<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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最近のSAはよくできている。
昔みたいに「ちょっとマシなドライブイン」というような「ちゃち」なものではない。
ちょっとマシ程度なら一般道にある「道の駅」に勝てなくなってしまう。
仮にも有料で走る高速道路のSAである。
道の駅以上のクオリティが求められるのは当然だ。
御在所のSAは深夜ということもあって店は全部閉まっていたのだが、閉まっている店の中にはスターバックスカフェもあり、そのグレードの高さが伺えた。
ベビースターラーメンの特設ブースもデザインに凝っていた。
ここ浜松はどうなのだろう。

娘はすっかり自動車で居眠りをしていて、
「浜松に着いたで。ちょっと休憩に降りるかぁ?」
と訊いてみたが、
「ううううう……………、寝てる」
という。
仕方がないのでそのまま放っておいてかみさんと一緒に外に出たのであった。
娘が小学生か未就学児であれば問題であろうが、なんといっても大学1年生である。
一人車に取り残さたからといって泣き出したり、冬なので熱射にやられるということもないだろう。
ただ、この時は起こす私のセリフに問題があったことも確かだ。
このときに、
「浜松に着いたで。何か美味しいものを食べようか?」
と訊いていたらきっとすかさず起きていたに違いない。
なんといっても食に関する探究心は誰よりも強いのが我が娘の特徴だ。
いつも味覚への飽くことなき欲求が、成人式にはスマートな体型でいたいというダイエットへの義務感とぶつかり合っている今日このごろである。
食には悩ましい年代といえるのだろう。

ということで、娘をほっておいてカミさん二人だけでSAの中に入った。
そして私は驚いた。
浜松SAはさすが楽器の街、もっと言うとヤマハの街。
内装のあちらこちらに楽器をモチーフにしたタイルやサインが埋め込まれていて浜松の街の文化的高さをアピールしているのだ。
というか、ここはヤマハの街でっせ、ということを強く主張しているのだ。
当然のことのようにSAにも関わらずヤマハのショールームがあった。
生憎時間が早すぎるので営業はしていなかったのだが、ヤマハの各種製品を体験できたり、音楽に関する知識を吸収したりできるようになってたのだ。
音楽イベントも頻繁に開催されているらしく、生演奏の予定などが掲示されていた。
素晴らしい。

朝が早いこともありフードコートの飲食店で営業していたのは1軒だけ。
肉つけうどん&丼ぶりはまきた食堂であった。
腹が減っては戦ができない。
というか運転できない。
ともかくここで何かを買い求めて食べることにした。
メニューを見ると「遠州夢の夢ポーク」というのが最も美味そうなのだが数量限定で品切れとのこと。
こんな時間には無いのであろう。
少し残念に思いながらキノコとアサリのつけうどんを食べた。

ここのうどんは讃岐うどんのように太く腰があり、かといって讃岐うどんと違って少しばかり断面が角ばっている。
この形状のためか出汁の絡み方が非常によくアサリとキノコの美味しさも相まってなかなかイケるうどんであった。
ただ名古屋以東のうどんということもあるが出汁が少し関西人の私には塩っぱく感じられた。
しかしそれもまた関東に近づいているという実感として長距離ドライブの楽しみでもあった。

お腹を満たし外に出ると東の空が明るくなって周囲の景色も見え始めていた。
「浜松」と書かれた電飾入りのサインも消灯していた。
よくよく見るとSAの建物はグランドピアノを模していることわかった。
正面側面には鍵盤のデザインも入っていて、ホントにこのあたりは楽器の街なのだと感じた。

さて、休憩に時間を取りすぎてはいけない。
カミさんと二人、娘がぐっすり眠っている車に戻り東に向かって出発したのであった。

つづく

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