人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

尾高忠明 ✕ イリヤ・ラシュコフスキー ✕ 大阪フィルでラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」、エルガー「交響曲第1番」を聴く / 反田恭平の「リーダー論」その2 ~ 尊敬する指揮者は?

2022年08月06日 07時12分20秒 | 日記

6日(土)。4日付日経夕刊「ニュースぷらす」面にピアニスト反田恭平氏の「私のリーダー論㊦」が掲載されていました(㊤は7月29日付toraブログで紹介)。反田氏はピアニストであると同時に、ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)の経営者であり、指揮者でもあります 指揮者の役割について問われ、反田氏は次のように答えています

「経営面で言えば、スポンサーを持ってくる際に言葉で説得する必要があります オーケストラを食わせるため、一番の仕事だと思います。欧米では指揮者が楽団のポストに就く上で、重要な点として『どれだけスポンサーを持ってこられますか』と聞かれるそうです もちろん、高いレベルで指揮が振れるというのは大前提です。JNOでは、僕自身がスポンサーを見つけています

反田氏は現在、世界的指揮者のキリル・ぺトレンコさんらも指導した湯浅勇治氏に指揮を師事していますが、「尊敬する指揮者は?」という問いに次のように答えています

「アンドレア・バッティストーニはエモーショナルでありながら音楽の分析能力や話す力が優れています 韓国のチョン・ミョンフンはオペラを聴き、飛びぬけたものを感じました ロシアのミハイル・プレトニョフらピアニストとしても活躍する指揮者も尊敬しています 昔だとカラヤン、バーンスタインは好きですし、ムラヴィンスキーには音楽への真摯な姿勢を感じます

これを読んで、クラシックファンなら誰もがお気付きだと思いますが、バッティストーニも、チョン・ミョンフンも、プレトニョフも、東京フィルの定期演奏会の常連指揮者として知られているアーティストです ちょっと意外でしたが、ひょっとして反田氏は東京フィルの定期会員なのではないか、と思いました

ということで、わが家に来てから今日で2764日目を迎え、旧統一教会の名称変更を巡って末松文科相は、憲法が保障する信教の自由に配慮し、申請書に不備がなければ受理する制度だと説明した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     不当に高い壺や経典を信者に売りつけるのは 信教の自由じゃなく アコギな商売だ

 

         

 

昨日、夕食に「肉じゃが」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「大根の味噌汁」を作りました 肉じゃがは前回、醤油を入れすぎたので今回は調整し、美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨夕、ミューザ川崎で「フェスタサマーミューザKAWASAKI2022」参加公演「大阪フィルハーモニー交響楽団 西に大フィルあり!マエストロの十八番」を聴きました プログラムは①ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18」、②エルガー「交響曲第1番 変イ長調」です 演奏は①のピアノ独奏=イリヤ・ラシュコフスキー、指揮=尾高忠明です

開演前に尾高氏のプレトークがありましたが、予定より10分遅れのスタートとなりました 7月29日の読響公演の時に尾高氏と同期の井上道義氏が「出来るだけ多くのお客さんに聞いてもらいたかった」として10分遅らせていたのに倣って遅らせたわけではないと思いますが、この2人の動機は同期だけに怪しげです

尾高氏は、エルガーの交響曲は特に緩徐楽章がブルックナーに似ていることや、大阪人の温かさや、英国のプロムスをはじめ世界の夏のフェスティバルなどについて流暢に語りましたが、次のようなエピソードを披露しました

「ウィーン国立音楽大学に留学していた若い頃、ザルツブルク音楽祭でカラヤンの指揮するコンサートがあり、枚数限定の安い席の当日券をとるために並んでいたら、高級リムジンから降りてきた背の高い紳士に声をかけられ、「自分は学生で、将来指揮者になりたいと思っています」と言うと、指定席券を譲ってくれたということです 当時の金額で5万円くらいの席だったそうですが、その紳士はわざわざホールまで来て、誰か代わりに聴ける人を選んでチケットを渡した この経験から、『自分が行けなくなったコンサートの席を空席のままにしてはいけない。これが『文化』であることを学んだ

実は私にも同じような経験があります もう40年近く前のことです。東京文化会館の当日券売り場に並んでいると、30代くらいの男性に「このコンサートを聴きに来たのですか?」と訊かれたので、「そうです」と答えると、「いただいた招待券ですが、自分は聴けないので差し上げます」と、招待ハガキをくださいました ハガキの宛名を見ると高名な日本人作曲家の名前が書かれていました 多分、彼は作曲家の弟子か何かで、「代わりに聴いておいで」とか言われたものの、都合がつかず困っていたのだと思います ハガキさえ主催者側に回収されれば作曲家本人かどうかは別として、誰かが聴いたことになるので、招待ハガキが無駄にならずに済んだことになります 当ブログの読者 ままはは さんによると、N響定期の古参会員の中には毎年、会員継続をしてお金を払いながら、まったくコンサートを聴きに来ない人が少なからずいるようです     もったいないことです。代わりの誰かに席を譲れる方法を考えた方が良いと思います

 

     

 

さて本番です 会場は9割方入っているように思われます

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並び。コンマスは須山暢大です 彼は「エピス・クァルテット」のメンバーです。チェロのトップは「エルディーディ弦楽四重奏団」のメンバー花崎薫です

1曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873ー1943)が1900年から01年にかけて作曲、1901年11月9日にモスクワで、ラフマニノフのピアノ独奏、アレクサンドル・ジロティ指揮モスクワ・フィルにより初演されました 第1楽章「モデラート」、第2楽章「アダージョ・ソステヌート」、第3楽章「アレグロ・スケルツァンド」の3楽章から成ります

ピアノ独奏のイリヤ・ラシュコフスキーはロシア出身で、2001年のロン=ティボー国際音楽コンクール第2位、第8回浜松国際ピアノコンクールで優勝など、数々の入賞歴があります 私は十数年前に浜離宮朝日ホールでショパンを中心とした彼のリサイタルを聴いたことがありますが、それ以来です

第1楽章がラシュコフスキーのソロで開始されます。彼の演奏は「真剣勝負」という言葉が似あう真摯なもので、打鍵の強さが際立っています 第2楽章では一転、ロマンティシズムの極致をいく演奏で、フルート、クラリネットなどの木管群が華を添えました 第3楽章はラシュコフスキーのパッションを感じる演奏で、彼の気迫がオーケストラに乗り移っているかのごとく熱い演奏が繰り広げられました

満場の拍手にラシュコフスキーは、アンコールにスクリャービン「エチュード作品8-12”悲愴”」を情熱的に演奏、聴衆の心をヒートアップしました 私はこの演奏を聴きながら、Kiriokaさんが吉祥寺のロンロン・コンサートで弾いた鮮やかな演奏を思い出していました

 

     

 

プログラム後半はエルガー「交響曲第1番 変イ長調 作品55」です この曲はエドワルト・エルガー(1857ー1934)が1907年から翌08年にかけて作曲、1908年にマンチェスターで12月3日にハンス・リヒター指揮ハレ管弦楽団により初演されました 第1楽章「アンダンテ、ノビルメンテ・エ・センプリーチェ ~ アレグロ」、第2楽章「アレグロ・モルト」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「レント ~ アレグロ」の4楽章から成ります

CDを持っていないし、この曲を聴くのは多分初めてです 尾高氏の得意とする作品だということは分かりますが、初めて聴く曲で1時間弱の演奏はかなりきついです 予習の時間が欲しかったところです ただ、聴いていて面白かったのは第2楽章です。冒頭の音楽はまるでアニメのテーマソングみたいで親しみを感じました また、第3楽章のアダージョは純音楽として素晴らしいと思いました

満場の拍手に尾高 ✕ 大阪フィルはアンコールに「六甲おろし」を颯爽と、演奏するわけがありません あなた、何を考えていますか いくら開幕9連敗の後に快進撃を続け現在セリーグ2位まで登り詰めた阪神タイガースを愛するからといって、アンコールに「六甲おろし」はありません エルガー「威風堂々」第1番を堂々と演奏し、会場をプロムスに変貌させ聴衆を興奮の坩堝に引き入れました

大阪フィルは今年、やっと念願かなって「フェスタサマーミューザ」に参加できたと喜んでいるとのこと 大阪フィルの皆さん、素晴らしい演奏をありがとうございました タイガースとともに快進撃を続けてください

 

     

     

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