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関西空港の利用客がついに日本人よりも外国人のほうが多くなったのは昨年秋。
大阪は今、外国人、とりわけ中国人や韓国人が大挙して訪れている。
来てくれなくてもいいのに。
日本が嫌いなはずの彼らがどうしてこんなにも大勢押し掛けてくるのか大いに疑問だが、少なからぬ額で日本の消費に貢献しているとなると商売の上では無視することはできない。
しかし、

「心斎橋筋歩いていたら、聞こえてくるのは中国語ばかりですな」

という意見が多いのも事実。
関西人のデカい声も中国人のそれに比べると蚊の鳴くような声なのかもしれない。
ピーナッツの出し方ひとつで怒る方も頭がどうかしているとしか思えないし、それを裁判沙汰にして刑務所へ放り込んでしまう世論やそれに動かされる裁判所もどうかしている。
そういうどうかしている韓国人が観光客としてやってくるからには、将来彼らの子供のような倫理に苦労することになるんじゃないかと考えると、この外国人観光客ブームにはいささか危険性が含まれていないとも言えないのだ。

ところで、関西空港から大阪市内までの交通手段と言えば鉄道またはバス、または船がある。
もっとも船は神戸からの便しかないので、これは特殊な例といえる。
バスは交通渋滞に巻き込まれ易いので市内への移動にはこれも向かない。
やはり主力は南海とJRの鉄道だ。

この南海とJRの戦いは関空開港以来続いている。
南海は難波までの所要時間がJRに比べると短いのが特長で、少なからずそれを売りにしている。
一方、JRは大阪を飛び越え京都まで直通している特急列車を中心にその旧国鉄の利便性をいかんなく発揮して奮闘している。
どちらも当時は新型車両を投入して乗客獲得合戦に情熱を燃やしているのだ。

で、どちらが勝ったか負けたかは知らないが、どちらが外国人に親切で、親切でないかはなんとなく見えてくる。

南海電車の車内アナウンスは有料の特急ラピートはともかく急行電車では日本語のみ。
英語はない。
従って日本語の判らない外国人にとって南海電車は乗ってしまうと、終点の難波まで不安が渦巻く環境になる。
何処に向かっているのか疑わしいし、途中の駅がどこなのかも正直わからない。
ここはどこ?私は誰?という状態に陥るのだ。

私も初めての国に行って公共交通を利用した時に言語がわからないとかなり不安になる。
慣れるとどうでもいいのだが、初めての土地というのは日本国内でもなんだか良くわからないことが多いうえ、それが外国となれば尚更である。

初めてタイを訪れた時はまさしくそういった状態に陥った。
文字は読めないし、言葉もダメ。
方角なんてわからない。
で乗ったバスが果たしてどこへ行くのやら。
ガイドブックの地図とにらめっこをして現在位置をチェックするというドキドキ移動をしたものだった。

何度かは間違えた方向のバスに乗ってしまい、車掌さんに指摘され「○○番のバスに乗り換えてね」と片言の英語で丁寧に教えてもらって見知らぬバス停で下車。
バスに書いているのがアラビア数字なら問題ないが、タイ文字数字だと読めないので再び悪戦苦闘。
迷っているうちに、バス停で待っている他の乗客が気づいてみんなで親切にあれやこれやと教えてくれて、なんとか目的地へ向かうバスに乗ることができた、とうこともあった。

とかく世界は親切な人で一杯だから感動するのだが、そうでない人も100人に1人ぐらいいるので注意が必要だ。
余談だが、そうでない人ばかりが集まったのがイスラム国ということもできる。
ともかく、外国人にとって日本語だけのアナウンスは困惑のもとなのだ。

昨年の暮れに南海電車で難波へ向かっていた時に、台湾人か香港人と思われる日本人によく似た若い女性の2人組が、隣に座った日本人の女性に、
「難波はあとどれくらいでつきますか?」
と訊いているところに遭遇したのだが、女性は英語がまったくわからず困惑の体。
つまり作り笑い。
二人は日本は初めてで電車がいつ着くのかわからず、乗っている電車も正しいのかどうか心配の様子だった。
で、差し出がましいようだけど、
「あと20分ぐらいで着きますよ」
と教えてあげたら「ありがとう」と言って安心した様子なのであった。

これも南海電車の車内アナウンスで英語があればかなり違うはずなのがだが日本語だけ。
しかも、日本語も車掌さんによっては聞き辛いこともあるくらいだ。

これに対してJRは関空が開港して以来、特急と快速では日本語と英語のアナウンスが流れている。
特急はともかく快速でも英語のアナウンスが流れるので、途中のどこにいるのかは外国人でもだいたい分かるような仕組みになっているのだ。
首都圏へ行くと、山手線なんかでも英語のアナウンスが流れているからJRにとっては別段珍しいことでもないのに違いない。
かといって東京モノレールみたいに日本語、英語、北京語、韓国語と4ヶ国語も流れると正直いって鬱陶しい。
とりわけ北京語と韓国語は「英語もわからん中国人と韓国人には来てもらいたくない」という思いもあることから鬱陶しいを通り越してかなり不快でもある。
羽田と都内の移動で京急を使うことが大半になってしまう理由のひとつはそんなところにもあるのかも。

外国人旅行客相手にどこまでサービスを拡張するかは議論の別れるところだが、南海電車の「何もしない」は大いに問題があるので、少しはJRと仲良くして接客技術を貰うことを期待したいところなのだ。

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