<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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先日何気なく実家でNHKテレビを見ていると、
「伝七捕物帳」
の予告編が流れた。
伝七捕物帳.....?
なんじゃそれ?今どき。

むかしむかし。
高校から帰ると夕方はテレビの再放送タイムだった。
帰宅後開口一番、
「おなかへった、なにかない?」
と私。
「今作ってるから、腹減った腹減ったって言えへんの!男やろ!」
と言うおふくろが家事をしながら見ていたのが伝七捕物帳。

主演は中村梅之助なのであった。
「遠山の金さんやん」
と私が言うと、本当に伝七捕物帳には中村梅之助が一人二役で金さんを演じていたのであった。
なんとも不思議なドラマなのだったが、当時の私は時代劇にはさほど興味はなくこのドラマの場合は「お決まりのエンディング」だけが楽しみなのであった。

そして時間は流れた。

35年の歳月が経過して民放からNHKへ。
NHKで時代劇「伝七捕物帳」を見る時代がやってきたのだ。
しかも新作。
新作とはいえ、放送開始から時間が経過していたことと自宅ではテレビ放送を見る環境が無いのでユーチューブで「伝七捕物帳」を鑑賞することになった。
これがかなり良かったのだ。

主演は中村梅雀。
声が梅之助とまったく同じ。
画面を見ずに音だけ聞いていると梅之助版の新作ではないかと勘違いするほどよく似ている。
遠山の金さんは新さんなのであった。
つまり徳田新之助こと暴れん坊松平健が演じていたのであった。
松平健は朝日放送の番組で遠山金四郎を演じたことがあるそうで、これまたマニアにはたまらないものがある。
伝七の女房がこれまた良い。
田中美佐子。
私はファンというほどではないが田中美佐子はお気に入りの女優さんである。
若いころからあの笑顔には私をホッとさせるところがあるのだ。

ストーリーといい雰囲気といい、梅雀の父中村梅之助版に勝るとも劣らない出来の時代劇だった。
横で一緒に見ていたカミさんも食い入るようにパソコン画面を見つめつつ、最後は涙。
まるで吉右衛門版鬼平犯科帳の感動物を見ているような雰囲気に包まれたのであった。

ただひとつ。
文句を付けたいところがある。
というのがエンディングの歌。
ももいろクローバーが歌うアイドル歌謡が時代劇のそれとマッチせず、強烈な違和感を感じた。
現代少女アイドルグループによくある下手さ加減といい、時代劇とは思えない調べの音楽といい、なぜこのグループでこの歌なのか大いに疑問になった。
「なんなん、これ?」
と鼻をすすりながら泣いていたカミさんも歌が始まると怪訝な顔をして疑問符いっぱい。
最後のところが昔の伝七捕物帳と大きく違ったところなのであった。

とは言え、製作を見ると今回のシリーズはNHKの単独製作ではなく、かつて民放で放送していたユニオン映画も加わっていた。
なるほど、昔の雰囲気を持ちながら梅雀を起用することで昔のファンと新しいファンの両方を魅了する。
脇もベテラン俳優陣でしっかり固めて、その出来栄えは大河ドラマ以上といったところか。

今年で中村吉右衛門版鬼平犯科帳が製作を終了する。
これは本格時代劇が無くなってしまう危機だなと思っていたら、意外な新シリーズの登場で今後の展開が楽しみになってくる時代劇ドラマなのであった。

ということで、ここで〆ねば。
よよよい、よよよい、よよよいな、めでてーな。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (ダル)
2016-08-22 10:03:17
白鳳、丹波哲郎、萬や錦の介、吉衛門、夫は、萬や錦の介、私は吉衛門が好きなんだけど、最近吉衛門はじめ奥方から、おまさや密偵、同心など顔触れがあまりに歳とっちゃって…。白鳳の鬼平が構成ふくめて好きです。中村梅之助と梅雀はそっくりよね。ファンというほどではないけれど(^-^)好きな俳優ですね。
 
 
 
次は誰が鬼平を (監督@とりがら管理人)
2016-08-24 07:44:19
こんにちわ、ダルさん。
鬼平こと長谷川平蔵は49才で他界しているので吉右衛門としてはリアルな人物との年齢差も考慮して演じ続けることに無理があると言ってるようです。
もちろん、江戸家猫八、高橋悦史、蟹江敬三など「この俳優さんでなければ」という人たちも鬼籍に入ってどうしようもありません。
ひとつの時代シリーズの終わりで寂しいですね。
もともと鬼平は先代幸四郎をモデルに池波正太郎が書いたものなので最初のシリーズも良かったかもしれませんね。
 
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