<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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先日、仕事で静岡県の沼津を訪れた。
最初、
「沼津って静岡から在来線で10分ぐらいのところですよね」
と同僚に言ったところ。
「焼津と間違えているよ」
と指摘された。
静岡県は滅多におとずれることがない、どちらかというと不案内なところだった。
この辺りの地理に詳しくないことを改めて自覚したのは言うまでもない。
いつもは新幹線でビュワーンと走り過ぎるか、上空を飛行機でビューンと飛び越えるエリアなのだ。
それでも初めて訪れる町というのは楽しみがある。
どんな駅だろうか。
駅前にはどんなお店があって、どんな人たちが行き来しているのだろう。
なにか名物はあるのかな。
と色々と想像するのが楽しい。
この楽しさを胸にして現地で降りると駅前に自宅の近くにもある大手チェーン店なんかがあると思いっきり興ざめになることは言うまでもないが、本題とは少々趣旨が違うのでその話はまたの機会に。

今回は前日に東京で仕事がある関係で大阪からではなく東京からの移動だった。
そこで経路を調べてみると東京駅から新幹線に乗って三島で降り、在来線で一駅移動するというのが一般的な経路のようだった。
三島というと当然のぞみ号は停車しないのでこだま号かひかり号ということになる。
どちらも本数が少ないという特長があるが、数ある列車旅行の中では最も趣きに欠けるという負の特徴がある新幹線だけに、何か他の経路はないものかと考えた。

関西人の私は関東の鉄道で長距離を移動する機会が少ない。
従っていっそのこと新宿から小田急に乗って小田原へ出て、そこからJRに乗り代えるのも良いと思った。
以前、町田駅で新宿へ行こうと電車を待っていたら小田急自慢の特急ロマンスカーが入ってきて、窓から見える車内の風景がなかなか良かったことが今も印象に残っていたのだ。
普段は南海電車に乗っている私が小田急のロマンスカーに乗る機会はまずない。
が、残念ながらこの案は却下。
いくらなんでも仕事での移動なので、あまりに趣き重視で移動は時間の無駄だし、遊びじゃないし、そもそもうちの東京事務所は馬喰町にあるため新宿まで出るのが面倒くさい。
そのままJRに乗ればすぐに東京駅だ。
わざわざ新宿線で30分もつぶすのはもったいない。

ということで選んだのがオーソドックスなJR東海道線の快速による移動なのであった。

まずは馬喰町から総武快速線に乗って東京駅に出た。
東京駅の地下駅から地上駅まで長いエスカレータに乗るのが面倒だったので品川で乗り換えるという選択肢を選びたかった。
でも乗った電車が東京止まりだったことに加えて、乗り継ぎのタイミングで東京駅での乗り換えになった。
乗り換え時間はわずか10分。
東京駅は広いく思いっきり立体的なため、総武快速線のホームから東海道線のホームまで人ごみをかけ分けながら10分で到着するのはなかなか体力がいる。
MacBookやHD、書類がわんさと入ったバッグも重い。
しかも東海道線のホームに到着すると伊豆方面に向かう特急列車を待つ乗客と東海道線の快速に乗るのを待っている乗客がそこここに溢れていて、昼時なのにまるでラッシュアワーの情景なのであった。

正直、新幹線にすべきなのか一瞬迷った。
これでは座れないかも知れない。

新幹線なら指定席券を買っても会社経費で落とすことができるのだ。
快速に乗って「グリーン車」なんて選択肢もあるかも知れないが在来線の快速の指定席券に会社がお目こぼしをしてくれるかどうか、ケチなのを知っているだけに、はなはだ疑問なのであった。

どこへ乗ろうかとうろちょろしている間に、電車が入線してきた。
最近東海道線は常磐線や東北本線と繋がってしまい、快速電車が東京始発ではなくなってしまっていたことも、この瞬間に気づいたのであった。
「う~上野ぐらいから乗ったら座れたかも知れない」
とつまらん後悔をしていると扉が開いて乗り降りが始まった。
私も乗って座席を確保しなければ、この混雑だと横浜、あるいは藤沢あたりまで、いやいや最悪小田原まですわれないかも知れない。

そんな心配をしていたらドアの横の二人掛けの椅子に空きができた。
乗っていた乗客の一人が降りる準備をもたもたしていたのだが、それが幸いして私の乗車とタイミングがぴったりとあった。

私は窓の見える向い合わせの席ではないが、ともかく座ることができて安堵をついた。
その瞬間、列車はドアを閉めて走り始めたのであった。

つづく


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