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NHKスペシャル「完全解剖 ティラノサウルス」


いやあ、よかったですね。気になった点は以下の通り。

1)新聞記事やテレビなど一般メディアの特徴は、「ティラノサウルス類」という言葉を使えないことである。よく「新種のティラノサウルス」という記事を見かけるが、なぜ最も的確な「ティラノサウルス類」を使わないのだろう。この番組でもナヌークサウルスのことを「小型のティラノサウルス」と呼んでいる。そのためか、グァンロンと並べる時にT-rexと表記しているのも違和感がある。グァンロンとティラノサウルスでよいはずである。ティラノサウルスの仲間を「ティラノサウルス類」というくらいのことは、小学生でも容易になじめると思うが、なぜ頑なに使わないのだろう。「ティラノサウルスの仲間だけどティラノサウルス属ではないこと」が、そんなに価値が下がると思っているのだろうか。

2)CGのグァンロンの前肢は短くないか?ティラノサウロイドといっても遠縁だから、頭の比率など体型は相当異なるのが当然であるが、CGのグァンロンは全体にティラノサウルス化されていたのではないか?もしかして「小型から中型までが6000万年であまり体型が変わらなかったのに、その後の3000万年で急速に巨大化した」ことを強調するために、グァンロンと中型(ズニかな)の差を小さめに描いたのか?もしそうなら、そういう脚色はすべきでない。

3)シアッツがテレビに登場するのは初めてかな?それは評価されるが、復元は無理がある。カルカロベースのようでおかしくはないが。これは実際にわかっていないので仕方がないことかもしれないが、シアッツなどが絶滅したのでニッチが空いてティラノサウロイドが大型化できた、という発想は抜けている。シアッツが頂上捕食者の位置を占めている間は、大型化できないのでは?

4)強力な捕食者同士が、なわばりなどの種内闘争で深いキズを負うことは普通にみられることで、「共食い」とは結びつかない。「進化の結末は意外なものでした。」といって共食いが常習化していたかのような言い回しは、なぜ必要だったのだろうか。

最後のティラノサウルスのDNAから鳥との類縁が‥‥も、鳥類の図鑑に鳥の祖先は恐竜と明記してある昨今の状況からすると、なぜいまさらの感がある。
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シン・ゴジラ


シン・ゴジラ、よかったですね。「まだ1回しか見ていない」のですが、何回も見るリピーターが多いと当然売り上げも伸びるでしょう。一言でいうと「日本の諸問題」みたいな社会的な要素が多くあって、子供よりも大人の方が楽しめると思いました。逆に、まもなく米国で公開されますが、日本の心象風景のようなものがわからないと理解されないと思われます。

火焔や熱線を吐くときに下顎が割れるのがいいですね。あれでエヴァを思い出した人もいるようですが、私は巨神兵に見えました。初めて知りましたが、庵野監督はナウシカで巨神兵の部分を担当していて、巨神兵の映画も作っているんですね。熱線はビルを5、6個貫通する威力ですが、やはりあれくらいでないと。そこら中が火の海になるところはやはり巨神兵に見えた。

私は過去のゴジラ作品はそこそこ見てはいますが、全作観たほどのゴジラファンではなく、またエヴァンゲリオンも少ししか知らないのですが、確かにエヴァだったとは思いました。
 今回、爬虫類型の正統派怪獣としてのカッコよさではなく、全く別物の生物として描かれたと思えば、いいのではないでしょうか。口から物を食べるわけではないので歯は不揃いとか、魚のような目とかですね。あの尻尾もパンフによると崩壊と再生を繰り返す、キメラあるいはテラトーマ的なイメージのようです。「生命を気持ちわるいものとして描く」センスであれば、この際、長い尾がぶつ切りに切れてそれぞれが個体になるとか、プルテウス幼生の中にウニ原基が生じるように全くボディプランの異なる体が出てくるとか、そこまでやってほしいと思いました。

このブログもシン・ゴジラのように活動を停止していますが、また再開します。
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