<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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私はKBS京都で放送されていたテレビシリーズ「ハッピーデイズ」の頃からロン・ハワードのファンである。
しかしもはやハワードが米国製青春ドラマの人気俳優であったことを知っている映画ファンは少ないのではないか。

「え、ロン・ハワードって俳優だったの。あのはげ頭で?」

とビックリされるかも分からない。
でも私たち60年代70年代生まれにとっては、監督という存在だけではない。
で、どういう存在であったかというと、現在の青春ものにおけるザック・エフロンのような位置にあったのだと思う。
但しロン・ハワードの役柄は歌う高校生ではなく、超真面目な3人兄弟の真ん中で1960年代を代表する普通の高校生なのであった。

そのロン・ハワードは1977年作の「バニシング・イン・ターボ」以来、その映画人生のほとんどを監督業に捧げている。
そして映画監督としての業績は、もしかするとスピルバーグに匹敵するぐらい小さくない。
なんといっても駄作がまったくないのだ。
ほとんど全ての作品が面白く、斬新で、スリリングで人々の心を打つ傑作ぞろいなのだ。

私は「アポロ13」と「シンデレラマン」が最もお気に入りなのだ。
これら2作品を見ると勇気が湧いてくる。
生きる喜びが溢れてくる。
そんな映画なのだ。

そのロン・ハワードの最新作「天使と悪魔」は前々作の「ダ・ビンチ・コード」と同じシリーズということで、公開前から非常に楽しみにしていた。
トム・ハンクス扮するラングトン教授がまたまた謎の事件の解明に奮闘するというサスペンスで、ロン・ハワードによるアップテンポだが繊細な作りのドラマは大いに楽しめるものであった。

あえて欠点を上げるとするならば、やはりキリスト教徒ではない私たち多くの日本人にとっては「ダ・ビンチ・コード」同様、ドラマの根底に流れるものを理解することが難しかったということ。
なんといってもキリスト教の裏事情は興味あるもののやはり、そこは仏教という異教徒であるため、「それがどうしたの」という部分も理解できないので少なくなかったということ。
そして、殺人の描写がかなりリアルで、かつ、残酷であったことから、思わずスクリーンから目を逸らしそうになるほどなシーンが少なくなかったことであろう。
とは言え、ロンの演出、トムの演技、そしてユアン・マクレガーのベン・ケノービとは違った宗教的な魅力が相まって、2時間半のものすごく長い上映時間があっという間に過ぎ去った。そんなふうに感じることのできる「ちょっと怖い」娯楽作品なのであった。

ところで、ザック・エフロンが70年代のロン・ハワードの位置にいるからといっても、将来彼がハゲになる、かもという心配があるかどうかは不明です。
ハイ。

~「天使と悪魔」2009年作 ソニーピクチャーズ配給~

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