<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



題名を失念してしまったのだが少し前に大手広告代理店に務める人が書いた本を読んだ時、なるほどと思ったことがあった。
その本ではキャラクタービジネスに関することが主題で書かれていた。
とりわけサンリオのビジネスモデルが詳しく分析されていて興味を引かれた。
何がキーワードかというと「ブランディング」。
ブランディング構築がサンリオビジネスの主体であり、そのブランド力で彼らは多額の利益を生み出しているのだと。

なるほど、そう言われてみればキティちゃんはブランドの塊みたいなもので、絵だけではなく、その背景の物語や使われ方など十二分に計算されつくされた存在なんだな、と気がついた。
キティちゃんが単なるイラストではなく、それが製品にプラスされることで生み出される付加価値として精神的な信頼を得ることになる。

メーカーのブランド力についても同じで、名のあるメーカーとそうでないメーカーには消費者から見る信頼度に雲泥の違いある。
とりわけ新興国と先進国のメーカーとに向けられる違いだ。

先進国のメーカーは地道な努力を積み重ねてブランディング力を構築して製品の信頼性を獲得している。
自動車。
家電。
事務機。
小売業。
住宅。
などなど。
◯◯社だから大丈夫。
◯◯社は大好きなメーカーだから買っちゃおう。
となる。

一方、アジアの新興メーカーはブランド力が皆無で買い手の興味を喚起するには価格で勝負するしかない。
作ることは得意になったけど、いつまでたっても名無しなので一流品とみなしてくれないのだ。
だから自社ブランドで置いてくれるのはスーパーや量販店。
間違っても専門店やデパートでは扱ってもらえない。
しかも高価な製品は消費者もより神経質になって購入を控えるので、まず売れない。

ヒュンダイ自動車が日本から撤退してしまったのは日本人の半島嫌いが原因だけではない。
自動車という数百万もする製品に対するメーカーとしての信頼感がまったくなかったことも原因なのだ。
「トヨタとヒュンダイ。同じ値段ならどちらを買います?」
と訊かずともわかるもの。

家電だって同じこと。
サムソン、LGの製品がだんだよくなってもソニーやパナソニックのような信頼感はまったくない。
同じ値段なら、買うのはやっぱり後者のほうになる。

シャープがホンファイの融資を受け入れ傘下に入ることを決定した。
その支援額7000億。
支援額といえば聞こえは良いが、要はブランド代。

シャープの名前だけが、ホンファイの目のつけどころと言うわけだ。

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