人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

都民芸術フェスティバル「オーケストラ・シリーズ」「室内楽シリーズ」のチケットを8公演分取る / ライナー・ベルナー・ファスビンダー監督「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」を観る

2023年11月30日 00時40分51秒 | 日記

30日(木)。月末になったので、いつも通り11月の3つの目標の達成状況をご報告します ①クラシック・コンサート=12回(今夜の公演を含む)、②映画鑑賞=19本、③読書=2冊でした 今月はかなり映画鑑賞に力を入れ、その分 読書量が激減してしまいました 2冊とも分厚い本だった、というのは事実としても 言い訳になりません

ということで、わが家に来てから今日で3242日目を迎え、日本海テレビジョン放送(鳥取市)は28日、経営戦略局長(53)がチャリティー番組「24時間テレビ」(日本テレビ系)への寄付金など計約1118万円を着服したため 懲戒解雇処分にしたと発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     こういう事件があると 寄付する気持ちが失せるんだよね 赤い羽根事件を思い出す

 

         

 

昨日、夕食に「お肉やわっやわっ鶏のガリチー煮、スパゲティ添え」を作りました 材料は 鶏もも肉、ホウレンソウ、シメジ、玉ねぎで、スープはスライスチーズ、コンソメ、ニンニク(チューブ)、薄力粉、牛乳です。とても美味しいです

 

     

 

デザートに BEL AMER のチョコレートをいただきました 仕事休みの娘がキッチンの大掃除をしてくれたので、そのお礼にと池袋でのデパ地下で買ってきました

 

     

 

         

 

昨日、「2024都民芸術フェスティバル」の「オーケストラ・シリーズ」と「室内楽シリーズ」のチケット(計8公演)を取りました

〇「オーケストラ・シリーズ」は全8公演のうち次の5公演です 会場はいずれも東京芸術劇場コンサートホールです

Ⅰ。東京都交響楽団(2月6日・火・19時)①メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」②モーツアルト「フルート協奏曲第1番」、③チャイコフスキー「交響曲第4番」。演奏は②のフルート独奏=上野星矢、指揮=大井駿。

Ⅱ。NHK交響楽団(2月21日・水・19時)①ドヴォルザーク「スラブ舞曲第1番」、②同「チェロ弥協奏曲」、③シューマン「交響曲第1番」。②のチェロ独奏=カミーユ・トマ、指揮=沼尻竜典。

Ⅲ。日本フィル(2月27日・火・14時)①グリーグ「ピアノ協奏曲」、②チャイコフスキー「交響曲第6番」。①のピアノ独奏=秋山紗穂、指揮=石崎真弥奈。

Ⅳ。読売日本交響楽団(3月5日・火・19時)①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」、②ブラームス「交響曲第1番」。①のピアノ独奏=小井土文哉、指揮=森内剛。

Ⅴ。東京交響楽団(2月28日・水・19時)①ブラームス「悲劇的序曲」、②メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」、③シューマン「交響曲第3番」。②のヴァイオリン独奏=成田達輝、指揮=松本宗利音。

 

     

     

 

このシリーズの特徴は一部の例外を除き、指揮者・ソリストともに若手を揃えた「名曲路線」を取っているところです モノは考えようで、未知の若手の演奏を聴くチャンスです

新日本フィル、東京フィル、東京シティ・フィルの各公演はすでに別のコンサートの予定が入っているので8公演セット券は取りませんでした 取れた5公演は、11月7日のセット券の先行販売の段階で良い席はほとんど売り切れており、通路側席をはじめ良い席は望むべくもありませんでした

 

     

     

〇「室内楽シリーズ」は次の全3公演です 会場はいずれも東京文化会館小ホールです

Ⅰ。ヴァイオリンとピアノによるデュオ(1月31日・水・19時)①モーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ第40番」、②ベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第8番」、③シューマン「ヴァイオリン・ソナタ第2番」。ヴァイオリン=戸澤哲夫、ピアノ=久末航。

Ⅱ。ピアノ三重奏(2月8日・木・19時)①ベートーヴェン「ピアノ三重奏曲第3番」、②ブラームス「ピアノ三重奏曲第3番」、③ドヴォルザーク「ピアノ三重奏曲第4番」。ヴァイオリン=MINAMI、チェロ=横坂源、ピアノ=田村響。

Ⅲ。カルテット(3月7日・木・19時)①ハイドン「弦楽四重奏曲ヘ長調『夢』」、②モーツアルト「弦楽四重奏曲第15番」、③ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第7番」。ほのカルテット:ヴァイオリン=岸本萌乃加、林周雅、ヴィオラ=長田健志、チェロ=蟹江慶行。

このシリーズはセット券の先行販売がないので比較的良い席が取れました 私が個人的に期待しているのはMINAMIが出演する「ピアノ三重奏」公演です また、「ほのカルテット」を聴くのは今回が初めてなので楽しみです

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹でライナー・ベルナー・ファスビンダー監督による1972年製作西ドイツ映画「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」(119分)を観ました

ファッションデザイナーのペトラ(マルギット・カルステン)は、2度目の結婚に失敗して落ち込んでいた 助手のマレーネをしもべのように扱いながら、アトリエ兼アパルトマンの部屋で暮らしている彼女のもとに、友人のシドニーが若く美しい女性カーリン(ハンナ・シグラ)を連れてやってくる カーリンに惹かれた彼女は、お互いに束縛しないという約束で同棲を始めるが、ペトラは自堕落で自由奔放なカーリンが手に負えなくなる 別れたはずの夫から連絡のあったカーリンは喜び勇んで出ていくが、それまで奴隷のような扱いにじっと耐えてきたマレーネも、荷物をまとめて出ていく その時ペトラは、娘や友人たちへの思いやりの心を持たず、わがままに生きてきたことをやっと自覚したのだった

 

     

 

この映画は女性同士の愛を描いた作品です。今でこそ当たり前のようになっていますが、製作時の1972年当時は珍しかったのではないかと思います

本作は室内シーンだけ、登場人物も女性4人だけという作品で、ほとんどが会話で成り立っています 「極めて戯曲的な映画だな」と思っていたら、ファスビンダー自身が1971年に書いた同名題の5幕構成の戯曲を映画化したものだそうです

カーリンに振り回されながらも愛さずにはいられないペトラを、マルギット・カルステンが迫真の演技力で演じています お酒を瓶からぐい飲みして、母親や娘や友人を罵倒しながら、出て行ったカーリンからの電話を待つシーンでは、ヴェルディのオペラ「椿姫」第1幕のアルフレードのアリアが流れます これはヴィオレッタを想って歌う「ミステリオーソ(神秘で)、気高く、悲しみと喜びを♬」というアリアで、カーリンをヴィオレッタに見立てた演出だと思います

なお、ファスビンダー監督を敬愛するフランスのフランソワ・オゾン監督は、本作を翻案して描いた「苦い涙」を発表しています ファスビンダーは世界的に影響力のある監督なのだと、あらためて思いました

 

     

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東京シティ・フィルから「2024年度年間定期会員継続案内」届く ⇒ 座席変更のうえ継続へ / 是枝裕和監督「ワンダフルライフ」を観る ~ 一番大切な思い出だけを胸に死後の世界へ旅立つ

2023年11月29日 06時51分42秒 | 日記

29日(水)。東京シティ・フィルから「2024年度年間定期会員継続案内」が届きました 現在私は「定期演奏会」(東京オペラシティ)と「ティアラこうとう定期演奏会」の年間会員ですが、前者はそのまま継続し、後者は現在の席が前過ぎるので座席変更を希望のうえ継続しようと思います 年間プログラムとチケット代は下のチラシの通りですが、いつも思うのはチケット代が安すぎるのではないか、ということです これほどの料金設定が可能なのは、海外からの指揮者や演奏家を招聘せず、常任指揮者・高関健、首席客演指揮者・藤岡幸夫を中心に据え(全13公演中 2人で10公演を指揮)、すべて国内の日本人指揮者・演奏家を起用する方針を取っているからです 海外から指揮者や演奏家を招く場合、出演料のほかに往復航空券代、国内旅費、宿泊費などの経費が伴い、さらに万が一キャンセルを伴う事象が発生した時、煩瑣な手続きが発生するリスクが伴うので、シティ・フィルはそれを回避しているのです いずれにしても、安いに越したことはないので、ありがたく継続しようと思います

 

     

     

 

ということで、わが家に来てから今日で3241日目を迎え、ウクライナ侵攻が長期化するロシアで、動員兵の妻や母親らが、「動員兵は故郷に帰れず、多くが死亡している。動員は恐ろしい誤りだった」と主張し、早期の帰還を求めて署名活動を始めた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     大義のない戦争に駆り出されて 犬死するなど 許せるわけがない 実力行使しかない

 

         

 

昨日、夕食に「タラとキノコのアクアパッツァ」「生野菜サラダ」「ダイコンの味噌汁」「ダイコンの葉のお浸し」を作りました アクアパッツァは新聞の「料理メモ」を参考にして初めて作りましたが、とても美味しく出来ました これからレパートリーに加えようと思います

 

     

 

         

 

池袋の新文芸坐で是枝裕和監督による1998年製作映画「ワンダフルライフ」(118分)を観ました

ある月曜日、亡くなった22人の人々が施設の中に入っていく。彼らは番号順に呼ばれ、面接が始まる そこでは「施設にいるのは1週間で、最初の3日間で”人生で一番大切な思い出”を選ぶことが出来る その思い出は、施設のスタッフたちの手によって映像化される 土曜日にその映像を見て思い出が鮮明に蘇った瞬間に、その『一番大切な思い出』だけを胸に死後の世界へと旅立っていく」と説明される 順調に思い出を選択できる者もいれば、思い出を振り返りたくないという者もいる。あるいは選ぶつもりはないという者もいる そして土曜日を迎え、「一番大切な思い出」を選んだ者たちの映像化されたドラマが上映される

 

     

     

この映画は視点が面白いと思います 死後1週間は本当は死んでいないという設定で、「最も大切な思い出」を選択できた者だけが死後の世界へ旅立つことが出来、選択できない者のうち希望者は施設のスタッフとして働くことになる、というシステムです 実はスタッフたちも死者で、見た目は若くても、死んだ年齢の顔つきをしているだけで、本当は高齢なのです

面接のやり取りは、まるでドキュメンタリーを観ているようです それもそのはず、是枝監督は出演者には状況設定だけを与え、アドリブで作られたシーンが多いそうです

この映画は観る者に「あなたにとって、一番大切な思い出は何ですか?」と問いかけています

 

     

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ヴィオラ奏者を母に持ったヤマザキマリさんの話 / 是枝裕和監督「幻の光」を観る ~ 是枝監督の劇場デビュー作

2023年11月28日 06時01分00秒 | 日記

28日(火)。25日付日経朝刊「食の履歴書」で漫画家・文筆家のヤマザキマリさんが取り上げられていました 幼少期を振り返って、彼女は次のように語っています

「母はシングルマザーだった。演奏家になる夢を追って東京の実家を勘当同然の形で飛び出し、札幌交響楽団にビオラ奏者として入団 北海道に移り住んだ。夜遅くまで演奏会の仕事があるので、妹と2人でよく留守番をした。机に夕食を買うための1000円が置いてあった。おかず代はよくマンガ代に消えた。家族で食卓を囲んだ思い出はあまりないし、家庭料理に親しんだ記憶もない 母は忙しいうえに料理が得意でなかったらしい。弁当はマーガリンと砂糖を塗った食パンだけがぎゅーっと押し込まれていたこともあった 夕食はいつも手紙とともに置いてあった。『どんなにオーケストラが忙しくても、ママは2人のことをずっと考えて仕事をしているのよ。どんな時も。それだけは忘れないで』。親に思いがあれば、子どもはちゃんと気がつく 子どもはいつも親のなかに愛情を探そうとしている。そんな母は2022年の暮れに89歳で亡くなった 戦争を経験し、一人で北海道に移住して娘2人を育てた どんなことがあっても、楽しみを持って生きる姿を見せてくれた 親は子どもにとって一番身近な手本だ

ヤマザキマリさんの母上が音楽家だったことは知っていましたが、札響のヴィオラ奏者だったことは初めて知りました シングルマザーでプロ・オーケストラの演奏家という立場は相当大変だと思います 普通、コンサートは夜に開かれるし、土曜・日曜にも公演があります 地方公演もあるし学校訪問もあります それらをこなさなければならないので、とても子どもの面倒を見ている余裕はないと思います 現在のオーケストラの中でも、シングルマザーで演奏活動をしている人がいるのではないかと想像しますが、どのように生活しているのでしょうか

ということで、わが家に来てから今日で3240日目を迎え、「泳ぐ宝石」とうたわれ、海外の富裕層にも人気の錦鯉が、中国当局の許可が10月末で失効し更新されないことから、中国へ輸出できなくなっている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     錦鯉に限らず中国相手に貿易するのは再考した方がいい  中国の顧客も困るけどね

 

         

 

昨日、夕食に「ビーフシチュー」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました ビーフシチューは今回牛バラ肉を使いました。柔らかくて美味しかったです

 

     

 

         

 

新文芸坐で是枝裕和監督による1995年製作映画「幻の光」(110分)を観ました

幼馴染の郁夫(浅野忠信)と結婚したゆみ子(江角マキコ)は、大阪で子供も出来て幸せに暮らしていたが、何の思い当たる原因も分からないまま、郁夫が電車に轢かれて死んでしまう 郁夫は線路の真ん中を歩いていて、電車の警笛にも振り返らなかったという ゆみ子は12歳の時に祖母が失踪しているが、祖母を止められなかったことで自分を責めていたので、今でも夢に見るほどだった 世話をしてくれる人により能登に嫁いだゆみ子は、そこで心優しい人たちに囲まれ、新しい夫・民雄(内藤剛志)と幸せな日々を取り戻すが、心の中には郁夫が自殺したわだかまりが根強く残っていた 時折見せるゆみ子の不安げな様子に民雄も気が付く

 

     

 

この映画は、宮本輝の小説を基に製作されましたが、是枝監督の劇場デビュー作です

ゆみ子が「なぜ郁夫が自殺しなければならなかったのか、まったく解らない」と民雄に自分の気持ちをぶつけると、民雄は「父親が海に出ていた時、沖の方に光が見えて、その光に誘われるんだと言っていた」という話をし、ゆみ子は胸に落ちた気持ちになります 彼女の祖母は、そして郁夫は、幻の光に誘われて向こうの世界へ行ったに違いありません

この映画の特徴を言葉で表すと「暗」と「静」です。何も映っていない真っ暗なシーンから始まったり、登場人物が映っても台詞がなかったり、とにかく静かに物語が進行していきます

ところで、本作が映画デビューとなった江角マキコさんは、1998年にフジテレビ「ショムニ」で大ブレイクしましたが、その後はスキャンダルがあったりして、2017年に芸能界から引退しました その後どうしているのでしょうか

 

     

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N響11月度Aプロ公演でチャイコフスキー(フェドセーエフ編):バレエ組曲「眠りの森の美女」他を聴く ~ フェドセーエフ降板により指揮研究員・平石章人、湯川紘惠が代役を務める

2023年11月27日 00時02分33秒 | 日記

27日(月)。昨日は午後早々に小雨が降っていたこともあり相当寒かったので、今秋初めてコートを着てコンサートに出かけました 何事も 飽きがこないのは良いことですが、秋がこないのは困ったものです 今となっては、あれほど暑くて長かった夏が懐かしく思い出されます 人間なんて勝手なものですね

ということで、わが家に来てから今日で3239日目を迎え、「私人逮捕」や「世直し」をうたい、痴漢や盗撮などを取り押さえる様子などを動画投稿サイトにアップして再生回数を稼ぐユーチューバーが相次いで警視庁に逮捕された  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     自らの犯罪行為を動画という証拠で残した結果 逮捕されたという お粗末な奴らだ

 

         

 

昨日、NHKホールでN響11月度Aプロ公演を聴きました プログラムは①スヴィリドフ「小三部作」、②プロコフィエフ:歌劇「戦争と平和」より「ワルツ」(第2場)、③アントン・ルビンシテイン:歌劇「悪魔」のバレエ音楽より「少女たちの踊り」、④グリンカ:歌劇「イワン・スサーニン」より「クラコーヴィアク」、⑤リムスキー・コルサコフ:歌劇「雪姫」組曲、⑥チャイコフスキー(フェドセーエフ編):バレエ組曲「眠りの森の美女」です 当初、ウラディーミル・フェドセーエフが指揮をとる予定でしたが、体調不良のため来日不能となったため、NHK交響楽団指揮研究員の平石章人が前半(①~⑤)を、同じく湯川紘惠が後半(⑥)を振り分けることになりました

 

     

 

オケは16型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつものN響の並び   コンマスは伊藤亮太郎です

前半で指揮をとる平石章人(ひらいし あきと)は上野学園大学・研究生「指揮専門」で下野竜也、大河内雅彦に学び、東京音楽大学で広上淳一、田代俊文に指導を受ける 2017年に渡欧しウィーン国立音楽演劇大学で研鑽を積む。2021年9月からNHK交響楽団で首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィのアシスタントを務め、2022年1月から指揮研究員として公演に携わっている これまでに東京フィル、広島ウィンドオーケストラを指揮、東京・春・音楽祭の「ローエングリン」でマレク・ヤノフスキのアシスタントを務めた

 

     

 

1曲目はスヴィリドフ「小三部作」です この曲はゲオルギー・スヴィリドフ(1915-1998)が1964年に作曲、1966年2月5日に初演されました 第1曲「アレグロ・モデラート・ウン・ポーコ・ルバート」、第2曲「コン・トゥッタ・フォルファ、ウン・ポーコ・マエストーソ」、第3曲「アレグロ・モデラート」の3曲から成ります

平石の指揮で演奏に入ります 第1曲ではオーボエの抒情的な演奏が印象的でしたが、読響首席の金子亜未さんの客演ではないでしょうか 第2曲ではトロンボーン、テューバ、ホルンの重厚な演奏で開始されましたが、ホルンのベルアップ奏法により音が力強く伝わってきました 第3曲はピアノやチェレスタの刻みに乗せて演奏されるヴァイオリンやフルートの演奏が美しく響きました

2曲目はプロコフィエフ:歌劇「戦争と平和」より「ワルツ」(第2場)です この曲はセルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953)がトルストイの長編小説「戦争と平和」に基づいて1941年から1952年にかけて作曲、1946年6月12日に初演されました

この曲ではヴァイオリン・セクションをはじめとする弦楽のアンサンブルが美しかったです

3曲目はA.ルビンシテイン:歌劇「イワン・スサーニン」より「クラコーヴィアク」です この曲はアントン・ルビンシテイン(1829-1894)が1871年に作曲、1875年1月25日に初演されました

この曲では冒頭をはじめヴィオラ・セクションの演奏が冴え渡っていました また、金子のオーボエが美しかったです

4曲目はグリンカ:歌劇「イワン・スサーニン」より「クラコーヴィアク」です この曲はミハイル・グリンカ(1804-1857)が1836年に作曲、同年12月9日に初演されました

この曲ではトロンボーン、フルートを中心に楽しい音楽が奏でられました

5曲目はリムスキー・コルサコフ:歌劇「雪姫」組曲です この曲はニコライ・リムスキー・コルサコフ(1844-1908)が1880年2月から81年3月にかけて作曲(組曲は1895年)、1882年2月10日に初演されました 第1曲「序奏:美しい春」、第2曲「鳥たちの踊り」、第3曲「ベレンデイ皇帝の行列」、第4曲「軽業師の踊り」の4曲から成ります

この曲では、弦楽セクションをはじめ、木管楽器群、金管楽器群がリムスキー・コルサコフらしい色彩感溢れる演奏を繰り広げました

以上の通り、前半はロシアの5人の作曲家の短い作品を集めて演奏されたわけですが、平石の指揮は気負ったところがなく終始クールで、それぞれの作曲家の魅力をN響の面々から引き出していました

 

     

 

プログラム後半はチャイコフスキー(フェドセーエフ編):バレエ組曲「眠りの森の美女」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1888年10月から1889年8月にかけて作曲、1890年1月15日に初演されました この日演奏されるのはフェドセーエフが編んだ組曲です 第1曲「行進曲」、第2曲「踊りの場」、第3曲「パ・ド・シス」、第4曲「ワルツ」、第5曲「パ・ダクシオン」、第6曲「オーロラ姫のヴァリアシオン」、第7曲「パノラマ」、第8曲「アダージョ」、第9曲「テンポ・ディ・マズルカ」、第10曲「サラバンド」、第11曲「銀の妖精」、第12曲「オーロラ姫とデザイア王子のアダージョ」の12曲です 通常は「テンポ・ディ・マズルカ」が終曲なのですが、フェドセーエフはこの後に3曲加えて、最後に大団円で終わる「アダージョ」をもってきました

この曲で指揮をとる湯川紘惠(ゆかわ ひろえ)は東京藝大指揮科、同大学院指揮専攻卒。これまでに指揮を高関健、山下一史、尾高忠明、田中良和に師事 2021年9月からNHK交響楽団でパーヴォ・ヤルヴィのアシスタントを務め、2022年1月から指揮研究員として公演に携わっている

 

     

 

湯川が登場し指揮台に上ります ハイヒールを履いていることもあってか、かなり背が高く見えます

湯川の指揮で演奏に入りますが、全体を通して 弦楽セクションも木管・金管楽器も良く鳴っていました 個々の演奏を振り返ると、3曲目の「パ・ド・シス」では松本健司のクラリネット、6曲目の「オーロラ姫のヴァリアシオン」では金子亜未のオーボエ、8曲目の「アダージョ」では甲斐雅之のフルートが、それぞれ素晴らしい演奏を繰り広げていました また、5曲目の「パ・ダクシオン」では藤森亮一の長めのソロが、さすがは首席と思わせました

全体を通じて「フェドセーエフ・セレクション」は激しい場面は少なく、比較的穏やかなシーンが採用されているようです そういうこともあってか、湯川の音楽作りは終始 ソフトで温かみを感じさせ、N響の面々はそんな湯川を盛り立てていました

この日のプログラムの前半と後半を2人でどう分担するか、N響内部で検討されたと思いますが、曲想からして今回の判断は正解だったのではないか それぞれの個性が生かされていたように思います

2人とも代役を立派に果たしたと思いますが、指揮者の世界では「四十、五十は はなたれ小僧」と言われているようです その意味では 平石章人さんも湯川紘惠さんも指揮者としてのスタートラインに着いたばかりです しかし、今回のように"準備が出来ている人"には必ずチャンスがやってきます お二人には次のチャンスを逃さないためにも、準備を怠らないように精進してほしいと思います

 

     

     

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「引退へ 音づくりに磨き ~ 井上道義のマーラー『復活』」 ~ 日経の記事から / 金平茂紀著「ロシアより愛をこめて ~ あれから30年の絶望と希望」を読む

2023年11月26日 06時52分19秒 | 日記

26日(日)。昨日の日経朝刊 文化欄に「引退へ 音づくりに磨き ~ 井上道義指揮 マーラー『復活』」という見出しの記事(文化部・安芸悟記者)が載っていました 11月18日(土)に東京芸術劇場で開かれた井上道義指揮読売日響によるマーラー「交響曲第2番”復活”」の演奏を中心に振り返っています 演奏の個人的な感想は19日付toraブログに書きましたので、興味のある方はご覧ください 記事ではショスタコーヴィチの演奏についても触れているので、その部分をご紹介します

「最も思い入れのあるのが、旧ソ連の作曲家ショスタコーヴィチだ。2007年に日ロ5楽団と交響曲全15曲を演奏するなど、生涯をかけて取り組んできた 社会主義体制下で二枚舌ともいえる皮肉が込められた作風が特徴だが『一人の人間が持つ二面性が、ショスタコーヴィチの作品にはある。井上道義という人間の根柢にも、そういう性質があったから取り組んできた 世の中いい指揮者はいっぱいいるが、俺みたいな変なやつがやるから面白いと思う』と語る」

記事は井上氏の病歴についても触れています

「井上が引退を明かしたのは今から2年前。咽頭がんの影響によるノドの痛みに加え、体力的な衰えや低音が聴きづらいといった不安も感じ始めていた 今年1月に尿路結石で緊急入院し、復帰するも6月に結石性腎盂腎炎を発症した 2か月近く闘病し、再復帰したのは9月のこと。『指揮棒にカビが生えたような感覚だったね』。再復帰した直後の練習でしみじみと語った。高齢でも生涯現役を続ける指揮者は多いが『俺はみっともなく生きたくない。嘘の拍手は欲しくないからね』と、引退への思いはゆるがない。奇抜な振る舞いや歯に衣着せぬ物言いで親しまれてきたが、音楽への取り組みは正攻法そのもの 今後協演するオーケストラも井上の持ち味を生かすプログラムで応える。残された1年、掉尾のタクトを振り尽くす

私が井上氏の指揮で聴くコンサートで確定しているのは来年2月4日(日)のN響2月度Aプロ(ショスタコーヴィチ「交響曲第13番”バビ・ヤール”」他)公演です 今から楽しみです

ということで、わが家に来てから今日で3238日目を迎え、ロシア法務省は24日 ウエブサイトで、野党「国民自由党」を率いてプーチン政権を批判していたミハイル・カシヤノフ元首相をスパイとほぼ同義の「外国のエージェント(代理人)」に指定した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     元首相にスパイ同等のレッテルを貼るのは 国民に対する見せしめとしか思えないな

 

         

 

金平茂紀著「ロシアより愛をこめて ~ あれから30年の絶望と希望」(集英社文庫)を読み終わりました 金平茂紀氏は1953年北海道旭川市生まれ。1977年TBS入社。以降同局でモスクワ支局長、ワシントン支局長、「筑紫哲也 NEWS23」編集長、報道局長などを歴任。2010年から「報道特集」キャスター、22年9月でレギュラー退任。以降同番組の「特任キャスター」として活躍中。早稲田大学大学院客員教授。2004年度ボーン上田記念国際記者賞受賞 22年度外国特派員協会「報道の自由賞」受賞

 

     

 

本書は、1995年3月に筑摩書房より刊行された「ロシアより愛をこめて ~ モスクワ特派員滞在日誌1991ー1994」を「ロシアより愛をこめて ~ あれから30年の絶望と希望」と改題したもので、文庫化にあたり再編集し、新たに「補章 ウクライナより愛をこめて」と追加しています

本書を読むと、ソ連崩後のロシア社会(大統領:ゴルバチョフ ⇒ エリツィンの時代)がいかに混乱し腐敗に満ちていたかが分かります 駐車場の中に突然仕切りが出来て 法外な駐車料金を請求されたり、支局の車を盗まれたり、エアロフロートでは預けた荷物が紛失したり、ルーブル紙幣が短すぎる切り替え期間で使えなくなったり、取材を申し込んだ政府高官からは堂々と賄賂を請求されたり、と次々と理不尽なことが降りかかってきます つまり、当時のロシアには正常な商取引が確立しておらず、無政府状態に近い環境にあったということです その背景には、とにかく「物がない」という状況があったらしいことが分かります また、現地で雇ったロシア人支局員は積極的に働こうとはせず、支局長の指示を待っているが、その反面、休みはしっかり要求しちゃっかり休むので仕事が滞ってしまうこともあると嘆きます それでも3年もいっしょに働いていると情が移るのか、「まあ、ロシアだから仕方ないか」と彼らを赦してしまうのです

文庫化に当たって、ウクライナ戦争勃発時の日記と、2022~23年の年末年始のモスクワ訪問記が加えられています 金平さんが凄いのは、昨年2月、ロシアがウクライナに侵攻するかもしれない中で、ウクライナ取材を決め、トルコからキーウに向かうまさにその日(2月24日)に戦争が勃発したため 空路を諦め、ルーマニアから陸路でウクライナに入国し、翌25日には現地からロシアの侵攻についてニュースを伝えているところです これぞ真のジャーナリストです

ほぼ30年後にロシアを訪ねた金平さんですが、現在の平均的なロシア人の意識について次のように書いています

「モスクワにいる限り、ロシア人はウクライナ戦争など、局地的な紛争で、何とか治まるとでも思っているのではないか 『加害者』という意識など微塵もない。そういうことを感じ取れる感性を持ったロシア人はすでに国外に出ているか、強いられた沈黙の中でじっと耐えている だが圧倒的多数派であるごく普通のロシアの人々は、戦争の『加害者』になっている意識は、ほぼゼロだ。そういう時代に、マスメディア、ジャーナリズムの役割は何か、ということをいやがおうにも考えさせられる

金平さんの指摘を裏付けるように、プーチン政権の支持率は8割を超えているとか、次期大統領選挙ではプーチンの再選が確実視されているとかいうニュースが報道されています

チャイコフスキー、ラフマニノフ、ストラヴィンスキー、ショスタコーヴィチ、プーシキン、トルストイ、ドストエフスキー、チェーホフ・・・と挙げてみると、過去のロシアの芸術家は超一流でしたが、主権国家に土足で侵入して人を殺し、子どもを誘拐し、インフラや建物を破壊尽くしているように、現在のロシアの政治家は三流以下としか言いようがありません

本書は470ページの大書ですが、金平さんの語り口が上手いので読む手が止まりません 今、この時期に読むことをお薦めします

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N響から会員特典オリジナルCD届く ~ ブロムシュテット指揮によるマーラー「交響曲第9番」ライブ録音(2枚組) / アリス・ディオップ監督「サントメール ある被告」を観る

2023年11月25日 06時44分29秒 | 日記

25日(土)。N響から会員特典オリジナルCDとチケットケースが届きました CDはブロムシュテット指揮NHK交響楽団によるマーラー「交響曲第9番 ニ長調」のライブ録音(2022年10月15日:第1965回定期演奏会/NHKホール)2枚組です 私の場合はAプロとBプロの会員なので2セット届きました なお、前年まではN響オリジナルカレンダーが送られてきていましたが、今年からその特典はなくなったようです 毎年利用していたので残念です

 

     

     

ということで、わが家に来てから今日で3237日目を迎え、ウクライナで活動する国連人権監視団は21日、ロシア軍の侵略以降、ウクライナの民間人の死者数が少なくとも1万人以上に達し、そのうち560人が子供であると発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     彼らは プーチンが侵略戦争を始めなければ死なずに済んだ 何の罪もない市民たちだ

 

         

 

昨日の夕食は、隔週金曜日のローテにより「鶏の唐揚げ」を作りました 唐揚げは栗原はるみ先生の「旨味醤油」に5時間漬けておいたので、とても美味しかったです 唐揚げには やっぱりビールです 久しぶりにアルコールを飲みました

 

     

 

         

 

早稲田松竹でアリス・ディオップ監督による2022年製作フランス映画「サントメール ある被告」(123分)を観ました

フランス北部の町サントメール。女性作家ラマは、生後15か月の娘を海辺に置き去りにして死亡させた容疑で逮捕された若い女性ロランスの裁判を傍聴する セネガルからフランスに留学し、完璧なフランス語を話すロランス。被告本人や父親である男性が証言台に立つが、真実はいったいどこにあるのか分からない やがてラマは、法廷に来ていた被告ロランスの母親と知り合うが、彼女はラマが妊娠していることを言い当てる ロランスは傍聴するラマに微笑みかけるが、「あなたは母親になれるのか?」と問いかけているように見える

 

     

 

この映画は、わが子を殺した罪に問われた女性の裁判の行方を、実話に基づき描いた作品です セネガル系フランス人女性監督アリス・ディオップは、実際の裁判記録をそのまま台詞に使用する斬新な手法により、リアリティに満ちた法廷劇を再現します

ロランスは法廷で「自分が娘を置き去りにした」と認めているので、有罪であることは明らかですが、どうしても動機が分からない ロランスは理由を問われ「分かりません。裁判でそれを教えてほしい」と答えます 審議が進むにつれて、「移民」に対する白人の差別意識や、母親との間に葛藤を抱えていることなど、様々な状況がロランスを精神的に追い詰めていったことが明らかになります 傍聴に来たラマは妊娠4か月で出産をためらっていますが、移民2世の彼女もまたロランス同様、母親と複雑な関係にあり、自分が良き母になれる自信が持てないでいます そんな彼女は傍聴するたびに、自身をロランスに投影し不安が増していくのです

終盤で、ラマがパソコンで映画「王女メディア」を観るシーンがあります この映画はイタリアの奇才ピエル・パオロ・パゾリーニ監督が20世紀を代表するソプラノ歌手マリア・カラスを主演に迎え、ギリシャ悲劇「メディア」を映像化したものです 物語は「夫に裏切られた妻メディアが、夫に復讐するため、夫が心を奪われた若い女を呪い殺すばかりか、夫との間に生まれた2人の子どもまで殺す」という悲惨な内容です 映像は、殺した2人の息子をメディアが寝かせるシーンですが、何故か日本の浄瑠璃のような三味線と謡による音楽が流れています アリス監督がパゾリーニ監督の「メディア」のこのシーンを採用したのは、親による子殺しが本作と共通するからです

ロランスの女性弁護士は最終弁論で「キメラ」と呼ばれる細胞の話をします 妊娠すると母親の細胞が胎児に移るが、胎児の細胞もまた母親の臓器に混ざる。それが「キメラ」であり、無限の連鎖となる。これは人種や社会的な階層に関わらず全ての女性に共通する母性の問題であるーというものです

なお、標題の「サントメール」(Saint  Omer)は地名ですが、フランス語の音では「聖なる母」という意味を持っています

 

     

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松本宗利音 ✕ 朴葵姫 ✕ 東京シティ・フィルでロドリーゴ「アランフェス協奏曲」、ドヴォルザーク:序曲「自然の中で」「謝肉祭」「オセロ」他を聴く

2023年11月24日 00時17分38秒 | 日記

24日(金)。わが家に来てから今日で3237日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は22日、オンライン形式による20か国・地域(G20)首脳会議で、ウクライナ戦争の「悲劇」を止める方策を考える必要がある と語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     答えは簡単 ロシア軍が撤退し 戦争犯罪を認め ウクライナの復興を補償することだ

 

         

 

昨日、夕食に「麻婆茄子」「生野菜とアボカドのサラダ」「ブナピーの味噌汁」を作りました あとは「梅味噌キュウリ」です。ブナピー(ブナシメジ)はごま油で炒めておいたのでマイルドで美味しくなりました

 

     

 

         

 

昨日、ティアラこうとうで東京シティ・フィル「第75回 ティアラこうとう定期演奏会」を聴きました プログラムは①グリンカ「スペイン序曲 第1番 ”ホタ・アラゴネーサの主題による華麗なるカプリース」、②ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」、③ドヴォルザーク:序曲三部作「自然と人生と愛」(「自然の中で」「謝肉祭」「オセロ」)です   演奏は②のギター独奏=朴葵姫、指揮=松本宗利音です

松本宗利音(まつもと しゅうりひと)は1993年大阪府豊中市出身。東京藝大指揮科卒で最優秀賞の「アカンサス賞」を受賞。指揮を尾高忠明、高関健らに師事 2017年から2年間、東京シティ・フィルの指揮研究員を務め、2020年10月に同フィルの指揮者デビュー 2019年4月から2022年3月まで札幌交響楽団指揮者。それ以降、読響、大阪フィルほか全国のオーケストラを指揮しています なお宗利音(しゅうりひと)という名前は、巨匠指揮者カール・シューリヒトの婦人から命名されました 公開リハーサルがあった11月22日は彼の30歳の誕生日だったそうです

 

     

 

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつものシティ・フィルの並び。コンマスは戸澤哲夫です

1曲目はグリンカ「スペイン序曲 第1番  ”ホタ・アラゴネーサの主題による華麗なるカプリース」です    この曲はロシアの作曲家ミハイル・イヴァノヴィチ・グリンカ(1804-1857)が1845年にスペインのカスティーリャ地方を訪ねて採集した民謡をもとに作曲、1850年にサンクトペテルブルクで初演されました 「ホタ・アラゴネーズ」はスペインの代表的なダンス音楽ホタのうちでも北西部アラゴンに伝わる急テンポのホタとのことです

松本の指揮で演奏に入ります。冒頭はチェロ、コントラバスを中心とする重低音の音楽から開始され、まさにロシアの広大な大地を思い浮かべました 途中から、明るく楽し気なホタの音楽に変わり、これがロシア人グリンカが感じたスペインか、と思いました 松本 ✕ シティ・フィルはコンサートの幕開けに相応しい熱狂的な演奏で締めくくりました

2曲目はロドリーゴ「アランフェス協奏曲」です    この曲はホアキン・ロドリーゴ(1901-1999)が1939年に作曲、1940年11月9日にバルセロナで初演された「ギター協奏曲」です ロドリーゴは3歳の時に悪性ジフテリアに罹り視力を失いましたが、8歳からバレンシア音楽院でピアノとヴァイオリンを学び、さらにパリのエコール・ノルマルに留学しポール・デュカスに作曲を師事しました アランフェスはマドリードの南南東45キロの位置する土地で、6世紀以来スペイン王家の夏の離宮の所在地として栄えたところで、ここの旧跡の印象から作曲したのがこの作品です 第1楽章「アレグロ・コン・スピーリト」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・ジェンティーレ」の3楽章から成ります

ギター独奏の朴葵姫(パク・キュヒ)は日本と韓国で育ちました これまで荘村清志、福田進一、A.ピエッリ各氏に師事。東京音楽大学を経て、2014年にウィーン国立音楽大学を首席で卒業 2007年ハインツベルグ国際ギターコンクール第1位及び聴衆賞受賞をはじめ、数々のギターコンクールで入賞を果たし、多くのオーケストラと共演を重ねています

指揮台の下手側にギター奏者用の台が、その手前に小型マイクが置かれ、指揮台奥の上手近くにジェット機のエンジンのような円筒形のアンプが設置されます ギターは音が小さいのでマイクで拾いアンプで拡大するのです

純白のエレガントな衣装に身を包まれた朴葵姫が登場、左足を足台に乗せギターを構えて指揮者の合図を待ちます

松本の指揮で演奏に入りますが、朴は軽快な演奏を繰り広げ、松本は出来る限りギターの音を活かすよう配慮しながら指揮をします 第2楽章ではギターの美しく抒情的な演奏が会場を満たします 高橋舞のイングリッシュホルンの哀感溢れる演奏が心に迫ってきます 朴のカデンツァは聴きごたえがありました 第3楽章ではギターとオケとの丁々発止のやり取りによって華麗なフィナーレを迎えました

満場の拍手に朴は、タレガ「アルハンブラ宮殿の思い出」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました

 

     

 

プログラム後半はドヴォルザーク:序曲3部作「自然と人生と愛」=「自然の中で 作品91」「謝肉祭 作品92」「オセロ 作品93」です    これらの序曲は1891年から92年にかけて作曲、1892年4月28日にプラハで初演されました オペラの序曲とは異なり、これらは「演奏会用序曲」です 音楽評論家の萩谷由喜子さんのプログラム・ノートによると、3作は「作品91」という同一作品番号のもとに出版される予定でしたが、1曲ずつ標題を付けて単独で出版した方が売り易いという出版商ジムロック社の判断で、それぞれ別の番号が付けられたそうです 第1部「自然の中で」(自然)、第2部「謝肉祭」(人生)、第3部「オセロ」(愛)です

松本の指揮で第1部の演奏に入ります 戸澤コンマス率いるヴァイオリン・セクションの渾身の演奏が光ります また、フルート、オーボエ、クラリネットといった木管楽器が良く歌います 第2部は「人生」に相当する楽曲ですが、前年に名誉博士号を贈呈されたプラハ大学への返礼のために作曲されました 人気があり、単独で取り上げられることの多い序曲です 冒頭から謝肉祭の喧騒を想起させるアグレッシブな演奏が展開します アンダンティーノの部分に入ると、クラリネットやイングリッシュホルンが抒情的な演奏を繰り広げます そして再び第1主題に戻り高速テンポによる情熱的な演奏で締めくくられました 第3部は冒頭のトロンボーンのコラール風の演奏が素晴らしい 中盤以降はフルート、ハープが冴えた演奏を展開し、終盤ではトロンボーン、テューバが素晴らしい演奏を繰り広げました

満場の温かい拍手を聞く限り、かつて指揮研究員として”お世話になった”東京シティ・フィルを振った松本宗利音にとって、今回の演奏は”会心の出来”だったのではないだろうか

 

     

           「ティアラこうとう」から東京スカイツリーを望む

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パイロットになった指揮者ダニエル・ハーディング / サラ・ポーリー監督「ウーマン・トーキング」を観る ~ 宗教コミュニティー内で起こった連続レイプ事件を巡る女性たちの選択

2023年11月23日 06時46分48秒 | 日記

23日(木・祝)。無料のクラシック月刊音楽情報誌「ぶらあぼ」を愛読していますが、12月号の連載コラム「気分はカプリッチョ」の第89回でレコード会社勤務の城所孝吉氏が興味深い話を紹介しています タイトルは「ハーディングはなぜパイロットになったのか?」です 超略すると次の通りです

ダニエル・ハーディングが旅客機のパイロットをしている 現在彼は、年の半分をエールフランスで働き、残りの半分を指揮者として活動している 指揮者にはパイロットのライセンスを持っている人が多いが、プロの職業(副業)にする例は珍しい ハーディングはパイロットになった動機を訊かれて次のように答えている

「私は17歳で指揮を始め、30年間ずっと振り続けてきました 指揮者とは特殊な仕事で、100人の音楽家に権威的に接し、自分の意見を通さなければならなりません それに対してパイロットは、小さなチームで乗客の安全を第一に仕事をします   その際 私自身のエゴは全く重要ではありません   パイロットをすることは、その意味でたいへん健全なのです

つまり彼は、指揮との関連においてパイロットになったのである    聴衆はあまり意識しないことだが、指揮とは本当に難しい仕事だ  『棒を振り下ろせば、オーケストラが自分の思い通りに演奏してくれる』というようなことでは決してないからだ    むしろその逆だろう。メンバーはレベルの高い楽団であればあるほど、個々人が音楽についての確固たる意見を持っている 指揮者は、そういうプロ集団に曲についての考えを伝え、意図通りに演奏してもらわなければならないのである。オケ演奏とは、指揮者対楽団のバトルに他ならない     ハーディングはある時期からそれに「疲れ」を感じたのではないだろうか。実際 彼は10年ほど前から「指揮は難しい」と繰り返し口にしてきた   「棒振り人生」を今後も続けてゆけるように、セラピーとしてこの道を選んだのだと考えてもおかしくない    彼の名誉のために書き添えておくが、実はこれはハーディングだけの問題ではない。サイモン・ラトルも、ベルリン・フィルの首席指揮者を退任する際に、「ベルリン・フィルはバトルの相手として強すぎる。これ以上続けられない」という趣旨のことを言っている。ハーディングは、自らこの問題に気づき、自己改革のためにパイロットになったわけで、極めて聡明なのだ    事実彼は、空を飛ぶようになってから、以前よりリラックスし、指揮を楽しんでいるように見える

まったく初耳情報で驚きました ダニエル・ハーディングと言えば2010年に新日本フィルのミュージックパートナーに就任し、翌2011年3月11日の東日本大震災当日、会場に駆け付けたわずかな聴衆を前にマーラー「交響曲第5番」を最後まで振り抜いたことは今でも語り草になっています 一芸に秀でた者は何とかと言われますが、指揮者として優秀な人だからこそパイロットにもなれたのでしょう それにしても、人の命を預かるプロのパイロットになるなんて、なんと大胆素敵な決断でしょうか

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で3236日目を迎え、トランプ前米大統領(77)は20日、全体的に「極めて良好」とした健康診断結果を公表したが、体重や血圧など具体的な数値が示されていないため、米メディアは検証不可能だと懐疑的に伝えている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ツラの皮の厚さ 脳波の異常性 自己中心志向 反省力の欠如などは計り知れない男だ

 

         

 

昨日の夕食は「豚骨スープ鍋料理」にしました 先日利用した豚骨スープの素が美味しかったので今回も使いましたが、とても美味しく 温まりました

 

     

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹でサラ・ポーリー監督による2022年製作アメリカ映画「ウーマン・トーキング」(105分)を観ました

2010年、自給自足で生活するキリスト教一派の とあるコミュニティーで、女たちがたびたびレイプされていた 男たちからは、それは「悪魔の仕業」とか「作り話」だと言われ、レイプを否定されてきた やがて女たちは、それが悪魔の仕業や作り話などではなく、実際に犯罪だったことを知る 男たちが街へ出かけて不在にしている2日間、女たちは①男たちを赦してコミュニティーに残るか、②男たちと闘うか、③これ以上犠牲者が出ないようにコミュニティーを立ち去るか、自らと子どもたちの未来を懸けた話し合いを行う

 

     

 

この映画は、2005年から2009年にかけて南米ボリビアで実際にあった事件をもとに執筆され、2018年に出版されてベストセラーとなったミリアム・トウズの小説を原作として製作されました

本作は 登場人物が、一度破門されたコミュニティーに戻り、女性たちの議論の書記を務めるオーガストという男以外は全員が女性であるのが大きな特徴です

閉鎖的な宗教コミュニティー社会は、こうした悲惨な事件が起こりやすい環境にあると言えるのかもしれません 簡単に言えば、女たちは男たちに服従するのが当たり前だと”洗脳”されている社会です 最大の問題はコミュニティーの女性たちは読み書きが出来ないことです そのため議論の内容を書き留めるために、教育の素養があるオーガストに書記を依頼せざるを得ないのです 話し合いの結果、女性たちは幼い子供たちを伴ってコミュニティーを出ていくことになりますが、残るオーガストに託されたのはコミュニティーの男たちに対する教育(人権・男女平等)です 時代を問わず、国を問わず、差別することなく、あるいは差別されることなく生きていくには教育が大事だということを、この映画は教えてくれます

 

     

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N響チェンバー・ソロイスツ(郷古廉、佐々木亮ほか)でモーツアルト「弦楽四重奏曲第13番」、ブラームス「弦楽六重奏曲第1番」、メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」他を聴く

2023年11月22日 00時58分05秒 | 日記

22日(水)。わが家に来てから今日で3235日目を迎え、防衛省によると、21日午後10時40分過ぎ、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性のあるものが発射され、10時55分ごろに沖縄県の上空を通過したとみられる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     金ちゃんは ミサイル遊びを いい加減に止めないと 誰も相手にしてくれなくなるよ

 

         

 

昨日、夕食に「五目煮」「生野菜とアボカドのサラダ」「ダイコンの味噌汁」を作りました 五目煮は新聞の「料理メモ」を参考に初めて作りました 材料は牛肉、人参、レンコン、シメジ、シラタキです   ちょっと甘めになってしまったので次回の反省材料にします

 

     

 

         

 

昨夜、ハクジュホールで「N響メンバーによる室内楽シリーズ N響チェンバー・ソロイスツ」公演を聴きました プログラムは①モーツアルト「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ト長調 K.423」、②ブラームス「弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調 作品18」、③モーツアルト「弦楽四重奏曲第13番 ニ短調 K.173」、④メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20」です 演奏はヴァイオリン=郷古廉、宇根京子、大宮臨太郎、三又治彦、ヴィオラ=佐々木亮、三国レイチェル由依、チェロ=中美穂、宮坂拡志です

 

     

 

自席はL列14番、12列目の右から4つ目です 郷古廉人気か、会場は文字通り満席です

1曲目はモーツアルト「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 ト長調 K.423」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1783年に作曲しました この曲と「K.424」の2曲の二重奏曲はミハイル・ハイドンがコロレド大司教から依頼されていたが病気で果たせなかったため、モーツアルトが代わりに作曲した作品です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

郷古廉のヴァイオリン、佐々木亮のヴィオラにより演奏が開始されます 郷古のヴァイオリンが良く歌い、佐々木のヴィオラがピタリと付けます ヴァイオリンとヴィオラが1本ずつなので、それぞれの楽器の音色がストレートに伝わってきます 考えようによってはごまかしようがない怖い曲です 2人はモーツアルトの愉悦感に満ちた演奏を繰り広げました

2曲目はブラームス「弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調 作品18」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1858年から60年にかけて作曲、1861年にハノーヴァーで初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「テーマ・コン・ヴァリアツィオー二:アンダンテ・モデラート」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト ~ トリオ・アニマート」、第4楽章「ロンド:ポーコ・アレグレット・エ・グラツィオーソ」の4楽章から成ります

左から1vn=郷古、2vn=宇根、1va=佐々木、2va=三国レイチェル、1vc=宮坂、2vc=中の並びでスタンバイします 宮坂のチェロを中心にゆったりした悠然たるテンポで開始され、このテンポが維持されます。とても心地良い演奏です 第2楽章は冒頭、佐々木のヴィオラが”暗い情熱”あるいは”慟哭”とでも言うべきテーマを奏で、郷古のヴァイオリンに受け継がれます チェロも加わり、渾身の演奏が展開します 第2楽章が終わると、佐々木が「第3楽章の楽譜はどこへいった?」とばかりに楽譜を探し出しました 他のメンバーは「楽譜忘れてきたの?」という顔で見ています。佐々木が「あぁ、あった! 心配かけてすみません」という顔を見せると、他のメンバーはクスクス笑い出しました    この人は”天然”のところがあります。愛すべきN響首席です   第3楽章ではチェロを中心とする軽快なピッツィカートが心地よく響きました   第4楽章は再び第1楽章と同じような悠然たるテンポにより演奏が繰り広げられ、緻密なアンサンブルによって堂々たるフィナーレを飾りました

休憩後のヴァイオリン・三又氏のトークを聞いて気が付いたのは、前半の2曲、後半の2曲はそれぞれ共通点があるということです 前半のモーツアルトの「二重奏曲」は27歳の時の作品、ブラームスの「六重奏曲」は25~27歳の時の作品で、ほぼ同じ年齢の時に作曲されたということです 天才モーツアルトのサラっと作曲した作品と、努力家ブラームスが練りに練って作曲した作品ということで、まったく性格が異なることに驚きます 

 

     

 

プログラム後半の1曲目はモーツアルト「弦楽四重奏曲第13番 ニ短調 K.173」です この曲はモーツアルトが1773年に作曲した「6つの弦楽四重奏曲(K.168~K.173)」の最後の曲ですが、ウィーン滞在中に作曲されたことから「ウィーン四重奏曲」と呼ばれています 第1楽章「アレグロ・マ・モルト・モデラート」、第2楽章「アンダンテ・グラツィオーソ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「フーガ:アレグロ」の4楽章から成ります

左から1vn=大宮、2vn=三又、va=三国レイチェル、vc=宮坂の並びでスタンバイします

第1楽章は哀しみが疾走します 第2楽章はハイドン風の穏やかな音楽が展開します この曲の特徴は第4楽章のフーガです 冒頭 チェロ ⇒ ヴィオラ ⇒ 第2ヴァイオリン ⇒ 第1ヴァイオリンへと主題が受け継がれます この楽章も哀しみが疾走します

最後の曲はメンデルスゾーン「弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)が1825年に作曲しました 第1楽章「アレグロ・モデラート、マ・コン・フォーコ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・レジエリッシモ」、第4楽章「プレスト」の4楽章から成ります

左から1vn=郷古、2vn=大宮、3vn=三又、4vn=宇根、1va=三国レイチェル、2va=佐々木、1vc=中、2vc=宮坂の並びでスタンバイします

第1楽章が郷古のリードで開始されます この楽章を一言で言えば前へ前へと進む”推進力”です 軽快なテンポで演奏される緻密なアンサンブルが素晴らしい 中盤で第1ヴィオラの三国レイチェルがソロで渾身の演奏を展開、隣の佐々木が「おぬし、なかなかやるじゃん」と言わんばかりの笑顔を見せると、三国は「わーい、大先輩に褒められちゃったー」と言わんばかりに満面の笑みを浮かべました このコンビは見ていて飽きないです 第3楽章を聴いていつも思うのは、メンデルスゾーン「夏の夜の夢」の妖精が木々の間を飛び回っている様子です 第4楽章は冒頭、上手の第2チェロの宮坂から下手の奏者へ次々とテーマが受け継がれ第1ヴァイオリンの郷古まで繋がります 続いて、第1楽章と同じように推進力に満ちたアグレッシブな演奏が展開し圧倒的なフィナーレを迎えました

三又氏のトークによると、後半のモーツアルトの「四重奏曲」は17歳の時の作品で、メンデルスゾーンの「八重奏曲」は16歳の時の作品で、ほぼ同じ年齢の時に作曲されました これはメンデルスゾーンがモーツアルトに匹敵する天才だと思わせます 両曲のもう1つの共通点は第4楽章でフーガが採用されていることです

この日のコンサートは「ハクジュホール開館20周年記念」と銘打っていますが、それに相応しい考え抜かれた選曲と緻密なアンサンブルによる素晴らしい演奏に感服しました オケのメンバーによる室内楽を聴くと、所属するオーケストラの実力が解る、とつくづく思い知らされたコンサートでした

ハクジュホールが入居するビルの1階にはクリスマスツリーが飾られていました

 

     

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文京シビックホール「響きの森クラシック・シリーズ」予約確定 / ミア・ハンセン=ラブ監督「それでも私は生きていく」を観る ~ シューベルト「ピアノ・ソナタ第20番」第2楽章も流れる

2023年11月21日 06時48分52秒 | 日記

21日(火)。文京シビックホールから「響きの森クラシック・シリーズ 2024/2025 シーズン」セット券の予約が確定した旨のメールが届きました 申し込みフォームの「備考欄」に「センターブロック通路側か通路に近い席希望」と書いておいたのですが、指定されたのは右ブロックの通路から一番奥に入った席でした 希望を書いても全く意味がないことが良く分かりました このシリーズはチケット代が格安なのは良いのですが、申し込み時に座席指定ができないのが最大の欠点です 来年からは何とかしてほしいと思います 明日、文京シビックチケットで現金と引き換えにチケットを受け取る予定です

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で3234日目を迎え、朝日新聞社が18,19日に実施した全国世論調査によると、岸田文雄内閣の支持率は25%(前回10月調査は29%)と低下、不支持率は65%(同60%)に上昇し、自民党が2012年12月に政権に復帰して以降の11年間で、支持率は最低を記録した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     人気取りの現金給付といい 副大臣と政務官3人の辞任といい 申し分のない失点だ

     

         

 

昨日、夕食に「ポークカレー」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました カレーは週1回は作っているような気がします

 

     

 

         

 

早稲田松竹でミア・ハンセン=ラブ監督による2022年製作フランス映画「それでも私は生きていく」(112分)を観ました

シングルマザーのサンドラ(レア・セドゥ)は、通訳の仕事をしながら8歳の娘とパリの小さなアパートで暮らしている サンドラの父ゲオルグ(パスカル・グレゴリー)は現役時代は哲学教師として生徒たちから尊敬されていたが、現在は病によって視力と記憶を失いつつあった サンドラは別居中の母フランソワーズと共に父のもとを頻繁に訪ねては、父の変化を目の当たりにして無力感に苛まれていた 仕事と子育てと介護に追われて自分のことはずっと後回しにしてきた彼女だったが、ある日、旧友クレマン(メルビル・プポー)と再会し恋に落ちる

 

     

 

この映画は、父親の病への悲しみと 新たな恋への喜びという相反する感情に直面したシングルマザーの心境を、ミア・ハンセン=ラブ監督が自身の経験をもとに描いたヒューマンドラマです

クレマンには妻子がいますが、妻とはうまく行っていないので、サンドラと付き合うことになります しかし、何度か逢瀬を重ねる中で「やっぱり妻と子どもを裏切ることはできない」として一時はサンドラと離れることになります しかし、彼にはサンドラを諦めることが出来す、またサンドラに連絡して会うことになり、サンドラも彼を喜んで受け入れます 男と女の関係ってどうしてこう面倒くさいんでしょうね

父親の入院している病室のシーンで、サンドラが「パパはシューベルトが好きだったでしょう」と言って、CDでシューベルト「ピアノ・ソナタ第20番 イ長調 D959」の第2楽章「アンダンティーノ」を流すシーンがあります この曲を聴いた父ゲオルグは「この曲はダメだ。暗すぎる」と言って拒否します そこはかとなく悲し気な旋律は確かに、聴いていると憂鬱な気分になりそうです この曲はロベール・ブレッソン監督「バルダザールどこへ行く」(1966年)で全編を通じて流れていました この映画の感想は2021年4月6日付toraブログに書きましたので、興味のある方はご覧ください

また、別のシーンではサンドラの言う「邪魔にならない音楽」として、J.S.バッハ「無伴奏チェロ・ソナタ第1番」の「プレリュード」が流れました

ところで、サンドラが父ゲオルグの日記を発見し、中をパラパラとめくるシーンで、あるページに「交響曲第7番 ワーグナー」という記述がありました これはあり得ない ワーグナーが作曲した交響曲は「交響曲 ハ長調 WWV29」1曲だけで、7曲も作曲していません また、ブルックナーの「交響曲第3番 ニ短調」は尊敬するワーグナーに献呈されたことから「ワーグナー」の愛称で呼ばれていますが、第7番ではありません 監督がどういう意図でゲオルグの日記に「交響曲第7番 ワーグナー」と記したのか分かりませんが、誤解を招くシーンです

 

     

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