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ともかくミラーレス一眼レフというカメラは様々な弱点を抱えていたのであった。

例えば、ピント合わせ。

ニコンのデジタル一眼レフだと「樹の枝の先で今まさに咲こうとしている花の蕾」を撮ろうとしてレンズを向けるとオートフォーカスは難なくその蕾にピントを合わせる。
ところがミラーレス一眼のカメラは、そのような空中に浮かんでいる「点」のようなものにピントを合わせるのは極めて不得意と見えて、背景にばかりピントを合わせ、なかなか取りたいものをハッキリとさせることができない。
「ウィンウィン、ウィンウィン」
カメラのオートフォーカスレンズは、そんな音をしきりに立てるのだが、結局は背景へのピント合わせで妥協しようとするのだ。
ソニーのミラーレスデジタル一眼の場合は、液晶画面にタッチすると、そこにピントを合わせる機能が組み込まれていた。
だが、なんど蕾を触ってもピントが合うことはなかった。
ピントは背景に合ってしまうのであった。

オートフォーカスのカメラでピントをあわせるのが辛い場合、私はレンズのメモリを見ながら目測でレンズの焦点距離を合わせるようにしていた。
ところがミラーレス一眼はそんなことも不可能にしていた。
最新のレンズには距離のメモリがなかったのだ。
おまけにマニュアルのピント合わせなどほとんどできない構造になっていて、ズームまで電動なのであった。

マニュアルこそプロの証みたいにおもっているわたしのような人間には、かなり違和感を覚えさせる仕組みだった。

そんなこんなで一番困ったのは祭りの撮影で、速攻で構図を決め、フォーカスを併せて何枚も連写しなければならない祭りの写真ではミラーレス一眼はほとんど使い物にならなかった。
画質がいいにも関わらず、コンデジに近いため仕方がない、と私には諦めることができなかった。

なんといっても、ソニーのαシリーズは私の愛機。ミノルタのαシリーズの後継者。
ミノルタのカメラを使っていて困ったことなどなかったので、当然ソニーのカメラで困るようなことがあって困るのであった。

そうだ、ファンダーのついているミラーレス一眼なら大丈夫かも。

ということで、一年間、あれやこれやと待っていたらα6000という機種が発売された。
ソニーのデジタル一眼としては中級にランクされるモデルなんだそうだが、フォーカス合わせに自信をもっていて、その速度世界最高速。
ホンマかいな、と梅田のカメラ量販店へ出かけて実機を手に取りチェックしてみた。

まずはファインダーを覗く。
なんか違和感がある。
ファインダーというのはビデオカメラを除いて光学式ファインダーしか見たことのなかった私にはテレビの画面のようなファインダーには若干違和感を感じた。
しかし、ソニーのカメラはミノルタの後継者であると同時に、ソニーが世界最高のビデオカメラのメーカーであることも思い出し、納得することにした。
で、ピント合わせ。
そこここにレンズを向けてシャッターを半押しにする。
すると驚いたことにミラーレスカメラにも関わらず、合わせたい部分にピタッと瞬時に合わせるではないか。

問題の蕾へのピント合わせのような、空間に浮かぶ小さな点についても、問題なくピタッとわせる。

レンズは昨年購入したファインダーのないミラーレスと同じものがついていたので、目測でのマニュアルピント合わせは不可能だが、これだけピッタリとピントが合うと実用面で問題はなさそうであった。

問題は価格なのであった。

セットで10万円近くする価格は、最近ピーピー鳴いている私の懐には少々厳しいものがあった。

で待つこと半年。
どんなカメラでも最近は半年経つと次のモデルへの布石なのか、価格が下がる。
ソニーのカメラとて同じなのであった。
ということで価格が7万円を切ったところで購入を決断。
半分を蓄積したANAのマイレージをポイントを使用し、残りの半分を営業成績良しとして決算時に会社から頂戴した報奨金を充てて、購入したのであった。
従って、こせこせ貯めている貯金やヘソクリにはまったく手をつけずに購入したのであった。

実際にα6000を使ってみると、かなり実用的であった。
サイズが小さく携帯に便利なのはミラーレスならでは。
ファインダーがビデオカメラのファインダーみたいなので、スイッチをONにしないと何も見えないのが少々辛いが、ピント合わせは速攻で、ほとんど問題はない。
早速、頼まれ撮影のだんじり出陣イベントに呼ばれてニコンのサブ機として使ってみたが、激走するだんじりをフォーカスはまったく外さず、追従するのには驚いた。
もしかするとニコンのデジタル一眼レフよりもファーカスは優れているのかもわからない、とさえ思ったのであった。

問題は多機能すぎることで、メニューを押すとマニュアルを読まない私には意味不明の言葉や機能がわんさか出てきて、
「さすが、ガラパゴス携帯のメーカー、ソニーのデジタルカメラ」
と訳の分からない納得をするのであった。
で、今後の問題はニコンのような至れり尽くせりのサポート態勢があるのかどうか、と、VAIOを切り捨てるような経営状態のソニーそのものが、会社として保つかどうかなのである。

次はマイルを貯めて、ソニーのレンズを買うか、ミノルタマウントとのアダプターを買おうと思った私なのであった。

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