目の前でご主人が流された、それを受け止め強く生きるお姿に心打たれた
「あなたは迎えに行った私と手を取り合った瞬間 凄じい勢いで波にのまれ 私の目の前から消えました あなたはいったい 何処へ行ってしまったのでしょう(中略)願わくは寒くなる前に雪の季節が来る前にお帰りください(中略)只々 ひたすら あなたのお帰りを待っています」(京都『柿本』恋文大賞受賞「あなたへ」より)
その恋文大賞の受賞者・菅原文子さんは、気仙沼で「すがとよ酒店」を営んでいて、あの運命の3・11の日を迎えた。そして、菅原さんはまさに「目の前」で、ご主人が「凄じい勢いで波にのまれ 目の前から消えた」。
そんなご主人を瓦礫の中で探しつつ、夫の酒店を守ると震災後一ヶ月で3坪の仮設お店をオープン。その販売するお酒に「負げねえぞ 気仙沼」と書いた直筆のラベルを貼って販売し話題となる。
そんな体験を書いた、菅原文子著『津波に襲われた街で生きる妻から あなたへの恋文』(PHP研究所)を読んだ。その本の副題には「夫よ、もう一度 その手のふくもりを」と付けられている。
昨日、午後2時までのニニキネアワーにぎりぎり間に合い、その本を読んだ。ほぼ満席の店内は、華やかな雰囲気に溢れていた。そんな中で、3・11を体験した方の、まさに強く生きる姿心打たれた。不覚にも何度か涙が流れた。少しだけ恥ずかしかった。
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