<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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これまで東北地方というと関西に住んでいる私からすると、非常に遠いなかなか訪れる機会の少ないところなのであった。
平泉を訪れたい、松島を見てみたい、藤沢周平の小説の舞台を訪れたい、と思ってもなかなか訪れる機会はやってこなかったのだ。
最も大きな問題は交通費であった。
大阪から東北地方への移動にはどうしても片道3万円近く必要で、これは大阪からシンガポールやバンコクへの費用に匹敵し、近年ではニューヨークまでの費用とあまり変わらなくなってしまっていたのであった。
ホントになんだかへんてこりんな国内海外交通費の逆転現象なのであった。

その東北が距離的に近くなったのはつい最近LLCピーチエアが仙台に飛び始めてからだ。
仙台までであれば大阪から片道最安で5000円程度で訪れることが可能になった。
これは劇的なことで、5000円といえば大阪から名古屋か岡山までの運賃でその6倍以上の距離がある仙台まで移動することができるようになったのだ。

私も事情に変化が生じてきた。
東北大学に関係先ができたため仙台までだが仕事でへ出かける機会が増えてきたのだ。
仕事となれば別にLCCを利用しなくても構わない。だから片道30000円払って移動しても会社経費なので私の懐は傷まない。
しかしANAやJALは伊丹空港からの便しかなく、関空から30分ほどのところに自宅のある私には関空からの移動が断然楽なのでLCCを使っているのだ。

その東北でも仙台よりも遥か北。
先々週、岩手県盛岡市を初めて訪れてきたのだ。
もちろん仕事で訪れてきたのだ。
しかも飛行機ではなく新幹線で訪れてきたのだ。
理由は簡単。
前日に東京で打ち合わせがあり、新幹線での移動が適切だからなのであった。

朝、少し時間が合ったので宿泊した浅草のホテルから上野駅まで歩くことにした。
街歩きは面白いので好きなのだが、東京の朝を歩くには久しぶりだったのでより楽しく歩くことができた。
背にスカイツリー。
土曜日ということもあって主要道路も交通量は少なめ。
台東区内には昔の建物、とりわけ民家がいくつも残っていて実に面白い。
昔のテレビドラマに登場したような木造2階建ての民家がポツポツ残っているのだ。
しかも下町であるために生活感があり、ビジネス、ショッピングやエンタテイメントエリアばかりの東京のイメージが急に親しみを持ち始める。
開店準備をしている商店街の豆腐屋さん。
参拝者がちらほら見えるお宮さん。
祭りの張り紙。
弁当屋の調理するゆけむり。
などなど。
朝の活気が実に楽しい。

1時間も歩くと上野駅のエリアに辿り着いた。
これから山手線か京浜東北線で東京駅へ出なければならない。

今回の盛岡行きで最もびっくりしたのは東北新幹線はやぶさ号のほとんどは上野駅を通過してしまうということなのであった。
私は浅草エリアを東京滞在時の定宿にしているため上野駅が最寄りで便利なのだが、大阪駅ではやぶさの指定券を購入する時に、
「はやぶさは上野駅からはのれませんね」
と言われたので、
「JR東日本の切符買うんやったら東京で買ってくれる?」
というJR西日本の意地悪かとおもったのだが、そうではなく、はやぶさは上野駅を通過するのであった。
これはある意味衝撃的であった。

上野駅といえば東京の北の玄関口。
子供の頃に写真を見ながら乗ってみたいなとと思っていた特急はつかりの始発駅なのだ。
その上野駅をはやぶさは通過しています。
これは東海道新幹線にのぞみ号が走り始めた時に京都を出ると名古屋を通過して東京までノンストップだったことに匹敵する衝撃度なのであった。

で、私は大宮まで在来線で行くのは面倒なので東京駅まで戻って新幹線に乗るルートを選んだのであった。

つづく

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