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クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アジア・ユース・オーケストラでベートーヴェン「第3交響曲」を聴く~感動のフィナーレ

2014年08月31日 07時33分53秒 | 日記

31日(日)。早いもので今日で8月も終りです。今週はまた暑さがぶり返すという予報のようです。個人的には、もう夏はいらないです

一昨日に続き昨日、池袋の東京芸術劇場でアジア・ユース・オーケストラ(AYO)の東京公演を聴きました プログラムは①バーンスタイン「歌劇”キャンディード”」序曲、②リヒャルト・シュトラウス「交響詩”英雄の生涯”」、③ベートーヴェン「交響曲第3番”英雄”」の3曲。指揮はAYO芸術監督・指揮者のリチャード・パンチャスです

 

          

 

自席は一昨日と同じ1LBD列4番。会場左サイド中2階といった位置です 会場は1日目と同じ6割程度の入りでしょうか。開演10分前に会場に入ったのですが、すでに何人かは最後の練習に入っていました 5分前にはほとんどのメンバーが出そろい、個々の練習で賑やかになりました。コントラバスを見ると、10人が円陣を組んで手を重ね合わせて固い結束を誓い合っていました。プロのバレーボールでは見られても、プロのオーケストラでは滅多に見られない微笑ましい光景です

ステージ正面には巨大なパイプオルガンが偉容を誇っています。一昨日と同じくモダン面が顔を見せています。電子制御で180度回転させるとルネサンス・バロック面が顔を出します

 

          

                                  (パイプオルガン・モダン面)

 

この日のコンマスは背丈の高い男子です。パンチャスがトレードマークの白いジャケットで登場します 彼はタクトを持ちません。彼のタクトはアイ・コンタクトです 早速1曲目のバーンスタイン「キャンディード序曲」が威勢よく開始されます。テンポが速く目くるめくような曲想ですが、高齢のパンチャスは、それをものともせず精力的に動いて指示を出します オケの面々は超スピードに懸命についていきます。爽快な演奏でした

 

          

 

演奏が終わったところでコンマスが代わるようです。次の曲はヴァイオリン独奏があるので、相当の実力がないと務まらないはず ステージ上のメンバーから歓迎の口笛を受けて登場したのは、ちょっと昔若かった男性ヴァイオリン奏者でした パンチャスが登場し、マイクを手にして紹介が始まりました

「コンマスに迎えたのは1997年、98年のAYOのコンサートマスターを務めた上海出身のチューユンです。現在サンフランシスコ・シンフォニーでヴァイオリンを弾いています

そして、2曲目のリヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」の演奏に入ります。最初の「英雄」のテーマが低弦によって力強く演奏されます 曲が「英雄の敵」「英雄の伴侶」に進むとコンマスのヴァイオリン独奏の出番になります やはりプロのオケで弾いていることもあって素晴らしい演奏です 最後は「英雄の引退と完結」が静かに、そして感動的に演奏されます。全体を通じて感じたのは、リヒャルト・シュトラウスの交響詩は特定の楽器をフィーチャーして目立たせるのではなく、全ての楽器が溶け込んで演奏されるように出来ているのだな、ということです 「一人はみんなのために。みんなは一人のために」という名文句がありますが、それに習って言えば「一人は全体のために」ということになるでしょう 管楽器も、弦楽器も、打楽器も、リヒャルト・シュトラウスの管弦楽の魅力を最大限に引き出していました

プログラムの後半はベートーヴェンの交響曲第3番”英雄”です。パンチャスは”英雄”というテーマで統一性を持たせたことになります コンマスが再度、最初の時の男子に代わります

パンチャスの指示で第1楽章が2つの和音の総奏で開始されます。まさに英雄に相応しい曲想です リヒャルト・シュトラウスの曲と違い、ベートーヴェンではフルート、オーボエ、ファゴット、ホルン、トランペットなど、それぞれの奏でる音楽が明確に聴こえてきます 弦楽器も分厚い音で指揮者に応えています 第2楽章「葬送行進曲」は最大の聴かせどころです。この曲の初演の時はこの楽章がアンコールされたと言われていますが、分かるような気がします。特にオーボエが良く歌っていました

第3楽章「スケルツォ」ではホルンのアンサンブルがとてもきれいに揃っていて堪能できました 間を置かずに演奏された第4楽章フィナーレでは、このオケの底力が発揮されました。中盤で弦楽の首席4人だけでメイン・テーマが演奏される室内楽的な部分があったのですが、今回初めて気が付きました これは楽譜通りなのかどうか。CDばかり聴いていたのではこういうことは一生分かりません とにかく、新鮮な経験でした

 

          

 

この曲のフィナーレ近くになった時、ヴィオラ席を見ると、ひとりの女子が泣きながら演奏しているのが見て取れました 「あと数分で今年のコンサートツァーも終り、一緒に頑張ってきた仲間たちとも別れることになる」という寂しさから、涙となったのでしょう

オケの総力を結集したフィナーレは圧巻でした。多くのメンバーが泣いています あるいは泣くのを懸命にこらえています。控えのメンバー全員がステージに集まり、パンチャスが再度マイクを持ってスポンサーにお礼を言い、オケのメンバーを国別に紹介します

「中国26人、香港16人、韓国1人、マレーシア5人、フィリピン5人、タイ4人、ベトナム3人、シンガポール1人、台湾29人、日本20人、合計110人です

国名が呼ばれメンバーが立ち上がる度に、他のメンバーや2階、3階席の若者が口笛を吹いたり足を鳴らして囃し立てます これを見ていると「音楽に国境はない」と思うと同時に「若さっていいな」と思います

パンチェスが続けます

「ここにいるメンバーが集まったのは今から6週間前です。中国をはじめアジア各地の厳しいオーディションを通過した優秀なメンバーが香港に集まり、1日9時間の厳しい練習が3週間続きました その後、上海、杭州、北京、天津、香港、台北、大阪、そして東京と、コンサート・ツアーを続けてきました 昨日と本日の東京公演をもって今年のAYOの活動も終了します。オケのメンバーは明日、解散してそれぞれの国に帰って行きます。AYOには歴史があります。毎年メンバーを変えながらこれからも続けていきます

この6週間のことを思い出していたのでしょう。多くのメンバーは泣きながら聞いています。そして、アンコールにエルガーの「エニグマ組曲」から「二ムロッド」を思い入れたっぷりと感動的に演奏しました 会場一杯の拍手 とブラボーの中、オケのメンバーは泣きながらお互いに握手をし、肩を叩き合い、ハグをして別れを惜しんでいました ステージから立ち去り難い彼らに温かい拍手が続きました 私も席が立てず、大きな拍手を送りました AYOのメンバーの皆さん、感動をありがとう 何人かは来年も厳しいオーディションを通過して再びAYOに参加して来日することになるでしょう。また来年も聴きに行きます。その時を楽しみにしています

 

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アジア・ユース・オーケストラでチャイコフスキー「第5交響曲」を聴く

2014年08月30日 07時02分55秒 | 日記

30日(土)。昨夕、池袋の東京芸術劇場でアジア・ユース・オーケストラのコンサートを聴きました プログラムは①ヴェルディ「歌劇”運命の力”序曲」、②ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」、③ラヴェル「ラ・ヴァルス」、④チャイコフスキー「交響曲第5番ホ短調」です 指揮は同オケの首席指揮者ジェームス・ジャッドで、現在ニュージーランド交響楽団の音楽監督を務めています

アジア・ユース・オーケストラ(AYO)は、中国、香港、台湾、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムから選出された若い演奏家で構成されています 彼らはアジア各地での厳しいオーディションを通過し、香港での3週間のリハーサル・キャンプを経て、アジア各国で3週間のコンサート・ツアーを行っています AYOは23年の歴史がありますが、私がAYOを聴くのは一昨年、昨年に続いて今年が3回目です

 

          

 

自席は1階LBD列4番。1階と言っても、実質的には中2階という位置です。会場左の入り口を入ってすぐの階段を上がって行きます。チケットの席番だけ見ていても分かりません チケットを買う時、座席表を見て通路側の席を選んだつもりだったのですが、何とどん詰まりの席 これから気をつけねばと思いました。位置的には会場左サイドの中2階からステージを見下ろす席に当たります。どん詰まりですが良い席です 会場は6割程度埋まっている感じでしょうか。昨年、東京オペラシティーコンサートホールで聴いた時はかなり埋まっていたと思ったのですが、会場の収容人数が違うので一概に言えません オペラシティが1632席に対して東京芸術劇場は1999席ですから、後者の方が370席分広いわけです。オペラシティーで開催していたら、昨年と同じ位の聴衆が集まっているな、と思ったかも知れません

開演5分前に会場に入ると、すでにオケのメンバーが席に着いて各自のパートの練習をしています プロのオケではあり得ない風景です。アジアのオケということで、誰もが日本人に見えます 逆に誰が日本人なのかさっぱり見当が付きません メンバーは男女とも上が濃いグレイ、下が黒の衣装で統一されています。男女の比率はやや男子が多い感じです。弦楽器では音程の低い楽器(コントラバス、チェロ)ほど男子の比率が高く、管楽器ではほぼ男女半々といったところです

オケは左の後方にコントラバス、左の前に第1ヴァイオリン、右にチェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置(ヴァイオリンが左右に分かれて向かい合う態勢)をとります 拍手の中、コンマスの長身・長髪の女子が登場します。女子なので正式にはコンミス(コンサートミストレス)です 顔つきがMETライブビューイングでお馴染みのソプラノのポプラフスカヤに似ています オーボエに合わせてチューニングが行われ、指揮者の登場を待ちます

ジェームズ・ジャッドの登場です。思わず「いや~、久しぶり~、ポール」と叫びそうになってしまいました。ビートルズのポール・マッカートニーによく似ているのです

 

          

 

ジャッドのタクトでヴェルディの「運命の力」序曲が始まります。感心するのはクラリネット、オーボエ、フルートがべら棒に上手いのです オペラの序曲はそのオペラのエッセンスが詰まった音楽ですが、彼らの演奏は、そのエッセンスを感動的に表出していました

管楽器のメンバーが一部入れ替わって次のドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」の演奏に移ります 冒頭のフルートのソロはなかなか聴かせてくれました オケはヴェルディの力強い音楽から、一転してドビュッシーの柔らかい音楽の演奏に変貌を遂げています。それは見事です

そして第3曲目のラヴェル「ラ・ヴァルス」の演奏に入ります。ヴァルスとはワルツのことですが、フランスのラヴェルはウィーンのワルツに憧れを持っていたのでしょう 冒頭、低弦によって映画「ジョーズ」のような不気味な音楽が奏でられますが、すぐに軽快なワルツのメロディーに変わります オケは色彩感豊かに優雅なワルツを奏でていました

 

          

 

休憩後はこの日のメイン・プログラム、チャイコフスキーの「交響曲第5番ホ短調」です。管楽器のメンバーが一部入れ替わります。ジャッドの合図で第1楽章が開始されます。低弦とバス・クラリネットによってメイン・テーマが暗いメロディーとして演奏されます この楽章では”悲劇のテーマ”と言ってもよいでしょう(同じメロディーが最後の第4楽章ではまったく別の曲想で登場します)。バス・クラリネットが凄く良い演奏をしています

ジャッドは第1楽章から第2楽章に移る際、間を置かずに演奏させます。これは演奏者と聴衆の集中力を持続させるための方策だと思われます 第2楽章のアンダンテ・カンタービレは、第1楽章の”悲劇”を慰めるかのようなメロディーが奏でられます。冒頭のホルン独奏は素晴らしい演奏でした また、オーボエ、ファゴット、バス・クラリネットなどの演奏も冴えわたっていました 弦楽器も美しいメロディーを奏でています。中盤のピチカートで、第1ヴァイオリン約1名が「ポン」と一拍早く飛び出して目立っていましたが、プロのオケにない愛敬です。気にすることはありません

間を置かずに第3楽章のワルツに入ります。ジャッドは今回のプログラミングで前半にラヴェルの「ラ・ヴァルス」を、後半にチャイコフスキーの第5番の”ワルツ”を配置して統一性を持たせたのかも知れません。考えすぎかもしれませんが。この楽章では特に弦楽器のアンサンブルが冴えていました

そして間を置かずに最終楽章に入ります。第1楽章で”悲劇のテーマ”だったメイン・テーマのメロディーが、この楽章では悲劇を乗り越えた”勝利のテーマ”として奏でられます 同じメロディーを明暗の対照的に表出させるこうした手法はチャイコフスキーの魔術と言っても良いでしょう この楽章では管・打楽器も弦楽器も持てる力を振り絞って力強いメイン・テーマを堂々と演奏します。フィナーレは圧巻でした

拍手とブラボーが会場を飛び交います  ジャッドは管楽器奏者を立たせて聴衆に賞賛を求めます。素晴らしい演奏でした

最後にAYOの芸術監督リチャード・パンチェスがステージに登場し、英語で挨拶をしました

「このオーケストラはアジア各国の若者たちが集まって演奏旅行をしているが、東京が最終地である。このコンサート・ツアーには各国のスポンサーに多大な協力を得ている。お礼を申し上げる」

次にオケのメンバーを国別に紹介しました

「中国     26人 他のメンバーや会場から拍手   と口笛が・・・・。コンミスも中国でした

香港     16人 負けず劣らず拍手   と口笛が・・・・

韓国      1人 (日韓の政治情勢が微妙な関係な中、よく来てくれました)  

マレーシア   5人   

フィリピン    5人   

タイ      4人   

ベトナム    3人   

シンガポール  1人   

台湾     29人   

日本     20人      (ホルン、クラリネットなど素晴らしい演奏をしてくれた管楽器が中心でした)。

以上合計110人です

このオーケストラはプロではない純粋な若者たちが真摯に楽曲に対峙している姿が清々しく、毎年楽しみにしています この日の公演は今年聴いた130回目のコンサートに当たりますが、これほど感動的なコンサートも珍しいでしょう

今日は午後2時から同じ東京芸術劇場でAYO今期ツアー最後のコンサートが開かれます プログラムは①バーンスタイン「キャンディード序曲」、②リヒャルト・シュトラウス「英雄の生涯」、③ベートーヴェン「交響曲第3番変ホ長調”英雄”」です 私はもちろん聴きに行きますが、当日券はあるはず。絶対に後悔しないと確信します。是非聴きにお出かけください。S席4,000円、A席2,000円です。感動が待っています

 

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中山七里著「ヒートアップ」を読む~厚労省麻取と暴力団がタイアップ!

2014年08月29日 07時01分19秒 | 日記

29日(金)。新潮社が28日発売の「週刊新潮」9月4日号について、朝日新聞社に新聞広告の掲載を拒否されたことを明らかにしました 9月4日号には、朝日新聞社が一部記事の誤りを認めた従軍慰安婦報道についての記事が掲載され、広告には「1億国民が報道被害者になった『従軍慰安婦大誤報!』などの見出しがあるとのこと 朝日は一部見出しの修正を求めたが新潮社が拒否したため、広告を掲載しないことに決めたということです

「言論の自由を標榜する天下の朝日新聞は、掲載を拒否すべきではない。もっとおおらかに対応したらどうか」という論理もあるでしょう しかし、朝日新聞社は報道機関ではありますが、株式会社、つまり営利企業に違いはありません。したがって広告を掲載する・しないは経営判断で下せばよいことになります。もちろん、その判断は朝日の「広告掲載基準」に則って下されることになります

今回のケースは、朝日としてはよほど腹にすえかねたのでしょう しかし、当該広告を掲載しようがしまいが、新潮社側の思うつぼにハマったと言えるでしょう。当の朝日をはじめ新聞各紙で、あるいはネット上で”事件”として報道されることによって、高い広告費を払って週刊新潮を宣伝するよりもはるかに大きなピーアール効果があったとみるべきでしょう 新潮社側はそういうしたたかな計算の上で喧嘩を売っているに違いありません

すでに、9月4日付の「週刊文春」も同様の内容で朝日に広告掲載を拒否されていますが、こちらも新潮社と同じく、タダで大々的に宣伝出来たに違いありません 

私は「売れれば何を書いても良い」と言わんばかりの週刊誌報道は問題があると思いますが、新聞には書けない微妙な問題をリスクを取って取り上げる姿勢には一定の敬意を抱いています

 

  閑話休題  

 

広島の土砂災害からすでに1週間以上が経ちました。27日現在、死者71人、行方不明11人、避難者1282人となっています。被災地では6万世帯、15万人を対象に避難勧告・指示が出されているといいます。広島県の地元紙・中国新聞社では土砂災害義援金を受け付けています。当ビル2階に入居している同社東京支社でも受け付けています。要領は下の写真の通りです。同社に代わって、ご協力をよろしくお願いいたします

 

          

            (当ビル1階玄関ホールに設置したお知らせと紙面)

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

中山七里著「ヒートアップ」(幻冬舎文庫)を読み終わりました 中山七里は1961年、岐阜県生まれ。2009年「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビューしました このクラシック音楽路線では「おやすみラフマニノフ」「さよならドビュッシー前奏曲」がありますが、もう一つの路線(本格ミステリー路線とでも言うか)として、「魔女は甦る」「贖罪の奏鳴曲」があります。本作は、実は「魔女は甦る」の続編と言ってもよい作品です

 

          

 

主人公は厚生労働省所属の麻薬取締官・七尾究一郎。ただの取締官ではなく、特殊体質から麻薬のおとり捜査も許され、高い検挙率を挙げている優秀な男 前作「魔女は甦る」で登場したドイツの製薬会社スタンバーク社が兵士用に開発した特殊薬物「ヒート」が、闇市場に流出し、それが原因で流血事件が起こっていた 七尾は「ヒート」の売人を追究すべく捜査に乗り出すが、ある男と組むことになる。驚くべきことに、その男とは広域指定暴力団宏龍会の渉外委員長という肩書を持つ山崎岳海で、脱サラして暴力団のナンバー・スリーの地位に着いた優秀な男だ ある日、殺人事件の現場に残された鉄パイプから七尾の指紋が検出される いったい誰の仕業か・・・・・手を組んだはずの山崎が七尾を罠に嵌めたのか・・・・「ヒート」は撲滅できるのか・・・・・

第一に、厚労省の麻薬取締官と暴力団の幹部が組んで、強力な麻薬の製造元・売人を突き止めるというプロットがあり得ないでしょう しかし、暴力団の山崎があまりにも一般人として描かれているので、それもありかな、と思わせられます

いつも中山七里のミステリーで驚かされるのは驚愕のラストです 鉄パイプに七尾の指紋を付けた犯人は意外な人物でした。なぜその人物は殺人を犯し、七尾に罪を被せようとしたのか、最後にそれが明らかにされます

中山七里は期待を裏切りません。ページを繰る手が止まりません。お薦めします

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シン・ヒョンスの「ヴィオリン・リサイタル」、仲道郁代ワークショップ「ピアノのしくみ、ホールの秘密」

2014年08月28日 07時02分23秒 | 日記

 28日(木)。ここ2~3日涼しいですね。このまま秋に突入したらいいのに、と思います

チケットを2枚買いました。1枚は韓国のヴァイオリニスト、シン・ヒョンスの「ヴァイオリン・リサイタル」です 11月29日(土)午後2時から、かつしかシンフォニーヒルズ「アイリスホール」で開かれます。かつしかシンフォニーヒルズは初めてなのですが、京成線青砥駅が最寄りの駅のようです 下のチラシは京都でのコンサートのお知らせですが、プログラムは同じはず。入場料は全席指定4,000円です

シン・ヒョンスはロン=ティボー国際音楽コンクールの優勝者です 数年前にサントリーホールで開かれた入賞者ガラ・コンサートで彼女の演奏を聴いて、すっかりトリコになりました。私のケータイの待ち受け画面はずーっと下の写真です

 

          

 

          

             (昨年11月1日のリサイタルの時に買ったCD)

 

2枚目は来年2月21日(土)午後3時から東京文化会館小ホールで開かれる「仲道郁代ワークショップ『ぴあののしくみ、ホールの秘密』」です 音楽のことなら何でも興味深々です。小学生になったつもりで”お勉強”しようと思います 入場料は全自由席で1,500円です

 

          

 

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映画「あなたを抱きしめる日まで」を観る~思い出のシーンに流れるショパンのノクターン

2014年08月27日 07時00分31秒 | 日記

27日(水)。飯田橋のギンレイホールで、2013年イギリス映画「あなたを抱きしめる日まで」を観ました この作品は第70回ヴェネチア国際映画祭で脚本賞を受賞しています

時は1952年のアイルランド。未婚の母フィロミナは、当時10代だった時に強引に修道院に入れられ、息子の行方を追わないことを宣誓させられてしまう その後息子は修道院から連れ出されアメリカに養子に出されてしまう。それから50年、生き別れた息子がいることを初めて娘に打ち明け、娘の知り合いのジャーナリスト、マーティンと共にアメリカに渡り50歳になった息子を探すことになる

普通なら、それから感動的な再会があってハッピーエンドとなるところですが、そうはなりません アメリカで息子を養子として受け入れた家族を調べ上げますが、息子はすでにある病気で数年前に死去していたという事実が待ち受けています この映画の見所はここからです 息子はどういう人生を送ったのか、母を恨んでいなかったか・・・・・・それを知ることが出来なければ死んでも死にきれない・・・・そういう母としての切迫した気持ちで、息子が生前付き合いのあった関係者に会って話を訊き出します。さて息子の人生はどんなであったか、生まれ故郷をどう思っていたのか・・・・・

 

          

 

この映画は実話を基に作られています 当時、アイルランドでは修道院が赤ん坊をアメリカに売っていたという事実にも驚きますが、50年経って息子を探そうとするフィロミナの執念にも驚きます

フィロミナを演じたジュディ・デンチは、ジェームス・ボンド・シリーズ007で上司”M”を演じていました。イギリスを代表する女優です

私が映画を観て興味を抱くのは、どんな音楽が使われているのか、ということです この映画で使われていたクラシック音楽で気が付いたのは、息子の恋人が、息子が写った記録映像を見せてくれた時に流れていたショパンの「ノクターン第5番嬰へ長調作品15-2」です 生きていた息子の良き思い出を浮かび上がらせる絶好のBGMとなっています

 

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貫井徳郎著「被害者は誰?」を読む~これまでの彼にないユーモア小説を堪能する

2014年08月26日 07時01分49秒 | 日記

26日(火)。昨日は午前中、池袋のサンシャイン60の7階にあるSクリニックで「日帰り人間ドック」を受診しました 人間ドックを受けるのはほぼ3年ぶりで2回目です。受付開始の午前8時に着くと、何と20番の番号札でした 約20分待って着替えの後検診が始まりました。血液検査、尿検査、胃部・胸部レントゲン、心電図、眼科系、聴力検査とひと通りやりましたが、今回初めて内蔵のエコー検査をやりました お腹に聴診器のようなものをあてて胎児の様子を見る例の検査です

受検者は人間ドックを受けるのに相応しい年齢層の人たちでしたが、中には面白い人もいます 60代位の某男性は、待ち時間がもったいないらしく、文庫本を持ち歩いて受診していました 体重を測るのにその本を持っていたので、看護師さんに「それ、お預かりしましょう」と取り上げられていました。検診時まで本を読まなくてもよさそうなものです

検査自体は70分程度でしたが、1時間後には簡単な検査結果を教えてくれるということで、当日の負担額20,360円を支払って待合室で待ちました。このクリニックの日帰りドックは総経費44,100円ですが、健保組合から25,000円の補助が出ます。検診結果は特段の異状なしということで安心しました ショックだったのは聴力検査で、高音部が聴こえにくくなっているということです。毎日音楽を聴く身にとって、これはヤバイのではないか 考えようによっては、”聴力が落ちている”に止まっていたのは良い方かも知れません。”能力が落ちている”と言われたら反論の余地がありません

 

  閑話休題  

 

夕方、当ビル入居のS新聞社のK氏が人事異動で岡山の本社に戻るため、有志による送別会をHCビル地下のK亭で開くことになったので、クリニックから家に帰り、再び出かけました 人間ドックのその日に飲み会というのも”なんかな~”と思いながらも、検査終了後だから”関係ないし~”と、遠慮なく飲むことにしました 機嫌の良いSママから高清水・1升瓶の差し入れがあり、5人で遠慮なく空けてきました。他の4人は2次会に行く様子だったのですが、私は検診日で血を採られていることもあって本調子でないので遠慮しました

 

  閑話休題   

 

貫井徳郎著「被害者は誰?」(講談社文庫)を読み終わりました 最近は貫井徳郎ばかり読んでいます。この本は「被害者は誰?」「目撃者は誰?」「探偵は誰?」「名探偵は誰?」の4つの作品から成る連作短編集です

 

          

 

警視庁の桂島刑事は、難事件が起こると先輩のミステリー作家・吉祥院慶彦に相談に行きます 例えば「被害者は誰?」は、犯人は分かっているのに被害者が分からないという難問を解くミステリーです。読んでいて思ったのは、これまで読んできた貫井徳郎のシリアスなミステリーと違い、ユーモア・ミステリーのジャンルに入るのではないか、ということです 東川篤也の一連のユーモア・ミステリ―のような語り口でテンポよく進められていきます 気軽に読める連作短編集としてお薦めします

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映画「ダラス・バイヤーズ・クラブ」を観る~HIVで余命30日の宣告を受けたカウボーイはどうしたか?

2014年08月25日 07時00分36秒 | 日記

25日(月)。昨日は午前中、全ての窓ガラスの掃除をしました。網戸をはじめ埃で相当汚れが目立っていたので、天気も良かったこともあり、思い切って踏み切りました ホースと蛇口のアダプターがマッチしていなくて、いつも水漏れで難儀します 息子に蛇口を押さえてもらいながら、ジェット水流で汚れを落としました 窓ガラスがきれいになると気持ちが良いものです

 

  閑話休題  

 

ギンレイホールで2013年アメリカ映画「ダラス・バイヤーズ・クラブ」を観ました 監督はジャン=マルク・ヴァレです

ロンは賭博、酒、女と奔放な毎日を送っているが、ある日突然HIVで余命30日の宣告を受ける ロンは病気について命がけで勉強し当時(1980年代)アメリカには認可薬が少ないことを知り、メキシコはじめ世界各国を飛び回って未承認薬を持ち帰り、患者たちに売りさばく 彼は、薬の売買ではなく、薬が欲しい者は「ダラス・バイヤーズ・クラブ」の会員になれば誰でも手に入る仕組みを作り上げる その行為が違法だとして裁判に訴えられ敗訴するが、ロンの売る薬の方が認可薬よりもHIVに効くことが分かり、いずれ彼の実績が認められる 結局ロンは30日どころか7年も生き延びることになる

 

          

 

ロンを演じたマシュー・マコノヒーは死期の迫る男の肉体にするため、21キロの減量に成功したとのこと ロンの人生も壮絶なら、彼を演ずるマコノヒーの人生も壮絶です

この映画は実在のカウボーイをモデルにした物語です。ただの不良カウボーイが、HIVを宣告されたことにより、生きる欲求に駆り立てられ、自ら、そして同じ病気で苦しむ人々を救うという目的が出来たことが、生き長らえる原因となったのです

この映画を観て考えるのは、もし自分が余命30日と宣告されたらどうするだろうか、ということです 何の目的もなく、ただ毎日を漫然と暮らすのでは何も残らないでしょう それは余命が30日に限らず、1カ月でも1年でも10年でも同じことです

私は年間、クラシック・コンサート170回、映画45本、読書70冊という目標を掲げ、それを達成すべく努力していますが、さらに付け加えるとすれば、それら全てをブログに書き遺すことを自分に課しています どの日を切り取っても、私の人生が標されています。目標のない人生なんて考えられません

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映画「ネブラスカ~ふたつの心をつなぐ旅」を観る~100万ドルが当たった老人は何を得たか?

2014年08月24日 08時01分01秒 | 日記

24日(日)。22日に早稲田松竹でドイツ映画「コーヒーをめぐる冒険」とアメリカ映画「ネブラスカ~ふたつの心をつなぐ旅」の2本立てを観ました 昨日「コーヒーをめぐる冒険」について書いたので、今日は2013年アメリカ映画「ネブラスカ」について書きます 監督はアレクサンダー・ペイン

モンタナ州に住むウディ・グラントあてに「100万ドルの賞金が当たった」という、いかにもインチキな手紙が舞い込む ウディはそれをすっかり信じ、賞金を受け取るためにネブラスカまで1500キロ(札幌から大阪まで位の距離)の旅に出る。息子のデイビッドはウソだからやめるよう説得するが、ウディは全く耳を貸さない。デイビッドはウソと知りながらも父親が直接現地に行って真実を知ればよいとして、車に乗せて4州にわたる旅に付き合う 途中に立ち寄ったウディの故郷で賞金をめぐる騒動に巻き込まれる中で、デイビッドは意外な両親の過去と向き合うことになる。「100万ドルが当たった」と聞いて、ありもしない過去の貸金の返済を迫るかつての共同会社経営者、何とかたかろうとする親戚の失業中の子どもたち・・・・

日本でも、もし1億円の宝くじが当たったら、今まで疎遠だった親戚筋や友人たちがたかりに来るのではないか・・・そんなことを思いました

それにしてもデイビッドは優しい息子です 仕事を休んでまで、インチキと分かっていながら、父親が納得するまで1500キロの旅に付き合うのですから デイビッドが父親に「なぜ100万ドルが欲しいのか」と聞くと、ウディは「トラックだ」と答えます。なぜトラックが欲しいのかと問うと、「おまえたちに何も残してあげられないから、せめてトラックを残してあげたい」と答えます そこで、デイビッドはあることを思い付き、実行します。ウディはネブラスカで100万ドルに当選していないことを直接知ることになりますが、100万ドルよりも価値のあるものを得ることになります 人生で大切なものは何か・・・・この映画はその答えを示しているように思います

 

          

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映画「コーヒーをめぐる冒険」を観る~ついてない1日の後に残ったものは?

2014年08月23日 07時00分33秒 | 日記

23日(土)。昨日、夏休みを取って早稲田松竹でドイツ映画「コーヒーをめぐる冒険」とアメリカ映画「ネブラスカ」の2本立てを観ました 今日は2013年ドイツ映画「コーヒーをめぐる冒険」について書きます 

監督・脚本はヤン・オ―レ・ゲルスターで、この映画はドイツ映画テレビ・アカデミー卒業作品にして初監督となる作品です ドイツ国内で大ヒットし、ドイツ・アカデミー賞の作品賞・監督賞を含む主要6部門を獲得した作品です

 

          

 

青年ニコは、2年前に大学を中退したことを父親に隠して、毎日”何かを考えながら”モラトリアム人生を送っている ガールフレンドの家でコーヒーを飲み損ねた朝、車の免許更新の手続きを思い出して役所に出頭するが、嫌味な面接官によって免許停止になる ついてないことは次々に起こる。現金を下ろそうとキャッシュ・ディスペンサーにカードを入れると吸い込まれたまま戻ってこない 引っ越し間もない二コの部屋に上の階の住人が挨拶に来るが、愚痴を言いながら勝手に泣き出す ダイエットに成功した舞台女優の同級生の舞台を観に行き、成り行きでけんか別れするはめに 無賃乗車だと言って罰金を迫る駅員に追い回される とうとう父親に大学中退がバレて生活費援助の打ち切りを宣告される 散々な一日の終わりにバーで出会った老人と話をするが、その老人はドアの外に出て倒れ、救急車を呼ぶ羽目に しかし、こうした出来事に出合っていく中でニコの心境に変化が表れていく

とにかく、自分の責任でないのにニコには次々と災難が襲いかかります 事あるごとにコーヒーを飲もうとしますが、現金の不足、ベンディング・マシーンの故障などで全く飲めません 全てのついてない出来事は朝コーヒーが飲めなかったことに起因するかのようです

この映画の特徴を3つの単語で言い表せば、「モノクロ」「ドイツ語」「ジャズ」です なぜゲルスター監督はカラーで撮らなかったのか。過去の偉大な監督たちへのオマージュのようにも思えます ドイツ語の映画は久しぶりに観ました。英語やフランス語の映画に慣れているとゴツゴツしたドイツ語が新鮮に響きます この映画では全編、ジャズが流れます。この映画にはクラシックは似合いません

この映画で使われていた唯一のクラシック音楽は、ニコの親友マッツェの友人の家に行った時、おばあさんが居間のリクライニング・チェアで聴いていたJ.S.バッハ/ブゾーニ編「コラール『主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる』BWV639」です ドイツ映画でクラシックを使うとしたら、やっぱりバッハになるのでしょうか

この曲を収録したCDでお薦めなのはフランスのピアニスト、アンヌ・ケフェレックの「Johann Sebastian Bach "Contemplation”」です しみじみとした名曲名演奏です

 

          

 

  閑話休題  

 

映画を観終わった足で有楽町に向かいました 東京交通会館地下の絵画サロンで開かれている「第14回アトリエぱるる絵画展」を観るためです この展覧会にはH.Cビル地下のK亭のママS.Kさんが作品を出展されているので、薔薇の花束を携えて陣中見舞に行ってきました ちょうど、彼女の絵の師匠S.Yさんがお見えになっていたので挨拶させていただきました 聞くところによると、S.Kさんは数年前にこの絵画展でS.Yさんの絵に出合い、すっかり魅了され、拝み倒してその絵を購入しただけでなく、弟子入りを申し出て、都心から八王子市の南大沢まで通うことになったとのことです 「”この道”と決めたからには何事も根性だ」ということをS.Kさんから学びました 下の案内ハガキの絵は師匠S.Yさんの作品「薔薇」です。「力強さ」「強い意志」を感じますね

 

          

 

他のお弟子さん達がベテラン揃いの中、まだ入門してから比較的年月の浅いS.Kさんの作品は鉛筆のデッサン画で「なす」と「竹の皮」です 一番身近なお店・K亭の食材を題材に選ばれた訳です

 

          

                    (題名:なす)

 

          

              (題名:ごちそうさま、おいしかった・・・・・)

 

絵でも文章でも性格や人柄が表れるものですが、この二つの絵にはS.Kさんの繊細で優しい人柄が表れているように思います この絵画展には師匠のS.Y先生の作品をはじめ生徒さん達の”力作”が出品されていますが、残念ながら今日(23日)午後5時で公開終了です 絵画に興味のある方は有楽町の交通会館までお運びください

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西原理恵子/佐藤優著「とりあたまJAPAN」を読む~超過激!

2014年08月22日 07時00分40秒 | 日記

22日(金)。クラシック音楽無料情報誌「ぶらあぼ9月号」に、来年4月から東京シティ・フィルハーモニーの常任指揮者に高関健が就任するというニュースが載っていました 全然知りませんでした。せっかく常任指揮者に就任するのであれば、是非「マーラー・ツィクルス」をやってほしいと思います 山田和樹が日本フィルを振って来年1月からオーチャードホールを会場にマーラーの交響曲全曲演奏会に挑むということなので、是非、対抗してほしいと思います。そうしたら、定期会員になってもいいかな

 

          

 

  閑話休題  

 

西原理恵子の漫画、佐藤優のエッセイによる「とりあたまJAPAN」(新潮文庫)を読み終わりました 西原理恵子は1964年、高知県生まれの漫画家です。「毎日かあさん」などで名前を売っています 佐藤優は1960年、埼玉県生まれ。作家、元外務省主任分析官です

タイトルの「とりあたま」というのは西原理恵子の経営する会社の名前のようです。この本の表紙にも西原理恵子らしき女性の頭に鳥が乗っていますね この本には「週刊新潮」で2010年後半から2012年年末まで連載された爆笑マンガと柔らかエッセイ合計65本が取り上げられています

 

          

 

取り上げられているテーマは、「TPP」「計画停電」「レディー・ガガ」「野田新総理」「年の差婚」「家政婦のミタ」など、その当時話題になったものばかりです 見開き1ページに1話完結でエッセイが3分の2、漫画が3分の1の割合でスペースが割かれていますが、佐藤優のエッセイが難しいテーマを分かり易く書いているのに対し、分かり易いはずの漫画の方が飛躍に飛躍が重なって、起承転結がまったくそっちのけ状態です それにスペースが狭いため字が小さくて、読みにくいことこの上ない状態です

それにしても西原理恵子は過激で怖いものなしの天下無敵です こういう人を外務大臣なんかにした日には、翌日、どこかの国からテポドンか何かが飛んできて日本沈没間違いないでしょう 週刊新潮でなければ連載できなかったでしょうね

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