goo blog サービス終了のお知らせ 

宇宙エンタメ前哨基地

<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム

ゴキブリ丼の経済効果

2015-01-11 20:11:27 | グルメ
もうかれこれ10年以上前のこと。
うちの会社の同僚が会社の近くの居酒屋さんで昼食の丼を食べていた時のこと、

「………なんや……これ?」

と丼の半分ほどを食べ終わったところで、底の方に黒い柿の種みたいなものを発見した。
その柿の種には足や触覚が備わっていて、よくよく観察してみると柿の種ではなかった。

「………ゴキブリやんか!」

そう、ゴキブリなのであった。
どこかで混じったゴキブリが丼のご飯の中で生埋めか死に埋めかになっていて、それを掘り出してしまったものなのであった。
もしもそのゴキブリに「あたり!」と書いていて、

「お客さん、ラッキーですねー、ゴキブリヒット!賞金の10万円です。」

となれば騒ぎも小さかったかもしれないが、

「ごめんなさい」
と店の人。
「お代はいりませんから」
と、そそくさと丼を下げて、それっきり。
同僚は怒り心頭で帰ったのであったが、騒ぎにはならず、ある意味つまらなかったのであった。

ただ、この評判は詰まらないものではなく、お店には決定的なダメージを与えた。
ゴキブリ丼の被害者はうちの社員だったのだが、その様子は他の人達にも目撃されていた。
だからゴキブリの噂は「ゴキブリ丼」というメニューのような名前に変わって、周辺地域に広まったしまったのだった。

結果、その店は「ゴキブリ丼」が原因かどうか知らないが、事件から数ヶ月もしないうちに店を閉めてしまったのであった。

マクドナルドが揺れている。
中国にあった鶏肉工場での不衛生な運営に端を発した一連の食材管理に問題は、鶏肉にとどまらずフライドポテトや、中国以外の工場にも広まっている。
その結果、いつも混雑していたマクドナルドの店舗が客がチラホラという状態にまで落ち込んでいるのだ。
この、食材品質問題はマクドナルドだけにとどまらず、吉野家の牛丼やペヤング焼きそば、その他数多くの食品の問題となって広がっている。

外食産業のリスク管理は叫ばれ始めて久しいけれども、これほどまでに注目を集めてしまうのは、外食の最王手だったマクドナルドが、その発端となっていたことからだろう。

かつて雪印食品は社長の対応の失敗で、会社がなくなる事態に直面した。
会社の規模に関係なく、食の安全というものを利益優先の次に置くと、どうなるのか。

今回の様々な事件は、大手外食チェーンと言えども、ゴキブリ丼を出した個人経営の店と同じ運命をたどる可能性もあるということだ。

近大マグロ ー 冷凍の経験のないマグロ・驚異の美味しさ

2014-04-08 08:36:49 | グルメ


ついに話題のあの近大水産試験場産マグロ、つまり近大マグロを食べることができた。
結論。
めっちゃ美味かったのであった。

昨年、大阪駅前にオープンしたグランフロンと大阪。
東京にも無い大胆なコンセプトと斬新さと、大阪にはまったく似合わない優れた先進的デザインで地元大阪だけではなく、全国の注目を集めている。
その影響力は凄まじい。
なんと向かいにある三越伊勢丹大阪店を駆逐してしまうほどのインパクトをこの梅田エリアに与えたのであった。
ちなみにう案旧百貨店には勝つことはできなかった。

このグランフロント大阪北館には仕事上の取引先のオフィスがあったり、ここの7階には大阪の大手企業12社ほどが束になって設立したナレッジキャピタルマネジメントが運営するナレッジサロンがあったりと、打ち合わせやセミナーなどのために週に一度は必ず訪問する場所になっている場所である。
当初は、
「なんか東京みたいなところやな。ま、縁はないんちゃう」
と思っていたのだが、どっこい正反対で、何かと用事ができてここを訪れているのだ。

グランフロントには北館と南館とゴーギャスレジデンスエリアの3棟があるのだが、北館の6階にはオシャレな飲食店街がある。
世界中の様々な料理を提供するカウンタータイプの店が並んでいるのだ。
ここの料理や酒は普通であれば大阪人が敬遠するリーズナブルではない価格なのだが、しかしそこは大阪。
味は抜群の美味さなのである。
大阪人も納得のグルメ度なのであった。

この飲食店街の中で最も人気が高いのが、あの「近畿大学水産試験場」。
ここは和歌山県にある近畿大学の水産試験場で養殖されている、世界で唯一の養殖マグロを食べさせる店なのである。
なぜ、世界で唯一かというと、近畿大学しかマグロの養殖技術は持っていないからだ。

この近大マグロのレストランがグランフロント大阪に開業するとともに、話題沸騰。
全国各地から大勢のマグロ好きが集まってくるものだから、つい先々月には東京の銀座の第二号店が開店し、連日多くの客が列を成しているという。
そしてなんと、先日の日経によるとニューヨークにも店を出すかも知れないという。
こうなると、何がなんだかわからないが、はっきり言えることはニューヨークで出す近大マグロと大阪で食べる近大マグロは絶対に味が違うであろうということなのだ。

なぜなら、大阪で食べる近大マグロは「冷凍されたことのない」マグロだから。

先日、ナレッジサロンで仕事の打ち合わせをしたあと、
「ちょっと飲みましょうか」
ということで6階に行ってみると、近大水産試験場前の列が少しすくなく、
「お、すぐに食べられるかも」
と期待して、話題の近大マグロにチャレンジすることになった。

初めての経験というのは何かと心ときめくものだ。
評判の近大マグロ。
どんな味がするのかワクワク感で一杯だ。
価格はリーズナブルではないが(くどい)、それはそれで価値あるものとして納得する必要がある。

レストラン近大水産試験場は刺身を提供するレストランなのだが、日本酒のバリエーションは残念ながら多くはない。
「運営はサントリーなんです。」
とのこと。
さもありなん。
サントリーという大阪地場の企業なのだが、ウィスキーのメーカーなので畢竟、日本酒のバリエーションに乏しいところがあっても仕方が無いのかも知れない。
近大マグロの店の向かいが日本酒のお店なので、できれば近大マグロを肴に、お向かいの日本酒酒場で獺祭をグイッとやりたいところだ。

店が混雑している関係か、刺身が出てくまでは結構時間がかかった。
正直、座席に座るまで待つ時間よりも座ってから刺身が出てくるまでの方が長かったといえよう。
それでも、待つ時間が長ければ長いほど、期待感は高まる。
この期待感、じらし、品薄はマーケティングによる最高の販促方法でもある。
30年前に任天堂がファミリーコンピュータでとった方法がこれであった。
当時、ファミコンはどこの店に行っても売り切れており、
「いつになったら遊べるんやろ」
と首を長くしてまっていた子供がいかに多かったことか。
多くの小売店は、ファミコンばかり売れては困るので、奥の倉庫に在庫をしまい、少しづつ小出しにしていたものだ。

で、近大マグロも期待感が高いだけに、ハズレの場合は失望感も大きくなるので、よけいにドキドキ感は大きくなる。

やがて大きな皿に盛られたマグロが運ばれてきた。

「お~」

となぜか感嘆の声が上がる。
見かけは他の店の刺身と大して変わらないのでに、である。
他の店と違うのは、そこに近大水産研究所を卒業したという花札ぐらいのサイズの小さな卒業証書が添えられていることであった。



「おお!こんなんがついている」
と感動したものの、
「近大ちゅうのは恐ろしいところや。卒業したら即絞め殺されて刺身にされてしまうんちゃうか。はははは~!」
と、若干複雑な気持ちになったのも確かなのであった。

もっとも、人間の場合は卒業されても殺されることはない。
あたりまえだ。
私の実父も、カミさんのお父さんも、どちらも偶然に近畿大学卒なのであるが、どちらもジジイになるまで元気に生きているのだ。

で、肝心の味はと、一切れ目を口中に運ぶと、これはすごい!
何ともいえない食感と旨味が溢れてきて、
「おお!これがマグロか。マグロなのか!」
と感動するような味で、詳しくは実際にそこを訪れて食べてもらうしか無いのだが、それほど美味しいマグロなのであった。

変な脂は一切なし。
爽やかで、それでいて弾力のある切り身。

これは冷凍された経験の一切無いマグロだから可能になった味覚に違いない。
毎朝、和歌山も生け簀で締め上げ、大阪へ運んできてその夜のグランフロントで供する訳だから、美味しいこと間違いなし。

ということで、リーズナブルではないが噂の近大マグロは驚異の美味しさなのであった。

缶コーヒーの運命

2014-02-28 20:29:47 | グルメ
ここのところ仕事が忙しくてブログも書けない状態が続いていた。
年度末ということもあるのだが、取引先との新しい取り組みの企画がマグレで通ってしまったために、色んな手続きに翻弄されているというのが実際のところだ。

「あなたの企画が通ったんだから喜ばないと」

とカミさんは嬉しそうだし、励ましてくれるのでなんとか頑張っている。
しかしいかにせん元々過密な仕事状況に加えて、会社の面々は事なかれ主義を第一とする人材で構成されているため通った企画が「しんどい」のも、これまた確かなのだ。

私に非協力で会社のためにならない事なかれ主義の人たちの最大の関心事は消費税アップ。
なんといっても事なかれ主義なので消費税が上昇すると。何かと計算が面倒になるので嫌がっているのだ。
とりわけ5%から8%へ変わる境目が面倒くさいらしく、今から支払いの〆はどうするの、受注した製品への添加はどのタイミングでどうするのか、など煩くてしかながない。

だいたいが3%のアップ分を製品に添加して回収すること自体が難しいのだが、経営する側から見ると、
「値上げするための絶好のチャンス」
と身構えているようで、ここぞとばかりに儲けようと企んでいる。
事なかれ主義の従業員と強欲な経営者。

私もさっさとこういう会社からはおさらばしたいところなのだが、簡単に次の職も見つからないのでタイミングを見計らっているところでもある。

この今のタイミングで値下げに踏み切り話題になっている牛丼や日清のラ王は別にして、だいたいの製品は値上げされる方針であることは間違いない。
製品だけではなく、電車賃も値上げされる。

身近なところではコンビニの製品が値上げされ、昼の弁当や飲み物、それにオヤツをコンビニ頼りにしている我々チープビジネスマンはなかなか苦しいものがある。

その中でも、缶コーヒーや清涼飲料水が値上げされるというニュースは昨日、メディアで駆け巡ったわけだが、清涼飲料水はともかくとして缶コーヒーは場合によっては見向きもされなくなるのではないかと、私は思ったりなんかするのだ。
というのも、ここ最近、コンビニで購入するコーヒーは缶やペットボトルではなく、コーヒーメーカーによる挽きたてコーヒー。
いつの頃からかどこのコンビニでも炒りたてのコーヒーが飲めるようになっているのだ。
それも一杯300エンなんて金額ではなく百円と少し。
味はまあまあだが、缶コーヒーに比べると遥かに美味しい。
甘くないし、健康的だ。
さらにさらに、ファーストフードも炒りたてコーヒーを提供するようになっているが、中でもマクドナルドのプレミアムローストコーヒーは価格の割には逸品で、正直、スタバのドリップコーヒーより美味い。

缶コーヒーと炒りたてコーヒーの価格勝負と味勝負。

消費増税で缶コーヒーの運命は苦いのかもしれない。

チェーン店化は個性の敵

2014-02-03 06:23:33 | グルメ
「今晩なに食べよ」
「何食べたいん?」
「なんでもええ。なんか、いつもと違うもん」
「違うもんって?」
「ん~~~、ファミレスみたいなところと違って、個人でやってるお店がいいなぁ」

というのは、先日の私とカミさんの会話。
互いに仕事が遅くまでかかってしまって外食しよか、と繰り出したときのひとコマなのだ。

夫婦共働きというのは外食が多くなるトンでもない生活習慣で、一緒に働いても食費がかかって仕方が無い。
非経済なシステムで、無意味なのだ。
それに外食と言っても「牛丼」や「ハンバーガー」ではなく、何か小マシなものを食べたくなるからやっぱりコスト高になってしまう。
とりわけカミさんがそれを許さない。
私は出張なんかで出かけると牛丼で納得してしまうことがある。
でもカミさんにはそういう訳にはいかない女性としての栄養価に対するこだわりがあるのだろう。
しかし、そういうコストの問題や家計の問題よりも重要で、選択しにくいのが「何をどこで食べるのか」という問題だ。

外食が多くて気がついたのだが、最近はどこもかしこもチェーン店だらけ。
個人の店主が自分の店を切り盛りして、独自の味を提供するところがかなり少なくなっている。
とりわけ主要幹線道路沿いで「駐車場」があって、大きな看板があって「利用しやすい店」は、だいたいにおいてチェーン店だ。

先日も国道沿いに何やらお店らしき建物を建築しているを発見。
何ができるのか注意していると、しばらくして天丼屋が開店した。
聞いたことが無い名前の店だったので、
「おお、久々に個人店か」
と思ったが、念のためにネットで調べたら首都圏を中心に展開する天丼チェーン店なのであった。
なんのことはない、首都圏の天丼チェーンが関西に殴り込みにきた、その店舗のひとつだった。

外食チェーン店には共通した特徴がある。
それは看板がやたらとデカくて目立つこと。
看板が目立つのは商売としてあたりまえだが、どれもこれも規格化されているのではないか、と思えるくらい個性があるようで没個性なのだ。
例えば看板はほとんどが内部に照明器具を埋め込んだ行灯式。
大きさはまちまちだが、だいたいは一本の鋼製ポールの上に角が丸い角形の看板が高々と設置されているか、下から上までモニュメントのような一枚看板になっているかのどちらかである。
看板は多くの場合固定だが、一部にはポールの上で回転しているもんもあり、結構手が込んでいる。
モニュメントのような方式の看板では、ラーメンチェーンに周囲に電球がちりばめられているものが少なくない。

行灯式だから、夜間に見つけやすい。
個人の店ではこういう看板は高価nなかなかなく、のれんや小さなミニ行灯式看板が一般的だ。

最近の傾向では、看板の書体に前衛書道のような極太の筆でサッとなでたような文字が多い。
「〇〇ラーメン」
とか、
「〇〇食堂」
なんてもじは、どれもこれも太い筆でザザザと書いたような書体で書かれていて、ともすればどれもこれも同じ店に見えてしまう。

どこかでブランディングのデザイナーが仕組んでいるんだろうな、と思ってしまうようなデザインだ。
デザイン戦略のもとで中国食材やおかしな冷凍食品なんかが、セントラルキッチン方式に則って、あちこちで提供されているんだな、と思うと、外食産業は場末のキャバクラなんかとあんまり変わらないと思えるのだ。
厚い化粧に、危険な中身。

チェーン店化は個性の敵どころか、安全性も考えてしまう、そんなトレンドなのだ。

阪急ブランドと阪神ブランド

2013-10-29 22:24:48 | グルメ
阪急といえば関西では信頼の高級ブランドで通っている。
阪神はどうだか判断しかねるが、その阪急阪神のグループのうちホテルグループで食品の食材の偽装というか故意に違った産地のものを提供したことが発覚し、信頼が失墜しようとしている。
株価も下落。
今年は阪急電鉄創設100周年ということで、創業者の小林一三氏も草葉の陰で嘆いていることであろう。

最近は我が家でも食材の産地については大いに気にしている。
その気にしている原因にはいろいろがあるが、ひとつはフードマイレージ。
一般的には地産地消。
食材を運ぶために多くのエネルギーを消費するのをやめようね、という英国発祥の考え方だ。

幸いにも私の住んでいる大阪はまだまだ農産物が豊富だ。
例えば玉ねぎ、ナス、トマト、ほうれん草などは作付が豊富で、スーパーマーケットで北海道産の玉ねぎなどを見ると安くて美味しそうなのだが、やはりフードマイレージ的思想で行くと大阪産なので、少しく割高な大阪の農産物を買うようにしいている。
ちなみに大阪の農産物は大阪産と名付けられて売られているのもがあるが、これが大阪と周辺では人気で立派なブランドとなっている。
このブランドを起こしたのが、マスコミからボロンチョンに言われている橋下徹大阪市長。
しかし、この一点をとっただけでも彼は立派だと思うのだが、大阪以外ではその評価はボロンチョン。

話はそれたが、もうひとつは中国産ではないこと。

中国産と書かれた生鮮食料品は探すのが困難なくらいスーパーの陳列棚から見かけなくなってしまったが、それでも加工食料品や冷凍物には中国産が少なくなく、食の安全のために絶対に買わないように努力している。
しかし、これが外食となれば判断出来る材料に乏しいことから、中国産を使っていないであろう、信頼できるブランドの店で外食をするようにしている。

とのころが。
今回の阪急阪神ホテルズの行った行為は、そういう信頼を著しく傷つける消費者に対する背信行為。

阪神はともかく、阪急ブランドの復活と信用回復を願いたい大阪人の私なのであった。
なお阪神は根性のないグループのプロ野球球団の性根をなんとかするのが、名誉回復の再優先課題といえるであろう。

意外と美味・インスタントラーメン店

2013-08-27 23:35:37 | グルメ


タイへ行くとそこここにある飲食系の屋台でインスタントラーメンを調理して販売していることころがある。
何も特別なラーメンではなく一般のスーパーマーケットで販売しているような普通のインスタントラーメンだ。
注文すると袋を破き鍋で調理し、多少の具を入れてくれて「ハイ出来上がり」と出してくれるのが、私は同じ屋台ならせっかくバンコクに来ているのだからクイッティオ屋で美味しくて安いタイヌードルを食べることにしている。

このインスタントヌードルの調理屋台はタイだけではなくミャンマーの屋台でもあったりして、「食べ物が限界だ~」というときに結構重宝することがある。

先日、このインスタントラーメンを調理してくれる屋台ではなくお店が日本でも発見してビックリした。
それも東京の渋谷で。
しかもJR山手線のプラットホームで。

その日私は新宿での打合せが終わって知人が作品を展示している表参道近くの画廊に立ち寄ろうと渋谷駅で山手線を下車しようとした。
電車がホームに滑り込み、ドアが開こうとしたまさにその時、ガラス窓の向こう、ホームの奥に
「ラ王屋」
なる看板を発見した。
入り口で店員が大声で客寄せをしている。
こんなラーメン屋はなかなかない。
塩ラーメン、醤油ラーメン、味噌ラーメン各250円、
これは安い。

ここは立派な店構えの日清食品のアンテナレストランなのであった。
日清のインスタントラーメン「ラ王」を食べさせる店なのであった。
実を言うと、私は渋谷に来る直前に新宿駅前でランチを食べており、空腹は十分に満たされていた。
ところがインスタントラーメンのアンテナショップとばかりに、どうしても食べたくなってしまい店に入って醤油ラーメンを注文してしまったのだった。

店は意外に繁盛していた。
入ってすぐのところにカウンターが有り注文する。
カウンターの奥ではラ王を調理する3個の片手鍋がレンジに置かれており、ぐつぐつをラーメンが作られていた。
価格も250円なので立ち食い蕎麦なみの価格だ。
インスタントラーメンということを忘れると、実にリーズナブルで価格対価値は十分のものになっていた。
私は片手鍋3人めという幸運なタイミングで発注できたのでよかったが、私の後から入ってきた人は、

「すいません。5分ほどおまちいただきますがいいですか?」
とか、
「10分ほどお待ちいただきますけど、いいですか」
と超人気ラーメン店も羨む盛況ぶり。
インスタントラーメン恐るべしなのであった。

で、運ばれてきたラ王を見て再度驚くことになった。
なんと、普通のラーメンと何ら変わるところはないではないか。



その見応えと、意外な美味さに私は下手に出汁に凝った不味いラーメン店よりもインスタントラーメンで楽しむラーメンのほうが人生に豊かさをもたらすことに感動を覚えていたのであった。

なお、情報によると、その昔大阪の阪急梅田駅にはエースコックのワンタンメンのアンテナショップが出たことがあったそうな。

讃岐うどん

2013-06-26 18:07:11 | グルメ


全国的に有名になってしまった讃岐うどん。
私は家族と一緒に時々大阪からマイカーで四国高松まで出かけてうどんを食べることがある。

「わざわざ饂飩のために四国へなんて」

とおっしゃる方も多いかもしれないが、私の場合は「うどん」と「金比羅参り」「フェリーでの瀬戸内クルーズ」がセットになっていることが多く、気分転換には持って来いなのだ。

大阪からは神戸へ出て、そこからはジャンボフェリーで一路高松へ。
運転する必要はないし瀬戸内なので船は大きく揺れにくいし、言うことなし。
難を言えば最近は深夜便に乗ることが多く、瀬戸内の景色が楽しめないこと。
楽しめるのは明石海峡大橋のライティングだけ、というのはいかにも勿体無い。

うどんで美味しいのは金毘羅さんの参道にあるいくつかのうどん屋さんで、そこで食べる「きつねうどん」がなかなか結構な味だ。
但し、休日ともなると行列ができたりするので注意が必要でもある。

ところで、最近全国チェーンの讃岐うどん店が、
「讃岐地方の特定都市名を店に使うのはまかりならん」
と、競合他店を提訴しようとしたことにネットが炎上。
「本社が神戸の似非讃岐うどんチェーンが何様だと思ってんだ」
という声が炸裂したのはニュースとして取り上げられていた。

それだけ讃岐うどんがビッグビジネスになっている証拠なのか。
金欲恐るべしといったところだ。

さて、最近あまりに讃岐うどんばかりなので「うどんはいかが」という状態になりつつある。
腰のある麺。
魅力的な歯ごたえ。
関西風の味付け。
セルフサービスの手軽さ。
などが魅力なのだが、あまりにシステマチックになりすぎて「うどん」そのものに飽きが来てしまいそうなのであった。

そんな時に、昔から付き合いのある普通のうどん屋さんに夕ごはんを食べに行くことになった。
大阪風のうどん。
というか江戸の蕎麦、大阪の饂飩で、大阪で饂飩はあたりまえなのだが、讃岐うどんに押されて暫くご無沙汰していたのであった。

で、久々に食べたうどんは、自分の味覚の中にルネサンスを起こしそうな美味しさなのであった。
麺はほどほどの腰があり、讃岐うどんほど太くない。
汁は出汁がよく効いていて、ほんのりとした甘みと青ネギの風味が絶妙にからみある。
七味唐辛子も大いに結構。
この時私は卵とじうどんを食べたのだが、これが素晴らしい。
卵の柔らかさ、出汁とのコンビネーション。

これぞ大阪のうどんという素晴らしさなのであった。

ということで、讃岐うどんもいいけれど、大阪のうどんはやはり奥が深いと思った夕食なのであった。

百貨店のショートケーキ>私のランチ

2013-06-10 19:41:43 | グルメ


酒飲みだが、甘いモノもの大好き、という甘辛両刀の私なのだが、ものには限度というものがあり、それはなかなか突破出来ないものだ。
それは何かと尋ねたら、
「その甘辛フードを食べるための予算の限度」
なのだ。

私は冬は熱燗、夏はビールというスタイルを通してきて、独身時代はできるだけ家飲みを心がけていた。
ところが結婚してからというもの、カミさんの監視があるために思うように飲めなくなってしまい、ちょっとこう酔いたくなると、
「外飲み」
になってしまう。
畢竟お金がかかることになってしまい、お小遣いがビューンとどこかへ飛んでいってしまうのだ。

そうなると甘いもんを食べることが極めて困難になってくる。
なぜかというと、甘いもんは辛いもんに勝るとも劣らない高価格のものが少なくないからなのだ。

先日、大阪のある百貨店の地下食料品売場をウロウロしていると美味そうなショートケーキが目にとまった。
サイズは拳大ほどもある「モンブラン」似のケーキで、モンブランと違うのはそこにいくつかのフルーツが添えられていることであった。
私はケーキの中でもモンブラン系が好みで、カフェに入ってもモンブランがあると、思わずそれを注文してしまうのだ。
このモンブランを超えるのがミルフィーユ系のケーキなのだが、最近その手のもので好みのサイズのものをとんと見なくなってしまい、ドトールのミルフィールで我慢することも少なくない。
そんな、ケーキ欠乏症の時に発見したのが、百貨店のモンブラン似のケーキなのであった。

ところが、私はそれを買うことが出来なかった。
なにも金を持っていないので買うことが出来なかったというわけではなく、その価格が私のランチの価格を遥かに上回っていたからなのであった。

ショートケーキ1個が680円。

私の会社の社員食堂の定食は370円。
じつにほとんど2倍の価格をつけていたのであった。

あゝ。
なんたることか。
仕出し屋の弁当と百貨店のケーキを比べるのはいかがなものかもしれないが、それにしても吉野家の牛丼並2杯と味噌汁が頼めるケーキというのはどういうものか。

世の中理不尽なのであった。

なお、写真のケーキは堺市内の某ケーキ屋さんのショートケーキ。
これも価格は1個480円。
ドリンクとセットで700円という価格で、これがランチになったのは言うまでもない。

空軍さんのカレーライス

2013-03-24 08:54:26 | グルメ


「世界で一番人命を救っている軍隊」
3.11の災害救援活動以来、そんなキャッチをつけて呼ばれる陸海空の自衛隊。
昨年の尖閣諸島防衛からは俄然、その存在価値を世界に示している。
文春の名物カメラマン宮嶋茂樹のレポートを読むまでもなく、頼もしい限りだ。
実は私は、今でこそ最先端の科学技術を支える ーと勝手に自称しているー サイエンスリサーチファシリティ関係の仕事をしているのだが、その前は同じ会社の別の事業部で営業マンをやっていて、お客さんの中には自衛隊も入っていたのであった。

お役所とのお付き合いは自衛隊も含めて、国、地方自治体と様々なのであったが、自衛隊は他のお役所とは大きく異なるところがあった。
それは何かというと、担当官と打ち合わせをしていて滅茶苦茶なことを言われたり、偉ぶったりされたことがなかったのだ。
つねに控えめで、かといってあやふやではなく希望や指示は的確に示してくれる。
たまたまかも知れないが、嫌な気にさせられたことがなかったのだ。
商品を納品するときには、時として隊員のみなさんが訓練と称してお手伝いしてくださり、フォークリフトよりも手早く荷降ろしを済ませてしまうところを目撃したりすると、
「さすが兵隊さんだ」
と旧軍を憧れの対象として育った昭和一桁生まれの両親を持つ私なんぞは、なんの抵抗感もなく自衛隊ファンになってしまう。
両親も、当然本人も戦後生まれの私のカミさんなんかが聞くと、「アホかいな」と一蹴してしまうところだが、ともかく自衛隊は役所の中でも、しっかりしているところだという印象がある。

あらゆることに否定的で上から目線の居丈高でタメ口で「東大じゃ、こんなんじゃないだよな」と自分の学歴を傘に着せた、先日、某大学にある私の仕事場のひとつに現れた文部官僚のオッサンは、いちどでいいから陸上自衛隊の下級兵の訓練でも受へるべきだと思ったのはいうまでもない。

さて、自衛隊といえば各基地の食堂も、なかなか美味しい。
といっても私は那覇基地と舞鶴と、ついでながら米軍の嘉手納基地しか知らないのだが、自衛隊の酒舗はなかなかなコンセプトのところが多い。
食べ物だけではなく、様々な物販をしている。
那覇基地の酒舗など、地方空港の土産売り場よりも充実していると言えるかもしれない。
なかでも私は「海人Tシャツ」ならぬ「空人Tシャツ」が欲しいのだが、ちょうど私が那覇基地の酒舗に立ち寄った時はSサイズしか無く、日常3Lを愛用している私は断念せねばならなかった。
以来、異動で自衛隊は仕事の対象から外れてしまい那覇基地を訪問することがなく、悔しい想いをしている。
土産物屋には他にも、戦車のチョロQだとか、他の基地のノベルティなどが販売されていたのだが、最もポピュラーな土産物といえばやはり海軍さんのカレーのレトルトパックであろう。

陸海空の自衛隊の中でも海上自衛隊は特別で、いろんな書籍によると海上自衛隊は帝国海軍がそのまま名称変更してこんにちに至っている伝統のオーシャンネイビーなのだという。
戦後解体された陸軍と違い、海軍は引揚者運送という任務を行なっていたので無くならずに済んだとうわけだ。
そういうこともあり、海上自衛隊には旧海軍の伝統が今も生きていて、その1つが毎週金曜日に供されるカレーライス。
艦隊勤務は洋の東西を問わず月月火水木金金なので、曜日感覚を喪失してしまうおそれがあるため金曜日にカレーがだされるのだという。
舞鶴や横須賀のカレーが有名だが、海上自衛隊はどこでもカレーをやっているので、例えばすべての護衛艦で違ったカレーを作っており、美味しい艦、美味しくない艦があるそうである。
司令などは美味しいカレーを求めて艦を監査しに渡り歩く権利のある羨ましい職業だともいう。

ともかく平時はのんきでよろしい。

先日、大阪難波のOCATでウロウロしていると1階のGreen Cafeというお店で、航空自衛隊のカレーなるものを発見した。
カレーライスは海上自衛隊だけではなく、空の人々のものでもあることを初めて知ったのであった。
那覇基地ではちっとも気づかなかったのであった。

ということで、カレーを食べられる間は中国との諍いもほどほどに。
陸海空の自衛隊が、カレー開発にしのぎを削る平和が続くことを記念する街の1コマであった。

なお、護衛艦別のカレーは海上自衛隊のWEBページに掲載されている。
レシピに従って日本の海の守りを固める人たちと一体感を持つのも中国に対する強力な防御になることは間違いない。
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/family/recipe/archive/currey.html

中華料理インシデント

2013-03-16 10:56:54 | グルメ
地球の歩きた《ミャンマー編》でミャンマーの食事について「脂っこくて日本人には合いにくくお腹を壊す人も少なくない」というような意味合いのことが書かれている。

自慢ではないが、私はミャンマー滞在でお腹を壊したことは一度もなく、健康なまま帰ってくる。
一度だけ同行していたミャンマー人の通訳兼ガイドさんがハラを壊してしまった例はあるものの、私は腹をこわすどころか、ミャンマーの素朴でのんびりしたストレスレスの世界ですっかり健康になって日本へ戻ってくることがほとんどなのだ。
強いていうならば、タイのバンコクまで戻ってからビールの飲み過ぎで腹を壊してしまったことはあるものの、ミャンマーに限らず、東南アジアで腹を壊して一大事に至ったことはまったくない。

健康貫徹な私の旅行自慢でもある。

で、その私が日本の中華料理屋の脂っこいラー定で腹を壊した。
しかも、病院へ行くなり、診察した先生は、
「レントゲン撮ろか」
と宣言し、
「点滴もせなあかんな」
という、大変な事態に陥ってしまったのだ。
ミャンマーの脂っこいミャンマーカレーで腹を壊さず、日本の中華屋で腹をこわすとは。
もしかすると中華料理だけに中国の陰謀ではないか、と少しばかり考えた。
中国共産党かその悪の手先の人民解放軍のスパイが日本人を抹殺するために中華料理に調味料をたっぷり、食塩をたっぷり、ソースをたっぷり、ラードをたっぷり入れてジワジワと殺戮しようと思ったのだ。

しかし、いくらなんでも私のような一介のサラリーマンをラードで粘り殺しても詰まらない。
そんなことでは尖閣諸島を日本から奪うことはできないのだ。
そんなこんな、中国の陰謀説を考えていたら、お医者の先生が、

「腸炎やな」

の一言で片付けてしまったのだ。

ともかく、この日。私は出張で東京に向かうべく関西空港まで足を運んだのだが、このままでは飛行機の中で倒れると思い出張をとどまってまでの病院行きなのであった。
もし、そのまま飛行機に乗ったりしていたら機内で大変な事態に陥り、

「お客様の中に、お医者様はいませんか~!」

とANAの客室乗務員のお姉さんが機内を叫んで歩きまわることに発展していたのかもしれないのだ。
そうなればタダでは済まない。
ニュースになるかもしれない。

「中国の陰謀による中華料理テロ発生!」

羽田空港には東京メジャーなメディアや海外の特派員が押し寄せることであろう。
もしかするとその場で私は中国の秘密諜報員に殺害されていたかもわからない。

出張を思いとどまってよかった。

ということで、暫く胃と腸と日本のために中華料理は控えるに限ると思う私なのであった。