年に何回か起きること。
事前情報がゼロの作品を、映画情報サイトで偶然見かける。そしてどうしても見たくなることがある。「ホームステイ ボクと僕の100日間」も、そんな作品の一つである。台風明け14日(月)、新宿武蔵野館に出かけてきた。
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「当選しました」その声で、死んだはずの“ボク”の魂が、自殺した高校生ミンの肉体に“ホームステイ”することになった。ミンの自殺の原因を100日間で見つけ出さないと、“ボク”の魂は永遠に消えると告げられ、手にはタイムリミットを告げる砂時計が残されていた。新生“ミン”として“ボク”はもう一度人生をスタートさせる。 |
森絵都の小説で日本でも映画化された『カラフル』にインスパイアされており、この映画は同小説を原作としている 。
僕は『カラフル』、原作者、何も知らない。
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ボク,ミン(ティーラドン・スパパンピンヨー)
主人公は死亡している。死亡したが、何故か魂が自殺した高校生の体に入り、人生を再スタートさせている。
パイ(チャープラン・アーリークン)
地方出身の奨学生で、バンコクに上京して勉強している。追試のためにミンにプリントを渡す。
ミンが生きていてほしいと願う人の1人。ミンの自殺に重大な影響を与えている。
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ものがたり
正直な感想として、追いかけるのが結構大変でした。
ミンの体にホームステイしている”ボク”は、自分が何故死んだのかもわからない。そんな”ボク”はホームステイしたミンの自殺原因を見つけ出さないと、消滅してしまう。
ミンの家庭状況もわからない。自分の通学していた高校のことも知らない。当然そこでの人間関係もわからない。見ている者は、まさにミンと同じ立場で手探り状態。
作品紹介にもある秀才の美少女パイは、ミンの1学年上の設定。彼女に一目惚れしてしまうミン。この辺まではラブコメタッチでものがたりは進む。ただ、甘い青春映画ではない。パイのかわいらしさの裏にある苦悩、ショッキングなシーンもそこここに出てきて、ものがたりは徐々に暗い面を見せはじめます。
どうしてミンが死を選んだのか。ガラス細工のような、ぎりぎり保たれている家族関係が見えてきます。ミンの立場、パイとの関係。何だかきついなあ、切ないなあ。終映後の感想です。
学園モノ、SF、謎解き、家族ドラマ等々要素が盛りだくさんの作品。やや複雑なものがたりでした。
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初めて見たタイ映画
パイ役はチャープラン・アーリークン。現在23歳のBNK48のアイドルとのこと。AKBや坂道シリーズは見聞きしたことはありますが、BNK48は知りませんでした。
公式サイトを見ると、映画とは異なる印象でしたが、本作ではヒロインど真ん中の日本人受けする雰囲気(?)です。ひょっとすると、将来日本映画に出てくるかもしれません。
(文中敬称略)
☆三つかな。