近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

寝屋川市の寝屋古墳とは!

2010年03月06日 | 歴史
寝屋古墳は、大阪府営寝屋川公園内にある、横穴式石室をもつ古墳。

打上川右岸の南東に傾斜する斜面に立地し、南向きに開口する横穴式石室を主体部としている。

本古墳は平成3年と4年の公園整備に伴って行われた発掘調査で見つかった、直径約22m・高さ約5mの円墳で、幅約3mの浅い濠が古墳の周りを巡っていることがわかった。平成5年には大阪府の史跡指定を受けている。









写真は上から、寝屋古墳墳頂への登り口階段、本古墳の案内板、本古墳脇から覗く生駒山系山並及び本古墳北側から望む、円墳の全景。

寝屋川公園内の北側、JR学研都市線沿いに立地している。

墳頂部はかなりの土砂流出が見られ、南側の墳丘裾部は逆に人為的な土砂の堆積で埋没しているらしい。墳丘上で埴輪や葺石は確認されていない。







写真は上から、本古墳石室羨道の土砂流失、落込み状態、大量の土砂が流入して、石室の高さが圧迫された当石室内部の巨石石組状況及び石室屋根の巨石積。

本古墳主体部は巨石を使用した横穴式石室で、現状長さ5.5m・奥壁幅2.5mほどの規模があり、間口の広い横穴石室を直接見ることができるが、幅広い石室を造るには、高度の造成技術が必要らしく、考古学的価値の大きい古墳らしい。

確認調査ではこの石室の前面に、写真の通り、羨道または墓道になる落ち込みが見つかっており、残っているのが玄室部分で、羨道部分は破壊されていることが分かったと云う。

以上のことから横穴式石室を復元すると、羨道部分を含めて、全長10m前後と推定され、全長10mを超える横穴式石室は府内でも数少なく、北河内では最大規模。

石室奥壁部分の現在の高さは約1.5mだが、石室内に大量の土砂が流入していることから、本来の床面からの高さは2m以上あったと推測される。

石室の屋根石や三方の壁石も、大きな自然石を積んで造られている。

しかし主体部の発掘調査が行われておらず、副葬品などが不明のため、古墳の時期や被葬者の性格などについては不明。

巨石を利用した横穴式石室の構造から、6世紀末から7世紀初めに築造されたと考えられるが、巨大な横穴式石室をもつ本古墳の被葬者は、広範な地域を治めた有力な豪族と推測されている。




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