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ダイノワールド2015ヨコハマ恐竜博 (3)



過去の記事「トルボサウルス1」の冒頭に、いいことが書いてある。
「多くの恐竜ファンにとって、展示されている復元骨格のうち、どの部分が実際に発見されていて、どの部分が推定なのかということは、基本的に重要な関心事であると思うが、明確に示されていることは少ない。‥‥」
 まさに、2015年の現在にもあてはまる。65%も見つかっているのなら、骨格図に赤で発見された部分を示せば、「おおっ、これはすごい」となるはずだ。まあ、間に合わなかったのでしょう。左の座骨が欠けているのをみると白っぽい部分が実物かとも思ったが、どうもよくわからない。
 今回のトルボサウルス復元骨格は従来とは少し変わっているが、頭が大きくがっしりした体形で前肢は短い、という大体のイメージは変わっていない。印象が変わったのは顔だろうか。顔が少し長くなり、涙骨の角度が変わっている。もともとトルボサウルスの頭骨の骨はバラバラで見つかっており、涙骨は大きさの異なる別個体のものであった。今回、涙骨の角度が変わったとすれば、涙骨が前頭骨や鼻骨などと関節状態で見つかったということかもしれない。従来トルボサウルスの涙骨には角状突起はほとんどないとされていたが、今回のは涙骨のカドの部分が角状突起のように突出してみえる。一般にメガロサウルス類では角状突起が発達していないとされているが、アフロヴェナトルにはあるので、実はトルボサウルスでもあるのかもしれない。とにかく正確な情報が公表されないと、なんともいえない。右側の下顎の後方部分が意味ありげな形をしている?ことから、これまで知られていなかった下顎の後方部分が発見され、それで顔が長くなったのか?
 前肢も、従来のがっしりさと比べるとやや細いようにもみえるが、上腕に対して前腕が短いことには変わりない。これも議論があって、最初の記載者Galton and Jensen (1979)は、左右の上腕骨、右の撓骨、左右の尺骨を同一個体のものと考え、これら一揃いをホロタイプとした。その後Britt (1991) は、これらを同一個体とする根拠はうすいとして、左の上腕骨だけをホロタイプとした。今回の新しい発見で、前肢についてはどうなったのか、気になるところである。



アロサウルスの成長について、せっかく骨を並べて展示しているのに具体的なことは説明がないですね。
 Foster and Chure (2006) によると、ワイオミング州北東部のモリソン層で大腿骨長274 mmの幼体の部分骨格が発見され、その解析から、幼体では後肢が長いことがわかった。大腿骨に対して、脛骨と中足骨がそれぞれ成体よりも長い。また、腸骨に対して大腿骨が成体よりも長いという。大まかにいえば、幼体では速く走れることで、小型の獲物を捕食するのに適しているということである。



この大型のケラトサウルスもなかなかである。ケラトサウルスもこれくらい大きいと、がっしりして堂々たる体格ですね。律儀にも、脊椎の神経棘の上に1つ1つ皮骨板が載っているのがいい。尾椎は縦に扁平な形をしているのがわかる。これも、昔からある標本を元に現代風にリニューアルしただけなのか、新しい標本の情報を加えてあるのか、解説がほしいところである。
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