<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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「猛スピードで走るんやけど、ウンワウンワもの凄い揺れてちょっと怖かった〜」
と言ったのは久しぶりに南海電車の特急に乗ったカミさんであった。

この日。
出勤からの帰りにいつも乗っているJR大阪環状線で人身事故が発生。
これに伴い、同線を走っているJR阪和線と大和路線も大きく影響を受けることになり運転再開まで1時間以上かかるという。
そんなこんななのでカミさんは振替輸送の南海電車で帰宅してきたのだが、乗った南海の和歌山行の特急が早いのはいいけれど、すっごく揺れるのでいささか怖かったという訳なのだった。

ということはいつもの乗っているJR阪和線の方が乗り心地がいいのか?
というと、良いという結論になってしまう。

これは関西空港開港以前には考えられなかった現象なのであった。

というのも昭和時代終盤から平成のはじめまではJR阪和線といえばオンボロ電車オンパレードな様相で、とりわけ私の子供時代は首都圏で不要になった車両の引き取り先みたいな存在になっていたのだ。
京浜東北線で走っていたブルーの103系。
どこで走っていのかわからないような垂直な座席の113系。
さらに昭和60年を迎えるころまでは横須賀色の70系などが、ワンワンとモータ音を轟かせながら走っていたのだ。

JR阪和線は全国でも最も混雑する路線の一つで、ラッシュ時は地下鉄にも顔負けしない頻度で走っている。
デイタイムも10分以内に次の電車がやってくるのだ。
こんな路線でボロ電車なので、
「何でだろう」
と思っていた。

それと引き換えに南海電車は関西大手私鉄の一つであり、プロ野球球団南海ホークスの親会社であり、日本で最も歴史の長い私鉄でもある貫禄が、車両の美しさ、乗り心地に反映されていた。
これは生活スタイルにも影響していた。
例えば南海電車でなんばへ買い物に出かけるのと、国鉄阪和線で天王寺へ買い物に出かけるのは、自宅近くの最寄り駅で電車に乗るときから雰囲気が異なっていた。
これは阪神地区でJR沿線、阪急沿線、阪神沿線で雰囲気が異なるのに似ていなくもなかった。

それが国鉄の民営化で首都圏とは異なる会社になったことと、日本で唯一だった24時間空港の関西空港の開港で大きく変異。

阪和線には次々とステンレス車両の最新型223系、225系が導入された。
コロナ前についに全車両が最新型に入れ替わった。
しかもこれまですべての電車が天王寺止まりだったのが、環状線に乗り入れるようになり快速は大阪梅田まで。
特急は京都や草津まで走るよになった。

気がつくと自社球団も手放し、沿線人口減も関西大手私鉄で最も大きな南海電車は車両がすっかりお年を召してしまい、すべての列車がなんばまでの南海とアーバンネットワークのJRの立場が逆転してしまっていたのだ。

はてさて、これからどうなっていくのか?

大阪南部の電車の乗り心地はちょっとばかし注目していたいポイントでもある。


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