<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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誰も言わないけど前作の「舞い上がれ」の出来がひどかっただけに、NHK朝ドラ「らんまん」はその逆落差が面白い。
私は今度のは毎回NHKプラスで鑑賞しているのだ。

そもそも朝ドラは現代を舞台にしないほうが面白いものが多い。
イメージが広がるからかも知れないし、いやに現実味を感じてシラケることも少ない。
時代が異なると作る側にはある程度の創作の余裕が生まれ、見る側にはファンタジーとしての映像の魅力を無理なく感じさせることのできる膨らみが生まれるのだ。

それとちゃんとした方言を話せない役者がいるドラマは見るも無残。
その他の地方の人は楽しめるかもしれないが、当該地方に住む人には違和感ありありになってしまう。
「舞いあがれ」の大阪弁は悲惨なのであった。

そこんところからすると今回の「らんまん」はなかなか上手いスタートを用意していた。
土佐弁の達者な高知市出身の広末涼子を母親役に据えて、度々CMなどで口にしていた彼女の自然な高知弁が視聴者が持つかもしれないドラマに対する言葉の不自然さ払拭。
しかも歴史ファンタジーとしては坂本龍馬を登場させ、それを五代友厚役者であるディーンフジオカに演じさせたことだ。
このスターの起用と方言の自然さ、ファンタジーで一気にドラマの世界を魅力あるものにした。

すでに放送が始まって1ヶ月半。
主人公も普通ではない個性に魅力があってシリアスではなく、どこかコメディの要素があることも全体に雰囲気が明るくなっているのが、これまたいい。
実際の主人公はこの先すぐに実家の破産や東大での研究妨害などに遭遇するはずだが、今の明るさでどう展開していくのか。

ちょっとした毎日のささやかな楽しみではあるのだ。




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