<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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沢木耕太郎の著書のあとがきだったかインタビュー集だったか、どの本でで読んだのか忘れてしまったのだが、そこにはアンドレカンドレ、もとい井上陽水の旅に関するエピソードが紹介されていた。
井上陽水は海外旅行をする時に、思い立った時に簡単な手荷物だけを持って成田空港へ行き、そこで行き先を決めて航空券を購入するのだという。
空港で購入する航空券はフル価格のチケット。
私のような一般人にはまねの出来ない芸当。
まるでJRでお買い物に出かけるような感じで海外へ出かける井上陽水の旅スタイルに多いに驚き羨ましく思ったのであった。

あれから幾年月。

ついに私たち一般人にも井上陽水のように空港へ行き、「乗ってみたいな、今すぐに」という感じでヒコーキに乗ってどこかに出かける時代が訪れていたのだ。
正直、そんなことにはちっとも気がつかなかったのだ。

先日、現在の旅行業に関するセミナーを受講した。
別に私が旅行業に従事しているわけではなく、私は研究設備関連産業に従事しているので旅行業は関係ないが、一般人を対象にしたそのセミナーが大いに気になっていて参加した講座なのであった。
正直、私は自分の生業より旅が好きなのだ。
そこで、講師の先生が驚くべきことを教えてくれたのであった。
一昨年からサービスを開始したピーチエアに代表されるLCCの効果で、関西空港の利用率が飛躍的に高まっているのだという。
関空での利用比率はANAが8%、JALが8%に対し、LCCはなんと12.5%を超えるのだと言う。
しかもこの比率はますます増加していて、関西空港利用者が開港以来最大になり、2015年には600万人を超える予測が出ているという。
この乗客増加効果は、単にLCCの便数が増えるだけにとどまらず、他のエアラインも多数引き込む効果を生んでおり、周辺の大阪空港とのコラボも相まって理想的な展開になっているのだという。
どこぞの門限あり国際空港と違って関空は24時間いつでもオープンなので、LCCにとってはベストな環境なのだ。

ここで注目すべきは利用者側のスタイルで、もはや関空~沖縄、関空~札幌が往復で20000円以下なので、空港に着いてから「あ、乗ってみたい」感覚で利用する人が増えているのだという。

「いや~、関空に遊びにきたら孫の顔が見たくなって、その場でチケット買って行ってきました」

という感じだ。

もはやLCCは鉄道よりも遥かに安く、遥かに早い。
それでいて快適で、まるで乗り合いバスを利用するような感覚でヒコーキを利用できる。

関空からのトレンドは飛行機の乗り方文化の劇的変化をもたらしているようだ。

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