全英連参加者のブログ

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TOEIC運営会社 大学入学共通テスト撤退へ

2019-07-03 04:00:00 | 気になる 大学進学

 大学入試センター試験に代わって‘20年度に始まる大学入学共通テストの英語の民間資格検定試験でTOEICが撤退する。
 撤退理由について、実施運営が想定よりも複雑になることが判明し、責任を持って対応することが困難であると判断したとしている。
 出典:毎日新聞,7/2記事

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 国際ビジネスコミュニケーション協会のプレスレリースを読んだ。
 「受験申込から、実施運営、結果提供に至る処理が当初想定していたものよりかなり複雑なものになることが判明してまいりました。このため、現時点において、協定書締結に向けた大学入試センターとの協議が完了しておらず、当協会として本システム運用開始において責任をもって各種対応を進めていくことが困難であると判断いたしました。」
 ・・・えっ?(言いたいことが、いっぱいだ。)

 大学入学共通テストにはTOEICの他、ケンブリッジ英語検定、実用英語技能検定(いわゆる英検)、GTEC、IELTS、TEAP、TEAP CBT、TOEFL iBTの7試験が認定され参入予定だったのだ。
 ・・・開始前に過去形になる。(言いたいことが、いっぱいだ。)

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 毎日の記事(要約)
 「共通テスト対象である現2年生を中心に、高校では新テストに向けた対策を始めているだけに、受験生への影響は必至。」
 ・・・この部分はやや違うと思う。

 TOEICの受験者は英検のそれのおおよそ3分の1。確かに大きな数字と言える。しかし高校生(受験生)が英検ほど受験している印象は、正直あまりない。大学受験指導の一環としてとか、検定試験が年間行事化している、大げさな言葉を使えば、「高校の教育活動の一部分を占める」とは、とても言えない。英検やGTECが撤退するならばともかく、TOEICはそれほどまでに「大学受験生に影響を与え得る」存在とは言いがたい。それがわかったので、撤退するのだろうと思う。だからTOEIC撤退=受験生への影響は必至とは言えない。ただ、新制度への信用問題(システミックリスク)になる可能性はある。

 TOEICの実施団体は、自らの高校での存在感(プレゼンス)など、十分理解していたはずだ。それでも参入した。そしてスタート前に撤退を決めた。
 ・・・やめてくれたからいいとは言えない。(言わない。)

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 ’20年から4年間(’23年度まで)は、大学入試センターが実施する共通テスト(センター試験)において、英語の試験は継続する。ここのところ英語科での話題は、その期間内、もしくは期間後、どこが持ちこたえられないか(撤退するか)だった。ただ、開始前に撤退するところがでるのは想定外のことだ。

 TOEICの決定を批判しようとは思わない。営利企業であれば、やむを得ない。ただ、入試に絡んだことである。なんだか強烈なもやもや感がある。高校現場に出禁とも言わないけど。

 他はもうないんだろうな。

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