人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

萩原麻未+プラジャークSQでショパン「ピアノ協奏曲第1番」を聴く~難民を助ける会コンサート

2015年04月30日 07時01分50秒 | 日記

30日(木)。速いもので今日で4月も終わりです.わが家に来てから204日目を迎え,何故かいじけているモコタロです 

 

          

            そうか きみは その わけのわからない デカ顔がいいのか ? !

 

  閑話休題  

 

昨日、サントリーホールで「AAR(難民を助ける会)チャリティ朗読コンサート~地雷でなく花をください」を聴きました このコンサートはAAR(難民を助ける会)が地雷除去についての一般の関心を高め,一定の資金を確保するために開いたチャリティ・コンサートです 2部構成から成り,第1部はショパンのピアノ協奏曲第1番(室内楽版)を,第2部は「地雷でなく花をください」の朗読と合唱を中心に進められました

 

          

 

自席は1階4列18番,センターブロック左から3つ入った席です.サントリーホールでこれほど前の,しかもセンター寄りの席を確保したのは初めてだと思います それも,萩原麻未の演奏姿を間近で見たい一心で席を確保したのです 会場は8割くらい埋まっている感じです.ホールに入った時,いつもの客層と違うな,と感じました ほとんどが第2部目当ての”真面目な”聴衆で,私のような第1部の「萩原麻未でショパンが聴ければ」という聴衆は少数派だったのではないか,と想像します

ステージの客席寄りには色とりどりの花が飾られています 中央後方にはグランドピアノが,その手前に弦楽奏者のための椅子と譜面台が準備されています

空色の爽やかなドレスに身を包まれた萩原麻未がプラジャーク弦楽四重奏団,コントラバスの池松宏とともに登場します 萩原麻未は言うまでもなく2010年第65回ジュネーヴ国際コンクール(ピアノ部門)で日本人として初めて優勝,モーツアルテウム音楽院を卒業しています 一方,プラジャーク弦楽四重奏団は1972年,プラハ音楽院内で結成されたチェコを代表する四重奏団です.池松宏はN響の首席を経て,現在は都響の首席を務めています

6人の奏者がそれぞれの配置に着きます.が,せっかく前の席を取ったのに二人のヴァイオリン奏者の陰になって,萩原麻未がまったく見えません.「ちょっとどいて!」なんて言えないし,これは想定外でした

第1ヴァイオリンのレオシュ・チェビツキーの合図でショパン「ピアノ協奏曲第1番」第1楽章が開始されます 長い序奏に続き,萩原麻未の力強いピアノが入ってきます.その瞬間,深い感動に満たされ背筋が寒くなりました 何と素晴らしい感性なのか これが萩原麻未の音楽だ と一人感激にうち震えていました

第1楽章が終わると,会場のそこかしこから拍手が起こりました おそらく会場の3分の1くらいの人がこの曲を生まれて初めて聴いたのではないか,と思いました その原因の一つはプログラムの記述が簡単すぎることです.スペースの関係で曲目の解説がないのは仕方ないとしても,せめて3つの楽章から成る曲であることだけでも表示すべきだったと思います

第2楽章に移ろうとするその時,自席の右斜め前の金髪の外国人女性がデジカメのようなもので演奏者を撮影しているのが見えました 大胆不敵です.たしか,演奏前には日本語と英語で「許可のない撮影と録音はお断りする」旨を放送したと思うのですが・・・・あるいは英語が通じない国の人なのか・・・・いずれにしても,一見インテリ風かつ上流階級風の魅力的な女性に見えるのに,これで台無しです とても文化人とは思えません.あの行為がなければ大胆素敵だと思っていたのに,残念です 私の経験では,こういう人で休憩後に自分の席に戻って来た人は一人もいません

さて,第2楽章「ロマンツェ」における萩原麻未のニュアンス豊かなピアノはどうでしょう ロマンティシズムの極致です.この楽章終了後,また拍手が入ります 第3楽章「ロンド」では冒頭,若干指使いに不安定な部分がありましたが,すぐに立ち直り軽快に演奏を進めました 今度こそ盛大な拍手です

 

          

 

休憩後,第2部に入りましたが,自席の右斜め前の金髪美人はセオリー通り席に戻りませんでした

第2部の最初は,プラジャーク弦楽四重奏団によってドヴォルザークの「弦楽四重奏曲第13番」から第1楽章が演奏されました プログラムには第14番となっていましたが,後で帰りがけにロビーの掲示を見たら変更になっていたことが分かりました もし開演前に分かっていたのなら,プログラムに「曲目一部変更のお知らせ」を挟み込むとか,ロビーにその旨を大きく掲示するとか,何らかの対応を図るべきだったのではないかと思います.演奏の直前の変更だったとしたら仕方ありませんが

舞台が暗い中,ピアニストの碓井俊樹が静かに登場し,おもむろに美しいメロディーを奏で始めます それに合わせて左右から色とりどりの傘を持った人たちが,傘をくるくる回しながらステージに集まってきます.その中に,一人だけ7色の虹の傘を持った人にスポットライトが当てられ,傘の陰から宮沢りえがにこやかな顔を見せました そして「地雷ではなく花をください」の朗読に入りました

朗読が終わると,先ほど色とりどりの傘を持って舞台に上がった小学生から大人までの女性たちが歌の準備を始めました 実は彼女たちはIPCMスペシャル・コーラス風花,めばえ幼稚園花の会コーラスの人達だったのです.それに加え,フラワーマダムの会(駐日大使・大使夫人合唱団)の14人の女性が登場しました 加藤洋朗の指揮,碓井俊樹のピアノで,酒井玲子作曲・上田真樹編曲による女性合唱組曲「サニーおねがい 地雷ではなく花をください」が歌われました

駐日大使・大使夫人の合唱団の中にひときわ声が美しい人がいましたが,上手な日本語で「地雷で犠牲になった人たちを偲んで,カッチー二のアヴェ・マリアを歌わせていただきます」と言って,美しいソプラノで歌い,喝さいを浴びました あとでロビーの掲示に「コロンえりか」という人であることが分かりましたが,どこの大使館からいらっしゃったのか,あるいは歌手が紛れ込んでいたのか,彼女はいったいどういう人なのでしょうか??

最後に再び萩原麻未と池松宏がポンセの「エストリータ」を演奏し,長いコンサートを締めくくりました

帰りがけ,ホールの出口で「シードペーパー」(紙状になっている花の種↓)が配られました これを一晩水に浸し,鉢に入れて紙の上に5センチくらい土をかけ,水やりをすれば5~10日で発芽するそうです シードペーパーにすき込まれた花の種は,ナデシコ,わすれな草,ひなげし,オダマキetc・・・・・・と何種類かあるうちのどれからしいのですが,咲いてみないと分からないところが良いところでしょうか

内幸町にある当ビルでも「難民を助ける会」からの要請を受けて,同会主催の写真展を1階玄関ロビーで開いたことがありますが,このチャリティ朗読コンサートが,難民を助ける会の活動を,世界の地雷除去援助の活動を一層推進するきっかけになれば良いと思います

 

          

 

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ロマン・ポランスキー「チャイナタウン」を観る~若き日のジャック・ニコルソンの魅力全開!

2015年04月29日 08時53分36秒 | 日記

29日(水・祝).わが家に来てから203日目を迎え,袋から出られなくなり困っているモコタロです 

 

          

          おーい 誰かこの袋から出してくれ~ 袋小路だったよ~ 

 

  閑話休題  

 

昨日,高田馬場の早稲田松竹でロマン・ポランスキー監督映画「チャイナタウン」と「毛皮のビーナス」の2本立てを観ました 今日は「チャイナタウン」(131分)について書きます

ロマン・ポランスキーは1933年フランス・パリ生まれで,ポーランドで育ちました.第二次世界大戦中,両親は強制収容所に送還され,彼自身はポーランド系の家族を転々としました ポランスキーと言えば「ローズマリーの赤ちゃん」(1968年)や「戦場のピアニスト」(2002年)を思い浮かべます この「チャイナタウン」は1974年のアメリカ映画で,一言で言えばハードボイルド・ミステリーです

 

          

 

舞台は1937年のロスアンゼルス.元警察官の私立探偵ジェイクはモーレイ夫人からダム建設技師である夫の浮気調査を依頼される しかし,盗み撮りした写真が何故か新聞に掲載され,それを見た”本物の”モーレイ夫人・イヴリンが現われる ジェイクはこの事件がダム建設を巡る一連の疑惑と関係があるとにらみ,イヴリンと正式の契約を結んで調査を続けるが,モーレイは溺死体で発見される ダムの現場に乗り込んだジェイクは謎の男たちに暴行を受け鼻に大けがを負う さて,モーレイの浮気相手の女性は誰なのか,イヴリンと資産家の父親とは過去にどういう関係があったのか,深まる謎をジェイクは追求していく

この映画では,何と言っても若き日のジャック・ニコルソンが輝いています 一見ジェームス・ボンド風の精悍な顔つきながら,鼻を切られてしまう三枚目的な私立探偵を好演しています その相手役,イヴリン役のフェイ・ダナウェイも暗い過去を引きづりながら懸命に生きる一人の女性を見事に演じています この手の映画は,最後はハッピーエンドで締めくくるケースが多いのですが,この映画はそう安っぽくは作られていません.それだけに観終わった後に強い印象が残ります 

今から40年も前の映画ですが,面白い映画が少ない現在,面白いと思った映画です.お勧めします

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「アナと室内楽の名手たち~アナ・チュマチェンコ女史とともに」を聴く~ベートーヴェン「七重奏曲」他

2015年04月28日 07時04分42秒 | 日記

28日(火)。わが家に来てから202日目を迎え、「一人綱引き」をするモコタロです 

 

          

              何事も 押してもダメなら 引いてみな、ってか 

 

  閑話休題  

 

「アナと室内楽の名手たち」公演を聴きました アナというのはアナ・チュマチェンコのことです。プログラムは①モーツアルト「ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調K.493」、②ベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」です 出演はピアノ=菊池洋子、ヴァイオリン=アナ・チュマチェンコ,ヴィオラ=鈴木学(都響ソロ・コンマス)、チェロ=中木健二(東京藝大准教授)、コントラバス=池松宏(都響首席)、クラリネット=齋藤雄介(神奈川フィル首席)、ファゴット=福士マリ子(東響首席)、ホルン=福川伸陽(N響)です

チュマチェンコはウクライナ人の両親のもと,イタリアのパドヴァに生まれ,幼少時に家族とともにアルゼンチンへ移住し,レオポルド・アウアーの愛弟子にあたった父の下,4歳でヴァイオリンを始め,9歳でデビューしました 11歳でメンデルスゾーンヴァイオリン協奏曲を演奏したと言います.1963年にヨーロッパに渡り,シャンドール・ヴェーグ,ヨーゼフ・シゲティ,ユーディ・メニューインら名伯楽の下で研鑽を積みました.1990年からミュンヘン音楽・演劇大学教授に就任,ユリア・フィッシャー,アラべラ・シュタインバッハ―,日本人では玉井菜採らを育てました

 

          

 

自席は1階12列5番,左ブロック右通路側です.会場は9割方埋まっている感じです 客層を見ると高齢者に片寄っていることもなく,老若男女バランスが取れているように思われます.テレビの中継録画があるとのことで,ステージ上には2台のリモコン・カメラが,1階席後方には大型カメラが設置されています

1曲目のモーツアルト「ピアノ四重奏曲第2番K.493」は3日前にJTアートホールで聴いたばかりです モーツアルトがこの曲をアルタリア社から出版したのは1786年のことでしたが,その年の3月にはピアノ協奏曲第23番,第24番が,4月にはオペラ「フィガロの結婚」が初演されています 一言で言えば30歳のモーツアルトが乗りに乗っていた時期に当たります

菊池洋子が純白の,アナ・チュマチェンコが黒の衣装で,鈴木学,中木健二とともに登場します チュマチェンコが大きく振りかぶって第1楽章に入ります.この曲特有の前へ前へという推進力のある音楽が展開します チュマチェンコは思ったより身体全体を使って演奏します.やはりヴァイオリンの主導で演奏が進められますが,菊池洋子のピアノが粒立っていて綺麗です

休憩後はベートーヴェンの「七重奏曲変ホ長調」です.この曲は1799~80年にかけて作曲されましたが,当時のウィーンの趣味に合わせた作品でした 全体的に明るく軽快で,いかにも大衆受けする曲想です.ベートーヴェンは,あまりにも大衆受けのするこの曲ばかりがもてはやされることに不満を抱いていたようです

ソリスト達の登場です.向かって左からチュマチェンコ,鈴木学,中木健二,池松宏,福川伸陽,福士マリ子,斎藤雄介という態勢です チェロの中木だけが椅子に座り,他のメンバーは立って演奏します.一番背の高いのはコントラバスの池松宏で,一番小柄なのがファゴットの福士マリ子です

第1楽章は,チュマチェンコが大きく振りかぶってアダージョの序奏部に入ります そしてヴァイオリンが軽快な主題を奏でます.前半のモーツアルトではいく分控えめかと思われたチュマチェンコのヴァイオリンが俄然存在感をアピールしています 座って演奏するよりも立って演奏する方が力の入れようが違うのでしょうか.第2楽章はヴァイオリンとクラリネットがテーマを歌い継いでいきます 第3楽章は主題がピアノ・ソナタにも使われていることで知られている軽快な音楽です.第4楽章ではヴァイオリンの速いパッセージの演奏がありますが,チュマチェンコは鮮やかに弾き切りました

第5楽章はホルンのユーモラスな演奏で始まります.ホルンの福川は曲の神髄を掴んでいます 第6楽章は,ホルンに導かれた序奏の後に,ヴァイオリンとチェロの二重奏がテーマを奏でますが,前へ前へという推進力が,いつ聴いても興奮します さらに,後半にヴァイオリンのカデンツァがありますが,チュマチェンコの演奏は見事でした

会場いっぱいの拍手に,ベートーヴェンの「七重奏曲」の第5楽章がアンコールされ,それでも帰らない聴衆のために第3楽章がアンコール演奏されました

この日の演奏を振り返ってみると,今まで聴いた「七重奏曲」の演奏は,例えば第1ヴァイオリンとクラリネットの対話であるとか,左サイドにスタンバイする弦楽器群と右サイドにスタンバイする管楽器群との対話であるとか,そういうやり取りが面白かったように思いますが,この日の演奏は,むしろチュマチェンコを中心として,全体的なアンサンブルを楽しむという傾向が強かったように思います それには,演奏者の一人一人が優れたソリストであることが絶対的な条件になることは言うまでもありません

 

          

 

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「フェスタサマーミューザ2015」のチケットを買う~在京オケ9公演分

2015年04月27日 07時01分05秒 | 日記

27日(月)。わが家に来てから201日目を迎え,頭隠して尻隠さずのモコタロです 

 

          

             尻が見えてるって? ちっとも尻ませんでした 

 

  閑話休題   

 

20年以上使ってきた総皮張りのダイニング用の椅子があまりにもひどく傷んできたので,総入れ替えをしようと,昨日,大塚家具新宿ショールームに出かけてきました 息子は大学に行くというので娘と二人で出かけましたが,陽気のよい日曜の午後ということもあり,さらに「大感謝フェア」(世間では『家庭内騒動お詫びセール』と呼んでいる)の最中とあって,ショールームはかなりの客が押しかけていました 1階から4階までひと通り見て,現在使っている椅子と同じように安定感のある椅子を選び,6脚注文しました.5月の連休前ということもあって,配送は1カ月以上先になるとのことで,こちらの都合で5月末の日曜になりました 1割引きとは言え,5月の連休を前にして1万円札が集団で飛んでいきました

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

今年もミューザ川崎を中心に開かれる「フェスタサマーミューザ」の季節がやってきます 在京オケを中心に7月25日(土)のオープニング・コンサートから8月9日(日)のフィナーレ・コンサートまで、17公演が開催されます 

 

          

 

私は次の9公演のチケットを手配しました。会場はいずれもJR川崎駅そばのミューザ川崎です

①7月25日(土)午後3時開演。オープニング・コンサート。飯森範親指揮東京交響楽団。ショパン「ピアノ協奏曲」、マーラー「交響曲第1番」。

②7月29日(水)午後7時開演。尾高忠明指揮東京フィルハーモニー交響楽団。チャイコフスキー「交響曲第5番」他。

③7月30日(木)午後3時開演。ジェレミー・ローレル指揮読売日本交響楽団。メンデルスゾーン「交響曲第4番”イタリア”」他。

④8月2日(日)午後3時開演。井上道義指揮新日本フィルハーモニー交響楽団。ホルスト「惑星」他。

⑤8月5日(水)午後7時開演。大野和士指揮東京都交響楽団。ショスタコーヴィチ「交響曲第5番」他。

⑥8月6日(木)午後6時半開演。齋藤一郎指揮昭和音楽大学。ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」、ムソルグスキー「展覧会の絵」他。

⑦8月7日(金)午後2時開演。小林研一郎指揮日本フィルハーモニー交響楽団。グリーグ「ピアノ協奏曲」、シベリウス「交響曲第2番」。

⑧8月8日(土)午後3時開演。高関健指揮東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団。ベートーヴェン「交響曲第9番”合唱付き”」他。

⑨8月9日(日)午後3時開演。フィナーレ・コンサート。秋山和慶指揮東京交響楽団。マーラー「交響曲第2番”復活”」

 

          

          

          

 

今年の個人的な目玉は東京交響楽団の2つのコンサート(7月25日、8月9日)です マーラーの第1番と第2番を取り上げているのが嬉しいところです 驚きは8月8日の東京シティ・フィルのベートーヴェン「第9」です 4月から同オケの常任指揮者に就任した高関健の「これを機会に定期会員を獲得してやるぞ」という意欲が前面に出たプログラムです

ほとんどの公演は同じ日に公開リハーサルがあるので、ウィークデーの昼間の公演の日は夏休みを取る予定です

因みに昨年は聴いたけれど今年は聴かないのは8月1日(土)午後6時からの山下一史指揮NHK交響楽団(映画音楽特集)と、8月3日(月)午後7時半からの東京ニューシティ管弦楽団(ゲーム音楽)です 

ところで,先日コンサート会場で下のチラシが配られていました↓ 内容=映画音楽」,指揮=山下一史,ナビゲーター=平井理央となっています.私はてっきりサマーミューザのN響コンサートだと勘違いしてしまいました ところが,よく見るとサマーミューザの方は8月1日(土)午後6時からミューザ川崎で,下のチラシのコンサートは8月2日(日)午後4時からNHKホールとなっています.徹底的に違うのは入場料金です.1日ミューザの方はS=4,000円,A=3,000円,B=2,000円ですが,一方,2日NHKホールの方は一般S=5,200円,A=4,200円,B=3,000円,C=1,500円となっています

さらに2日のNHKホールの方はゲストにMay J.を呼んでいます 「アナと雪の女王」他を歌うようです.一方,1日のミューザの方は「フェスタサマーミューザ」のホームページを見ましたが,ゲストについては一言も触れていません 常識的に考えて,同じ「映画音楽特集」でもプログラムの一部が異なるのだろうし,料金差を勘案すれば,1日の方はMay J.の出演はないでしょう もし出演するのならチケットを買ってもいいかな,と思いますが

 

          

          

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秋山和慶+東響で鉄道にまつわるクラシックを聴く~組曲「銀河鉄道999」も

2015年04月26日 09時05分39秒 | 日記

26日(日).わが家に来てから祝200日目を達成したモコタロです 

 

          

           tora家に来てから200日も経ったんだって・・・・速いなあ!

 

 

  閑話休題  

 

昨日,初台の東京オペラシティコンサートホールで東京交響楽団のオペラシティシリーズ第85回定期演奏会を聴きました プログラムは①E.シュトラウス「ポルカ”テープは切られた”」,②J.シュトラウス2世「ポルカ”観光列車”」,③ヴィラ=ロボス「カイピラの小さな列車」,④ロンビ「コペンハーゲンの蒸気機関車のギャロップ」,⑤オネゲル「パシフィック231」,⑥青木望「組曲”銀河鉄道999”」です 指揮は東響桂冠指揮者・秋山和慶,ソプラノは半田美和子,ナレーションは声優・堀江一眞です

 

          

 

この日のプログラムはチラシの謳い文句にあるように「筋金入りの鉄道マニア秋山和慶による『鉄道賛歌』」です コンマスの水谷晃の合図でチューニングが行われますが,オケはステージの端から端まで所狭しと詰めています.取り上げる曲が”鉄道”なので重量感のある編成が必要なのでしょう

1曲目のエドワルド・シュトラウスのポルカ「テープは切られた」は,1869年2月,ウィーンのディアナザールで開かれた『オーストリア北部鉄道公社』舞踏会のために書かれました.エドワルド・シュトラウスは有名なヨハン・シュトラウス1世の息子の一人ですが,今年が生誕180周年に当たります.コンサートの幕開けに相応しい楽しい曲です

次いでヨハン・シュトラウス2世のポルカ「観光列車」です.この曲はオーストリア中部を走る世界初の山岳鉄道ゼメリング線の開通10周年を祝って作られました この曲も先の「テープは切られた」とともにウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートで時々演奏されるお馴染みの曲です いつもはしかめ面をして演奏しているオケの面々も,顔の表情が軟らかく,演奏を楽しんでいるように見えました

3曲目はブラジル生まれのエイトル・ヴィラ=ロボスによる「カイピラの小さな列車~ブラジル風バッハ第2番より第4楽章」です プログラムの解説によると,カイピラとは,ポルトガル語で田舎風という意味ですが,ブラジル南部の田園地帯や方言も指すとのことです.蒸気機関車が出発し,力強く前進して次の駅に着くまでを,サクソフォーンやパーカッションなどもフルに活用しながら情景を表していきます

4曲目はデンマークの作曲家ハンス・クリスチャン・ロンビ(1810-1874)の「コペンハーゲンの蒸気機関車のギャロップ」です.噂によるとロンビは「北のヨハン・シュトラウス」という異名を持つそうです この人は1843年に開園したチボリ公園のオーケストラ・コンサートに長い間携わっていたとのこと この曲は1847年に作曲されましたが,蒸気機関車が出発し,速度を増して次の駅に着くまでをリアルに描いた音楽です.弦楽奏者も管楽奏者も打楽器奏者も演奏が楽しそうです とくに打楽器は大忙しの様相ですが,大活躍で満足げです

5曲目はフランス出身のアルテュール・オネゲルの「パシフィック231(交響的楽章第1番)」です.この曲は1923年,彼が31歳の時の作品です オネゲルは学生時代から蒸気機関車マニアで,当時の花形機関車の車軸配列=先軸2,動輪3,後軸1の2・3・1配列のことを北米では”パシフィック”と呼んだ・・・・に着想を得てこの曲を作曲したそうです 前に演奏された4人の作曲家による「鉄道賛歌」とはちょっと趣が変わっていて,多少”現代音楽風”です

 

          

 

休憩後は青木望(1931~)の組曲「銀河鉄道999(スリーナイン)」です.松本零士(1938~)の名作アニメ「銀河鉄道999」に音楽を付けたものです この作品のテレビ放映は1978年9月から81年3月にかけて,初の劇場版は79年夏に公開されたそうです.アニメの世界には疎いので,プログラムの解説に頼ると,銀河鉄道999の物語は

「機械伯爵(機械化人)に母親の加奈江を殺された星野鉄郎は,謎の美女メーテルからパスをもらい銀河超特急999に乗り込み,行き先の分からないミステリアスな銀河の旅に出る 機械の身体=永遠の命を巡って揺れ動く哲郎.惑星という『停車駅』で繰り広げられる幾多の出逢い,出来事.哲郎の旅はさて.メーテルの正体は???」

鉄道オタク秋山和慶が駅長のキャップを被り,青い”制服”を着たナレーター堀江一眞とともに登場し(2人とも上のチラシと同じ恰好),スタンバイします ナレーションを語って演奏が入り,またナレーションが入って演奏に移りというスタイルで音楽が進められます

途中,上方からソプラノの声が聴こえてきたので,見上げると左サイドの3階バルコニー席でソプラノの半田美和子がスキャットを歌っているのが見えました パイプオルガンの下(P席)と左サイドの2階バルコニー席の人には,彼女がどこで歌っていたのか分からなかったのではないかと思います 演出上の理由からか.半田はマイクを使って歌いました.これはクラシックではないからいいのか・・・・と一人納得しました

定期演奏会では,たまにはこうした試みも良いのかも知れませんが,個人的にはあまり積極的に評価はできません

 

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モーツアルト「ピアノ四重奏曲第2番」,ブラームス「ピアノ四重奏曲第1番」を聴く~JTアートホール

2015年04月25日 08時56分55秒 | 日記

25日(土).わが家に来てから199日目を迎え,ウィンクの練習をするモコタロです 

 

          

           ウィンクの練習じゃないよ かゆいんだよ 見りゃ分かるだろう!

 

 

  閑話休題  

 

昨夕,虎の門のJTアートホール”アフィニス”で室内楽コンサートを聴きました プログラムは①モーツアルト「ピアノ四重奏曲第2番」,②シューベルト「アルぺジョーネ・ソナタ」,③ブラームス「ピアノ四重奏曲第1番」 演奏は,ヴァイオリン=加藤知子,ヴィオラ=佐々木亮,チェロ=木越洋,ピアノ=中井恒仁です

 

          

 

会場のJTアートホールは当ビルから徒歩で10分程度の距離です.全自由席のため,軽く食事を取ってから開演の1時間前には会場に着いて並びました そのお陰で前から2列目の12番,センターブロック右通路側席を取ることが出来ました コーヒーを飲もうとホワイエに行ったのですが,なぜかカウンターには「CLOSED」の表示があり,部屋の一角に「喫煙所」と書かれていました 256席の小ホールではドリンク・コーナーも採算が取れないのでしょう.「喫煙所」とはさすがはタバコの会社JTです

開演時間に後ろを振り返ってみると9割方埋まっている感じです 4人の演奏者の登場です.加藤知子は淡いグリーンのドレスです.ピアノの中井をバックに,左から加藤,佐々木,木越という配置です

加藤知子は1982年第7回チャイコフスキー国際コンクール第2位.内外のオーケストラとの共演のほか室内楽でも活躍しています.佐々木亮はNHK交響楽団の首席ヴィオラ奏者です.木越洋は昨年6月までNHK交響楽団の首席チェロ奏者を務めました.中井恒仁は東京藝大,ザルツブルグ・モーツアルテウム音楽大学で研鑽を積み現在は桐朋学園大学の准教授を務めています

1曲目のモーツアルト「ピアノ四重奏曲第2番K.493」は,1786年6月に完成したと言いますから,作曲者が30歳の時の作品です モーツアルトまではピアノ三重奏曲はあったもののピアノ四重奏曲はありませんでした.その意味で,自らヴィオラの名手でもあったモーツアルトはピアノ四重奏曲のパイオニア的存在だと言えます 3つの楽章から成りますが,4人の演奏で聴くK.493は円熟の極致です.お互いに邪魔することなく,それぞれをリスペクトしながら自分の役割を果たしている,という様子が伝わってきます

ピアノがやや前方に移動し,2曲目のシューベルト「アルペジオーネ・ソナタ」の演奏に備えます アルペジオーネというのは,19世紀前半にウィーンのヨハン・シュタウファーという人が発明した弦楽器です.チェロをひと回り小さくしたような大きさで,ギターに似て6弦を持っていましたが,今では使われることがなく,博物館でしか見られないといいます

佐々木のヴィオラとピアノの中井によって演奏されます.これは名曲です 第1楽章「アレグロ・モデラート」の冒頭,ピアノの序奏に乗って弾かれるヴィオラの哀愁に満ちたメロディーは一度聴いたら忘れられません 第2楽章「アダージョ」はしみじみとしたロマンティシズム溢れた音楽です.次いで第3楽章「アレグレット」に移りますが,明るく躍動感溢れる音楽が展開します

 

          

 

休憩後にロビーにでましたが,通常のコンサートでは高齢者が目立つのに,学生らしき男女の姿が多く見られました.これは佐々木,木越,中井の3人が共に桐朋学園大学で教鞭を取っているので,教え子たちなのでしょう

休憩後の曲はブラームスのピアノ四重奏曲第1番です.1861年,ブラームスはこの曲を含めたピアノ四重奏曲を2曲完成させます この年の11月に行われたハンブルクでの初演は,彼が密かに愛情を抱いていたクララ・シューマンがソリストを務めました

第1楽章冒頭,中井のピアノに乗せて木越のチェロが入ってきます.「ああ,いいな」と思います.ブラームスの室内楽の中でも屈指の名曲です 4人のアンサンブルの素晴らしさ 第2楽章「インテルメッツォ」,第3楽章「アンダンテ・コン・モト」を経て,第4楽章「プレスト」に入りますが,この楽章はブラームス自身が「ジプシー風ロンド」とタイトルを付けているように,軽快で躍動的な音楽が前へ前へと進みます.彼らの演奏を聴きながら「ああ,ブラームスはいいなあ.大人による大人の音楽だなあ」と思いました

カーテンコールが繰り返され,佐々木が「今日はありがとうございました.実は中井君と私とは高校時代から同級生で,今も共に桐朋で教えていることもあって,いつか一緒にコンサートをやりたいね,と言い合っていたのです 今回,尊敬する大先輩である加藤さんと木越さんに加わっていただき演奏する運びとなりました 今日はいい演奏会になったのではないかと思います.アンコールにブラームスのピアノ・クァルテット第3番から”アンダンテ”を演奏します」とあいさつし,演奏に入りました

中井のピアノ伴奏により木越のチェロがメランコリックなメロディーを朗々と奏でるのですが,これがたまらなく良いのです.最後の最後まで「大人の演奏による大人の音楽」を堪能することが出来ました

 

          

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村松友視著「銀座の喫茶店ものがたり」を読む~あなたは何軒行きましたか?

2015年04月24日 07時01分03秒 | 日記

24日(金)。昨夕は地下のRで4人で飲み,その後X部長と連れだってHCビル地下のKB亭で飲みました 両店でしこたま飲んで食べたので,今日は久しぶりに朝から絶不調です と言う訳で,わが家に来てから198日目を迎え、1,000mm走で10秒を切ってゴールインし、褒められるモコタロです 

 

           

           桐生君? ぼくのライバルだよ イナバの白兎の時代からね  

 

  閑話休題  

 

村松友視著「銀座の喫茶店ものがたり」(文春文庫)を読み終わりました 村松友視は1940年,東京生まれ.慶應大学卒業後,中央公論社勤務を経て作家デビューし,昭和57年に「時代屋の女房」で第87回直木賞を受賞しています この作品は2009年1月から2010年12月までの2年間,小冊子「銀座百点」に連載された銀座の喫茶店45店を巡る「物語」です

 

          

 

入ったこともある喫茶店もあれば,前を通り過ぎただけのお店もあれば,まったく名前さえ知らないお店もあります 何度か入ったことがあるのは「洋菓子舗ウエスト」しかありません.ここは静かなクラシック音楽が流れているのが特徴です お店の一角には巨大なベートーヴェンの胸像が据えられていますが,この本によると,伊藤博文が欧州外遊の際に,音楽好きの息子のために買い求めたもので,開店間もない頃の常連だった古美術商が「自宅には大きすぎる」と寄贈したものと伝わっているそうです 知りませんでした.久しぶりに行ってみようかと思います

私は作家では向田邦子が好きなのですが,彼女が行きつけだった「ブリッヂ」という喫茶店が西銀座デパートの地下にあるそうです.この地域はもともと朝日,読売,毎日の三大新聞社が集まっていたところで,向田邦子はこの店で原稿の執筆をしていたといいます もっとも今では内装が変わり、どこに彼女が座っていたのか表向きには分からないとのことです

何の前触れもなくジョン・レノンとヨーコ夫人が訪ねた喫茶店もあります 歌舞伎座近くの「銀座樹の花」というお店で,時は1979年,開店4日目に二人がふらりと立ち寄ったそうです.その時,ジョン・レノンはコロンビア・コーヒーを,ヨーコ夫人はダージリン・ティーを注文したそうです

ちょっと分からないのは,その昔,銀座ソニー通りにあった「銀座らんぶる」と,この本で紹介されている「カフェ・ド・ランブル」の関係です.「銀座らんぶる」はクラシック音楽を聴かせる「クラシック喫茶」でしたが,火事で焼失して今はありません 「カフェ・ド・ランブル」の方はコーヒーの世界で知らない人はいないほど有名なお店のようなので,多分何の関係もないのでしょう

クラシック喫茶「らんぶる」と言えば,その昔は新宿歌舞伎町にもありました.銀座らんぶるでも歌舞伎町らんぶるでも,よくモーツアルトをリクエストをしたものです 今でもたま~に行くのは渋谷の「ライオン」ですが、最近はとんとご無沙汰です

この本の巻末には,45店の位置が分かる銀座の地図が掲載されています 時間が出来たら,この本を片手に45店を巡ってみるのもいいかもしれないな,と思っています

 

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ザンデルリンク+シャマユ+N響でシューマン「ピアノ協奏曲」,ブルックナー「第4交響曲」を聴く

2015年04月23日 07時01分13秒 | 日記

23日(木).わが家に来てから197日目を迎え,白ウサちゃんと将来について話し合うモコタロです 

 

          

          「籍を入れようって言われても・・・」「いや,席を入れ替えようと」

 

  閑話休題  

 

昨夕,サントリーホールでNHK交響楽団の第1807回定期演奏会を聴きました プログラムは①シューマン「ピアノ協奏曲イ短調」,②ブルックナー「交響曲第4番”ロマンティック”」です.指揮はミヒャエル・ザンデルリンク,①のピアノ独奏はベルトラン・シャマユです これは当ブログの読者Nさんにチケットをいただいたもので、楽しみにしていたコンサートです

ミヒャエル・ザンデルリンクは1967年ベルリン生まれで、今は亡き巨匠指揮者クルト・ザンデルリンクを父に持つ指揮者です 父親の方の演奏ではドレスデン国立歌劇場管弦楽団を振ったブラームスの交響曲全曲が一番好きです ミヒャエルの方は,もともとはチェリストで、19歳でライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席チェロ奏者に就任、その後、ベルリン放送交響楽団の首席チェロ奏者を務め、2011-12年シーズンにドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任し、現在に至っています 一方、ピアノのベルトラン・シャマユは1981年フランスのトゥールーズ生まれ。20歳でロン・ティボー国際音楽コンクールに入賞している若手の実力者です

 

          

 

チケットの座席は1階19列6番,左ブロックの左から3つ入った席です.ステージ中央にはグランド・ピアノがデンと構えています この公演はFM放送で生中継するようで,ステージ上はもちろんのこと,1階後方,2階左右をはじめ要所要所にテレビカメラがスタンバイしています いかにもNHKのオーケストラの演奏会です.オーケストラのメンバーが入場します.コンマスの姿を見てオヤッと思いました.あれは確か札幌交響楽団のコンマス・伊藤亮太郎ではないか・・・・と思って,プログラムをめくってみると,インフォメーション欄に「退団」ソロ・コンサートマスター堀正文.2015年3月31日付で退団.今後は当団名誉コンサートマスター」とあり,その下に「新コンサートマスターと契約」の見出しで「2015年4月1日付で伊藤亮太郎とコンサートマスターとして1年間の契約を結びました」とありました 堀氏の退団は世代交代を象徴する出来事ではないか,と思います

オケの態勢は左奥にコントラバス,前に,左から第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとります.ど真ん中は首席チェロの向山佳絵子です 相変わらず男性比率の高いオケです.管楽器はファゴットの1人を除いてすべて男性奏者です.弦楽器も女性は極めて少数です.こういうところは読響と似ています

ソリストのベルトラン・シャマユが指揮のミヒャエル・ザンデルリンクとともに登場します.ザンデルリンクのあまりの背の高さにビックリします.コンマスの伊藤とシャマユが小柄なのでなおさら大男に見えます

シューマン「ピアノ協奏曲」第1楽章の冒頭,ザンデルリンクのタクトとともにピアノとオケが同時に入ってきます すぐ後に首席オーボエの茂木大輔のソロが入ります.彼はいまやN響の顔的な存在です この曲は数あるピアノ協奏曲の中でも最も好きな作品の一つです つべこべ言わないで演奏を楽しむことにしました.とくに最後の第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」のフィナーレが大好きで,何度聴いても身体が反応します.演奏は十分楽しめました

休憩後はブルックナーの「交響曲第4番変ホ長調”ロマンティック”」です.拡大したオケを見渡すと,ヴィオラの首席の席に新日本フィル首席ヴィオラ奏者・篠崎友美がスタンバイしています.この日は客員として呼ばれたようです

ザンデルリンクがタクトを構え,まさに演奏を開始しようとしたその時,1階左前方の席から”トゥルルルルー”というケータイの着信音が鳴り響きました ザンデルリンクはタクトを下ろし,オケに対峙したまま会場が落ち着くのを待ちました.その張本人は慌ててケータイを持ってすぐ近くのドアから外に出ました 通路側席だったのが幸いしたようです.静けさが戻ったことを確認して,ザンデルリンクは再びタクトを構え第1楽章を開始しました (ちなみに,その彼女は2度と自身の席に戻ることはありませんでした

今回の出来事に接して,1999年9月30日にすみだトりフォニーホールで,井上道義が新日本フィルを指揮してマーラーの交響曲第1番を演奏した時のことを思い出しました あの時は井上道義+新日本フィルでマーラーの交響曲全曲をライブレコーディングする第1日目でした.事前に「今日はライブ録音するので,ご協力ください」というアナウンスがあり演奏に入った訳ですが,第1楽章が始まってほんの2~3分経ったところで会場後方からケータイの着信音がかすかに会場に鳴り響いたのです もちろん演奏している楽員たちもオヤッという顔をしています.その時,突然,指揮台上の井上が「ア~ッ」と大きな声とともに舞台から転げ落ちて寝ころんだのです 演奏を最初からやり直すための”芝居”だったのです.もちろん,十数分後に最初からやり直しになりましたが,あとで録音を聴いた関係者が納得いかない演奏だったらしく,後日その時に会場にいた聴衆あてに招待状が届き,その翌年の2000年7月29日にもう一度,同じ会場で最初から全曲演奏されました 完成したのが今手許にあるCD(オクタビア・レコード社”EXTON"シリーズ)です↓ 演奏は1999年9月30日と2000年7月29日の演奏の良いところを抜粋して収録したものです 

それにしても,いまだに分からないのは,あの時なぜ井上道義は指揮台から転げ落ちて寝ころばなければならなかったのか,ということです 普通に演奏を止めて,その場でやり直せば済んだのではないかと思うのです.CDの発売元は「寝コロンビア」ではなく「オクタビア」なのですから

 

          

 

さて,N響の演奏に戻ります.第1楽章は弦のトレモロによる”ブルックナー開始”で幕を開け,ホルンの独奏がテーマを奏でます その後は,とくに金管楽器が大活躍するのですが,あまりの音の大きさに弦楽器の音が消されてしまっています 私の耳が悪いのか(頭の悪いのは自覚していますが)とも思いましたが,再三再四音が消されていたので,金管と弦のバランスの問題ではないかと思ったりしました

これが第2楽章に入ると,金管の出る幕が少ないので,N響本来の”厚みのある弦”が堪能できました 第3楽章「スケルツォ」までくるとバランスの良さを感じました.そして第4楽章では弦もよく聴こえブルックナーの壮大な音楽を堪能することが出来ました

演奏後,ザンデルリンクとN響に拍手を送る聴衆を見ながら,いつも同じサントリーホールで聴いている東京交響楽団定期演奏会の聴衆とは”客層”というか,”人種”というか,とにかく違うな,と思いました 平均的な年齢層が高いということでは共通しているのですが,東響の聴衆の場合はどちらかと言うと熱狂的な反応があるのに対し,N響の聴衆の場合はどこか冷めているというか,盛り上がらないというか,カーテンコールは3回まで,それ以上やりそうな時は即帰るとか,そういう割り切ったことろがあるような気がします もっとも,これは誰が何を指揮するかによって反応が変わることは大いに有り得ることだと思います

 

          

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第24回」Kissポートクラシックコンサート,「アルカンからの手紙」公演のチケットを買う

2015年04月22日 07時01分02秒 | 日記

22日(水)。昨夕,大手町の日本工業倶楽部でビル関係の定時総会があったので専務と一緒に出席しました 総会後,同じ建物の中で懇親会があったので出席し,ウィスキーの水割りを飲みながら寿司,ビーフシチュー,サンドイッチ,カニピラフ,シューマイ,餃子,春巻き,蕎麦・・・と和洋中の料理を少しずつひと通り食して,最後にコーヒーを飲んで退席しました 顔見知りは隣のCビルのKさんくらいで,あとはまったく面識のない人たちだったので,主にKさんと話をしていました.パーティーで知らない人だらけだと返って気が楽でいいとも言えます という訳で,わが家に来てから196日目を迎え,写らないテレビの前の定位置でくつろぐモコタロです 

 

          

              ここがぼくの一番落ち着く場所なんだよね

          

  閑話休題  

 

チケットを2枚買いました 1枚目は6月10日(水)午後7時からサントリーホール・ブルーローズで開かれる「レインボウ21 サントリーホール デビューコンサート2015 東京音楽大学プロデュース~アルカンからの手紙」です これはサントリーホール・チェンバーミュージックガーデンの一環として開かれるコンサートです.ショパンやリストと同時代に生きていたアルカンに光を当てて,その音楽の魅力を浮き彫りにしようという好企画です 演奏曲目はアルカンの練習曲「鉄道」,「悲愴的な様式による3曲から第2曲「風」他,ショパン「エチュード嬰ハ短調」,「ピアノ・ソナタ第2番から最終楽章」,「チェロ・ソナタから第1楽章」,リスト「超絶技巧練習曲集から第4番”マゼッパ”」ほかです この1枚追加で,6月9日から14日までは6日連続7回のコンサートになります 入場料は全自由席で2,000円です.これは面白いですよ

 

          

 

2枚目は7月30日(木)午後7時からサントリーホールで開かれる「第24回Kissポートクラシックコンサート」です プログラムは①シューマン「ピアノ協奏曲イ短調」(ピアノ独奏:石田啓明),②千住明「オペラ”万葉集”から二上挽歌編」(ソプラノ:小林沙羅ほか)で,演奏は大友直人指揮東京交響楽団です これはシューマンのピアノ協奏曲を生で聴きたくて買ったチケットです 入場料はS席:3,700円,A席:2,800円,B席:1,500円.在京オケの定期公演の半額です

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

本を4冊買いました 一冊目は村松友視著「銀座の喫茶店ものがたり」(文春文庫)です 

 

          

 

 2冊目は近藤史恵著「タルト・タタンの夢」(創元推理文庫)です  これは朝日新聞の書評で紹介されていて面白そうだと思い買ったものです

 

          

 

 3冊目は同じ近藤史恵著「ヴァン・ショーをあなたに」(創元推理文庫)です  上の本と同じノリで買った本です

 

          

 

 4冊目は、伊坂幸太郎著「夜の国のクーパー」(創元推理文庫)です  伊坂幸太郎の本は文庫化すると必ず買います

 

          

 

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クレア・キップス著「ある小さなスズメの記録」を読む~ピアノに合わせて歌を歌ったスズメの物語

2015年04月21日 07時01分36秒 | 日記

21日(火)。いつもは娘が夕食を作るのですが,昨夕はコンサートがなかったので私がハヤシライスを作りました いや~泣けて泣けてしかたありませんでした もちろん玉ねぎです.よく「切れ味が悪い包丁で切ると玉ねぎの繊維をズタズタに切断するので,涙線が刺激されて涙が出る」と言われますが,昨日は切れ味は悪くなかったと思います 玉ねぎそのものに原因があるのだろうか?よく分かりません.ところで,娘が「安いワインにブランデーを入れると美味しくなる」という情報をどこかで仕入れてきたので,さっそく一番安い1,000円程度のVOというブランデーを買ってきて1,000円程度の安いワインに入れて飲んでみたら味がまろやかになりました という訳で,わが家に来てから195日目を迎え,ゴハンをくれる人を選り好みしているモコタロです 

 

          

            あれ?お兄ちゃんか・・・ お姉ちゃんじゃないのか・・・

 

  閑話休題  

 

クレア・キップス著「ある小さなスズメの記録~人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯」(文春文庫)を読み終わりました クレア・キップスは1890年,イギリスのシュロップシャー州生まれ.30歳を過ぎてからロンドンの王立音楽院でピアノを学び,プロのピアニストとして活躍しましたが,1976年に86歳で死去しました

 

          

 

第二次世界大戦下のイギリスで,夫に先立たれたキップスは,ある日一羽の傷ついた雀に出逢う.その雀はクラレンスと名付けられキップスによって愛情深く育てられる クラレンスは賢い雀でキップスの伴奏で歌を歌い,ヘアピンやマッチ棒やトランプの札を使った芸を覚え,敵機の襲来に怯える人々に希望を与える クラレンスは12年と7週と4日を生き抜き”老衰”で死んだ

この本は,一羽の傷ついた雀をわが子のように育て最後を看取った老婦人による貴重なドキュメンタリーです 12年以上も生きて”老衰”で死んだ雀なんて聞いたことがありません 読んでいて一番驚いたのは,キップスのピアノに合わせてクラレンスが歌ったということです.キップスは次のように書いています

「彼はトリルのある曲や,最高音部で急奏される音階を愛した.彼にそれぞれの曲の区別がついていたと言うつもりはないが,いくつかの曲は間違いなく彼に特別にアピールし,その感情の爆発的な表出を導いた 私自身は,彼はショパンの子守唄からトリルを学んだといつも思っている.もちろんそれは証明のしようのないことだけれども

このエピソードをはじめ数々の出来事を読んでいると,一羽の小さな雀にも小さな命があり,懸命に生きているのだ,ということが伝わってきます

訳者の梨木香歩さんが「訳者文庫版あとがき」で次のように書いています

「何か熱に浮かされたように強大なものへ向けて暴走している今,現代にあって,この小さなスズメが,再び,けなげにも時代の小さな錘りの役割を果たしてくれることを願い,また信じている」

クラレンスは小さな墓の下に眠り,墓碑銘には次の言葉が書かれているそうです

「クラレンス その名もほまれ高き いとしいスズメよ」

命の大切さをあらためて考えさせてくれる本としてお薦めします

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日聴いたCDはスヴャトスラフ・リヒテル「幻のカーネギー・ホール・ライヴ1960第5夜」です これは1960年10月30日にカーネギー・ホールでのライヴ・レコーディングです.収録曲目は①シューマン「幻想曲ハ長調」,②ショパン「スケルツォ第4番」,③ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」,④同「水の戯れ」,⑤同「鏡~悲しい鳥たち」,⑥スクリャービン「ピアノ・ソナタ第5番」,アンコールにラフマニノフ「前奏曲嬰ト短調」です

リヒテルはラフマニノフやスクリャービンといったロシアものが理屈抜きで素晴らしいのですが,ここでのシューマンもショパンも良いし,ラヴェルも新鮮です

 

          

 

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