<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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落語の「口入屋」の後半。
入社したばかりの女中さんの寝室に忍び入ろう従業員一同が繰り広げる夜這い騒動がクライマックス。
番頭、手代から丁稚まであれやこれやと戦略を練りながらお店の中で悪戦苦闘。
結局女中部屋に潜入することに成功したものは誰もおらず、どうしようもない状態になっているところを御寮さんに見つかってしまう。
という私も好きな噺の一つだ。

時代は江戸の終わりか明治の始め。

この噺からわかるのはこの頃は会社の従業員は住み込みで働くことが多かった。
だから大阪船場に残る重要文化財級の商家には奉公人の部屋がちゃんとあって家族同然に扱われた。
今放送中のNHK朝ドラでも主人公のちよちゃんは道頓堀の芝居茶屋で住み込みで働いている。

これが大きく変わり始めるのが、やはり明治大正期から昭和初期。
多くの働き手が自分の家から通うようになった。
東京、大阪では電車やバスで通勤する姿が当たり前になり、住み込みという人はほとんどいなくなった。
近いもので寮に住むというものがあるが、住み込みとは大きく異なる。

これがさらに変わりつつあるのが今現在。
コロナ禍の影響と通信技術の飛躍的進化もあって自宅で業務をこなす人が数多く現れた。
かくいう私も自宅を事務所として働いている。
尤もフリーランスのコントラクターなので自宅で働くのは珍しくないのだが、お客さんや研究開発担当者と話すのはWEB会議が多く、リアルで会うのは顔を合わせないと話にならない時がほとんど。

このように江戸時代から対象にかけての住み込み形態の勤務状態を第一次働き方革命といえば、通勤は第二次革命。
そして在宅勤務は第三次革命だ。

働き方を変えよう、と言っても会社の都合というか経営者の頭が急激に変わることができないので、コロナが始まるまで掛け声だけだったのが現実になった。

働き方の第三次革命はコロナで形になりつつあるということも、たぶん10年後には謂われるようになるんだろうな。



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