人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

尾高忠明+山崎伸子+新日本フィルでエルガー「チェロ協奏曲」,ウォルトン「交響曲第1番」を聴く / アンコールについて考える2 / 定期会員継続特典CDはモーツアルト「ファゴット協奏曲」他

2017年09月30日 08時25分07秒 | 日記

30日(土).今まで黙ってましたけど,今日で9月も終わりです   ということで,わが家に来てから今日で1095日目を迎え,新党「希望の党」代表の小池百合子・東京都知事と民進党の前原誠司代表が29日朝,東京都内のホテルで会談し,公認候補の調整と政策づくりを急ぐことを確認したが,小池氏は会談後,記者団に「全員を受け入れることはさらさらない」と述べ,民進から受け入れる候補者は選別する考えを鮮明にした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       小池ファースト  前原セカンド  長嶋サード  安倍 大陸間弾道 大ファール ってか

 

                                           

 

昨日,夕食に「マグロの漬け丼」「生野菜とタコのサラダ」「アサリの味噌汁」を作りました   「漬け丼」のたれは「醤油3:みりん2:日本酒1」の割合です

 

     

 

                                           

 

昨日,すみだトリフォニーホールで新日本フィルの第9回ルビー定期演奏会(アフタヌーン・コンサート・シリーズ)を聴きました  イギリス音楽に造詣の深い尾高忠明氏らしい選曲で,①グレイス・ウィリアムズ「シースケッチ」,②エルガー「チェロ協奏曲ホ短調」,③ウォルトン「交響曲第1番変ロ長調」というプログラムです   ②のチェロ独奏は山崎伸子さんです

 

     

 

新シーズン初めての公演,新しい座席です   1階センターブロックは以前と同じですが,左サイドから右サイドに移りました.左サイドは通路側席がなかったからです

弦楽奏者のメンバーが配置に着きます.コンマスはチェ・ムンス氏.個人的に応援している第2ヴァイオリンの松崎千鶴さんを確認   第1ヴァイオリンの奥なので自席からは見えにくいのが残念です

1曲目はグレイス・ウィリアムズ(1906-77)の「シースケッチ」です   彼女は南ウェールズのバリーという沿岸リゾート・タウンで生まれ,ロンドンの王立音楽大学で有名なレイフ・ヴォーン・ウィリアムズに師事しました   この曲は,故郷のバリーの街と海への故郷愛を込めた曲で,①強風,②航海の歌,③海峡の魔女達,④砕ける波,⑤夏の穏やかな波の5曲から成ります

BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団桂冠指揮者も務める尾高忠明氏が指揮台に上がり,さっそく演奏に入ります   曲はそれぞれの標題を描写するような音楽で,まさに音による海のスケッチです   印象的だったのは第3曲「海峡の魔女達」におけるミステリアスな音楽とヴィオラ首席・篠崎友美さんのソロです   また,第5曲「夏の穏やかな波」はそのまま映画音楽として使えるのではないか,と思うほど親しみやすいメロディーの曲でした

管・打楽奏者が加わりフル・オーケストラ態勢になります   2曲目はエルガー(1857-1934)の「チェロ協奏曲ホ短調」です   4つの楽章から成るこの曲は1919年8月に完成しました

尾高忠明氏からソリストの指名を受けた山崎伸子さんが指揮台脇のチェロ演奏台にスタンバイします   重厚感のある独奏チェロによって特徴的なモティーフが演奏されます

ン十年前に新宿の武蔵野館で英国の名チェリスト,ジャクリーヌ・デュプレがこの曲を演奏するドキュメンタリー映画を観た時の 彼女の姿が強烈に印象に残っています   その演奏は全身全霊をかけた演奏と言っても良いほどの集中力に満ちた厳しいものでした   それが私のこの曲の”基準”となってしまっているので,他の演奏者で同じ曲を聴いても,それほど感銘を受けることはないのです   正直に言うと,それは鑑賞する上での妨げになっているかも知れません

山崎さんは,アンコールに巨匠パブロ・カザルスによるカタロニア民謡「鳥の歌」をしみじみと演奏しました   この曲は確か,カザルスが国連の会議場で演奏し,「鳥はピース,ピースと飛んでいく」と語っていたのを覚えています

 

     

 

プログラム後半はウィリアム・ウォルトン(1902-83)の「交響曲第1番変ロ長調」です   4つの楽章から成るこの曲は1935年11月に完成しました.まだ1度も聴いたことのない約45分の交響曲を予習せずに聴かざるを得なかったのは大失態です   知っている曲なら,いわゆる”聴きどころ”がある程度分かるので,それなりにリラックスしながら聴けるのですが,初めて聴く長い曲は最初から最後まで緊張を強いられます   そもそも,個人的なことを言えば,普段イギリスの音楽を聴く習慣がないので,どれほど素晴らしい曲でもとても疲れます

そうは言うものの,流れてくる音楽を何とか受け止めようと努めることになります   演奏を聴いていて,この曲のポイントの一つはオーボエの多用ではないかと思いました   その点,首席・古部賢一氏の演奏は素晴らしかったです   もう一つのポイントは前の3つの楽章が単調で書かれているのに対して第4楽章だけは長調で書かれている,したがって,明るいフィナーレを迎えるということです   特に終盤のティンパニの連打による激しい音楽は,「もうこれで終わりか?」と思いきや,またまた連打が続き,という具合に終結部が繰り返され,まるでベートーヴェンの第8交響曲やドヴォルザークの第8交響曲のフィナーレみたいだな,と思いました

尾高+新日本フィルはアンコールにエルガーの「エニグマ変奏曲」から第9変奏「ニムロッド」を,懐かしむように演奏し,聴衆に深い感動を与えました

 

     

 

                                           

 

新日本フィルのプログラム冊子9,10月号に,音楽監督・上岡敏之氏のインタビューが載っています   その中で上岡氏は「アンコール」について次のように語っています

「演奏する側としては,アンコールを含めて,一つのコンセプトでプログラミングしています   本プロに入れたかったものをアンコールで補ったり,今オーケストラに必要と思われるものを入れてみたり,その時々でアンコールの意味合いが違いますね・・・・当初は,アンコールを続けていくつもりはなかったのですが,喜んでいただけているのでしたら嬉しいですね

オーケストラの定期演奏会というのは,どのオケでも「アンコールは演奏しない」のが原則で,定期公演以外のコンサート(定期会員でない聴衆も多く聴きにくる)では,新規会員獲得のため,サービスでアンコールを演奏するというのが一般的だと思います   その点,上岡氏の見解は明快です   「当初はサービスでアンコールをやってみたが,好評だったので続けることにした」.ただし「コンサートでアンコールを演奏する時は,アンコール曲を含めてプログラミングをする」ということです.これならアンコールに意味があります   しかし,これはあくまでもオーケストラのアンコールについて言えることだと思います

たとえば,ピアニストが正規プログラムでベートーヴェンのソナタを演奏した後に,アンコールでリストの超絶技巧曲を演奏することはよくあることです.これは,そのソリストが「私の演奏技術はベートーヴェンでは物足りない.リストの超絶技巧曲だって弾けるんですよ」と聴衆にアピールする意味を持っていると思います   さらに,そのソリストが近々リサイタルを開く予定がある場合は,ほとんど捨てられてしまうチラシに代わる集客手段としてアンコールを演奏することは十分考えられます

ただし,同じピアニストでも,ロシアの奇才アファナシエフが「ピアニストは語る~ヴァレリー・アファナシエフ」(講談社現代新書)で語っているように,「俺はアンコールを聴いて欲しいために演奏しているのではない   正規プログラムの演奏を忘れないで欲しい」という”正統派”のピアニストもいるでしょう

 

     

 

                                           

 

新日本フィル会員継続特典CDをいただきました   内容は①モーツアルト「ファゴット協奏曲変ロ長調K.191」,②同「交響曲第41番ハ長調”ジュピター”K.551」より第4楽章で,①のファゴット独奏は首席・河村幹子,指揮は音楽監督・上岡敏之.2017年3月18日トリフォニーシリーズ定期演奏会ライブ録音です   私もその時会場にいました   どのオーケストラも会員の獲得・維持のための経営努力が大変ですね

 

     

     

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いま話題の若林暢のブラームス「ヴァイオリン・ソナタ」のCDを聴く / 伊坂幸太郎著「アイネクライネナハトムジーク」を読む~著者初の恋愛小説

2017年09月29日 07時44分44秒 | 日記

29日(金).わが家に来てから今日で1094日目を迎え,民進党の前原代表が28日の役員会で,新党「希望の党」に事実上合流して衆院選に臨む意向を表明し,一方「希望の党」と「日本維新の会」が衆院選で候補者調整を進める方向で最終調整に入った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       野党側のドラスティックな動きを見て 安倍首相は今頃 解散宣言を後悔してない?

 

                                           

 

昨日,夕食に「豚バラ大根」「生野菜サラダ」「ニラ玉」を作りました   「ニラ玉」は生卵に液体出汁を少し入れてかき混ぜ,小型フライパンに入れ,ニラを散らして,少し多めのサラダ油と水を少量入れて蒸し焼きにします.超簡単料理ですが美味しいです

 

     

 

                                            

 

新宿タワーレコードで,いまクラシック界で話題の若林暢のCD「魂のヴァイオリニスト~ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集」を買い求めました   このCDは,無料クラシック音楽情報誌「ぶらあぼ」や新聞広告などを見て,以前から気になっていたものです

若林暢(のぶ)は1957年8月30日生まれ.東京藝大大学院を経てジュリアード音楽院を卒業.1995年「音楽に登場する悪魔」の論文で博士号を取得しています   ヴィエニャフスキコンコール第2位など入賞歴多数です   1987年カーネギーホールでのリサイタルは,ニューヨーク・タイムズ紙で高い評価を受け,その後 世界各地で演奏活動を行いましたが,2016年6月8日ガンのため死去,享年58歳でした

CDに収録されているのはブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第1番~第3番」で,ピアノ伴奏はキャスロン・スタロック,1991年7月18~19日の録音です

 

     

 

第1番「雨の歌」第1楽章から聴き始めましたが,何という優しく包容力のある演奏でしょうか   第3番まで全て聴いて感じたのは,どの曲も第2楽章(アダージョ,アンダンテ)が特に素晴らしいということです   中でも第3番の第2楽章「アダージョ」を聴いた時,深い感動で身動き出来ない自分に気が付きました   そしてその第4楽章のほとばしる情熱  このCDの演奏では 伴奏を担当するキャスロン・スタロックというピアニストが,若林暢のヴァイオリンにピッタリと寄り添っているのが大きいと思います

家に帰って3回ほど繰り返し聴きましたが,聴けば聴くほど じわっと感動が押し寄せてくる演奏です   私の愛聴盤の一つに加わることになりそうです

 

     

 

                                           

 

伊坂幸太郎著「アイネクライネナハトムジーク」(幻冬舎文庫)を読み終わりました   伊坂幸太郎の作品はこのブログでも何冊もご紹介してきました   1971年千葉県生まれ.2000年「オーデュボンの祈り」で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー.その後も数々の文学賞を受賞しています

 

     

 

この小説は「アイネクライネ」「ライトヘビー」「ドクメンタ」「ルックスライク」「メイクアップ」「ナハトムジーク」の6編から成る短編小説集です   タイトルの「アイネクライネナハトムジーク」というのはモーツアルトの超有名な曲(K.525)のことです   最初の短編「アイネクライネ」の中に次のように登場します(会話部分を中心に抜粋)

「小さく聞こえてくる,夜の音楽みたいに?」

「そうそう」織田由美には,気の利いたことを言おう,という気負いのようなものはまるでなくて,だからなのか,すっと僕の耳に入ってくる.

「そういえば,小夜曲(さよきょく)ってなかったっけ?モーツアルトの」僕は言う.「あの,超有名な」

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク?」織田由美が言う.

ドイツ語で「ある,小さな,夜の曲」だから,小夜曲,とはそのまんまじゃないか,と僕は子供の頃に思ったものだが,まあ,そのまんま翻訳しないでいったいどうするのだ,と言われればそりゃそうに違いなかった.

「あんな,能天気な曲,夜に聞こえたらうざくてしょうがねえじゃん」織田一真は口に出す.

「まあ,確かに」

この会話で「あんな,能天気な曲」と言われているのは,第1楽章「アレグロ」の有名なテーマのことです.筆者はそれを念頭にこの会話を書いています   会話の冒頭の「小さく聞こえてくる,夜の音楽みたい」ということで言えば,第2楽章「ロマンツェ:アンダンテ」が相応しいでしょう

筆者は「あとがき」の中で,この作品を書くことになったきっかけと経緯について概要次のように書いています

「最初の『アイネクライネ』は,ミュージシャンの斎藤和義氏から『恋愛をテーマにしたアルバムを作るので”出会い”にあたる曲の歌詞を書いてほしい』と依頼されたのがきっかけだった   『作詞は出来ないので小説を書くことならば』と返事して書いた小説だ.正直に言えば『恋愛もの』と分類されるものにはあまり興味がないが,斎藤氏の大ファンなので引き受けた   斎藤氏は,この短編の文章を使う形で『ベリーベリーストロング~アイネクライネ~』なる曲を作ってくれた   2曲目の『ライトヘビー』は,『べリーベリーストロング~アイネクライネ~』がシングルカットされることになり,その初回限定盤の付録用に書き下ろしたものだ   それ以降はこの2作から派生した作品として書いた.成り立ちがそうであったため,収録した作品の大半が恋愛にまつわる話になった.裏を返すと,自分の作品にしては珍しく,泥棒や強盗,殺し屋や超能力,恐ろしい犯人,特徴的な人物や奇妙な設定などがほとんど出てこない本になった

上の「あとがき」にある通り,収録された作品は,いつもの伊坂氏の小説とはテイストが異なり,妻に出て行かれたサラリーマン,声しか知らない相手に恋する美容師,元いじめっ子と再会したOLといった,どちらかというと頼りなさが漂う主人公たちが恋愛がらみの小さな奇跡を起こしていくという内容になっています

ところで,「ルックスライク」の中で高校の英語の授業風景が出てきますが,先生と生徒の間にこんな会話があります

「He looks like his father.

 He is just like his father.

 この2つの違いは何でしょう?」

「彼は父親に似ています」

「じゃあ,2つ目の意味は?」

「彼は父親が好きです,って何だか禁断の要素が複数絡み合ってるぞ」

「1つ目は『彼は父親と外見が似ています』,2つ目は『彼は父親そっくりです』つまり性格が似ている,ってことだね」

まさか伊坂幸太郎の小説で高校の英語の復習をするとは思ってもみませんでした

今までの伊坂幸太郎の作品とは一味違うテイストの小説ですが,彼特有の軽妙な語り口は健在です.お薦めします

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イザベル・ユペール主演「未来よ こんにちは」を観る~シューベルトの歌曲「水の上で歌う」が流れる:ギンレイホール

2017年09月28日 08時01分18秒 | 日記

28日(木).わが家に来てから今日で1093日目を迎え,民進党の前原誠司代表が,来月の衆院選で党として公認を一切しない方針を28日の衆院議員総会で示す というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      ご主人は魚を解凍するけど 前原代表は民進党を解党して希望をつなぐみたいだ

 

                                         

 

昨日,夕食に「ハッシュドビーフ」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました   これにジャガイモとニンジンを入れたら インスタ的にはカレーですね

 

     

 

                                          

 

昨日,神楽坂のギンレイホールで「未来よこんにちは」を観ました   これはミア・ハンセン=ラヴ監督による2017年フランス・ドイツ合作映画(102分)です

パリの高校で哲学を教えている50代後半のナタリー(イザベル・ユペール)は,夫ハインツ(アンドレ・マルコン)も同じ哲学教師で,子どもたちは2人とも独立していた   ナタリーは一人暮らしの母親の介護をしながらも,それなりに充実した毎日を送っていた.そんなある日,結婚25年目にして夫から「好きな人ができた」と告白されたうえ唐突に離婚を告げられる   そんなショックな中,今度は施設に預けた母親が突然他界する   長い付き合いだった出版社との契約も,時代に合わないからと打ち切られてしまう   気が付いた時にはおひとり様になっていた.しかし,教え子のファビアン(ロマン・コリンカ)との交流を通じて,現実を受け止めながら凛として生きていく

 

     

 

イザベル・ユペールという女優を知ったのは2月に観た「アスファルト」という映画で,彼女は落ちぶれた女優役を演じていました   恥ずかしながらそれまで彼女がフランスを代表する大女優だということをまったく知りませんでした   その時はそれほど大きな印象はなかったのですが,今回の役は素晴らしいと思いました   ただ歩いているだけの姿が”様になって”います

会話の中で,ナタリーが「夫ときたら,ブラームスとシューマンの同じ曲ばかり聴いていて,もううんざり」と語るシーンがあります.そうか,この女性監督はブラームスとシューマンが嫌いらしいな,とちょっと残念に思いました

その一方,ドラマの前半で,ピアノの美しいメロディーが流れてきたのでピアノ曲かと思っていたら,男声で歌が歌われました   どう考えてもシューベルトのメロディーです   シューベルトの歌曲はほとんど聴く習慣がないので,後でネットで調べたらシューベルトの「水の上で歌う」という曲でした  夕暮れの舟遊びを詠んだ歌詞は,ゲーテとも交流があった貴族シュトルベルクの詩から採られています    この歌は最後のエンドロールでも流れます.監督はどうやらシューベルトがお好きなようです

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「マイ・ビューティフル・ガーデン」を観る~何となくテイストが「アメリ」に似た映画:ギンレイホール

2017年09月27日 09時09分06秒 | 日記

27日(水).昨日16時から,元の職場のOB会があったので内幸町のNPCビルの日本記者クラブに出向きました 1年ぶりに先輩諸氏に会って話に華が咲きました  約2時間で終了した後,同じビル地下の焼き鳥0に移り,元専務U氏,元総務部長E氏,総務部T君,S建設F氏,T社N氏,OBのS氏らと歓談しました その後,帰り道が途中まで一緒の元防災センター隊長S君と神保町で飲み直しましたが,何の話をしたのかまったく覚えていません   どうもビール,ワイン,ウィスキー,焼酎の4種類をチャンポンした時はこういう状態に陥るようです

ということで,わが家に来てから今日で1092日目を迎え,安倍首相が25日の記者会見で,28日召集の臨時国会の冒頭で衆院を解散すると表明したというニュースに関連して,26日の朝日「天声人語」で紹介された戦前・戦中に活躍した政治家・尾崎行雄の言葉を読んで感想を述べるモコタロです

 

     

       「国よりも党を重んじ 党よりも身を重んずる 人の群れかな」自分ファーストかい

     

                                           

 

昨日,夕食に「鶏のトマト煮」と「生野菜とツナのサラダ」を作りました   「鶏の~」は娘の大好物なので,わが家で唯一の労働者に敬意を表して作りました

 

     

 

                                             

 

昨日,神楽坂のギンレイホールで「マイ・ビューティフル・ガーデン」を観ました   これはサイモン・アバウド監督による2016年イギリス映画(92分)です

いつも同じパターンのライフスタイルにこだわる変わり者のベラ(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)は,庭付きの家に一人で暮らしているが,植物恐怖症の彼女にとっては庭が超苦手な存在   一方,美しい庭を愛する偏屈な隣人のアルフィー(トム・ウィルキンソン)は,庭を荒れ放題にしているベラが目障りな存在だった   ある日,一か月以内に庭をきれいにしなければ部屋を出ていくように家主に言われたベラは,アルフィーの弱点を掴み,お互いの利害関係のために二人で庭づくりに取り組むことになるが・・・

 

     

 

植物嫌いの若い女性と植物好きな初老の男性の物語に止まらず,ベラにはちゃんと機械仕掛けで飛ぶ鳥を作る若い恋人ビリー(ジェレミー・チャンセラー)が用意されます   さらに避け合う隣人同士を結びつける料理の得意なヴァ―ノン(アンドリュー・スコット)が重要な役割を果たします

いかにもガーデニングが普及しているイギリスらしい映画だと思いました   さらに,アメリカのスラングだらけの映画と違い,折り目正しいクィーンズ・イングリッシュが心地よく耳に入ってきます   

この映画を観て,ジャン・ピエール・ジュネが監督しオドレイ・トトウが主演したフランス映画「アメリ」(2001年)にテイストが何となく似ているな と思いました

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Kissポートクラシックコンサートのチケットを取る~千住明:オペラ「万葉集」,ラヴェル「ピアノ協奏曲」他 / バッハ・コレギウム・ジャパン 次シーズン会員継続へ / 佐藤正午著「夏の情婦」を読む

2017年09月26日 07時51分51秒 | 日記

26日(火).昨日の日経夕刊文化面のコラム「語る」で,2014年秋から新国立劇場オペラ芸術監督を務めてきた飯守泰次郎氏がワーグナーについて語ってます   同氏はドイツのバイロイト祝祭劇場で長年助手を務めましたが,最も印象に残ったのは劇場の完成100年にあたる1976年に「ニーベルングの指環」を指揮したピエール・ブーレーズの演奏だったと言います   「ブーレーズは従来の重厚なドイツ的ワーグナー像を排し,固定観念を崩す演奏をした.批判もあったが彼は意に介さなかった.ワーグナーの世界観を維持しつつ,指揮者として個性を出すことの大切さを学んだ」と語ります.飯守氏は10月1日から「指環4部作」の最終作「神々の黄昏」を指揮しますが,来秋からオペラ芸術監督が大野和士氏に代わるため,今作が集大成と言えます  飯守氏は「聴衆が熱狂する劇場の雰囲気を作る.理性を失うくらい物語に入り込むのがオペラだ」と語ります

新国立オペラは2002年から定期会員としてほとんど全てのオペラ公演を聴いてきましたが,N響がオーケストラ・ピットに入った「トウキョウ・リング」とともに,今回の飯守氏のワーグナーの「ニーベルングの指環」シリーズは特に印象深いものがあります   若返りを図って大野和士氏でも良いですが,覆すことが出来るのであれば飯守泰次郎氏に続投して欲しいと思います

ということで,わが家に来てから今日で1091日目を迎え,上野動物園で6月に生まれたジャイアントパンダのメスの赤ちゃんの名前がシャンシャン(香香)に決まった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 この名前だと全国の株主総会で引っ張りだこになるだろうな シャンシャン総会

 

                                           

 

昨日,夕食に「豚バラとゴボウの柚子コショウ煮」「生野菜とサーモンのサラダ」「冷奴」を作りました   「豚バラ~」は初挑戦です   ゴボウは”さきがき”にすると書いてありましたが,過去に包丁で削ったら硬くて食べられないことがあったので,ピーラーで薄くスライスしました.これが正解のようです  冷奴には桜エビをのせました

 

     

 

                                           

 

来年1月23日(水)午後7時からサントリーホールで開かれる「第26回Kissポートクラシックコンサート」のチケットを取りました   プログラムは①千住明「Our Home Port」,②ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」,③千住明:オペラ「万葉集」~明日香風編です.②のピアノ独奏=開原由紀乃,③のソプラノ独唱=小林沙羅ほか,管弦楽=東響交響楽団,指揮=大友直人です

 

     

 

                                           

 

バッハ・コレギウム・ジャパン(B.C.J)から2018-2019シーズン定期演奏会への会員継続案内が届きました   ラインアップは次の通りです

①2018年3月30日(金) バッハ「マタイ受難曲」 指揮=鈴木雅明

② 同   5月11日(金)  バッハ「カンタータ第31番,第172番,第182番」他 指揮=鈴木雅明

③ 同   9月24日(月・祝)  モーツアルト「レクイエム」,「交響曲第25番ト短調」他 指揮=鈴木優人

④ 同 11月23日(金・祝) バッハ「クリスマス・オラトリオ」 指揮=鈴木雅明

⑤2019年3月3日(日)  バッハ「カンタータ第12番,第21番,第150番」他 指揮=鈴木雅明

私は2000年からずっと定期会員ですが,次シーズンもB席で継続すべく申し込みはがきを出しておきました

 

     

 

                                            

 

佐藤正午著「夏の情婦」(小学館文庫)を読み終わりました   佐藤正午氏はご存知の通り,長編小説「月の満ち欠け」で第157回直木賞を受賞した長崎県佐世保市在住の小説家です

 

     

 

この本に収録されている5つの短編小説は,1986年から88年にかけて,つまり今から30年前に書かれた佐藤正午氏31~33歳の若き日の瑞々しい作品です

「ニ十歳」はネクタイから札幌の大学生時代の年上の女性との恋愛を追想する話,「夏の情婦」は塾の講師をしている男が太った女との関係を回想する話,「片恋」は高校生の結ばれなかった甘く苦い恋を回想する話,「傘を探す」は行方不明になった借りた傘を持ち主に返すべく,夜の街を彷徨う中で主人公の人間関係が浮き彫りになる話,「恋人」は書店の配達係の青年が放蕩の中で巡り会った女性との顛末を描いた話です

佐藤正午氏は巻末の「三十年後のあとがき」の最後に次のように書いています

「明日,それは完璧ではなくなるかもしれない.でもそういう頼りなさを振り切って,今日書く文章を,いまが書くべき時なのだと信じて書く以外にない,それが若いときから僕がずっと続けているものを書く仕事,なのかもしれません   短編集『夏の情婦』を読み返して,この五編がいずれも,書くべきときに書かれた小説である,と三十年後のいま思える,それが僕の率直な感想です」(2017年7月)

ところで,「片恋」の中に「イアーゴーはハンカチを盗む」という記述が出てきます  これはヴェルディの歌劇「オテロ」の筋書き(つまりは,原作のシェークスピアの作品)を知っていないと理解できません   要約すると「旗手イアーゴは,キプロスの司令官オテロから 戦争の勝利に当たり取り立ててもらえなかったことを恨み,オテロの妻デズデーモナが落としたハンカチを,デズデーモナの侍女である妻から奪い取り,そのハンカチが若い副官カッシオの家に落ちていたとオテロに耳打ちし,オテロの嫉妬心を駆り立てる   その結果,オテロは妻の不貞を確信し,ついに刺殺してしまう」というものです

佐藤正午という小説家は,時にこういう知識を何気に作品に散りばめて話を進めるので,油断が出来ません

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「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」フィナーレ・コンサートを聴く~ベートーヴェン「七重奏曲」,ショスタコーヴィチ「ピアノ三重奏曲第1番」他

2017年09月25日 07時57分44秒 | 日記

25日(月).わが家に来てから今日で1090日目を迎え,アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長が誹謗中傷合戦を繰り広げている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      現在の口先合戦が実力行使に移る時はお前の出番だ R2-D2  なに? 型が古いって?

 

                                           

 

昨日,サントリーホール「ブルーローズ」で「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン」フィナーレ・コンサートを聴きました   プログラムは①カステルヌオーヴォ・テデスコ「フィガロ 」~ ロッシーニのオペラ『セビリャの理髪師』より,②モーツアルト「オーボエ四重奏曲ヘ長調K.370」から第1楽章,③シューベルト「五重奏曲イ長調”ます”」から第4・5楽章,④ショスタコーヴィチ「ピアノ三重奏曲第1番ハ短調」,⑤ラヴェル「序奏とアレグロ」,⑥プーランク「ピアノと木管五重奏のための六重奏曲」から第1楽章,⑦ベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」です

出演は,ヴァイオリン=池田菊衛,竹澤恭子,渡辺玲子,ヴィオラ=磯村和英,川本嘉子,チェロ=堤剛.毛利伯郎,コントラバス=吉田秀(N響首席),ハープ=吉野直子,ピアノ三重奏=へーデンボルク・トリオ,木管五重奏&ピアノ:東京六人組【フルート=上野由恵,オーボエ=荒絵理子(東響首席),クラリネット=亀井良信(金子平の代演),ファゴットー福士マリ子(東響首席),ホルン=福川伸陽(N響首席),ピアノ=三浦友理枝】,レイア・トリオ(ヴァイオリン=小川響子,チェロ=加藤陽子,ピアノ=稲生亜沙紀)です

 

     

 

自席はC7列12番,センターブロック右通路側席です.会場は9割方埋まっているでしょうか

1曲目は「『フィガロ』~ ロッシーニのオペラ『セビリャの理髪師』より~」です   カステルヌオーヴォ・テデスコ(1895-1968)はイタリア生まれのピアニスト・作曲家です   この曲はチェロの巨匠ピアティゴルスキーに捧げられたコンサート・ピースで,ロッシーニのオペラ「セヴィリアの理髪師」第1幕で歌われるフィガロのアリア「俺は町の何でも屋」に基づく曲です

チェロのへーデンボルク・直樹とともにピアノの三浦友理枝が淡いベージュの衣装で登場し,さっそく演奏に入ります   演奏を聴く限りチェロの超絶技巧曲ですが,かなり速いパッセージなので,むしろヴァイオリンやヴィオラで演奏した方が効果的ではないかと思いました   チェロのための曲なのは分かっていますが 

2曲目はモーツアルト「オーボエ四重奏曲ヘ長調K.370」から第1楽章です   この曲はモーツアルト(1756-1791)がミュンヘンに滞在していた1781年に,その当時最高と言われた名オーボエ奏者フリードリヒ・ラムを念頭に書かれた作品です

オーボエの荒絵理子さんがピンクの,ヴァイオリンの渡辺玲子さんが黒が基調の,ヴィオラの川本嘉子さんも黒を基調とした衣装で,チェロの毛利伯郎氏とともに登場し配置に着きます   メンバーを見る限り現在望み得る最高レベルのアーティストの揃い踏みです   荒絵理子さんの演奏は軽快そのもので,愉悦感に満ちています   彼女を支える3人の演奏者はあくまでもソリストを立てて,強く自己主張をするところがありません   したがって心地よいアンサンブルが聴けました   これだけの名演,全楽章を同じメンバーで聴きたかった

3曲目はシューベルト「五重奏曲イ長調”ます”」から第4・5楽章です   この作品は鉱山経営者でアマチュア演奏家でもあったジルヴェスター・パウムガルトナーの依頼により1819年に作曲されました   第4楽章が歌曲「ます」の旋律を元にした変奏曲になっていることから「ます」の愛称で呼ばれています   この曲の楽器編成上の大きな特徴はコントラバスが入ることです

演奏はヴァイオリン=へーデンボルク・和樹,ヴィオラ=川本嘉子,チェロ=ヘーデンボルク・直樹,コントラバス=吉田秀,ピアノ=ヘーデンボルク・洋というメンバーです

第4楽章「テーマ・コン・ヴァリアツィオー二」が開始され,お馴染みの「ます」のメロディーが奏でられます   この5人の演奏でとくに感心したのはへーデンボルク・洋氏の抜群のバランス感覚です   ややともすると,張り切り過ぎて思い切ってピアノを打ち鳴らし,弦楽奏者の音を掻き消してしまう演奏がままある中で,彼のピアノは主張すべきところはちゃんと主張しながらも,弦楽器の音を殺してしまうことがありません.絶妙の打鍵です

第5楽章「フィナーレ:アレグロ・ジュスト」は,シューベルトらしい同じメロディーの繰り返しがあり,まるで曲が終わったかのように全休止する部分が2度ありますが,終わったと勘違いした聴衆から拍手が起こりました   ヘーデンボルク兄弟はお互いに顔を見合わせ,ニヤリとしていました   演奏は3兄弟はもちろんのこと,日本人の2人も大健闘で,素晴らしいアンサンブルでした

4曲目はショスタコーヴィチ「ピアノ三重奏曲第1番ハ短調」です   この曲はショスタコーヴィチ(1906-75)が17歳の時にペトログラードで完成した単一楽章の短い作品です

ヴァイオリンの小川響子さんが朱色の,チェロの加藤陽子さんがローズピンクの,ピアノの稲生亜沙紀さんが藍色の衣装で登場します   この3人は「レイア・トリオ」を組んでいます   私は初めてこの曲を聴きましたが,瞑想的な曲想で始まったと思うと,急に鋭角的な演奏になり,はたまたショスタコーヴィチ特有のアイロニカルな曲想に変わり,今度はロマンティックな曲想になり・・・・といった具合に,目先がクルクル変わる曲で,作曲者がいかに複雑な心境でいたかが窺がえる曲想でした   3人はめくるめくショスタコーヴィチの若き日の佳曲を,時に鋭角的に,時にロマンティックに演奏し楽しませてくれました

5曲目はラヴェル「序奏とアレグロ」(正確には「弦楽四重奏とフルートとクラリネットの伴奏を伴うハープのための序奏とアレグロ」)です   この曲は,近代的なダブルアクション・ハープの性能を生かす楽曲を作ることを目的としたエラール社の委嘱により作曲され,1907年に初演されました

演奏はフルート=上野由恵(赤の衣装),クラリネット=亀井良信,ハープ=吉野直子(白無垢の衣装),ヴァイオリン=渡辺玲子(黒を基調とした衣装),池田菊衛,ヴィオラ=磯村和英,チェロ=毛利伯郎というメンバーです   なお,クラリネットは当所,読響首席の金子平氏の予定でしたが,「体調不良」のため桐朋学園大学准教授の亀井良信氏に代わりました   (金子くん,どうした? 丼ぶりいっぱいの栗でも食べてお腹を壊したか? 恋のやまいか? それとも財布でも落として演奏どころじゃなくなったか? 結局のところ本人しか分からないな

フルートとクラリネットの二重奏によりゆるやかな曲想で開始されますが,まるで夢の世界に誘われるような感じがします   後半のアレグロの中ほどでハープのカデンツァが演奏されますが,吉野さんの演奏は華麗そのもので,美の極致をいく演奏です

プログラム前半の最後の曲はプーランク(1899-1963)の「ピアノと木管五重奏のための六重奏曲」から第1楽章です   この曲は1933年に初演されました

演奏は,フルート=上野由恵,オーボエ=荒恵理子(黒地に花模様の衣装にお色直し),クラリネット=亀井良信,ファゴット=福士マリ子(濃紺の衣装),ホルン=福川伸陽,ピアノ=三浦友理枝(濃いピンクの衣装にお色直し)で構成する「東京六人組」です

この第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」は,文字通りスピード感に溢れた曲想ですが,大騒ぎを起こしたかと思うと,次の瞬間には躁鬱の鬱状態になったように沈み,そうかと思うと,また躁状態に戻り・・・といった具合に目先がクルクル変わります   6人の演奏はそうした変化を存分に楽しませてくれました

この曲が終了したのは午後3時半.前半だけで1時間半かかりました   休憩時間までが長いと思います

 

     

 

プログラム後半はベートーヴェン(1770-1827)の「七重奏曲変ホ長調」です   6つの楽章から成るこの曲は1800年に初演され,王妃マリア・テレジアに献呈されました 

演奏は,ヴァイオリン=竹澤恭子(黒を基調とする衣装),ヴィオラ=川本嘉子,チェロ=堤剛,コントラバス=吉田秀,クラリネット=亀井良信,ファゴット=福士マリ子,ホルン=福川伸陽というメンバーです   コントラバスを中心として,向かって左サイドに弦楽奏者が,右サイドに管楽奏者がスタンバイします

第1ヴァイオリンの竹澤さんのリードで第1楽章「アダージョ~アレグロ・コン・ブリオ」の演奏に入ります   冒頭,ゆったりした序奏に続いて”前進あるのみ”といった推進力のあるメロディーが演奏されます.この「緩から急への落差」のある出だしが大好きです   終始,若き日のベートーヴェンらしい”元気溌剌”の音楽が展開します   第2楽章「アダージョ・カンタービレ」は,クラリネットが思いれのあるメロディーを奏で,ヴァイオリンに受け継がれていきます   全体的に瞑想的な曲想ですが,このブログで何度か書いているように,ベートーヴェンの神髄は「アダージョ」にあります

第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」は,ピアノ・ソナタ第20番第2楽章から転用されました   ユーモアを感じさせる行進曲風の音楽で,気軽に口ずさむことが出来るメロディーなので当時の聴衆から人気を博したようです   この楽章では,ヴァイオリン・竹澤さん+ヴィオラ・川本さんと,向かい合う位置にいるクラリネット・亀井氏+ファゴット・福士さんとの対話や,弦楽器同士,管楽器同士の対話が楽しく聴けました   第4楽章「テーマ・コン・ヴァリアツィオー二:アンダンテ」は,ベートーヴェン得意の変奏曲です   この楽章でも弦楽器群と管楽器群との対話や弦楽器同士,管楽器同士の対話が存分に聴けました

第5楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」はホルンから入りますが,福川氏の演奏はさすがです   中間部ではチェロの堤氏のトリオが演奏されますが,これが「狭い日本,そんなに急いでどこへ行く」といった どこかで聞いたようなセリフが思い浮かぶ,ゆったりしたテンポの味わい深い演奏で感動的でした

第6楽章「アンダンテ・コン・モート・アラ・マルチア~プレスト」は,物思いに沈んだような暗い雰囲気の序奏から,一転して速いテンポによる音楽に転換します   これがまた,堪らない魅力です   終盤でヴァイオリンによるカデンツァがありますが,竹澤さんの演奏は身体全体を使った熱演で,感動的でした

この曲を聴いている最中,私は靴の中で,足の指で拍子を取っていました   終始すごく幸せな気持ちで聴いていました   「名曲名演」とはこういう演奏を言うのだろうと思いました

大きな拍手の中,コンサートが終了したのは午後4時40分頃でした   前半が約90分,休憩が約20分,後半が約50分ということで,前半が長すぎたと思います   これは前半最後のプーランクと後半のベートーヴェンの両方に出演する演奏者が複数いたことから,彼らを配慮したためだと思われますが,そうであれば,前半だけ出場のレイア・トリオのショスタコーヴィチを後半に移すなり,何らかの工夫が出来たように思います   次回は時間配分について配慮して欲しいと思います

9月15日の「オープニング・コンサート」から昨日 24日の「フィナーレ・コンサート」までの10日間に8回サントリーホール「ブルーローズ」に通いました  来年の「チェンバーミュージック・ガーデン」は6月2日(土)から同17日(日)までの16日間の日程で開催されるとのこと   N響,読響,東響,新日本フィルなどの定期公演以外のコンサートの予定を入れないようにしないとダブルブッキングの山になります.気を付けねば    

先週は「チェンバーミュージック・ガーデン」のほか読響アンサンブルとN響定期公演も含めて9つのコンサートを聴き,映画も1本観たので,いささか疲れました  今週は2回しかコンサートがないので,余裕のある予定を組みたいと思います

 

     

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「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」の「ストルツマンと日本の仲間たち」公演を聴く~小菅優のパワーが炸裂

2017年09月24日 08時33分17秒 | 日記

24日(日)その2.よい子は「その1」から見てね モコタロはそちらに出演しています

昨夕,デザートに息子がゼミ合宿のお土産に買ってきた上州沼田名物「焼まんじゅう」を食しました   原材料は小麦粉の割合が多く 食感としてはパンに近いものがありましたが,味噌味(信州味噌)で美味しかったです

 

     

 

                                           

 

昨夕,サントリーホール「ブルーローズ」で「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン」の「ストルツマンと日本の仲間たち」公演を聴きました   プログラムは①モーツアルト「クラリネット三重奏曲変ホ長調K498”ケーゲルシュタット”」,②ブラームス「クラリネット・ソナタ第1番ヘ短調」,③同「ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調」,④ブルッフ「8つの小品」から第2曲,第3曲,第6曲,第4曲です   演奏は,クラリネット=リチャード・ストルツマン,ヴィオラ=磯村和英,ピアノ=小菅優です

クラリネットのストルツマンは1942年アメリカ生まれ.ピーター・ゼルキンらと1972年に室内楽ユニット「タッシ」を結成しました   ヴィオラの磯村和英氏は1969年に結成された東京クァルテットの創設メンバーの一人です   小菅優さんは2005年にカーネギーホールで,翌06年にザルツブルク音楽祭でそれぞれリサイタル・デビューを飾り,世界的に活躍するピアニストです

 

     

 

自席はセンターブロック6列目の右側です.会場は土曜の祝日ということもあってか満席に近い入りです

1曲目はモーツアルト「クラリネット三重奏曲変ホ長調K498”ケーゲルシュタット”」です   モーツアルト(1756-1791)は故郷のザルツブルクを離れウィーンに出て活躍したわけですが,間もなくクラリネットの名手アントン・シュタードラー(1753-1812)に出逢います   モーツアルトは彼から刺激を受けて「クラリネット協奏曲」「クラリネット五重奏曲」「グラン・パルティータ」などの傑作を作曲しましたが,このK.498のクラリネット・トリオもその一つです   「ケーゲルシュタット」というのは,「九柱戯」(ボーリングの前身)の遊びの名称で,モーツアルトはこれで遊びながらこの曲を書いたという逸話からこの愛称が付けられました   第1楽章「アンダンテ」,第2楽章「メヌエット」,第3楽章「ロンド:アレグレット」の3楽章から成ります   ここで気が付くのは「アレグロ」がないということです

ストルツマン,磯村和英氏と小菅優さんが登場し配置に着きます   小菅さんはいつもオシャレです.エレガントな衣装で登場です   ストルツマンを見て,「ああ,タッシのストルツマンも歳を取ったなあ」と思いました.さっそく演奏に入りますが,若い小菅さんのパワフルなピアノに,磯村氏もストルツマンも圧倒されながら演奏しているように見受けられます   この作品は好きなので十分楽しめました

2曲目はブラームス「クラリネット・ソナタ第1番ヘ短調」です   ブラームス(1833-97)晩年の傑作です   ブラームスは晩年にマイニンゲン宮廷楽団のクラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルト(1856-1907)と出逢い,再び創作意欲が湧き出て作曲したものです   この二人の出会いから生まれた作品には「クラリネット三重奏曲」「クラリネット五重奏曲」と2つの「クラリネット・ソナタ」があります   モーツアルトにしてもブラームスにしてもクラリネットの名手との出会いが名曲を生むことになったわけです

この曲は第1楽章「アレグロ・アパッショナート」,第2楽章「アンダンテ・ウン・ポーコ・アダージョ」,第3楽章「アレグレット,グラツィオーソ」,第4楽章「ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

ストルツマンと小菅優さんが登場します   ストルツマンは椅子をおもむろに持ち上げ,小菅さんの椅子に近づけました   小菅さんが「おっ,きた」と一瞬身を引いたように思いました   気のせいだと思います   第1楽章に入り,ストルツマンの憂いに満ちたクラリネットが会場を満たします   この曲でも小菅さんのピアノが圧倒します   この曲は第2楽章が良いですね.まさに今,秋の夜にピッタリの曲です

 

     

 

プログラム後半の1曲目はブラームス「ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調」です   この曲はブラームスの「クラリネット・ソナタ第2番」をヴィオラ用に編曲したものです   第1楽章「アレグロ・アマービレ」,第2楽章「アレグロ・アパッショナート」,第3楽章「アンダンテ・コン・モート」の3楽章から成ります

磯村氏と小菅さんが登場し演奏に入ります   この二人の演奏で聴くと,まるで最初からヴィオラとピアノのために作曲された曲のように感じます   クラリネットとヴィオラは相関関係があるのかもしれません.この曲も名曲です

最後の曲はブルッフ「8つの小品」から第2曲,第3曲,第6曲,第4曲です   ストルツマン,磯村氏,小菅さんが登場し,さっそく演奏に入ります   最初に演奏された「第2曲」を聴いた時,「2017年9月,ドイツでブラームスの作曲による作品が新しく発見されました」と言われても信じてしまうくらいブラームスっぽい曲だと思いました   ブルッフ(1838-1920)はブラームスとほぼ同じ時代に活躍した作曲家ですが,ブラームスとは友人でありライバルでもあったと言われています   ロマン溢れる「ヴァイオリン協奏曲」が有名ですね   

この作品でも小菅さんのパワフルなピアノがストルツマンと磯村氏を煽るように激しく掻き立てます   仕掛けられた二人も「若い者には負けん   熟年パワーを目に物見せてくれるわ」とばかりに熱演を繰り広げ,さながら年金原資の配分をめぐる世代間の代理戦争の様相を呈してきました   「音楽は国境を超える」とともに「音楽は歳の差も超える」ことを演奏で証明してみせました   愛があれば歳の差なんて・・・・どこまで脱線するか

この日の演奏は,秋の夜に相応しいプログラミングで十分楽しむことが出来ましたが,このコンサートのタイトルは「ストルツマンと仲間たち」というよりも「小菅優とシニアの仲間たち」の方が相応しいのではないかと思いました

 

     

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「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」の「室内楽アカデミー マルシェ ワンコイン コンサート」を聴く

2017年09月24日 07時57分18秒 | 日記

24日(日)その1.わが家に来てから今日で1089日目を迎え,「亀田の柿の種」を前に何やらブツブツ言っているモコタロです

 

     

       ご主人は「柿の種」が大好物です とうとう今回は「話の種」に登場させたよ 

 

                                           

 

娘が釣ってきたマグロを自分で捌いて刺身にしてくれたので,私はあら汁を作りました   刺身は見た目が見た通りですが,新鮮で美味しかったです

 

     

 

                                            

 

昨日午後12時30分からサントリーホール「ブルーローズ」で「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン」の「室内楽アカデミー ワンコイン コンサート」を,午後7時から同「ストルツマンと日本の仲間たち」公演を聴きました   ここでは「室内楽アカデミー  ワンコイン コンサート」について書きます

サントリーホール室内楽アカデミーは,2010年10月に開講されました   プログラム冊子の解説によると「フェロー(受講生)たちは国内外の第一線で活躍する音楽家とともに,世代を超えて室内楽の喜びと神髄を分かち合い,ファカルティと共に取り組む毎月の定例ワークショップでは,演奏技術からアンサンブルをする上でのコミュニケーションの取り方まで広い視野でプロの室内楽奏者としての基礎を固めていく」とのことで,ファカルティは原田幸一郎,池田菊衛,磯村和英,毛利伯郎,練木繁夫,花田和加子の各氏です

プログラムと演奏者は①モーツアルト「弦楽四重奏曲第23番ヘ長調”プロイセン四重奏曲”K.590」から第1楽章(アミクス弦楽四重奏団),②シューベルト「弦楽四重奏曲第13番イ短調“ロザムンデ”」から第2楽章(アルネア・カルテット),③メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲第2番ハ短調」から第1楽章(トリオ・デルアルテ),④ドビュッシー「弦楽四重奏曲ト短調」から第1・2楽章(石倉瑤子,竹本百合子,樹神有紀,北坦彩),⑤ラヴェル「ピアノ三重奏曲イ短調」から第2・4楽章(レイア・トリオ),⑥ショスタコーヴィチ「ピアノ三重奏曲第2番ホ短調」から第4楽章(白井麻衣,秋津瑞貴,高橋里奈),⑦ブラームス「ピアノ五重奏曲ヘ短調」から第1楽章(へーデンボルク・トリオ,内野祐佳子,川上拓人)です

 

     

 

全自由席です.開場10分前の11:50分に着いたらホールの入口からカラヤン広場の中央まで長蛇の列になっていました   何とかセンターブロック右通路側のC7列12番を押さえました

1曲目はアミクス弦楽四重奏団によるモーツアルト「弦楽四重奏曲第23番ヘ長調”プロイセン四重奏曲”K.590」から第1楽章です   アミクス弦楽四重奏団は,第1ヴァイオリン=宮川奈々,第2ヴァイオリン=宮本有里,ヴィオラ=山本周,チェロ=松本亜優というメンバーです   第1ヴァイオリンの宮川さんはどこかで見たことがあると思ってプログラム冊子のプロフィールを見るとN響の第1ヴァイオリン奏者でした 

この曲はモーツアルトの最後の弦楽四重奏曲ですが,宮川さんのリードで,ヘ長調の調性どおり明るく軽快に演奏しました

演奏後,チェロの松本さんが「室内楽アカデミー」について説明し,次の出演者「アルネア・カルテット」を紹介しました   ペーパーを見ながらでしたが,非常に落ち着いていて好感が持てました

2曲目はアルネア・カルテットによるシューベルト「弦楽四重奏曲第13番イ短調“ロザムンデ”」から第2楽章です   アルネア・カルテットは,第1ヴァイオリン=山縣郁音,第2ヴァイオリン=今高友香,ヴィオラ=川上拓人,チェロ=清水唯史というメンバーです

4人は同じメロディーが繰り返されるシューベルト特有の音楽をニュアンス豊かに演奏しました

3曲目はトリオ・デルアルテによるメンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲第2番ハ短調」から第1楽章です   トリオ・デルアルテは,ヴァイオリン=内野佑佳子,チェロ=金子遙亮,ピアノ=久保山菜摘というメンバーです  メンデルスゾーンの室内楽は大好きで,この曲などは もっとコンサートで取り上げて欲しいと思っていたので期待が高まります   ハ短調の調性の通りデモーニッシュな曲想ですが,3人は期待通りの深みのある演奏を展開しメンデルスゾーンの短調の魅力を最大限に引き出していました

ここで休憩に入りました

 

     

 

4曲目はドビュッシー「弦楽四重奏曲ト短調」から第1・2楽章です   演奏は第1ヴァイオリン=石倉瑤子,第2ヴァイオリン=竹本百合子,ヴィオラ=樹神有紀,チェロ=北坦彩というメンバーです  この曲はドビュッシーが31歳の時の作品です.前半の3曲を聴いた上でこの曲を聴くと,まるで世界が違っていることに気が付きます.色彩感に溢れ,目先がクルクルと変わります.第2楽章はピッツィカートの魅力が全開です.素晴らしい演奏でした

5曲目はレイア・トリオによるラヴェル「ピアノ三重奏曲イ短調」から第2・4楽章です   レイア・トリオは,ヴァイオリン=小川響子,チェロ=加藤陽子,ピアノ=稲生亜沙紀というメンバーです   ヴァイオリンの小川さんは東京藝大大学院生ですが,藝大フィルハーモニア管弦楽団のモーニング・コンサートなどで演奏する姿を見かけます   ラヴェルはドビュッシーと同じ時代に活躍したフランスの作曲家ですが,この曲はドビュッシーのクァルテットよりも鋭角的な曲想だと感じます   ラヴェルは「管弦楽の魔術師」と言われていますが,この三重奏曲でも色彩感溢れる特色が良く出ています   3人の演奏は緊張感に満ちた鋭角的な演奏で,聴きごたえのあるアンサンブルでした

6曲目はショスタコーヴィチ「ピアノ三重奏曲第2番ホ短調」から第4楽章です   演奏はヴァイオリン=白井麻衣,チェロ=秋津瑞貴,ピアノ=高橋里奈というメンバーです   1944年の作曲ということなので,まさに第二次世界大戦の真っ最中に作られた作品です   3人は,ショスタコーヴィチらしい皮肉に満ちた曲想をアイロニカルに,本当は高らかに演奏したいのに 時代の制約から内緒話のように囁かざるを得ない曲想をもどかし気に演奏,ショスタコーヴィチの神髄に迫りました

最後の7曲目はブラームス「ピアノ五重奏曲ヘ短調」から第1楽章です   演奏は,第1ヴァイオリン=ヘーデンボルク・和樹,第2ヴァイオリン=内野祐佳子,ヴィオラ=川上拓人,チェロ=へーデンボルク・直樹,ピアノ=ヘーデンボルク・洋というメンバーです   へーデンボルクの3人はザルツブルク出身の兄弟で,トリオを組んでいます 長男の和樹(ヴァイオリン)と次男の直樹(チェロ)はウィーン・フィルの正団員です.三男の洋(ピアノ)は6歳でモーツアルテウム音楽大学に最年少で合格,12歳でウィーン国立大学に入学したという神童です   どうでもいいことですが,この3人まったく似ていません   長男はゲルギエフのような髭面,次男は白髪,三男は坊主頭,3人の顔はまるで別人28号です

この曲は,当初1862年に「弦楽五重奏曲」として作曲されましたが,周囲の批判をうけて1864年に「2台のピアノのためのソナタ」として編曲され,同じ年にピアノと弦楽四重奏のための「ピアノ五重奏曲」として作り直され,1865年に出版されました

ヘーデンボルク・和樹のリードによる演奏は,ブラームスの流れるような音楽を大切にした流麗な演奏で,日本人2人を含めたアンサンブルは音が美しく見事のひと言でした

最後に,この日演奏された室内楽アカデミーの受講生の皆さんにもう一度拍手を送るとともに,今後の活躍を期待したいと思います

 

     

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パーヴォ・ヤルヴィ+デニス・コジュヒン+N響でラフマニノフ「ピアノ 協奏曲第4番」,スクリャービン「交響曲第2番」他を聴く~第1865回定期演奏会

2017年09月23日 08時13分30秒 | 日記

23日(土)その2.よい子は「その1」から見てね  モコタロはそちらに出演しています

昨日の日経朝刊に「慣用句誤用が定着」という記事が載っていました.超訳すると

「『存続するか滅亡するかの重大な局面』を意味する慣用句として『存亡の危機』を使う人が83%に上ることが,文化庁の2016年度の『国語に関する世論調査』で分かった   本来の言い方とされる『存亡の機』を使う人は7%にとどまった   同様に,『話のさわり』の意味を聞いたところ,正しい『話の要点』が36%だったのに対し『話の最初の部分』が53%だった   また『ぞっとしない』の意味では,正しい『面白くない』が23%だったのに対し『恐ろしくない』が56%だった

皆さん,ご存知でしたか? 足元をすくわれましたか? これも正しくは「足をすくわれる」らしいですよ

 

                                         

 

昨夕,NHKホールでN響第1865回定期演奏会(Cプログラム)を聴きました   N響は9月から新シーズンに入りました   今までは1階左ブロック9列9番だったのですが,センターブロック左側に移りました.列はもっと後ろですが,今度の方が良いと思います

プログラムは①グリンカ「幻想的ワルツ」,②ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第4番ト短調」,③スクリャービン「交響曲第2番ハ短調」です   ②のピアノ独奏はデニス・コジュヒン,指揮はN響首席指揮者として3シーズン目を迎えたパーヴォ・ヤルヴィです

 

     

 

オケはいつものN響の配置です.コンマスはマロこと篠崎史紀氏です   オケを見渡すと,右手のヴィオラ・セクションの首席の席に都響のソロ・ヴィオラ奏者,双紙正哉氏がスタンバイしています.N響はまたレンタルしましたね

1曲目はグリンカ「幻想的ワルツ」です   グリンカ(1804-1857)は,1835年にマリアという女性と結婚したものの,すぐに破綻してしまったとのことです   まるで同じロシアのチャイコフスキーのようです   そんな中,彼は1839年のある日,エカテリーナ・ケルンという女性と知り合いになり,しばらくいい線を行っていたようです   この曲はそんな幸せ絶頂の中で作曲されました   最初にピアノ曲として作曲し,後で管弦楽用に編曲しました.プログラムノートによると,ロシアの高名な音楽評論家が「ロシアのワルツはすべてグリンカの『幻想的ワルツ』に含まれている」と述べたそうですが,実際に聴いてみると,まさにその通りで,チャイコフスキーのワルツを彷彿とさせるところもあります   10分弱の短い曲ですが,洒脱な演奏が楽しめました

金管楽器が追加され,ピアノがセンターに運ばれます   そして鍵盤に向けてテレビカメラが設置され,マイクがセッティングされます   いずれNHKーTVで放映されるのでしょう

2曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第4番ト短調」です   ラフマニノフ(1873-1943)はピアノ協奏曲を4曲作曲していますが,これは最後の曲で1926年に完成させ作曲家のメトネルに献呈しています   第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」,第2楽章「ラルゴ」,第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

ヤルヴィとともに,ピアノ独奏のデニス・コジュヒンが颯爽と登場します   彼は1986年ロシア生まれの31歳です.2010年にエリーザベト王妃国際音楽コンクール優勝ほか数々の国際コンクールに入賞しています

ヤルヴィの指揮で第1楽章が開始されますが,どうもピアノとオケとがしっくりいかないように感じます   曲自体がそういう曲想なのか,演奏がそうなのか,よく分かりません   しかし,それも最初のうちだけで,演奏が進むにつれて溶け合ってきました   演奏を聴く限り,第2番や第3番のようなロマン溢れる曲想というよりも,劇的な表現や力強いリズムなどの方が前面に出た曲のように思いました   コジュヒンの演奏はパワフルで,まさにそうした劇的効果を狙った演奏のように思いました

会場いっぱいの拍手に,コジュヒンはスクリャービン「3つの小品」から第1番「練習曲嬰ハ短調」をロマンティックに演奏しいっそう大きな拍手を受けました

プログラム後半はスクリャービン「交響曲第2番ハ短調」です これはスクリャービン(1872-1915)が29歳の年=1901年に作曲した作品です   調性の「ハ短調」はベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調”運命”を想起させます   第1楽章「アンダンテ」,第2楽章「アレグロ」,第3楽章「アンダンテ」,第4楽章「テンペストーソ」,第5楽章「マエストーソ」の5楽章から成りますが,第1楽章と第2楽章,第4楽章と第5楽章は続けて演奏されます

ヤルヴィの指揮で第1楽章に入ります.冒頭,クラリネットが主題を奏でますが,この主題は後の楽章にも現れます   一番印象に残るのは第3楽章「アンダンテ」です.フルートが小鳥のさえずりのように奏でられ,ヴァイオリンのソロが美しい主題を演奏します   全曲を「ハ短調」が覆っている中で,この楽章を聴くとホッとします   第4楽章に移ると,一転して激しい嵐の音楽が展開します.そして第5楽章に入ると堂々たる輝かしい音楽が奏でられ,感動的なフィナーレを迎えます

聴き終わって思ったのは,演奏時間にして約50分の大曲は,しかも生まれて初めて聴く交響曲は,予習しておかないとまるで歯が立たない,ということです   多分,この曲は何度かCDで繰り返して聴けば好きになる作品だと思います

大迫力で演奏を終えたので大きな拍手を送りましたが,必ずしも曲そのものを十分に理解したうえで拍手をしたわけではないので,内心忸怩たる思いがあります   まだまだ予習・復習が足りないことを実感する今日この頃です

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「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」の「プ レシャス1pm VOl.3」でドビュッシー「フルート,ヴィオラ,ハープのためのソナタ」他を聴く

2017年09月23日 07時56分06秒 | 日記

23日(土)その1.昨日仕事休みだった娘が品川の祖父と相模湾に海釣りに行って,体長33センチのマグロを釣ってきました   娘は小型船舶操縦士免許を持っているので舟を操縦したようです.今夜お刺身にして食す予定です

 

     

 

ということで,わが家に来てから今日で1088日目を迎え,北朝鮮の金正恩委員長が21日,北朝鮮を「完全に破壊する」と宣告したトランプ米大統領の国連演説に対し,「過去最高の超強硬な措置の断行を慎重に検討する」との声明を発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      5年くらい慎重に検討しててくれないかな その間に超強硬措置を塾慮するから

 

                                           

 

昨日,夕食に「手羽先,大根と卵の煮物」と「生野菜とツナのサラダ」を作りました レシピでは「手羽元」を使うように書いてありましたが,売り切れだったので「手羽先」にしました   30分以上煮込んだので味が沁み込んで美味しかったです

 

     

 

                                          

 

昨日午後1時からサントリーホール「ブルーローズ」で「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン」の「プレシャス1pm  Vol.3」公演を,午後7時からNHKホールでN響Cプログラム定期演奏会を聴きました   ここでは「プレシャス1pm Vol.3」公演について書きます

プログラムは①ボニ「森の情景」から「ノクターン」,②バックス「哀愁的な三重奏曲」,③ドビュッシー「フルート,ヴィオラとハープのためのソナタ」,④武満徹「そして,それが風であることを知った」です   演奏は,ハープ=吉野直子,フルート=上野由恵,ヴィオラ=川本嘉子です

 

     

 

自席はセンターブロック2列目右側です.会場は6~7割ぐらい入っているでしょうか

1曲目はボニ「森の情景」から「ノクターン」です   メラニー・ボニ(1858-1937)はその才能をセザール・フランクに認められたフランスの女性作曲家です   この作品は1927年に作曲された4曲から成る組曲ですが,この「ノクターン」はその第1曲に当たります

吉野直子さんはパープル,上野由恵さんはグリーン,川本嘉子さんはブルーの衣装で登場し,早速演奏に入ります.この曲はハープから入り,ヴィオラとフルートが絡んできますが,全体的な印象として”ファンタジック”という言葉がピッタリの曲想で,独特の浮遊感があります

演奏後,吉野さんがマイクを持って,この日の演奏はドビュッシーの名曲を中心に組んだプログラムであることを説明し,2曲目のバックス「哀愁的な三重奏曲」の演奏に移りました   アーノルド・バックス(1883-1953)はイングランド生まれの作曲家で,ドビュッシーやワーグナーの影響を受けた多くの交響詩を作曲しました   この作品は単一楽章による作品です. この曲もハープから入りますが,次いで入ってくる川本さんの厚みのあるヴィオラが会場に響き渡ります   曲想としては,なるほどドビュッシーの影響を受けたような幻想的な印象を受けます

 

     

 

ここで再び,吉野さんがマイクで「川本さんと初めて出会ったのは,マールボロ音楽祭の時に同じ棟で過ごしました」と披瀝,川本さんは「上野さんは私が藝大で室内楽を教えていた時の生徒さんだったらしいのです.私は覚えていないのですが」と話し,上野さんは「尊敬する大先輩のお二人と共演できるのは最高の幸せです」と模範的な挨拶をしました

3曲目はこの日のメイン,ドビュッシー「フルート,ヴィオラとハープのためのソナタ」です  クロード・ドビュッシー(1862-1918)は1910年代に6曲から成る室内楽曲のシリーズを計画し,作曲を進めました  すなわち ①チェロとピアノ,②フルート,ヴィオラとハープ,③ヴァイオリンとピアノ,④オーボエ,ホルンとクラヴサン,⑤トランペット,クラリネットとバス―ン,⑥コントラバスと各種楽器のコンセールの6つです   この「6曲セット」という考え方は,古典派以前の「6曲一組」で作曲する形式(例えばモーツアルトの弦楽四重奏曲「ハイドン・セット」の6曲)を頭に入れたものです   この「フルート,ヴィオラとハープのためのソナタ」は1915年に書かれました  残念ながらドビュッシーは「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」まで作曲したものの,その後死去したため④以降の曲は作曲されませんでした   

この曲は「牧歌」「間奏曲」「終曲」の3つの楽章から成ります 「牧歌」はどこか「牧神の午後への前奏曲」を思わせるようなアンニュイな雰囲気があります   それにしても,フルートとヴィオラとハープという組み合わせを良く思いついたものだと感嘆します   比較的ゆったりした「間奏曲」を経て,「終曲」は極めた速いテンポで始まり,次第にゆったりした音楽に変わりますが,3人の息はピッタリで素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれました

4曲目はドビュッシーの影響を受けた武満徹「そして,それが風であることを知った」です   タイトルは,19世紀のアメリカで活動した詩人エミリー・ディキンソンの作品から採られた一節です   名フル―ティスト,オーレル・二コレのために書かれた作品で,ヴィオラ=今井信子,ハープ=吉野直子との共演で初演されました

この曲もハープから入りますが,吉野さんの美しいハープにのって,上野さんのフルートと川本さんのヴィオラがモティーフを繰り返し演奏します

会場いっぱいの拍手に3人はラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」をアンコールに演奏しました   この曲も名曲ですね   中身の濃い70分のコンサートでした

 

     

 

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