<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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終戦の日の前後のニュースは「いつも閣僚が靖国神社に参拝したのかどうか」というのがトピックになる。

私が小学生の頃は、そんなことはニュースになりはしなかったのだが、高校生の頃だった1980年前後から毎年取り上げられるようになった。
今では
「上野アメ横」「京都錦市場」「大阪黒門市場」の年末年始の賑わい、
「上野公園」「大阪城公園」の桜のお花見の賑わい、
に並ぶ、「季節の定番ニュース」になってしまっているのだ。

但し,これらと靖国参拝ニュースが大きく異なるのは、靖国のニュースがあまりにも馬鹿げていて腹立たしく、おまけに今の日本の体たらくを見せつけるような、悲しい要素が大きいということだ。

とりわけ今年はめちゃくちゃ悲しい。

「中国や韓国のことを考えて、参拝しませんでした」

と言ったのは、韓国や中国の人ではない。
日本の総理大臣菅直人のセリフなのだ。

この人は中国人や韓国人のことは考えても、肝心の日本人のことはまったく考えていないのだろう。
どこの国の総理大臣なんだ。
まったく。

「お国のために」と戦って亡くなった人々に対する敬意はまったくなく、反対に足蹴にする。
そんな人が総理大臣を勤める国を、どうしてその国民は愛することができるのだろう?

色々な国の外国人と付き合うと、彼らが自分の国の悪口を言いながらも、とっても愛しているということを感じる。

「選挙にいかんと罰金や」
と文句を言いながらも、きっちりと領事館に出向いていくオーストラリア人。
「タンシェ議長はとんでもない人です。でも、いい人の方が多いんです」と言うミャンマー人。
「日本の方が暮らしやすい。でも私の国の悪口いったら許さないですよ」という中国人。

国を愛する心は人として基本的なものなのだろう。

ところで韓国や中国の企業が急速に業績を伸ばしたのは、その背景に日本人技術者の存在があることを忘れてはならない。
働いている日本の会社よりも何十パーセントも高い給与を払うことを条件に引き抜かれた技術者達だ。
その技術者達には自国の経済を発展させる、という心意気よりも目先の利益に走っている部分が少なくないことを否定できない。

親しくしていただいている石油化学関連企業の取締役がいらっしゃる。
理学博士の肩書きを持つその取締役はある石油製品の開発にかけてはスペシャリストで、この道50年。
その取締役にヘッドハンティングの会社がアプローチしてきたそうで、依頼主は中国企業。
今務めている会社の3倍の給与を払うので来て欲しい、とのこと。

「あなた、そんなこと行けるわけないじゃないですか。日本で生まれて、この会社に長年お世話になって。断りましたよ。」

とおっしゃった。
で、

「それに、気持ち悪いんですよ。私の生い立ちから学生時代のこと、家族は何人かとか、全部しってたんです。どうやって調べたんでしょうな」

そんな国に義理を立てる必要もない、と思うのだけども。


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