<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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いしいひさいちの漫画「バイト君」の舞台。
東淀川大学周辺では下宿先の中野荘をはじめとするユニークな施設が点在する。
中でも貧乏学生の強い味方が、
「賞味期限切れ食品専門店」
全てがわけあり食品で構成されており、いつも大バーゲン。
賞味期限なんてまったく気にしない学生に大人気のお店だ。

もちろん、それは架空のお店。
バイト君ブックスでその4コマまんがを読んだ時はその発想にびっくりするよりも関心してしまったのだ。

そもそも賞味期限だとか消費期限だとかを設けること自体。
なんだか非生産的かつ余計なお世話という感じがしてならないのだ。
その食品が腐っていようがいまいが、食べるものの責任と勝手ではないかとつくづく思う。

コンビニ経営をしていて乗りこるためのひとつの壁が、
「食品を簡単に捨てることができる根性を持っていること」
だそうで、コンビニの厳格な賞味期限管理を順守して、まだ誰も手を付けていない綺麗な弁当を賞味期限のラベルのために生ごみとして処分できる、そんな「無神経さ」が必要なんだそうだ。

この訳あり食品を本当に販売していた愛知県の業者が捕まった。
カレーチェーンCoCo壱番屋で不良となった異物混入カツを廃棄物として引き取り安価で販売。
「誰も腹壊したやつぁおらんだぎゃ」
と言ったかどうかは知らないけれども、ともかく罪の意識はまったくないらしく、3年ほど前から常習的にやっていたようだ。
処分を頼んだカレーチェーンも気の毒な限り。
変な勘ぐりをされてもこまるところで、こうなると誰を信じていいものか。
実際にゴミ処理場で捨てるところを確認するまで安心していることもできやしないのだ。
しかも調べれば引き取り食材はココイチだけではなく、コンビニやその他外食のものもあったのだという。

漫画の世界がリアルになる。
21世紀の日本は鉄腕アトムは実現しなかったが、期限きれ食品店は実現したというわけだ。
犯罪だけど。

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