<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



タダより高いものはない、と昔からよく言われているが、最近は料金が無料のものがやたら多い。

駅に置かれているフリーペーパー。
リクルートのR25だとか、大阪市営地下鉄の「ノッテオリテ」なんかがその代表格。

私が学生の頃、よく購入していた「日刊アルバイトニュース」のような求人雑誌も原則無料。
駅のスタンドで無料で置かれている。

無料といえばインターネットのサービスがやたら無料。
メールサービスにファイル転送サービス、地図にシティガイド、観光ガイド、オフィス系やグラフィック系のコンピュータソフトなどなど。
なんでもかんでも無料で、しかも機能はそこそこ持っているので侮れない。
さらに、お隣の無法国家中国となると、これに映画やテレビ、音楽などのダウンロードも無料となってくる。

おかげで地図の出版社は昭文社とゼンリン以外はほとんど姿を消したし、レコード会社は身売りが頻繁。
映画会社や出版社は「タダコピー」に神経を尖らせている。

クリス・アンダーソン著「フリーからお金を生み出す新戦略」を読むと、その「フリー」ビジネスのからくりがなんとなくわかってくる。
「なんとなく」というところがミソで、「なんでグーグルは儲かっているのか?」というようなソボクな疑問については、従来の価値観に縛られている私なんかには、なかなか分かりにくいのだ。

それでも、この本にはジレットの髭剃り用安全カミソリの普及キャンペーンから、食品の普及キャンペーンに「フリー」が使われていたことが書かれており、『フリー経済』の基本を学ぶにはぴったりかも知れない。

従来は「フリー」を展開して「稼ぐ」ためには、それなりの資本を有したようだが、インターネットの登場により比較的安価な資本で「フリー」というビジネス手段を利用出来るようになったのが今日の姿なのだろう。

その製品やサービスを100%提供するのではなく、そのうちの「実用的」「基本的」な部分を無料で提供することにより、フルスペックの「有料」を勝ちとることができる。

フリービジネスはかなりの知恵とマーケティング能力が必要な最先端ビジネスだと思ったのであった。

~「フリーから金を生みだす新戦略」クリス・アンダーソン著 NHK出版~

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