全英連参加者のブログ

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みをつくし料理帖

2020-10-29 04:00:00 | 全英連参加者 2020

「みをつくし料理帖」ポスタービジュアル 時は、享和二年。大坂。8歳の澪(松本穂香)と野江(奈緒)は、暮らし向きが違えども仲の良い幼馴染だった。「何があってもずっと一緒や」と約束を交わす二人だったが、その約束の夜から大坂に大洪水が襲う。
 - - -  それから時は流れ、江戸の神田にある蕎麦処「つる家」に、女料理人として働く澪の姿があった。あの大洪水で両親を亡くし、野江とも離れ離れになってしまった澪は、「つる家」の店主・種市に助けられたのだった。種市に天性の料理の才を見出され、女でありながら料理人として働いていた。しかし江戸の味に馴染めず試行錯誤の日々を過ごしいたのだが、やがて「つる家」の看板料理を見出していく。たちまち江戸でも評判になっていく店にある日、吉原の扇屋で料理番をしている又次(中村獅童)という強面の男がやってきた。吉原で頂点を極めるあさひ太夫のために澪の看板料理を作ってくれと頼むのだった。そして、この日を境に運命の歯車が動き出す。果たして、澪と野江は再会を果たせるのか?
 幾度となく訪れる艱難辛苦を乗り越えながら、料理に真摯に向き合い、運命を切り開いていく女料理人の成長と、不変の友情を描いた爽快な物語。


 ユナイテッド・シネマズの作品紹介から引用したが、ちょっと書きすぎの気がする。それでも見たい女優さんが出ている。中間考査の採点も一区切り、久々に土日も天気がいいので、ユナイテッドシネマ浦和まで出かけてきた。
 原作は’17年と’19年、黒木華さん主演の連続ドラマとしてNHKで放送された。今回調べると、その前の'14年に北川景子さん主演で単発ドラマとしても放送されていたとのこと。知らなかった。
 今回澪を演じるのは松本穂香さん。このところ活躍の目立つ女優さんだと思う。また、野江を演じるのは奈緒さん。二人とも過去何回か僕のブログに登場している。

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 澪 STARRING 松本穂香
 ここ1,2年活躍の目立つ女優さん。「恋は雨上がりのように(’18)」「あの頃、君を追いかけた(’18年)」とは違い、主演で時代劇である。結論から言うと、これが最後の監督作品という角川春樹氏の主役抜擢は正しいと思う。
 澪は関東関西の味の好みの違いに戸惑いながらも、こつこつと地道に精進を続ける。常連客の御膳奉行小松原(窪塚洋介)のきびしい評価、町医者永田源斉(小関裕太)の優しさに助けられ、つる家店主種市(石坂浩二)に見守られ、日々を懸命に生き、料理人として成長していく。
 努力精進が徐々に実を結び、澪の料理は大好評。店は繁盛するが有名店と競争になる。チンピラによる営業妨害や、付け火による店舗全焼。様々困難に立ち向かう彼女。それは幼い日に易者水原東西(反町隆史)から受けた、「雲外蒼天」の占い通りの人生。

 ・・・そんな人生を生きている人間がスクリーンにいた気がした。

 あさひ太夫・野江 STARRING 奈緒
 昨年は「ハルカの陶」、今年は「僕の好きな女の子」を見る機会を逸した。とにかく奈緒さんがスクリーンで動くのを見たいと思っていた。
 本作は出番的には少ない。多くは澪の料理を食るシーン。でも、幼い自分を助けた又次を守るシーンは鬼気迫る。吉原という制限のある世界で中で生き抜いてきた野江。澪と再会するシーンはぐっと来た。

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 二人の周りの人たち。

 種市 STARRING 石坂浩二
 クレジットでは「特別出演」である。通常このクレジットがつくと、短いシーンでちょっと出てくるベテランだが、石坂さんほぼ出突っ張りである。僕にとって石坂浩二さんは、基本的にカッコいい主人公俳優。本作ではホントにいいお爺ちゃん役で正直ビックリした。
 澪の才能を見いだし、育て、最後には自分の娘の名前をつけた「つる家」を継がせることになる重要な役である。

 又次 STARRRING 中村獅童
 立ち振る舞い、居住まいはやっぱり歌舞伎の人だと感じた。ただ立ち上がり、歩くだけなのにカッコいい。
 幼い野江(あさひ太夫)を助け、後に野江に助けられた又次。野江に尽くし、命を懸けて野江を守る。そのために奔走する姿は印象的。 

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【雑感】
 澪と野江の回りを取り巻く役者さんたちが、少々豪華すぎる。
 詳細は作品ウェブサイトを見ることをおすすめするが、なかかな贅沢である。

 主題歌
 作詞作曲:松任谷由実、歌:手嶌葵
 エンディングで流れる手嶌さんの声はしみる。

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 ものがたりの始まりを印象づけたふたり
 澪:新井美羽(あらい・みう,14)
 野江:咲希(さき,11)

 新井さんは、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(’17年)で主人公井伊直虎(柴咲コウ)の子供時代を演じた。déjà vuがあった。咲希さんは、たぶん初めて見る。
 短いシーンだけど、イントロダクションとしてよかった。


 こういう作品がいいなあと思えるときは、僕がつかれているときかもしれない。でも、秀作だと思う。
 まさか角川春樹氏の最後の監督作品が、このようなものになるとは、である。(文中一部敬称略)

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