8日(月)。わが家に来てから今日で2766日目を迎え、山口壮環境相は8月5日の記者会見で、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の関連イベントに祝電を送ったことがあることを明らかにしたうえで、「こういうのってどこでもそうだと思いますけど、いろんなとこから頼まれたら全部出しますけどね。だからまったく(問題)意識はありません」と語ったことに対し批判が相次いでいる というニュースを見て感想を述べるモコタロです
「政界が旧・統一教会と手を切る会」の設立総会を開いたら 祝電がもらえるようだ
昨日、ミューザ川崎で「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2022」参加公演「東京フィル 名コンビとともにアラビアンナイトの世界へ!」を聴きました プログラムは①ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲、②メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」、③リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」です
演奏は②のヴァイオリン独奏=服部百音、指揮=ダン・エッティンガーです
ダン・エッティンガーは2010年4月から東京フィル常任指揮者、2015年から同桂冠指揮者に就任しています また、現在シュトウットガルト・フィル音楽監督、イスラエル・オペラ及びイスラエル交響楽団音楽監督を務めています
会場はほぼ満席 男性客中心の服部百音効果でしょうか。休憩時間に分かるでしょう
オケは14型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴォイラ、第2ヴァイオリンという対抗配置。コンマスは三浦章宏です
1曲目はロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲です この曲はジョアッキーノ・ロッシーニ(1792ー1868)が1816年にローマで初演したオペラの序曲です
どおくまんプロの「嗚呼、花の応援団」の主人公・青田赤道が着ていた襟の高い学ランのような衣装を身に着けたイケメン、ダン・エッティンガーの指揮で演奏に入ります オーボエの加瀬孝宏、クラリネットのアレッサンドロ・ベヴェラリの演奏が素晴らしい
今にもオペラが始まるようなワクワクドキドキする、オペラ指揮者エッティンガーの面目躍如といった演奏でした
2曲目はメンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809ー1847)が1844年に自身が音楽監督を務めるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートマスター、フェルディナント・ダーフィトのために作曲されました
第1楽章「アレグロ・モルト・アパッショナート」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグレット・ノン・トロッポ ~ アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります
ヴァイオリン独奏の服部百音は1999年9月生まれの22歳 2009年にリビンスキ・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールで史上最年少第1位受賞をはじめとして、数々の国際ヴァイオリンコンクールでグランプリを受賞しています
現在、桐朋学園大学音楽学部大学院に在学中です
オケは12型に縮小します。服部百音がグリーンの鮮やかな衣装で登場、エッティンガーの指揮で演奏に入ります 服部百音の演奏は流麗そのものですが、芯があり 全くブレません
エッティンガーがプレトークで語ったところによると、今年51歳を迎えた彼がこの曲を演奏するのは今回が初めてだそうです
彼の指揮はドラマティックで、まるでオペラ歌手に伴奏をつけているように感じます
服部との相性は抜群だと思いました
正直に告白すると、私はメンデルスゾーンよりもチャイコフスキーのコンチェルトの方が彼女に向いているように思うので、チャイコフスキーを演奏してほしかったのです でもそれは ないものねだり というものですね
メンデルスゾーンで思い出しましたが、この日の日経朝刊「My Story」でカレーハウスCoCo壱番屋創業者の宗次徳二さんが取り上げられていました 宗次さんと言えば、クラシックファンにはお馴染みの人で、NPO法人イエロー・エンジェルを設立し、若い演奏家にストラディバリウスなどの楽器を無償で貸し出したり、名古屋にクラシック音楽専用ホール「宗次ホール」を作ったり、調布市の桐朋学園大学に新たな「宗次ホール」を作ったりしているフィランソロピスト(寄付者、社会奉仕をする人)です
インタビュー記事によると、高校時代に同級生からテープレコーダーを1回千円✕5回の分割払いで入手し、初めてテレビの音楽番組を録音してみたが、その時たまたま流れてきたのがN響の演奏するメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(メンコン)だった
冒頭の旋律から引き込まれ、感動で胸がいっぱいになったーと語っています
「メンコン」との出会いがなければ今のクラシック音楽どっぷりの宗次さんはなかったわけです
閑話休題。
エッティンガー ✕ 東京フィルをバックに服部百音は、アンコールにパガニーニ「無窮動」を息つく暇も与えず鮮やかに弾き切り、聴衆を唖然とさせました そして、いつものように、身体を45度に折って前に一礼、後ろを向いて一礼、再び前を向いて一礼しステージ袖に引き上げていきました
彼女ほどステージマナーの良い演奏家はいないでしょう
休憩時間には男子トイレに長蛇の列が出来ていました。服部百音効果が証明されました
プログラム後半はリムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」です この曲はニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844ー1908)が「アラビアン・ナイト(千一夜物語)」を題材に1888年に作曲、同年ペテルブルクで初演されました
第1楽章「海とシンドバッドの船」、第2楽章「カレンダー王子の物語」、第3楽章「王子と王女」、第4楽章「バグダッドの祭り、海、青銅の騎士の立つ岩での難破、終曲」の4楽章から成ります
オケは再び14型の拡大します。舞台下手にはハープがスタンバイします
エッティンガーの指揮で演奏に入ります この曲では独奏ヴァイオリンが可憐なシェエラザードのテーマを奏で、全曲を通して何度か登場しますが、三浦コンマスはその都度違う音色で演奏し、その弾き分けが見事でした
エッティンガーの指揮はこの曲でもドラマティックで、物語が目の前で展開しているような気もちになりました
加瀬孝宏のオーボエをはじめ、フルート、ファゴットの演奏が冴えています
三浦コンマスのヴァイオリンに寄り添うハープの演奏が素晴らしかった
第3楽章冒頭におけるヴァイオリンセクションのソフトで優しい演奏が印象的でした
第4楽章ではオーケストラ総力あげてのスケールの大きな演奏を展開し、最後は女性不信のシャフリアール王の魂を浄化するように曲を閉じました
カーテンコールが繰り返されますが、まさかのアンコールがありました ロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」序曲から「スイス軍の行進」が軽快かつ勇ましく演奏され、会場の温度を2度上昇させました
ロッシーニの前菜で始まり、ロッシーニのデザートで終わる、壇シェフの粋な計らいでした
チョン・ミョンフン(名誉音楽監督)、アンドレアス・バッティストーニ(首席指揮者)、ダン・エッティンガー(桂冠指揮者)、ミハイル・プレトニョフ(特別客演指揮者)・・・日本最大の楽団員数(160名)を誇る東京フィルは素晴らしい指揮者を擁しているなぁ、とあらためて思いました