<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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ロシアへ隕石が落ちきた。
こんな騒ぎが起こるのを予想して読んでいたわけではないのだが、あまりもタイムリーなのでビックリしていた一冊がフロリン・ディアク著「科学は大災害を予測できるか」(文春文庫)。
地震、雷、火事、親父、ではないが、人類社会の大きな脅威である大災害について、その発生を現代の科学は予測できるかどうか、といったことをわかりやすく、かつアカデミックに紹介しているのが本書である。

地震の発生は予測できるのか。
津波の前兆は。
株価暴落はなぜ発生する?
パンデミックに備えるには。

といった大規模災害について数学者の立場から解説しているのが面白い。

それにしても「隕石」の地球への衝突が本書を読んでいる時に発生するとは思わなかった。
しかも「小惑星」が地球の人工衛星の軌道内を通過するという天体イベントもあって小天体の地球への衝突による大災害についてはとりわけ大きな興味を持って読むことになった。

今回ロシアに落下した隕石は直径17メートルで重量は1万トン。
高度30kmで炸裂したその破壊エネルギーは広島原爆の何十倍にも達したという。
こういう天体は100年1度の割合でやってくるというのだが、今回がそうであったように、現在の科学技術をもってしても、この程度の大きさの隕石は事前にその存在をキャッチしておくことはできないのだという。
大きさが直径100mだとか、500メートルという映画に出てくるようなサイズでないと見つけることが難しいのだという。

3.11の地震で発生した津波は高い所で40メートルに達したというのだ、もし小惑星や大型の隕石が落下したらこんなもので済まない。
高さ200メートルの津波さえ発生する可能性があるのだという。
しかもそのインパクトは強烈で、隕石や小惑星の直径の20倍のクレーターができるんだそうだ。
地球上で見つかっている最大のクレーターはベネズエラにある直径300kmのクレータ。
大阪に落ちるとクレーターが名古屋から岡山まで出来てしまう。
破壊の衝撃は凄まじく、多分東アジアは全滅するだろう。

幸いにも今の技術を持ってすればこういう大きな小惑星や隕石は地球への軌道から外す方法もあるようなのだが、いかにせん未だ実施したことがないので不安ではある。
映画のように核兵器で破壊すると細かくなった破片が長時間にわって地球上の都市を襲い続ける可能性もあるので、現実的ではないという。

ともかく、隕石に津波に、地震、天候、台風などなど。
あらゆるものはカオスの要素を含んでいて「予測は不可能」と主張する学者のいる分野で、なかなか難しい学問ではあるのだ。

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