震災発生から57分でトリアージエリア設置を完了し、災害医療を展開した石巻赤十字病院に感動
1000年に一度と言われる「東日本大震災」、その災害の酷さや人災と言える東電の原発事故の深刻さを伝える本は、これまでたくさん出版されてきた。
そして今は、その大震災と闘った方々の記録が、次第に出版されてきている。その中の一冊が、石巻赤十字病院+由井りょう子著『石巻赤十字病院の100日間』(小学館刊)だ。この本には、「東日本大震災 医師・看護師・病院職員たちの苦闘の記録」という副題がつけられている。
この本を一読して、石巻赤十字病院の緊急災害時の医療活動の展開に心から敬服した。こうした活動が東日本の多くの被災地で展開されたであろうことを思うと、心が熱くなる。そして、人間はなんて素晴らしいんだろうと嬉しくもなった。
石巻赤十字病院では大震災発生直後に、院内に「災害対策本部」が立ち上げられ、57分後には「トリアージエリア」の設置を完了している。まさに素早い対応で、日頃の訓練の成果が成果を上げている。
さて、「トリアージ」とは、「多数の負傷者が出る災害や医師が患者を選別し、治療の優先順位をつける行為」だそうだ。そして「トリアージ」で、負傷者を短時間で①最優先治療者(赤色のタグ)、②非常治療者(黄)、③軽措置者(緑)、④不処置者(超重症者、黒)に振り分け、トリアージタブを患者にタグを付けていくのだそうだ。
そしてまた、薬を流された人たち、また人工透析やHOT(在宅酸素療法)の患者等への石巻赤十字病院の活動も報告されている。どのページを開いても、感動で涙が流れた。みなさんにも、一読をオススメする。
今回の大震災の被災に対して、多分どの医療機関でもまたそれ以外の場所でも、実にたくさんの不屈の努力が重ねられてであろうことは明白だ。そうした素晴らしい活動が、今後さらにたくさんの本として出版されることだろうし、そのことを期待もしている。そうした本を読ませていただき、学ばせていただこうと考えている。
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