェイばりの振り付けではないか、と思うほどミュージカル的な演出でした

また、2幕から3幕への転換は見事でした 通常は休憩が入るところですが、郊外のシーンにカンカン・ダンサーが踊りながら出てきて、いつの間にかキャバレー・マキシムの世界に導きます。ブロードウェイ演出家スーザン・ストローマンの面目躍如といったところです

「オペレッタ」は日本語で言えば「小さなオペラ」の意味ですが、基本的には喜劇です。したがって「喜歌劇」とも呼ばれます。オペラからミュージカルまでの脈絡をたどると、「オペラ」⇒「小さなオペラ(小オペラ)」⇒「小劇」⇒「笑劇」⇒「ショウ劇」となりませんか?なりませんね。失礼しました

ウィーンのオペレッタは本場のプロダクションでなければ、という人もいらっしゃるでしょうが、アメリカのMETのプロダクションも大したものです。こんなにゴージャスで楽しいオペレッタ公演は滅多にありません。超お薦めです

上映時間は休憩、歌手等へのインタビューを含めて2時間53分。都心では新宿ピカデリー、東銀座の東劇で27日(金)まで上映中です

 

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古典四重奏団の「弦楽四重奏の夕べ」を聴く~モーツアルト「狩」、シューベルト「死と乙女」

2015年02月25日 07時01分07秒 | 日記

 

25日(水)。わが家に来てから150日目を迎え、いわれなき暴力に反抗するモコタロです 

 

          

              耳を押さえないでおくれよ! 耳よりな話が聞けないじゃん

 

  閑話休題  

 

昨日の日経社会面に、第一生命保険が発表した「第28回サラリーマン川柳コンクール」の入選作が載っていました 入選作100句につき人気投票を実施して、5月下旬にベスト10を発表するそうです 私が一番傑作だと思ったのは、記事の見出しにもなっていた次の句です

           「壁ドンは ダメよダメダメ 借家でしょ!!」

私のように冗談の一つも言えないまじめ人間には、とてもこういう傑作は思い浮かびません。脱力です、もとい、脱帽です

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、東京文化会館小ホールで古典四重奏団の「弦楽四重奏の夕べ」を聴きました これは「都民芸術フェスティバル2015」の一環として開かれたもので、プログラムは①モーツアルト「ディベルティメント ヘ長調K.138」、②同「弦楽四重奏曲第17番変ロ長調”狩”」、③シューベルト「弦楽四重奏曲第14番ニ短調”死と乙女”」です

 

          

 

小ホールではつい先日「仲道郁代ワークショップ」を聞いたばかり。自席はR41番、会場右サイド後方の席です。会場は9割方埋まっている感じです

古典四重奏団は1986年東京藝大及び同大学院卒業生によって結成されました 第1ヴァイオリン=河原千真、第2ヴァイオリン=花崎淳生、ヴィオラ=三輪真樹、チェロ=田崎瑞博というメンバーです。このクアルテットの最大の特徴はレパートリー80数曲をすべて暗譜で演奏することです 「ムズカシイはおもしろい!」というレクチャーコンサートを作曲家別に開催しています。私はシューベルトとモーツアルトの時に聴きましたが、とても参考になる良い企画だと思います

会場の照明が暗転し、4人が登場します。譜面台がないだけ4人の位置が近くなっています。身を寄せ合って演奏するという印象を受けます 最初の曲はモーツアルトの「ディヴェルティメント ヘ長調K.138」です。一連のディヴェルティメント(喜遊曲)K.136、137、138の最後の曲です。3曲の中ではK.136が一番好きですが、この曲も愉悦感に満ちた幸福を感じる曲です まずはご挨拶代わりといった演奏です

次いでモーツアルトの弦楽四重奏曲K.458の演奏です この曲は師と仰ぐハイドンに献呈した6曲の弦楽四重奏曲「ハイドンセット」の3番目に書かれましたが、楽譜の出版順では4番目となっています。「狩」という愛称が付いていますが、冒頭の主題が狩猟のホルンを連想させることから付けられたものです

明るく軽快な第1楽章から第2楽章のメヌエットへは間を置かずに演奏します。ここでチューニングが入ります そして第3楽章「アダージョ」に入りますが、ここは「ムズカシイはおもしろい!」レクチャーコンサートで取り上げた楽章なので、あの時のことを思い出しながら、ため息のような冒頭部分を聴いていました そして間を置かずに第4楽章「アレグロ・アッサイ」に移ります。高度の集中力による演奏で聴くハイドン・セット、やっぱり素晴らしいと思います

休憩後はシューベルトの弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」です 「死と乙女」という愛称は、第2楽章の主題がシューベルト自身が20歳の時に作曲した歌曲『死と乙女』から採ったことから付けられました

譜面台がない彼らは、阿吽の呼吸で第1楽章「アレグロ」に入ります。すごい集中力です シューベルトの音楽の持つ緊迫感がヒシヒシと伝わってきます ここでチューニングが入り、次いで第2楽章に入ります。この楽章は歌曲『死と乙女』のテーマとその変奏によって展開しますが、聴きごたえがあります。4人のアンサンブルが見事です ここで再びチューニングが入ります。古典四重奏団の演奏は他のクァルテットと比較してかなり頻繁にチューニングが入るのが特徴です。あるいは暗譜による演奏に関係があるのかも知れません

第3楽章のスケルツォから第4楽章「プレスト」へは間を置かずに演奏されます。この楽章は4人の白熱した演奏が見事でした シューベルトが乗り移ったかのような迫力がありました

会場一杯の拍手に、チェロの田崎瑞博が4人を代表してあいさつします

「今日はありがとうございました。私たちは、今日演奏した曲だけでなく、たくさんのレパートリーを持っています(会場)。是非コンサートを聴きにお出かけください。それではアンコールにシューベルトの”白鳥の歌”と言われている曲を演奏します

そして、「楽興の時」を演奏し拍手の中コンサートを締めくくりました この日のコンサートを聴いて思ったのは、「レクチャーコンサート」で仕入れた知識が実際の演奏を聴くときに、曲を理解するうえで大いに役立つということです

 

          

          

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連城三紀彦著「流れ星と遊んだころ」を読む~レジェンド級の傑作か?!

2015年02月24日 07時00分53秒 | 日記

24日(火)。わが家に来てから149日目を迎え、きのうの誤りを認めるモコタロです 

 

          

          きのう倒したのはモコタロザウルスではなくてカボチャマンだった

 

  閑話休題  

 

昨日、ネットでバッハ・コレギウム・ジャパン(B.C.J)のチケットを手配しました 鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンが「第45回サントリー音楽賞」を受賞した記念コンサートで、J.S.バッハ「ミサ曲ロ短調」が演奏されます 先日、BCJ事務局から定期会員あてにチケット先行発売の案内ハガキが届いていたのですが、サントリーホールでもメンバーズ・クラブ会員向けに先行発売されていたので、こちらから申し込みました ソプラノ=ハンナ・モリソン、レイチェル・二コルズ、カウンターテナー=ロビン・ブレイズ、バス=ドミニク・ヴェルナー、テノール=櫻田亮が出演します。一般発売は2月28日からで、S席7,000円、A席5,500円、B席4,000円、P席3,000円です。バッハ愛好家は必聴ですね

 

          

 

B.C.Jの次年度最初のコンサートはJ.S.バッハ「マタイ受難曲BWV244」です。4月3日(金)午後6時半から東京オペラシティコンサートホールで開かれます。こちらも必聴です

 

          

 

  閑話休題  

 

連城三紀彦著「流れ星と遊んだころ」(双葉文庫)を読み終わりました 連城三紀彦は1948年、愛知県生まれ。81年に「戻り川心中」で第34回日本推理作家協会賞を、84年に「恋文」で第91回直木賞を受賞。2013年10月19日に死去しています

 

          

 

北上梁一は落ち目な大スター「花ジン」こと花村陣四郎の下でマネージャーとしてこき使われている 北上は43歳の誕生日の夜、一組の男女と出会う。秋葉一郎と柴田鈴子(れいこ)だ。北上は独特の雰囲気を放つ秋葉を大スターに育て上げることを決意する そこで、鈴子を巻き込んで花ジンから大作映画の主役を奪おうと画策する。ところが、3人の思惑が絡み合って、主役が脇役に、脇役が主役にといった逆転が起こり、話は思わぬ展開をみせる

この本の帯に「まさに”レジェンド”級の傑作だ!」とありますが、相当、話が複雑で分かりにくいので、素直に「ハイ、そうですね」と言う訳にはいきませんが、面白いことは面白いです 読者は著者の仕掛けた罠にまんまと引っかかり、翻弄されます。標題の「流れ星と遊んだころ」の”流れ星”というのは、映画スターの”星”を意味し、その星が”流れ星”であるところに意味があります

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDは、シューベルトの弦楽四重奏曲第14番”死と乙女”です。演奏はウィーン・コンツェルトハウス四重奏団です 今夜、古典四重奏団の演奏で聴くのでその予習です

 

          

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バッハ・コレギウム・ジャパン第111回定期演奏会を聴く~追悼のカンタータ

2015年02月23日 07時00分32秒 | 日記

 23日(月)。わが家に来てから148日目を迎え、爪切りを怖がるモコタロです 

 

          

           爪が伸びたから切ると言われた お代官様ごかんべんを!

 

  閑話休題  

 

昨日、東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパンの第111回定期演奏会を聴きました。プログラムは①J.S.バッハ「プレリュードとフーガ BWV534」、②同「オルガン・コラール”我ら苦難の極みにある時” BWV641」、③同「オルガン・コラール”我はあなたに叫び求めん、主イエス・キリストよ” BWV639」(以上:オルガン=鈴木優人)、④J.S.バッハ「追悼行事 カンタータ第106番”神の時こそ こよなき時” BWV106」、⑤ヨーハン・クーナウ「義しき者は滅ぶとも BWV deest」、⑥ゲオルク・メルヒオル・ホフマン「打ちて告げよ、待ち焦がれし時を BWV53」、⑦J.S.バッハ「候妃よ、いま一条の光を BWV198」です

出演は、ソプラノ=ジョアン・ラン、カウンターテナー=ロビン・ブレイズ、テノール=ゲルト・テュルク、バス=ドミニク・ヴェルナー、合唱・管弦楽=バッハ・コレギウム・ジャパン(B.C.J)、指揮=鈴木雅明です

 

          

 

最初に鈴木優人の独奏でオルガン曲が3曲演奏されました。このうち3曲目のオルガン・コラール「我はあなたに叫び求めん、主イエス・キリストよBWV639」は、曲を聴けば「ああ、あの曲ね」と分かるほど馴染みのある曲です。鈴木優人はゆったりしたテンポで噛みしめるように演奏します

次いで、いつも通りバッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーが総動員で・・・・と思ったら、ステージに出てきたのはリコーダー2名、オルガン1名、ヴィオラ・ダ・ガンバ(チェロの前身)2名、ヴィオローネ(コントラバスの前身)1名の計6人だけでした ヴィオラ・ダ・ガンバのうち1人は新日本フィルの首席チェロ奏者・武澤秀平、ヴィオローネは読響の首席コントラバス奏者・西澤誠治です

「追悼行事 カンタータ第106番”神の時こそこよなき時 BWV106」は、1707~08年頃に作曲されたと考えられています。「追悼行事」というのは「お葬式」のことですが、バッハが誰を悼んでこのカンタータを作曲したのかは不明だそうです

通奏低音をバックにリコーダーが静かに美しいメロディーを奏でます。次いで合唱が「生きるも死ぬも神の定めた時が最良の時」という内容の歌を歌い、テノール、バス、アルト(カウンターテナー)が引き継いで歌い、最後はコラールで神を称えて曲を閉じます。独唱陣はいつもの通り絶好調です

20分の休憩後、後半のプログラムを再開するに当たり、指揮の鈴木雅明がマイクを持って登場します

「皆さま、今日はようこそお出でくださいました。2015年に入って最初のコンサートですが、本日取り上げるのは”お葬式”の音楽です 新年の最初に”お葬式”はないだろうとお思いでしょうが、阪神淡路大地震から20年目、3.11の東北地方大震災から4年が過ぎ、さらに終戦後70年という重要な年に、バッハ・コレギウム・ジャパンは25周年迎えることになりました。そこで、多くの亡くなった方への追悼の思いを込めて今回のプログラムを組みました

なぜ彼が阪神淡路大震災の話から入ったかと言えば、もともとバッハ・コレギウム・ジャパンは神戸で活動を開始したからです。今でも定期演奏会は神戸松陰女子学院大学チャペル(今回が第233回定期公演)と東京オペラシティコンサートホール(今回が第111回定期公演)で続けているのです

そして後半の3曲について解説、「義しき者は滅ぶとも」はバッハではなく、クーナウという人の作品らしいこと、「打ちて告げよ、待ち焦がれし時を」は20世紀の半ばまではバッハの作品と見なされていたが、研究の結果、ホフマン(1679ー1715)の作品であることが有力視されるようになったことを説明しました

 

          

 

バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーが、今度はフルメンバーで登場です 向かって左サイドにヴァイオリン、ヴィオラ、その前方にヴィオラ・ダ・ガンバ(2)の弦楽器セクションが、中央に鈴木優人のオルガンが、右サイドにリュート(2)、フラウト・トラヴェルソ(フルートの前身)2、オーボエ(2)、ファゴット(1)、チェロ(1)、ヴィオローネ(1)、そして右奥に鐘(2)がスタンバイします

クーナウの曲は短い曲で、すぐに次の「打ちて告げよ、待ち焦がれし時を」が演奏されます。プロ集団BCJのバックに支えられてアルト(カウンターテナー)のロビン・ブレイズが「天の御国への旅立ちの時を待ち望む」という内容の歌を穏やかに歌い上げます 2つの鐘の音がいいアクセントになって彼の美声に彩りを添えます 男性が女性のような声で歌うカウンターテナーで、この人より右に出る人は限られるでしょう。本当にほれぼれするような美しい声です

最後は「候妃よ、いま一条の光をBWV198」です。この曲は、ザクセン選帝侯アウグスト強王の妃、クリスティアーネ・エーバーハルディーネが逝去した際に、作曲されたものです この王妃は、夫がポーランドの王位を得る為にカトリックに改宗した時、毅然とした態度でプロテスタントに残り、ライプチッヒの人々に敬慕されていたそうです。ラン、ブレイズ、テュルク、ヴェルナーの独唱陣はフラウト・トラヴェルソの管きよみ、オーボエの三宮正満を始めとするプロ集団に支えられ、完璧な合唱団の歌声とも相まって、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました

バッハ・コレギウム・ジャパンのコンサートを聴き終わると、いつも感動が残っています 私は無神論者ですが、このコンサートがある日だけは俄かクリスチャンになって敬虔な気持ちになります そういう気持ちにさせるのは大バッハの力であり、その音楽を忠実に再現させる鈴木雅明+バッハ・コレギウム・ジャパンの力だと思います

 

  閑話休題  

 

昨日聴いたCDは、アマデウス弦楽四重奏団によるモーツアルトの「弦楽四重奏曲第16番変ホ長調K.428」と「同・第17番変ロ長調”狩”K.458」です 明日K.458を古典四重奏団の演奏で聴くのでその予習です。ウォルフガング・アマデウス・モーツアルトのミドル・ネームを採ったアマデウス弦楽四重奏団は、その名の通りモーツアルトを得意としていたクァルテットですが、日本のヴァイオリン演奏家にも多大な影響を及ぼしました。このはCD1951年の録音ですが、録音の古さを通り越してモーツアルトの魅力が伝わってきます

 

          

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仲道郁代ワークショップ「実験&実演でわかる!ピアノのしくみ、ホールの秘密」を聞く

2015年02月22日 10時31分52秒 | 日記

22日(日)。わが家に来てから147日目を迎え、怪獣を倒して気勢を上げるモコタロです 

 

          

            ウルトラマンが来る前に怪獣モコタロザウルスを倒したぞ!

 

  閑話休題  

 

昨日、東京文化会館小ホールで仲道郁代ワークショップ「実験&実演でわかる!ピアノのしくみ、ホールの秘密」を聞きました これは東京都の推進する「東京文化発信プロジェクト」の一環として開かれたものです

 

          

 

自由席のため開場40分前には小ホールに続く坂にすでに長蛇の列が出来ていました それでもセンターブロック右通路側席を確保できました。会場は9割方埋まっている感じです。親子連れが目立ちます ステージ中央にはグランド・ピアノが構えています。ワークショップは、

1.ホールの響きとは~再現!ピアニストがリハーサルで注文すること

2.ピアノのしくみにせまる!~ピアノを解体してみよう

3.演奏への工夫~ピアニストは何を求めて舞台に立つのか?

の3部構成で進められました

拍手の中、仲道郁代が登場し会の趣旨を説明し、1.ホールの響きとは~の実験に入ります

最初に、小さなオルゴールのねじを巻いて鳴らしますが、ほとんど聴こえません ところがピアノ本体の中にそれを入れると、「エリーゼのために」がはっきりと聴こえてきました ワークショップでこのピアノの秘密に迫ろうというわけです

 「コンサートではピアノをどの場所に置くかで響き方が違ってくるので、ピアニストはリハーサルで、ピアノの位置を決めるため調律師と念密な打ち合わせと試行錯誤を繰り返します

調律師とホールの係員の力を借りてピアノを右側に、左側に、前方に、後方に移動させて、ベートーヴェンの「ワルトシュタイン・ソナタ」の冒頭部分を弾いて、音の響き方の違いを示します 左に寄せると直接音が多くなり迫力のある音になり、逆に右に寄せると壁に音が当たり間接音が多くなり豊かな音になる。また奥に引っ込めると低音が不明瞭になることがはっきり分かります

びっくりしたのは、小ホールのステージがコンピューター制御で客席と同じ高さまで下りてくることです サントリーホール等ではステージの左右後方部分だけが上下しますが、ステージ全体が客席の位置まで下りるのを見たのは今回が初めてでした もちろんこの位置でピアノを弾いても音の響きは違います

「ピアノの音が飛び出す方向は、向かって右斜めの方向(会場の右サイド)なので、そちらの方が直接音を聴くことが出来ます コンサートでは、ピアニストの指使いを見たいとして左サイドの席を取る方が多いと思いますが、純粋に音を聴くには逆の右サイドの方が良いのです

納得です。また、ピアノの脚に付いているキャスターの向きによって音が違ってくるそうです 20トンの負荷(テンション)がかかっているピアノの3本の脚には当然、相当な負荷がかかっており、キャスターを外に向けるか内に向けるかで音に影響が出てくる(外に向けた方が負荷が大きくかかる)とのこと

 

          

 

次に、2.ピアノのしくみにせまる~に移ります

調律師に頼んでいつものよう本体からアクション(鍵盤部分)を取り外して、ピアノの仕組みがどうなっているか、ハンディ・カメラで映像を映し出します ピアノは大きな箱に張られた弦をフェルト(羊毛)で作られたハンマーで叩いて音を出す機械ですが、鍵盤は白黒合わせて88鍵、弦の数は最低音1オクターブ以外は1音につき3本(ないし2本)、合計243本張られているそうです。これには驚きました 調律師がいかに大変な作業をやっているのか、よく分かりました

また、「鍵盤は上下1センチしか動かないのに、アクションを通じてハンマーに伝わった時点では5倍の動きに拡大される」とのこと ピアニストがミリ単位で調律を求めるのはそういう理由だったのが良く分かりました 仲道の「ピアノはマシーンです」という言葉に思わず頷きました

ペダルの話。「右ペダルは、踏むとダンパーフェルトが弦から一斉に離れ、全ての弦が共鳴できる状態になります。左ペダルは、踏むと鍵盤アクションが右にわずかにスライドし3つのうち2つの弦だけ打つようになり、1本の弦は共鳴弦となり全体に柔らかな響きになります

次に3.演奏への工夫~の話に移ります。照明係の協力を得て、ステージ上のソリストに当てる照明を調節して、鍵盤に影が出ないように工夫していることが分かりました

コンサートで会場の係員に事前に確認するのは何人位の聴衆が集まるのか、ということだそうです。多い時と少ない時とでは弾き方が違うし、夏か冬かでも違う、つまり冬は厚着をしてくる人が多いので音が吸収され易い、ということです

最後に東京文化会館の関係者が出てきて、小ホールについて解説してくれました このホールはもともと国際会議場としても使用できるように作られたそうで、同時通訳ブースなども設置されています(そこは今では倉庫になっているそうですが) ステージ裏の”楽屋”もハンディ・カメラで映し出されましたが、「控室」というよりは「倉庫」といった感じで、すごく狭い状況がよく分かりました。これはこのホールの”菱形”状の造りに原因があるようです

「予定の時間をすでに10分オーバーですが・・・」と言って、仲道はドビュッシーの「月の光」を演奏し、拍手の中ワークショップを終えました。正味1時間20分位でしたが、私のような素人には大変楽しく参考になるワークショップでした。こうした試みは是非今後も続けてほしいと思います

 

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新国立オペラ研修所公演でロッシーニの一幕物オペラ「結婚手形」「なりゆき泥棒」を観る

2015年02月21日 08時02分41秒 | 日記

21日(土)。わが家に来てから146日目を迎え、写真慣れして嘆息するモコタロです 

 

          

              よくも飽きずに ぼくばっかり撮っているよね 

 

  閑話休題  

 

さて、いま話題のピケティ氏の話です フランス人経済学者ピケティ氏の『21世紀の資本』によると、「富が集中する理屈はr>gという数式で表せる。株や不動産などの投資からの年間収益(r)の伸びが過去300年で4~5%なのに対し、賃金の伸び(g)は1~2%にとどまる。つまり、投資の元手がある人は、普通に働く人より所得を増やしやすく、格差は自然に広がっていく。それは世襲によって強化される」ということです

日本国内を見れば、16%の貧困層を社会全体でいかに支えるかが課題ですが、個々人を取ってみれば、賃金の伸びよりも投資による収益の伸びの方が大きいのなら、少しでも多く手持ち資金を投資に回して「お金に働かせる」方が良いということでしょうね もちろん、これには「自己責任」という言葉が常に付いてまわりますが

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、初台の新国立劇場・中劇場で新国立オペラ研修所公演を観ました プログラムはロッシーニの歌劇①「結婚手形」、②「なりゆき泥棒」の2本立てです。この2つのオペラはヴェネツィアの今はなきサン・モイゼ劇場のためにロッシーニが作曲したもので、「結婚手形」が1810年、「なりゆき泥棒」が1812年の作曲です オペラ研修所音楽主任講師・河原忠之(ピアニストとして有名)の指揮、東京シティ・フィルの演奏で、演出はオペラ研修所講師・久恒秀典です

 

          

 

中劇場は久しぶりです。ロビーにプログラムの時間表示が掲示されています。「結婚手形」18:30~20:00、休憩20:00~20:30、「なりゆき泥棒」20:30~22:10。ここで初めて終演時間が10時を過ぎることが分かり、ため息を一つ

自席は1階13列31番、左ブロック右から2つ入った席です。会場は6割位の入りでしょうか。会場が暗転し、指揮者の登場です

最初にロッシーニが18歳の時のデビュー作 「結婚手形」が上演されました。ストーリーは

「イギリスの商人ミルは、新大陸カナダの裕福な商人スルックから、花嫁を”調達”してくれればしかるべき金額を支払うという『結婚手形』を受け取り、自分の娘ファニーを彼に嫁がせることを思い付く しかし、ファニーには将来を誓い合ったエドアルドという恋人がいた ファニーとエドアルドは何とかスルックを諦めさせようと脅す。後に二人の関係を知ったスルックは彼らに有利になるよう『結婚手形』に裏書きしてハッピーエンドを迎える

という内容です。研修所の第15期生と16期生を中心にキャストが組まれています。ミルを演じた山田大智は第12期修了ですが、このオペラが喜歌劇であることを印象付ける良い演技が光っていました ファニー役の原璃菜子は第15期生ですが、可憐な花嫁候補を演じ歌っていました クラりーナ役の藤井麻美も15期生ですが、声量もあり声が良く通っていました

30分の休憩の後、ロッシーニが20歳の時の作品「なりゆき泥棒」が上演されました。ストーリーは

「ドン・パルメニオーネは夜半の嵐をやり過ごそうとしている。一方、伯爵アルベルトは婚礼のためナポリに向かう途中にある。旅の宿で偶然居合わせた二人の青年だが、アルベルトの召使の手違いで、パルメニオーネは旅行カバンを持っていかれ、彼は残されたアルベルト伯爵のカバンに入っていたパスポートを利用して花婿になりすます 彼をナポリで出迎えたのは、本来アルベルトの花嫁になるはずのペレニーチェではなく、彼女の身代わりになって花嫁に変装したエルネスティーナだった さて、なりすまし同士が出会った結末はどうなるのか??」

まず、序曲を聴いて思ったのは、この序曲は後の傑作オペラ「セビリアの理髪師」の嵐のシーンに転用したのではないか、ということです。そっくりなのです

ヒロインのべレニーチェを歌った清野友香莉は第15期生のソプラノですが、この人は歌が上手いだけでなく華があるので人気がでるでしょう 後半にコロラチューラでアリアを歌った時はびっくりしました。想像以上の実力者だと思います 同じ15期生の小堀勇介はアルベルト伯爵を歌いましたが、明るく、高音部がきれいなテノールでした また、14期修了の伊達達人は”オネエ”的なキャラが光っていました 会場には新国立劇場の飯守泰次郎音楽監督もお見えになっていたので、出演者の中から誰かがいつか近いうちに新国立オペラにデビューするのではないでしょうか

 

          

 

ところで、プログラムに載った出演者のプロフィールを見ていて気が付いたのは、国立音楽大学出身者が圧倒的に多いと言うことです 15期生と16期生合計10人のうち6人を国立音楽大学出身者で占めています なぜだろう、と考えたみたら新国立オペラ研修所音楽主任講師でこの日の指揮を担当した河原忠之氏が国立音楽大学出身なのです。いわば先輩と後輩の関係が強く働いているということですね

それはともかく、ロッシーニは楽しいです 2つとも初期の作品ですが、”早口言葉”アリアや”ロッシーニ・クレッシェンド”もあり、さすがはロッシーニだ、と感心します。1幕物オペラなので舞台転換はありませんが、シンプルな舞台作りが明快で良かったと思います

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇「こうもり」です 先日、新宿タワーレコードで買った10枚組(1,728円)のうちの2枚です。歌手はペーター・アンダース、リタ・シュトライヒほか、フェレンツ・フリッチャイ指揮RIASシンフォニー・オーケストラによる演奏です。1949年の録音ですが、十分楽しめます オペレッタにしては、歌手陣が真面目すぎるきらいがあります。たぶんスタジオ録音なのでしょう。これがライブ録音だったら歌手陣ももっと乗っていたかも知れません

 

          

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「検事の本懐」「検事の死命」、「読書の腕前」,「切り裂きジャックの告白」「スタート!」、「夜の床屋」

2015年02月20日 07時01分02秒 | 日記

20日(金)。わが家に来てから146日目を迎え、白黒はっきりさせろと鋭い指摘をするモコタロです 

 

          

           モノクロで散らかし放題をごまかそうたってそうはいなかいよ

 

  閑話休題  

 

18日の朝日夕刊・社会面に「つまようじ動画・19歳少年再逮捕」という小さな記事が載りました。超訳すると

「無職19歳の少年が『有名になりたかった』として、1月に調布市内のスーパーでスナック菓子の包装容器につまようじを刺して混入する場面を撮影し『ユーチューブ』で公開した事件で、警視庁は店の業務を妨害したとして、少年を偽計業務妨害の疑いで再逮捕した」

というものです。用事もないのにツマ楊枝を容器に刺して世間からツマはじきにされた幼児並みの男というお粗末です 19歳・・・正真正銘の未成年ですね、頭の中が 「有名になりたかった」ですか?・・・図らずも2度も逮捕されて存在が世間に知れ渡りましたが、少年法で守られて実名が出なかったのは残念だったでしょうね、本人は もっとも、こういうのを世間では「有名」ではなく「悪名」と言いますけどね

 

  も一度、閑話休題  

 

本を6冊買いました 1冊目は柚月裕子著「検事の本懐」(宝島社文庫)です。これは著者の「最後の証人」を読んで衝撃を受けたからです

 

          

 

2冊目も柚月裕子著「検事の死命」(宝島社文庫)です。以下同文

 

          

 

3冊目は岡崎武志著「読書の腕前」(知恵の森文庫)です。この人は昔、NHK-BSの「週刊ブックレビュー」で時々コメンテーターとして出演し、文学について薀蓄を傾けていました

 

          

 

4冊目は中山七里著「切り裂きジャックの告白」(角川文庫)です。「さよならドビュッシー」のあの中山七里です

 

          

 

5冊目も同じく中山七里著「スタート!」(光文社文庫)です。以下同文

 

          

 

6冊目は沢村浩輔著「夜の床屋」(創元推理文庫)です。この本はつい先日の朝日新聞の書評欄に載っていて、「売れている本」として話題になっていました

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日聴いたCDはメンデルスゾーンの「八重奏曲」です 前日に聴いた2枚組の1枚です。スメタナ弦楽四重奏団とヤナーチェク弦楽四重奏団の合同による演奏です。録音は古いですが、青年期の躍動するメンデルスゾーンが聴けます

 

          

 

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スワロフスキー+東京都響でベートーヴェン「第6」を聴く~まるでオペラを聴いているような

2015年02月19日 07時01分07秒 | 日記

19日(木)。わが家に来てから145日目を迎え、ごはんをもらいながらこぼしているモコタロです 

 

          

            ぼくって ごはんをもらってるところばかりだよね・・・

 

  閑話休題  

 

昨日、当社の臨時株主総会が無事に終わり、一息ついているところです 昨夕、池袋の東京芸術劇場で東京都交響楽団のコンサートを聴きました。これは「都民芸術フェスティバル2015」の一環として開かれた公演で、プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番変ホ長調”皇帝”」、②同「交響曲第6番ヘ長調”田園”」です。指揮はレオシュ・スワロフスキー、①のピアノ独奏は末永匡です

 

          

 

自席は3-D44番、3階センター右ブロックの左から2つ入った席です。会場は1、2階席はほぼ満席ですが、3階は空席が目立ちます

グランド・ピアノがステージ中央にスタンバイしています。コンマスは矢部達哉。第2ヴァイオリンにはエンカナ(遠藤香奈子)さんが健在です ソリスト末永匡(ただし)がレオシュ・スワロフスキーとともに登場しピアノに向かいます。スワロフスキーは現在スロヴァキア・フィルの常任客員指揮者で、昨年4月からセントラル愛知交響楽団の音楽監督も務めています 一方、末永匡は桐朋学園、ベルリン芸術大学、フライブルグ音楽大学、モーツアルテウム音楽院等で学び、2006年にドイツ演奏家国家資格を取得しています

スワロフスキーのタクトで第5協奏曲の第1楽章が、”皇帝”に相応しい堂々たる音楽で開始され、すぐにピアノがカデンツァを奏でます スワロフスキーと末永はスケールの大きな演奏を展開します。第2楽章はアダージョ楽章ですが、ベートーヴェンは緩徐楽章がいいですね そして切れ目なしに第3楽章に突入します。ここは”芸術は爆発だ”といったところです

残念ながら、途中、ピアノ演奏で”ヒヤリ・ハット”のところが2か所ほどありましたが、何とかクリアして最後まで堂々たる演奏を展開しました 末永はアンコールにシューマンの「トロイメライ」をゆったりしたテンポで演奏、クールダウンを図りました

休憩後は同じくベートーヴェンの交響曲第6番「田園」です。この曲は1807年の夏から翌年の夏にかけて作曲されたと言われていますが、1808年12月22日にウィーンのアン・デア・ウィーン劇場で、第5交響曲”運命”と共に初演されています つまりベートーヴェンは性格の異なる2つの交響曲を同時並行的に作曲していたわけです。天才は時にこういうことをやり遂げます モーツアルトは最後の交響曲第39番変ホ長調、第40番ト短調、第41番ハ長調でやり遂げました

ベートーヴェン自身がこの交響曲を「田園」と名付け、「絵画的な描写ではなく、田園での喜びが、人々の心の中に引き起こす、いくつかの感情を描いたものである」と語っています

スワロフスキーのタクトで第1楽章が開始されます。スワロフスキーは曲全体を大きな流れの中で捉え、流れるような音楽作りをします まるでオペラを聴いているような感覚を持ちました。あらためて彼の経歴を見ると、プラハ国民歌劇場でコシュラ―の下で副指揮者を務めたこともあり、2010年7月の都響創立45周年記念特別公演「売られた花嫁」では大きな喝采を浴びたそうですから、そのような素質があるのかもしれません とにかく、聴いていて、とても心地よい音楽作りをします

都響の弦はフォルティシモでも美しさを保ちます 管楽器で特質すべきはオーボエの広田智之です。この人の場合は”名人芸”の域に達しています もちろんフルートもオーボエもクラリネットもファゴットも、みな素晴らしいのですが、広田の演奏は突出しています

スワロフスキーは会場一杯の拍手に何度かステージに呼び戻され、矢部コンマスをはじめヴァイオリン・セクションの面々もアンコールに備えて楽譜を準備している様子でしたが、遂にアンコールはありませんでした スワロフスキーにいったい何があったのか・・・・拍手が足りなかったのか?トイレに行きたかったのか?立ちっぱなしで疲れたので”座ろ好きー”だったのか・・・・・・謎です

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはスメタナ弦楽四重奏団によるベートーヴェン「弦楽四重奏曲第4番」、同「同第9番”ラズモフスキー第3番”」です 2枚組のうちの1枚で、もう1枚にはスメタナSQとヤナーチェク弦楽四重奏団によるメンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」とベートーヴェンの”ラズモフスキー第2番”(ヤナーチェクSQ)の演奏が収録されています 1959年6月にウィーンのコンツェルトハウスで録音されたものです。その昔はよくLPレコードでスメタナ弦楽四重奏団のモーツアルトやベートーベンの演奏を聴いたものです。この演奏も見事なアンサンブルです こういう演奏で聴くと、この曲がますます好きになってきます

 

          

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