<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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リモートワークが珍しくなくなった。
自宅でWEBを通じて仕事をする。
そんなライフスタイルが広がりつつある一方で、昔ながらの業務を続けている会社も少なくはない。

私が5年前まで勤務していた会社が人事異動をさせた。
相変わらずのトップダウンの思いつきで、
「君、東京な」
と行ったのは異動のたった1週間前。
こういう感覚はどこから発生するのか不明だが、社員にも家族があって地域の役割もある。
容易に自宅に戻れない遠方への異動は早めに告知するのがどこの会社でも当たり前。

結局、一族経営だとそういうことになってしまうのか、他人の社員は「モノ」扱いなのか。

それはともかく人事異動にかかる費用は少なくない。
「あなた東京、こちら大阪、そしてあなたは福岡ね」
ということであると引っ越しにかかる費用、現地の居住に要する費用、オフィスの費用、など半端ではない。
確かにその場所に行かないとなかなかできない仕事もあるかもしれないが、例えば出張で賄ったほうが安くつくケースも少なくない。

この事実はコロナ前から指摘する人が少なくなかったのだが、ビデオ会議システムを安価に使えば必要な業務の大半はこなすことができる業種は少なくない。
お客さんとの打ち合わせをWEBで済ませ、最終的に決済をもらう時にリアルに会う。
出向く側からすると膨大な資料を持ち運びする必要はないし、専門スタッフも使いやすくなる。
従ってお客さんの質問に対して即答できる可能性も上がる。

出張費用は少なくて済むし、仕事以外のライフタイムを有意義に使うことも可能だ。
仕事場はオフィスでもいいし、コワーキングスペース、自宅でもいい。

余ったエネルギーは別のことに利用することもできる。
家族と過ごす時間も増えるだろうし、趣味や学習、スポーツに熱を上げることも可能だ。

このようなライフスタイルを実現することの最大の障壁は会社と社員の信頼感のギャップだと私は考えている。
というのも自宅で仕事となると、
「アイツほんとに仕事してんのかよ」
というのが会社の目線になる。
営業成績が悪かったり、処理能力が低くなるとまっさきに疑われるのが「仕事していない」という勘ぐりだ。
最悪は、
「ライバル他社のために働いてるんじゃないか。ヤツは二重スパだ」
となるようなケースだ。

同族経営でトップダウンの性格が強い会社は特にそういう傾向がある。
社員を信頼できないのでしなくてもできるオフィス出勤を義務付ける。
社員も会社を信頼できなくなるので出社だけして仕事をしない。

安易な人事異動は「働き方イノベーション」の逆的性格を帯びているものだと思えてならない。
4月1日につらつらと考える日本の習慣なのである。


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