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島田紳助が暴力団と深いつながりを持っていたことを理由に吉本興業を退社。
タレント人生にピリオドを打った事件はこの夏最大の話題だった。

反社会組織とのつながりというのは、それだけ人々から蔑まれ行為で、だからその人がパブリックに現れるのは好ましくない、ということで社会の表から消されていく。
紳助の場合は付き合っていたのが組の親分でも、本人は暴力団でも最下層のチンピラのような役割を果たしていたようで、その部分がかなり情けない。
空港で声をかけられた若者に凄んでみたり、女性マネージャーに大怪我するような暴力を振るったり、新聞沙汰は少なくなかった。
また、普段でもテレビ番組でも若手芸人に意味不明な挑発や乱暴をはたらいたり、暴言を吐いていたのは誰もが見ていて、「紳助、何様?」という印象を持たれていたことも、これまた確か。
だからテレビから消えても、ほとんど視聴率に影響が出ない。
そもそも暴力団が悪いと言うよりも、暴力団のダークサイドなパワーを背景に威張っていたのが情けないのだ。

その社会の嫌われ者、ダークサイドな暴力団の最大組織、山口組が先の東日本に震災や16年前の阪神大震災で大活躍したことは週刊誌や口づての情報で有名だ。

阪神大震災の時は親分自らが陣頭指揮に立って子分を大量動員。
大規模な炊き出しをして無料で市民に配布。
今回の東日本大震災でも関西や関東からトラックで被災地の避難所へ乗り付け「ボランティアです」と炊き出しをして批難している人たちに無料で食料を振舞った。
どうみても「その筋」の人たちなのに「ボランティア」というのはどこか滑稽だが、これがもしかすると日本の任侠の海外とは違う「正義」なのかもわからない。
先の阪神大震災の時は、それを海外メディアが報道した。

週刊新潮にコラムを連載している高山正之。
この人のコラムは毎回痛烈で面白いのだが、その内容に共通するのは日本人の価値観は外国人のそれとは大きくことなること。
往年の竹村健一と異なるのは、それは日本の方が正しく、外国のほうが「人々にとって」少しくおかしいというということだ。
しかも外国の、とりわけ米国や中国は平気でウソを付くということが述べられている。

あのハーバード大学のマイケル・サンデル先生はハリケーン・カトリーナで大規模な被害を受けた地域で、よろずやが価格を何倍にも釣り上げて被災市民に生活品を売りつけようとしたことを当然のことのように「どう思う?」と学生に訴えかけている。
価格を上げるのは当然だと思うけど、どう?という感覚だ。

これ、日本人からすると「ヤクザにもほどがある」ということになり、正義ではない。
先述したように災害時の日本では「ヤクザ」も無償で奉仕する。
そういう時にはヤクザの団結力は市民にとって非常に頼りになる存在になる。

「苦しいのはお互い様ですから」と2000円相当の食品を600円で販売した宮城県だったか福島県のスーパーがあるのも日本ならでは。
一般市民も奉仕なら、ヤクザも奉仕。
自衛隊、消防隊、警察に至っては命をはってまで奉仕する。
それが日本。

そういう「日本」が変な国だと報道する朝日新聞や海外勢力に断固とした主張を自身のコラムで展開する。
高山正之著「サンデルよ、『正義』を教えよう」(新潮社刊)。
今回もまた、一気に読んでしまった痛快コラム集なのであった。

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