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スピノサウルスの半水生適応(3)




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スピノサウルスの半水生適応(3)

論文では、大腿骨が短いなどの点で、半水生段階の原クジラ類との類似性が指摘されている。パキケトゥスはまだ地上性でイノシシ型、アンブロケトゥスはワニ型といっていいだろう。スピノサウルス類はワニと違って首が長い。昔、カール・ジンマーの「水辺で起きた大進化」に、“アオサギのように首の長い”原クジラ類としてダラニステス(レミングトノケトゥス科)が出てきた。強いていえば、これの体形が多少似ているのではないかと思った。しかし今、ダラニステスの復元図を画像検索すると、首が長いイメージはどうも見当たらない。くわしく調べていないが、変更があったのだろうか。

このような半水生の動物だとすると、「ジュラシックパーク3」や「プラネットダイナソー」に描かれたように、カルカロドントサウルスのような大型肉食恐竜と死闘を演じる場面は、ほとんどなさそうである。豊富な魚類等を食物として大型化できた捕食動物と思える。「最大の肉食恐竜」の称号が冠されるが、トドやゾウアザラシがトラより大きくても、最大の肉食獣とは呼ばれないだろう。スピノサウルスが大部分の時間を水中で過ごしたとすれば、陸上の恐竜たちにとってはそれほど脅威ではないわけである。もちろん大型のシーラカンス類や肺魚を捕食する様子は、それなりに豪快な狩りだったかもしれない。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (猛勉之瑛)
2014-10-07 02:56:17
 今日大学の先生とスピノの生態について話が盛り上がりました。あの背びれについて先生が「ハンディキャップ理論と関係しているのではないか」とおっしゃっていました。やはりこの見るからに邪魔くさい背びれを負って生きることのできた個体はそう多くなかったのではないでしょうか(逆に生きながらえた個体は相当体力自慢だったかも)?もしかしてスピノの化石があまり多く発見されないのはそのためかしら…?
 余談ですが今月のナショナルジオグラフィックについてきた「スピノ・チラノ・ギガノト特大ポスター」はなかなかの逸品です。
 
 
 
ワニとの共存 (イニシャルK)
2015-09-12 16:23:37
スピノサウルスの生息域には、ワニはいなかったのか?競合しそうな生態が想像されますが、いたら、上手く棲み分けが出来ていたんでしょうかね。カルカロドントサウルスとの戦いは発生し難くくても、巨大ワニとの闘争はありそう。
 
 
 
そうですね。 (theropod)
2015-09-20 22:44:42
コメントありがとうございます。
なにか住み分けできる理由があったのかもしれませんが、ワニもいたでしょうね。ニジェールあたりだと「サルコスクス対スコミムス」も描かれてますね。むしろスピノサウルス類の歯として大量に販売されているものの中に、保存状態によってはワニ類が紛れている可能性が心配です。
 
 
 
サンド (ハニワ)
2023-02-16 12:11:05
ワンピース珍獣ガイモンとギルドテゾーロ最強
 
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