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ディロングの指

 もうすぐ始まる「恐竜2009:砂漠の奇跡」ではグァンロングも来るし、「覇王の血統が暴かれる」ようなので楽しみである。

 恐竜ファンなら御存じのように、ディロングの前肢は3本指である。Natureの論文にちゃんと書いてある。前肢の見つかった個体は、保存のよい頭骨とは別の個体であるが、共通する骨の形態が一致することからディロングと同定されているはずである。
 恐竜のレプリカなどを販売するサイトDinocasts.comの商品リストには現在、中国ものが多数出ている。2004年に来日したウジュスコビアとかトルファノスクス(恐竜ではない)、ヤンチュアノサウルス・マグヌスなどもある。それらの中にディロングの全身復元キャストもあり、なかなかよくできていると思ってみていたら、前肢が2本指になっている。写真をみると明らかに2本しかないようだし、しかも「小さな2本指の前肢は、ティラノサウルスのそれを思わせる」などともっともらしい解説文まで付いている。どういうことであろうか。
 頭骨の形や全身のプロポーションなど、論文を参考にしたとしか思えない(これだけのものを、資料を調べないで作れるはずはない)のであるが、論文の図には3本指のスケッチがしっかり載っているから、英語の読めない中国人技術者?にもわかるはずである。もし3本指と知っていて2本指に作ったのであれば、捏造ではないだろうか。このキャストが世界各地の博物館に納入されたら、誤解が広まってしまうのではないだろうか。関係者の人たちはどう考えているのだろう?
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