人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アリス・紗良・オットと多発性硬化症 / 辻村深月「東京會舘とわたし(下)新館」、中山七里「ワルツを踊ろう」、アンソニー・ホロヴィッツ「メインテーマは殺人」他を買う

2019年10月31日 07時16分25秒 | 日記

31日(木)。今日は10月最後の日であると同時にハロウィンです🎃 皆さん、渋谷のスクランブル交差点には行かないようにしましょうね ハロウィンの何たるかも知らず コスプレに正体を隠したバカ者が 酒に酔って大騒ぎのうえ車を倒して、その犠牲になったら目も当てられません また、渋谷はゴミ捨て場ではありません。そういえば昨年は渋谷で火事がありましたね 「君子危うきに近寄らず」といいます。行くのは止めましょうね

昨日は午前中、埼玉県S市にある実家の菩提寺に墓参りに行ってきました 先月28日の父と母の法事以来、ほぼ1か月ぶりのお参りです 先週木曜日、元の職場のS氏、E氏と飲んだ際に「ご先祖様は大事にしなければいけないよね」という話が出たのがキッカケです 幸い「天高く馬肥ゆる秋」といった爽やかな良い天気に恵まれました ちなみに、私は中学生の時、「天高く馬超える秋」と思っていて、「秋になると馬が天を超えるほど高く跳躍するのかぁ!」と驚いていました もっとも その頃は「台風一過」を「台風一家」と勘違いしていて、「一家そろって台風みたいに荒れた怖い家族がいるんだなぁ」と怯えていました 無知蒙昧・四面楚歌・前途絶望の中学生でした

ということで、わが家に来てから今日で1858日目を迎え、ラグビー・ワールドカップ日本大会のボランティアに支給されるユニホームなどが、フリーマーケットアプリに相次いで出品され、大会組織委員会が頭を悩ませている いうニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       最初から販売目的で応募したんじゃね?  ボランティアのイメージを貶める奴らだ

 

         

 

昨日、夕食に「野菜と挽肉のドライカレー」を作りました 私の定番料理で、時々食べたくなります

 

     

 

         

 

昨日の朝日新聞朝刊に「難病も人生の一部  幸せの音に 多発性硬化症と向き合う ~ ピアニストのアリス・紗良・オットさん」という見出しの記事が載りました  アリス・紗良・オット(1988年生まれ。ミュンヘン在住)が難病「多発性硬化症」を公表したのは今年2月でしたが、今回の記者のインタビューに対し、公表した理由について次のように語っています

「(公表するかどうか)迷いましたが、理由は3つあります まず、自分も周りも うそをつかずに済むようにしたかったから。二つ目は、病と上手に向き合いながら、日常生活を送っている人が大勢いる現実を知ってもらいたかったから。三つ目は、同じ病気に向き合う、特に若い人を勇気づけられるのでは、との思いからです

 

     

 

そして、今の気持ちと これからの決意を次のように語っています

「私は今、20年、30年後も、自分自身で幸せだと思える人間でいたいなと改めて感じています   とても難しいことですが、努力して挑戦します   そうやって年を重ね、難病も人生の一部にして幸せに生きている音楽家もいるのだという前例の一つになれればいいなと思います 私はいま、自信満々です

 

     

 

私は何度か彼女のライブ演奏を聴きましたが、いつも靴を履かず素足で演奏しているのが気になっていました 多発性硬化症とは関係ないかもしれませんが、これからの寒い季節には身体を冷やさないよう 靴を履いて演奏した方が良いのではないか、と部外者ながら思います

 

     

 

         

 

本を5冊買いました 1冊目は中山七里著「ワルツを踊ろう」(幻冬舎文庫)です。この本、文庫本ながらサイン入りです 

 

     

     

 

2冊目はアンソニー・ホロヴィッツ著「メインテーマは殺人」(創元推理文庫)です 彼の作品は、このブログで大ベストセラー「カササギ殺人事件(上下)」をご紹介しましたね

 

     

 

3冊目は吉田修一著「犯罪小説集」(角川文庫)です 映画「楽園」の原作とのことです

 

     

 

4冊目は又吉直樹著「劇場」(新潮文庫)です 彼の作品を購入したのは、芥川賞受賞作「火花」以来です

 

     

 

5冊目は辻村深月著「東京會舘とわたし(下)新館」(文春文庫)です 同書の上巻「旧館」が思いのほか面白かったので購入しました

 

     

 

いずれも 読み終わり次第 このブログでご紹介していきますが、これを全部読み終わっても今年の目標(65冊)達成には至りません 頑張らなくっちゃ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

吉永小百合+天海祐希共演「最高の人生の見つけ方」を観る ~ 「死ぬまでにやりたいことリスト」を実現していく余命わずかの二人の女性の物語

2019年10月30日 07時20分02秒 | 日記

30日(水)。わが家に来てから今日で1857日目を迎え、米ニューヨーク・タイムズ紙によると、就任から10月9日まで、トランプ大統領は1万3435回にわたってウソや誤解を招く発信を繰り返してきた という記事を見て感想を述べるモコタロです

 

     

     それでも共和党層の支持が固いのは ニューヨーク・タイムズを読んでないから?

 

         

 

昨日は寒かったので、夕食は「鶏白湯鍋」にしました 材料は鶏もも肉、鶏肉団子、キャベツ、人参、シメジ、豆腐、水菜です。お酒は日本酒です

 

     

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーで犬童一心監督「最高の人生の見つけ方」(2019年・115分)を観てきました

この映画は、ジャック・二コルソンとモーガン・フリーマンが共演したロブ・ライナー監督による同名映画を原案として、吉永小百合と天海祐希が共演したヒューマン・ドラマです

人生のほとんどを家族のために捧げてきた主婦・北原幸枝(吉永小百合)と、仕事だけを生きがいに生きてきたホテルチェーンの社長・剛田マ子(天海祐希)は、共にガンの余命宣告を受けていた そんな二人は病院で偶然に出会う。初めて人生に虚しさを感じていた二人がたまたま手にしたのは、入院中の少女が手帳に書いた「死ぬまでにやりたいことリスト」だった 幸枝とマ子は残された時間をこのリストに書かれたすべてを実行するために費やす決心をして、果敢に行動に移していく これまで体験してこなかった 思いもよらないことを実行していく中で、彼女たちは今まで気が付かなかった生きる楽しさと幸せを噛みしめていく そんな彼女たちを待っていたのは ある奇蹟だった

 

     

 

正直に言うと、この映画は私の「今月観たい映画リスト」には入っていませんでした それが急に観たくなったのは、10月26日(土)午後7時半からNHKテレビで放映された「プロフェッショナル・仕事の流儀 ~ 吉永小百合」を観たからです この番組は女優・吉永小百合が初めて10か月密着取材を許可したドキュメンタリーで、ちょうどこの映画の撮影が”現在進行中”の時期に重なっていました 番組のインタビューの中で、吉永を「女優としてのプロフェッショナル」として捉えるインタビュアーに対し、彼女は「私はプロフェッショナルではありません。強いて言えば、プロになろうとしているアマチュアかも知れません」と語っています また、番組の中で「男はつらいよ」の監督・山田洋二は「吉永さんは、自分をプロと言うのはいやなんでしょうね。いつまでもアマチュアでいたい、と思っていると思います」と語っています。われわれ凡人から見れば、吉永小百合が女優のプロでないのなら日本にはプロの女優は存在しない、ということになるのではないかと思います

ところで、このドキュメンタリーでは、一昔前の映画の撮り方と、現在の撮り方の違いを紹介していました 極論すれば、昔は一つのシーンを撮るのに一つの角度から撮っていたが、現在は一つのシーンを撮るのに、様々な角度から撮って、編集の段階で一番良い角度からの映像を選んで繋げていく撮り方をしている、ということです 俳優の立場からすれば、同じ演技を何度も繰り返す必要に迫られるので、緊張感を持続することが困難な立場に置かれているということです これについて、吉永は「ワンシーン・ワンカットが一番良いと思うけれど、仕方ないですね。この世界で生き残っていくためには」と語っています。現代の俳優は大変ですね

「死ぬまでにやりたいことリスト」には、「スカイダイビングをやること」「エジプトに行ってピラミッドを観ること」「鉄棒で逆上がりができるようになること」「巨大パフェを食べること」「ウェディング・ドレスを着ること」「ももクロのコンサートに行くこと」「宇宙旅行に行くこと」・・・と少女の夢が書かれていました 二人は励まし合いながらマ子の資金力を頼りに これらの夢を実現していきます

一番驚いたのは二人が「ももいろクローバーZ」のライブ・コンサートに”参加する”シーンです このシーンは実際に、横浜アリーナに12,000人のファンが詰めかけたコンサートの本番中にカメラを回して撮影したそうです 吉永小百合と天海祐希がペンライトを持ってももクロのメンバーと踊るシーンは シュール、いや 圧巻です 口を開けて観ていました

吉永小百合の演技で忘れられないシーンが2つあります 一つは、マ子から「主婦なんて暇を持て余しているだけなんだから」と言われ、「主婦を馬鹿にしないでください 主婦だって、自分のやりたいこともやれずに我慢をして家族のために一生懸命生きてきたんです」と怒りを露わにするシーンです。静かながら本気で怒っていました もう一つは、引き籠りの息子にドアの外から話しかけるシーンです。ドアを何度もノックするのですが、アップされた彼女の指が痙攣して震えていました このシーンはNHKのドキュメンタリーでも映し出されていましたが、演技には”手を抜かない”プロの仕事として強く印象に残ります というよりも、吉永小百合という人は、演技によって その人に”成りきる”のではなく、その人に”なっている”のではないか、と思わせる力を持っています

天海祐希が鏡を見るシーンで、えっ と驚く場面がありました 役作りのために彼女はあのような決断をしたのだろうか? あるいは特殊メイクだろうか? と考えてしまいました それは何かは 映画を観てのお楽しみです

出演は主役の二人のほか、幸枝の夫に「長崎は今日も雨だった」の前川清、娘に「愛のむき出し」の満島ひかり、マ子の秘書・高田学に「ダンス・ウィズ・ミー」のムロツヨシが、それぞれの個性を発揮して脇を固めています

NHKのドキュメンタリーを観た人も 観なかった人も、共感とともに感動するシーンが少なくないと思います 「今年観るべき映画リスト」に加えてみてはいかがでしょうか

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アンドレイ・タルコフスキー監督「ノスタルジア」&「サクリファイス」を観る ~ バックに流れるのはヴェルディ「レクイエム」、ベートーヴェン「第九」、バッハ「マタイ受難曲」

2019年10月29日 07時21分18秒 | 日記

29日(火)。わが家に来てから今日で1856日目を迎え、萩生田光一文部科相は28日、2020年度に始まる大学入学共通テストで導入される英語の民間試験に関して「身の丈に合わせて勝負してもらえれば」とテレビ番組で発言したことについて、「国民や受験生に不安や不快な思いを与えかねない、説明不足な発言だった」と謝罪した という記事を見て感想を述べるモコタロです

 

     

        身の丈に合った発言をしないから あとであちこちからツッコまれるんじゃね?

 

         

 

昨日、夕食に「トマトと卵の炒め物」と「チンゲン菜の中華スープ」を作りました 「トマト~」は現時点で娘の好きなベスト1メニューです

 

     

 

         

 

文京シビック・チケットで「響きの森 クラシック・シリーズ 2020‐2021シーズン」のS席セット券を引き取ってきました 次シーズンは、2020年ベートーヴェン生誕250年を記念したプログラム構成になっています オーケストラは東京フィル、指揮はすべて”コバケン”こと小林研一郎氏です

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で「ノスタルジア」と「サクリファイス」の2本立てを観ました

最初に正直に告白しておきます。この2つの名作は少なくとも1度は観たことがあると思っていました しかし、上映が始まってから、2作とも初めて観る作品であることに気が付きました 同じタルコフスキーの「惑星ソラリス」と勘違いしたか、あるいは別の監督の作品と勘違いしたのか よく分かりません。自分でも驚いています

「ノスタルジア」はアンドレイ・タルコフスキー監督・脚本による1983年イタリア映画(126分)です

18世紀にイタリアを放浪し故国に帰れば奴隷になることを知りながら帰国し、自殺したロシアの音楽家サスノフスキーの足跡を追うためにトスカーナ地方を訪れた詩人アンドレイ・ゴルチャコフの愛と苦悩を描いています(右手の痛みが取れないので詳細には書けません。悪しからず)

 

     


タルコフスキーは、1983年発行の「アメリカン・フィルム」で、「この映画は、文化というものが、輸入も輸出もできないものであることを示そうとしているのだ」と語っています また「芸術は実際には、社会の発展に影響を及ぼすことはできないのではないだろうか 芸術は心の発展に影響を与えることができるだけである。・・・・芸術は人を教えようとすべきではない。広い意味で、人生をありのままに見せること、自分の経験を同時代人の判断の材料に供すること、それを行うべきなのだ」と述べています その結果の一つがこの「ノスタルジア」なのでしょう

さて、この映画ではクラシック音楽が2曲使われています 冒頭とラスト近くで流れる祈りの音楽はヴェルディ「レクイエム」の第1曲「永遠の安息をお与えください」です もう1曲はベートーヴェン「交響曲第9番”合唱付き”」の第4楽章です 最初は、世界の終末が間近だとして家族を7年間閉じ込めた変人ドメ二コが、アンドレイに「この音楽が分かるか?」と言って聴かせるシーン、二度目はドメ二コがローマのマルクス・アウレリウス皇帝の騎馬像に登って演説した後、ガソリンを被って火をつけ 火だるまになって騎馬像から転落して のたうち回るシーンで”歓喜の歌”が大音量で流れます   が、すぐに止められます   さすがに「歓喜の歌」を焼身自殺のテーマのように扱うことには抵抗があったのではないか、と思います


         


「サクリファイス」はアンドレイ・タルコフスキー監督・脚本による1986年スウェーデン・フランス合作映画(149分)です

評論家で大学教授のアレクサンデルの誕生日の当日、突然 テレビから核戦争の非常事態発生のニュースが流れる  家族が右往左往する中、無神論者だった彼は初めて「愛する人々を救って下さい。家も、家族も、子どもも、言葉もすべて捨てます」と神への願いを発する そして、自らが犠牲となる儀式として家のテーブルに椅子を積み上げ、布で覆い、そこに火を点ける


     


この映画では、冒頭とラストのシーンでJ.S.バッハ「マタイ受難曲 BWV244」の第39曲「憐れんでください、神よ」(アルトのアリア)が流れます この曲は、イエスが逮捕される時、弟子のペテロは自らも捕まりそうになり、(イエスの予言通り)鶏の鳴く前に3度 彼を知らないと言い逃れ、激しく泣く・・・という場面に続く音楽です すすり泣くようなヴァイオリンと共にアルトが歌います・・「憐れんでください、神よ、私の涙のゆえに・・・、ご覧ください、心も目も激しく泣いています」と この映画に これ以上の選曲はないでしょう

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インキネン ✕ ヴォロディン ✕ 日本フィルでベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番」「交響曲第1番」、ドヴォルザーク「交響曲第8番」を聴く

2019年10月28日 07時14分52秒 | 日記

28日(月)。わが家に来てから今日で1855日目を迎え、米財務省が25日に発表した2019会計年度(18年10月~19年9月)の財政赤字は9840億ドル(約107兆円)と7年ぶりの水準に悪化した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプが世界を相手にアメリカ・ファースト主義を取った結果がこれだからね

 

         

 

昨日、サントリーホールで日本フィルの第382回名曲コンサートを聴きました このコンサートのチケットは知人のS氏から譲り受けたものです。プログラムは①ベートーヴェン「交響曲 第1番 ハ長調 作品21」、②同「ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15」、③ドヴォルザーク「交響曲第8番 ト長調 作品88」です 演奏は、②のピアノ独奏=アレクセイ・ヴォロディン、指揮=ピエタリ・インキネンです

フィンランド出身のインキネンは、現在 プラハ交響楽団、日本フィルの首席指揮者を務めており、来年夏にバイロイト音楽祭にデビューすることが決まっています

 

     

 

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置。コンマスは新たに就任した田野倉雅秋氏です

 1曲目はベートーヴェン「交響曲 第1番 ハ長調 作品21」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1799年から1800年にかけて作曲、同年ウィーンで初演された最初の交響曲です 第1楽章「アダージョ・モルト~アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ・コン・モト」、第3楽章「メヌエット:アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アダージョ~アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

日本フィルは定期会員ではないので、楽員がほとんど分からないのですが、フルートとオーボエが凄くいい演奏を展開していました インキンネンは、エポックメイキングな第3番「エロイカ」の前の古典的性格の濃い第1番を、肩の力を抜いて軽快に指揮し、若きベートーヴェンの溌剌とした精神を表出しました

2曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15」です この曲は1794年から翌95年にかけて作曲され、その後1800年に改訂されました 第2番より後に作曲されましたが、楽譜の出版が8か月早かったため第1番とされています 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・スケルツァンド」の3楽章からなります

ピアノ独奏のヴォロディンは1977年、レニングラード生まれ。モスクワ音楽院でヴィルサラーゼに師事し、2003年のゲザ・アンダ国際コンクールで優勝を果たしています

ヴォロディンはインキネン ✕ 日本フィルの確かなサポートのもと、ベートーヴェンが20代の若さで作曲した第1ピアノ協奏曲をテンポ感良く軽快に演奏し、満場の拍手を浴びました レパートリーの広いヴォロディンにとって第1番は物足りなかったかも知れません アンコールにシューベルト「即興曲変ト長調」を叙情的に演奏、聴衆のクールダウンを図りました


     


プログラム後半はドヴォルザーク「交響曲第8番 ト長調 作品88」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)が1889年に作曲、1890年2月2日にプラハで作曲者の指揮により初演されました

第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグレット・グラツィオーソ」、第4楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

全楽章を通じて、フルート、オーボエをはじめとする木管楽器群、トランペット、トロンボーン、ホルン(読響の日橋氏が古巣に客員)をはじめとする金管楽器群、そして渾身の演奏を見せた弦楽器群、それに加えて ここぞ!というティンパニの演奏が見事に噛みあって 素晴らしいアンサンブルを奏でていました また、新たにコンマスに就任した田野倉氏は第2楽章におけるヴァイオリン・ソロをはじめ、終始 身体を張った熱演を展開しました オケ総動員による渾身の演奏を聴いて、メロディー・メーカーとしてのドヴォルザークの魅力を再認識しました

日本フィルの演奏を聴く機会はあまり多くないのですが、楽員がかなり若返っているように思います オーケストラに限らず、組織が前進するためには新陳代謝が必要なのでしょう

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女性指揮者のパイオニア、アント二ア・ブリコの半生を描く「レディ・マエストロ」を観る ~ マーラー「第4交響曲」、ドヴォルザーク「第9交響曲」、エルガー「愛のあいさつ」他も流れる

2019年10月27日 07時22分34秒 | 日記

27日(日)。わが家に来てから今日で1854日目を迎え、安倍晋三首相は25日、公設秘書が地元有権者に香典を渡していたなどと、公職選挙法で禁じられた寄付に関する疑惑を報じられた菅原一秀経済産業相を事実上更迭した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      秘書が勝手に香典を持っていったとか言っても ヒショヒショ話でバレちまうだよ

 

         

 

昨日、渋谷のル・シネマでマリア・ベーテルス監督・脚本による2018年オランダ映画「レディ・マエストロ」(139分)を観ました

舞台は1926年のニューヨーク。オランダ移民の貧しいアント二ア(クリスタン・デ・ブラーン)は、指揮者になるためならいかなる困難にも立ち向かうことを決心していた 当時「女性は指揮者にはなれない」と言われる中、音楽に対する情熱だけは誰にも負けなかったアント二アは、ナイトクラブでピアノを弾いて稼いだ学費で、音楽学校に通い始める。しかし、ある”事件”から退学を余儀なくされ、引き留める恋人フランク(ベンジャミン・ウェインライト)を置いて、アムステルダムからベルリンへ移る。そこで、遂に女性に指揮を教えてくれる師カール・ムック(1859-1940)と巡り合う 憑かれたようにレッスンに没頭するアント二アだったが、出生の秘密を知り、フランクの裏切りを受け、女性指揮者への激しいバッシングを経験するなど、次々とアクシデントが襲いかかるのだった   しかし アント二アは、数多くの苦難を乗り越え、1930年にベルリン・フィルを振ってデビューを果たす

 

     

 

この映画は、女性指揮者のパイオニア、アント二ア・ブリコ(1902-1989)の没後30周年を機に、その半生を描いた実話に基づく作品です 指揮者を主人公とした映画だけに、マーラー「交響曲第4番」、ドヴォルザーク「交響曲第9番」「ロマンス」、ストラヴィンスキー「火の鳥」、ガーシュイン「ラプソディー・イン・ブルー」、エルガー「愛のあいさつ」、ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第32番」、バッハ「オルガン・コラール」、ビゼー「カルメン」~ハバネラ、ドビュッシー「夢」など名曲の数々が演奏されます

この映画のハイライトは、全員男性で構成されるオーケストラから「女性指揮者の”生意気な”指示に従うのは我慢ならない」として、本番前日のリハーサルをボイコットされそうになった時、コンマスのストラディヴァリウスを取り上げ、「あなたはこの楽器がなければ演奏ができない。私の楽器はオーケストラであって、あなたたちがいなければ私は演奏することができない。男性指揮者だったら年に何度も指揮をする機会が与えられるでしょう。でも私にはこのコンサートだけなのです。これが公平と言えるでしょうか 」と訴えるシーンです。この場面はジーンときました それと同時に、こうした状況は今でも大して変わらないのではないか、とも思いました

映画では冒頭、オランダの名指揮者ウィレム・メンゲルベルクが登場し、コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮してマーラーの「交響曲第4番」を演奏しますが、彼を演じるハイス・ショールテン・バン・アシャットという役者が、写真で見るメンゲルベルク(1871-1951)にそっくりでビックリしました さらに、フランクを演じたベンジャミン・ウェインライトが、ポーランド出身で2013年から16年まで東京交響楽団の首席客員指揮者を務めたクシシュトフ・ウルバンスキ(1982~)によく似ていたのにも驚きました

冒頭シーンでは、会場案内係を務めるアント二アが、メンゲルベルクが指揮を始める直前に、客席の中央通路のど真ん中に椅子を置いて座り、スコアブックを広げて演奏を聴こうとする姿が映し出されます メンゲルベルクは後ろを振り返り、なぜ彼女がそこにいるのか不思議そうな顔を見せて、再びオケに向き合い演奏を始めます

「実話に基づいた映画」とはいえ、このエピソードは常識的にあり得ないでしょう 入場料を払って席に着いている多くの聴衆を差し置いて、会場案内係が一番良い場所に椅子を置いて聴くなど、とても考えられません このエピソードは、作品のリアリティーを減殺させています しかし、このシーンがなければラストのシーンが成り立たなくなってしまいます 映画には脚色が付きものとはいえ、この脚色だけはどうもしっくりきません

今年9月、フランスのブザンソン国際指揮者コンクールで沖澤のどかさんが優勝を飾りました   また、シドニー出身の女性指揮者シモーネ・ヤングは今年の年末、N響を指揮して「第九」を演奏します しかし、現在 世界で活躍する指揮者を見渡すとき、まだまだ女性指揮者はマイナーな存在に甘んじていると言わざるを得ません ”女性指揮者”とは言うが、”男性指揮者”とは言わないのが何よりの証左です 遠くない将来、「女性指揮者」という肩書が無くなる日が到来することを信じたいと思います

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

道尾秀介著「スタフ staph」を読む ~ 意外な数学の知識も身に着く、著者初の女性を主人公にした小説

2019年10月26日 07時20分09秒 | 日記

26日(土)。わが家に来てから今日で1853日目を迎え、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ米大統領の指示により 米ホワイトハウスが連邦政府機関に対し ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストの米有力2紙の購読を中止させることを計画していると報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

        トランプが批判する「香港を封じ込めようとする中国政府」と変わらないよね?

 

         

 

昨日、夕食に「とんぺい焼き」と「トマトとレタスの卵スープ」を作りました とんぺい焼きの材料は豚バラ肉、もやし、卵、とろけるチーズで、調味料は塩胡椒、マヨネーズ、ソースです 初挑戦ですが、娘の感想は「滅茶苦茶 美味しい!」でした

 

     

 

         

 

道尾秀介著「スタフ  staph」(文春文庫)を読み終わりました 道尾秀介は1975年生まれ。2004年「背の眼」でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー 2010年に「月と蟹」で直木賞を受賞したほか数々の文学賞を受賞しています

9か月前に昭典と離婚した掛川夏都は移動デリ「柳牛十兵衛号」を経営する32歳の女性。借金を返済しながら海外赴任中の姉の息子・智弥を預かる生活はぎりぎりだった ある日突然、中学生アイドルのカグヤのファンたちに車ごとさらわれた夏都は、芸能界の裏社会に渦巻く闇に巻き込まれていく 当初 カグヤとファンの暴走と思われた事件は思わぬ展開を見せる

 

     

 

道尾秀介の本を読むのは久しぶりです 彼の小説は少年を主人公とした作品が圧倒的に多い中で、この作品は初めて女性を主人公にした作品であり 異色です

智弥が通う学習塾の講師・菅沼が「1から100までを全部足したらいくつになるか?」とカグヤに問いかけるシーンがあります カグヤは答えられませんが、智弥は「5050」と即答し、公式を示します。Sn1/2(n+1)。これについて菅沼は次のように解説します  

「1から100までの数字を横に並べたとする。右端と左端の数字同士を足してみると、1プラス100で101。その隣の数字同士を足すと、2プラス99で101。次も3プラス98で101。これを50回繰り返すわけだから、101が50個で答えは5050になる

道尾秀介の本を読むと、このような意外な知識が身に着くことがあります 伊坂幸太郎の作品でもよくトリビアが紹介されますが、数学はあまりないかもしれません

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アンネ・ゾフィー・ムター ベートーヴェン生誕250年記念コンサート」(2月20日、22日、24日:サントリーホール)のチケットを取る

2019年10月25日 07時23分59秒 | 日記

25日(金)。昨夜は、内幸町の飯野ビル地下の焼き鳥Kで、元の職場の同僚S氏、E氏と飲みました 7月19日以来ほぼ3か月ぶりです 生ビールを片手に いつものようによもやま話に花を咲かせました。その後、元の職場が入居するNPCビル地下の焼き鳥0に行ってみたら、この日 ビルの防災訓練が行われたらしく、その打ち上げをやっていました   図らずも(?)訓練要員と合流することになり、ビル管理事務所、防災センター、清掃業務、技術部門の馴染みの人達と交流し、日本酒を散々飲みました 元職場のT君や直属の部下だったK君をはじめ懐かしい面々の顔を見られたのが何より嬉しかったです その後、E氏と二人で E氏がボトルを入れている根津のKに行きカラオケを3曲程度歌いましたが、自分で言うのも何ですが、年々歌が下手になっているように思います

ということで、わが家に来てから今日で1852日目を迎え、北朝鮮の金正恩委員長は、南北経済協力事業の象徴である景勝地の金剛山観光地区を視察し、韓国側が建設したホテルや食堂などをすべて撤去するように指示した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     父親の間違いを修正できるなら 多くの同胞を処刑した自分の間違いも修正できる

 

         

 

昨日、夕食に「親子丼」を作りました 栗原はるみ先生のレシピですが、私が外食なので娘のために作りました。味見しましたが、まろやかで美味しくできました

 

       

 

         

 

サントリーホール主催「アンネ・ゾフィー・ムター ベートーヴェン生誕25周年記念コンサート」のチケットを先行販売で3枚取りました

 

     

 

1枚目は来年2月20日(木)午後7時からサントリーホール(大)で開かれる第1日目「協奏曲」公演です プログラムはベートーヴェン①序曲「コリオラン」作品62、②ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61、③ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重奏曲ハ長調作品56です 演奏はヴァイオリン=アンネ・ゾフィー・ムター、チェロ=ダニエル・ミュラー・ショット、ピアノ=ランバート・オルキス、管弦楽=新日本フィル、指揮=クリスティアン・マチュラルです

2枚目は2月22日(土)午後4時からサントリーホール(大)で開かれる第2日目「室内楽」公演です プログラムは①ベートーヴェン「弦楽三重奏曲変ホ長調作品3」、②イェルク・ヴィトマン「弦楽四重奏曲第6番」(日本初演)、③ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第10番変ホ長調作品74”ハープ”」です 演奏はヴァイオリン=アンネ・ゾフィー・ムター、イェウン・チェ、ヴィオラ=ウラディーミル・パペンコ、チェロ=ダニエル・ミュラー・ショットです

3枚目は2月24日(月・祝)午後2時からサントリーホール(大)で開かれる第3日目「リサイタル」公演です プログラムはベートーヴェン①ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調s句品73、②同・第5番ヘ長調作品24”春”、③同・第9番イ長調作品47”クロイツェル”です 演奏はヴァイオリン=アンネ・ゾフィー・ムター、ピアノ=ランバート・オルキスです

先行発売で取ったのはいずれもC席(うち24日はP席)です 一般販売は11月10日(日)午前10時からとのことですが、その頃はB、C席はソルドアウトになっていると思われます

カラヤンの秘蔵っ子と言われたムターの現在の人生を聴きたいと思います

このブログ、右手だけ人差し指1本で打っていますが、打ちにくいこと限りなし です


     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

伊藤亮太郎 ✕ 辻本玲 ✕ 清水和音でベートーヴェン「大公トリオ」他を聴く~第21回芸劇ブランチコンサート

2019年10月24日 07時19分23秒 | 日記

24日(木)。わが家に来てから今日で1851日目を迎え、トランプ米大統領は22日、野党の民主党による自らへの弾劾調査について「全ての共和党員は記憶しないといけない。いま目撃しているのは私刑(リンチ)だ」とツイッターで表明した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     あんたが得意の人種差別発言や他国に対する無分別な行動はリンチじゃないのか

 

         

 

昨日の夕食は「すき焼き」にしました 娘の仕事と私のコンサートの日取りの関係で一緒に夕食を取ることは稀なので、せめて夜に二人そろう時にはすき焼きでも、という感じです 外食することに比べれば安いものです

 

     

 

         

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで第21回芸劇ブランチコンサートを聴きました オール・ベートーヴェン・プログラムで①エリーゼのために、②ヘンデルの「ユダス・マカベウス」の「見よ、勇者は帰る」の主題による12の変奏曲ト長調、③ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調「大公」です 演奏はヴァイオリン=伊藤亮太郎(N響コンマス)、チェロ=辻本玲(日フィル・ソロ チェロ)、ピアノ=清水和音です

 

     

 

1曲目は「エリーゼのために」です   この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1810年に作曲した小品です。清水和音があいさつ代わりに弾きました

2曲目は「ヘンデルのオラトリオ『ユダス・マカベウス』の『見よ、勇者は帰る』の主題による12の変奏曲ト長調」です この曲は1796年に作曲され、リヒノフスキー侯爵夫人クリスティアーネに献呈されました

チェロ=辻本玲、ピアノ=清水和音によって、全国の運動会や体育祭で表彰式の時に流される有名なテーマとその変奏が演奏されました 辻本氏の演奏は、さすがは日フィルのソロ・チェロと言わしめる説得力のある好演でした

最後の曲は「ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調『大公』」です この曲は1811年3月に完成、1814年4月に初演され、オーストリアのルードルフ大公に献呈されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ」、第3楽章「アンダンテ・カンタービレ、マ・ぺロ・コン・モート」、第4楽章「アレグロ・モデラート」の4楽章から成ります

この曲は、ピアノ協奏曲でいえば第5番「皇帝」に匹敵するような雄大でノーブルな音楽です この曲でも辻本氏のチェロを中心に堂々たる演奏が展開されました

本当は書きたいことがたくさんあるのですが、右手が痛むのでこの辺で


     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

下野竜也 ✕ 東京音大のバルトーク「管弦楽のための協奏曲」他のチケットを取る / 「希望の灯り」「誰もがそれを知っている」を観る~ギンレイホール

2019年10月23日 07時18分44秒 | 日記

23日(水)。わが家に来てから今日で1850日目を迎え、天皇陛下が即位を国内外に宣言する「即位礼正殿の儀」が22日午後1時から皇居・宮殿で行われたが、今年に限りの祝日となっている という記事を見て感想を述べるモコタロです

 

     

       誰かが天皇陛下には毎日即位して欲しいとツイートしてたけど  サラリーマンだな

     

         

 

昨日は寒かったので、夕食は「味噌鍋」にしました 食材は豚バラ肉、キャベツ、シメジ、舞茸、長ネギ、モヤシです。〆はラーメンにしました

 

     

 

         

 

11月29日(金)午後7時から東京芸術劇場コンサートホールで開かれる「東京音楽大学シンフォニーオーケストラ定期演奏会」のチケットを取りました プログラムは①三善晃「管弦楽のための協奏曲」、②ベートーヴェン「交響曲第2番ニ長調」、③バルトーク「管弦楽のための協奏曲」です 演奏は、管弦楽=東京音楽大学シンフォニーオーケストラ、指揮=下野竜也です

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「希望の灯り」と「誰もがそれを知っている」の2本立てを観ました

「希望の灯り」はトーマス・スチューパー監督による2018年ドイツ映画(125分)です

無口で不器用な青年クリスティアン(フランツ・ロゴフスキ)はライプツィヒ近郊の田舎町に建つ巨大スーパーマーケットの在庫管理係として働き始めた 仕事を教えてくれるベテランのブルーノ(ペーター・クルト)が見守る中、職場で働く年上のマリオン(サンドラ・フラー)に惹かれていく しかし、彼女には夫がいた。一方、クリスティアンも過去に罪を犯して投獄された経験をもっていた   二人の恋の行方はいかに

 

     

 

この映画は旧東ドイツ生まれの作家クレメンス・マイヤーの短編小説「通路にて」を、同じく東ドイツ出身のトーマス・スチューパー監督が映画化したものです 1989年のベルリンの壁崩壊、1990年の東西ドイツ再統一の後のライプツィヒ(旧東ドイツ)近郊のスーパーでの物語を描いていますが、映画の端々から「西の勝ち組」に対する「東の負け組」のあり様が浮かんできます 東側の人間でなければ描けなかった物語だと思います

映画の冒頭、郊外の夜明けのシーンで流れるヨハン・シュトラウス2世のワルツ「美しき青きドナウ」のメロディーが印象的です これから1日が始まるという合図のようにも聴こえます また、閉店後の作業の際、ブルーノがCDをかけ店内にJ.S.バッハの「G線上のアリア」(管弦楽組曲第3番BWV1068~第2曲「アリア」)を流します バッハは晩年までの後半生をライプツィヒの聖トーマス教会のカントールとして過ごしました ドイツと言えばバッハが欠かせないといったところでしょうか

 

         

 

「誰もがそれを知っている」はアスガ-・ファルハディ監督・脚本による2018年スペイン・フランス・イタリア合作映画(133分)です

アルゼンチンで夫と二人の子どもたちと暮らすラウラ(ペネロペ・クルス)は妹アナの結婚式のため故郷スペインの小さな村に帰郷する。地元でワイン農園を営む幼なじみのパコ(ハビエル・パルデム)や家族と再会して喜びを分かち合う しかし、結婚式後のパーティーのさなか、ラウラの娘イレ―ネが忽然と姿を消してしまう やがて何者かから巨額の身代金を要求するメールが届き、イレーネが誘拐されたことが判明する それぞれが事件解決に奔走するなかで、家族の間にも疑心暗鬼が広がり、長年にわたり隠されていた秘密が露わになっていく パコはイレーネを救うために農園の土地を売って身代金を作る。彼はなぜそうしなければならなかったのか

 

     

 

いったい誘拐犯は誰だ と思わず前のめりになるミステリー映画です ラウラ役のペネロペ・クルスとパコ役のハビエル・パルデムは実生活上の夫婦だと観終わってから知りました

この映画でも、バッハの「G線上のアリア」が教会でのシーンで流れました アスガ-・ファルハディ監督はドイツ人ではなくイラン人です やはり、バッハの音楽はドイツに留まらず世界共通語なのでしょう

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「クラリネット五重奏曲~室内楽演奏会」「北区第九演奏会」のチケットを取る / ピエール・ルメートル著「わが母なるロージー」を読む

2019年10月22日 07時22分40秒 | 日記

22日(火・祝)。今日は令和天皇が即位を宣言する国の行事「即位礼正殿の儀」のため祝日となっています 昨年秋に発行された今年の手帳には祝日の赤いマークが間に合わず、黒の平日扱いとなっているので、つい最近まで平日だと思っていました 新聞報道によると、今日は慶祝事業の一環として、東京都内の文化施設や動物園などが無料公開されるそうです 幼児がいらっしゃる家庭では、上野動物園、葛西臨海水族園、多摩動物公園、井の頭自然文化園、神代植物公園などが入場無料になるのでチャンスです。ただ、朝から雨模様ですが

ということで、わが家に来てから今日で1849日目を迎え、ラグビー・ワールド・カップの準々決勝で敗退した日本代表が21日、東京都内で大会総括の記者会見を開き、選手31人全員が出席、主将のリーチ・マイケルは「色々なことを犠牲にして準々決勝まで勝ち進めた。日本の成長を感じる。これからも、今までやってきたことを継続していくことが大切」と述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                1次リーグ4戦全勝は記録にも記憶にも残る快挙だ  次の大会でトライ・アゲイン

 

         

 

昨日、夕食に「トマトシチュー」を作りました COOKPADのレシピで 初挑戦です。料理で初めて生クリームを使いました マイルドで美味しくできました

 

     

 

         

 

巣鴨の自宅から徒歩で王子まで行き(約23分)、北とぴあのチケット売場で年内のコンサート・チケットを2枚取りました

1枚目は11月15日(金)午後7時から北とぴあ「つつじホール」で開かれる「クラリネット五重奏曲~室内楽演奏会」です プログラムは①モーツアルト「クラリネット五重奏曲イ長調K.581 」、②ブラームス「クラリネット五重奏曲ロ短調作品115」です 演奏は、クラリネット=イシュトヴァ―ン・コハーン、ヴァイオリン=植村太郎、石上真由子、ヴィオラ=朴梨恵、チェロ=辻本玲です


     


2枚目は12月7日(土)午後3時から北とぴあ「さくらホール」で開かれる「北区第九演奏会」です プログラムは①モーツアルト:歌劇「後宮からの誘拐」序曲、②ベートーヴェン「交響曲第9番”合唱付き”」です 演奏は、ソプラノ=迫田美帆、メゾソプラノ=富岡明子、テノール=宮里直樹、バリトン=ヴィタリ・ユシュマノフ、管弦楽=東京フィル、合唱=北区第九合唱団、指揮=曽我大介です


     

 

         

 

ピエール・ルメートル著「わが母なるロージー」(文春文庫)を読み終わりました ピエール・ルメートルは1951年パリ生まれ。2006年にカミーユ・ヴェル―ヴェン警部三部作の第1作「悲しみのイレーヌ」でデビュー 同第2作「その女アレックス」と第3作「傷だらけのカミーユ」でイギリス推理作家協会賞を受賞。「天国でまた会おう」でフランスのゴンクール賞を受賞しています

パリで爆発事件が発生した その直後 警察に出頭してきた青年ジャン・ガル二エは、爆弾はあと6つ仕掛けてあると告げ、刑務所に服役中の母親ロージーの釈放と自身の無罪放免と逃亡資金を要求する カミーユ・ヴェル―ヴェン警部は、青年の本当の狙いは別にあると睨むが、なかなか筋が読めない そうこうしているうちに第2の爆発が起こる。犠牲者を出したくないカミーユは上層部を説得しロージーを釈放しジャンとともに逃亡させる道を選択する しかし、二人を乗せた車が行き着いた先の公園で、ジャンは考えられない行動に出る

 

     

 

ピエール・ルメートルは「序文」でこの作品が生まれた経緯を語っています その一つは「道路脇の大きな穴」を見かけたこと、もう一つは『天国でまた会おう』の執筆中に読み漁った第一次世界大戦の資料から「数多くの砲弾が農地に降り注いだ」という事実を知ったこと。その二つの事実との出会いがこの作品を書くきっかけになったということです

この作品は「その女アレックス」や「悲しみのイレーヌ」のような残酷な描写がないので、気軽に読めるエンタメとして楽しめます 最後のクライマックスまでもっていくルメートルの筆力には、いつもながら舌を巻きます 一気読み必至の面白小説としてお薦めします

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする