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ドロマエオサウルス1

 ドロマエオサウルス科の恐竜は、鳥類に最も近縁な非鳥型獣脚類で、恥骨が鳥類と同じように後下方を向くこと、尾椎の後関節突起と血道弓が非常に長く伸びて各尾椎が互いにがんじがらめになり、尾が付け根以外ほとんど曲がらないことなどを特徴とする。後肢の第2指のカギ爪が鎌状に発達するが、これはトロオドン科や鳥類にもみられる。
 復元頭骨をみるとドロマエオサウルスの顔は、ベロキラプトルほど細長くはなく、デイノニクスのように三角でもなく、やや短かめで角張った感じである。
 この絵は資料をみなかったため多少ずんぐりしたが、ようやく羽毛恐竜の登場である。ここでは、地上性のハンターの道を選んだため、樹上性の祖先で発達しかけた風切羽は退化し、保温のための羽毛だけで覆われていたという設定である。また、派手なディスプレイ用の飾り羽などは狩りの邪魔になるような気がする。
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スコミムス1

 白亜紀前期アプト期に北アフリカのニジェールに生息したスピノサウルス科の魚食性恐竜。バリオニクスと共にバリオニクス亜科に含まれる。
 スピノサウルス科の恐竜は、前腕が短く非常にがっしりした前肢をもち、第1指のカギ爪が特に強大であるが、これはスピノサウルス上科(メガロサウルス科とスピノサウルス科)に共通している。スピノサウルス科の特徴は、ワニ顔といわれるように頭骨が非常に長く、丈が低く、幅が狭いこと、上顎と下顎の先端の歯がロゼット状(放射状に拡がっている)になること、円錐形に近い歯をもつこと、外鼻孔が後方に移動していること、などである。このうちバリオニクス亜科(バリオニクスとスコミムス)では外鼻孔が前上顎歯のすぐ後方にあり、歯の形は円錐形に近いがわずかにカーブしていて鋸歯がある。また下顎の歯が小さく数が多い。スピノサウルス亜科(イリタトールとスピノサウルス)はいっそう魚食に対する特殊化が進んでいるらしく、外鼻孔が眼の前方まで後退しており、歯はまっすぐな円錐形で鋸歯がなく、上顎と下顎の歯の間隔がより広がっている。
 スコミムスがバリオニクスと異なる点は、背中から尾の付け根にかけて脊椎骨の神経棘が伸長して低い帆をなしていることで、最も神経棘が長いのは仙椎(腰の部分)である。またバリオニクスでは目の前方の正中線上に目立つとさかがあるが、スコミムスの復元頭骨では吻の長さに比べれば目立たない、かなり低いとさかになっている。ここで疑問なのは、スコミムスでは吻部は前上顎骨、上顎骨、歯骨だけで鼻骨は見つかっておらず、バリオニクスを参考にして頭骨が復元されたはずなのに、なぜバリオニクスと同様のとさかと考えなかったのかということである。バリオニクスの方がとさかが発達しているという印象は本当に正しいのだろうか。
 ジュラシックパーク3以後、スピノサウルスの人気は高いようであるが、私はスコミムスの方が好きである。鼻孔がある程度前方にあった方が、ワニ顔らしくてよい。スピノサウルスのように鼻孔がさらに後退すると、鳥のくちばしのようでよくない。
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マジュンガトルス1

白亜紀のゴンドワナ地域で繁栄したアベリサウルス類の一種で、白亜紀後期のマダガスカルに生息していた。
 頭骨は丈が高く、表面にごつごつした隆起がある点はアベリサウルス科に共通している。長さは短めであるがカルノタウルスほど短くはない。カルノタウルスは目の上に2本の角をもつのに対して、マジュンガトルスは頭頂部の正中線上に1本の角をもつ。鼻骨が肥厚し、内部が空洞状になっていて、側面に孔がある。角は、前頭骨の短い円錐状の突起である。さらにその後方に頭頂骨の突起があり、前頭骨の角と頭頂骨の突起の間の部分はくぼんでいる。眼窩をはさむ涙骨と後眼窩骨の両方に、下眼窩突起がある。下顎の外側下顎窓が拡大している。またマジュンガトルスの特徴として、頸椎の肋骨の先端部が2つに分岐している。
 この絵は数年前、ディスカバリーの「恐竜の大陸・アフリカ」で紹介された頭骨を参考に、カルノタウルスよりももう少しがっしりした動物として描いた。その後2005年の恐竜博で初めて全身復元骨格が公開されたが、後肢が意外なほど短いものであった。復元を担当したサンプソンによるとアベリサウルス類は前肢が極端に短いだけでなく、後肢も比較的短いという。恐竜博の公式ガイドに寄せた文章の中では具体的な根拠は述べてくれていない。1998年に報告されたマジュンガトルスの有名な標本としては、FMNH PR 2100がほとんど完全な頭骨と尾椎の大部分、UA 8678 が部分的な頭骨、頸椎から仙椎までの脊椎骨・肋骨、左の腸骨である。FMNH PR 2099は頭骨らしいが体部の骨も含むかどうか書かれていない。つまりこのときは後肢の骨は記載されていない(Sampson et al., 1998)。2005年の全身復元に際しては、マジュンガトルスの後肢の骨が既に報告されているのか、未発表の標本の中にあるのか、などについて一言説明してほしいところである。その後、2005年に気嚢系の進化の論文(OユConnor and Claessens, 2005)が出されたが、そのマジュンガトルスの気嚢系を復元したイラストでは後肢全体と上腕骨が発見されていることになっている。そしてFMNH PR 2278という標本が加わっているので、おそらくこれが後肢の骨を含むということなのだろう。しかし(この論文の主題は気嚢系であるため)Sampson et al., 1998しか引用されていない。
 それにしても恐竜博2005の新しい復元骨格をみると、どうも不自由な体に思えてならない。前肢が極端に短くおそらく役に立たない上に、後肢も短いのでは、何が有利で繁栄できたのかイメージしにくい。頸も胴も短くはないので、二足歩行のアザラシのようで、前半身は軽量化されていたにしてもバランスがとりにくい体型のように思える。よくいわれるように屍肉食ならば、嗅覚で動物の死体を探しながらかなり長距離を移動する脚力が必要であるが、このような体型で大丈夫なのだろうか。あるいはネズミを追跡するイタチのように、地上の小動物を捕食する上で体高が低い方がかえって有利なことがあったのだろうか。
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シンラプトル1

 シンラプトル・ドンギは1987年に中国・新彊ウイグル自治区のジュラ紀後期の地層から発見され、1993年に記載された。また1992年にヤンチュアノサウルスの新種として報告されたヤンチュアノサウルス・ヘピンゲンシスは、2005年の「ジュラ紀恐竜展」(パシフィコ横浜)で来日したが、現在はシンラプトル属の新種シンラプトル・ヘピンゲンシスと考えられている。(シンラプトル2参照)
 シンラプトルがヤンチュアノサウルスと異なる点は、頭骨がより長く丈が低いこと、下側頭窓が大きいこと、後眼窩骨の表面がごつごつしていて涙骨との隙間が狭まっていることなどである。眼の前方の隆起は低めであまり目立たない。アロサウルスなどと異なり、下顎の上角骨の前方部が細い。
 シンラプトルもなぜか好きな恐竜の一つである。あまり特殊化せず、カルノサウルス類の基本形のようなシンプルなところがいい。アロサウルスのような特徴的な角もとさかもなく、特にほっそりもがっしりもせず中くらいの体型の肉食恐竜である。私は福井県立恐竜博物館で全身骨格を見たが、写真撮影は禁止であった。2002年の「世界最大の恐竜博」ではレリーフ状の化石が公開された。2005年の「ジュラ紀恐竜展」では前述のようにヤンチュアノサウルス・ヘピンゲンシスとして紹介された。(まだ意見が分かれているということだろう。)こちらは四川省自貢で発見されたものである。
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ヤンチュアノサウルス1

 ヤンチュアノサウルスはジュラ紀後期の中国四川省に生息したカルノサウルス類で、シンラプトルと共にシンラプトル科に属する。ヤンチュアノサウルス属には2種が知られており、中国科学院の董枝明らによって1978年にヤンチュアノサウルス・シャンヨウエンシスが、1983年にヤンチュアノサウルス・マグヌスが記載された。ヤンチュアノサウルス・シャンヨウエンシスは保存のよい全身骨格であるが、前肢、足(後肢のうち中足骨と趾骨)、尾椎の先端部は見つかっていない。ヤンチュアノサウルス・マグヌスは頭骨のうち吻部と下顎、脊椎骨、骨盤、大腿骨が発見されている。
 全体の体型はアロサウルスに似ており、また頭部ではアロサウルスに似て眼の上から鼻筋の両脇にかけて隆起がある。また胴椎の神経突起がやや長くなっている。
 私は1981年の「中国の恐竜展」(国立科学博物館)でシャンヨウエンシスの頭骨を見ているはずだが、子供だったのでさすがに覚えていない。次に見た記憶は1996年の「シルクロードの恐竜展」(巡回展で確か府中でみた)で、マグヌスの復元全身骨格が展示された。このときは、頸、胴、尾とも妙に長いなあということと、前肢が細く華奢な感じだったことを覚えている。最近では2004年の「驚異の大恐竜博」で再びマグヌスの全身骨格が公開された。今度は頸がやや短くなったような気がしたが、ポーズのせいかもしれない。マグヌスの顔は眼窩や前眼窩窓が埋まった感じの、心もとない印象の復元で、おそらく保存が悪かったのだろうと思っていたが、それもそのはずである。マグヌスの頭骨は前上顎骨、上顎骨、鼻骨の一部、頬骨くらいで、頭骨の上部や後半部は発見されていない。シャンヨウエンシスを参考にして不足部分を復元したと思われる。また、前肢はいずれの種でも見つかっておらず、推定だったのである。グレゴリー・ポールの「恐竜骨格図集」の図も推定を含んでいるということである。
 シャンヨウエンシスの方が保存がよいのに、なぜシャンヨウエンシスの全身復元を見せてくれないのだろう。日本でシャンヨウエンシスの全身骨格を見たことはなく、中国にはあるのかどうか私は知らない。シャンヨウエンシスの標本は亜成体ともいわれ、推定全長8mであるが、マグヌスは推定全長10mである。大型の方をアピールしたかったのだろうか。体の各部の比率を正確に知るには、やはりシャンヨウエンシスの全身骨格が見たい。
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アロサウルス1

 ジュラ紀後期の北アメリカを代表する典型的な大型肉食恐竜。研究の歴史も古く、多くの標本が発見され形態学的にもよくわかっており、全ての非鳥型獣脚類、テタヌラ類、あるいはカルノサウルス類の代表としてもよく挙げられる。他の大型テタヌラ類、例えばシンラプトルやアフロベナトールを記述する際にも、アロサウルスを基準として比較するので、アロサウルス自身の特徴はあまり表現されないように思える。要するに標準的な、普通の体型をしている。骨の軽量化が進んでいて外見よりは軽快に行動できたとされるが、体型は中肉中背でバランスがとれているのがアロサウルスの魅力であると思う。前肢は適度に発達し、手の第一指のカギ爪が最も大きい。尾は長い。眼の上前方に顕著な角状の突起をもつことと、上顎に比べ下顎の歯列が短いことなどが特徴としてよく挙げられる。後肢はティラノサウルスほどには長くないがカルノサウルス類としては普通である。
 私も子供の頃、ティラノサウルスは前肢が退化しているので、アロサウルスの方が好きであった。恐竜のおもちゃなどの商品のラインナップでは、ジュラシック・パーク以前には肉食恐竜が1種類ならティラノサウルス、2種類ならティラノサウルスとアロサウルスに決まっていた。しかしその後、映画の影響は大きく2種類目の座はベロキラプトルかデイノニクスに奪われ、最近は3種類あってもスピノサウルスが加わったりする。アロサウルスファンにとっては許せない状況だろう。標本によってかなり変異があるようだが、私はビッグ・アル2のような長い顔はあまり好きではなく、昔ながら?の少し丸みを帯びた鼻筋の方が好きである。
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タルボサウルス1

過去に旧ソ連(現ロシア)科学アカデミー、中国科学院等のおかげで、たびたび日本に紹介され、現在も日本各地の博物館で見ることができるので、日本の恐竜ファンにはなじみ深い肉食恐竜である。ティラノサウルス科の中でもダスプレトサウルスと共に最もティラノサウルスに近縁で(ティラノサウルス亜科)、かつて同属とみなされたほど非常によく似ている。北アメリカのティラノサウルスと同様に、最大の捕食者としての生態的地位をアジアで占めていた。白亜紀後期のアジアでは最大最強の肉食恐竜である。東アジア(モンゴル、中国)に生息し、大型のハドロサウルス類やよろい竜などを捕食したと考えられている。
 発見当初、小型でほっそりした標本はタルボサウルス・エフレーモフィとされ、大型でがっしりした個体はティラノサウルス・バタールとされたが、後にタルボサウルス・バタールに統一された。またアジアで発掘されゴルゴサウルスと命名された標本もタルボサウルスの亜成体とされ、中国のシャンシャノサウルスもタルボサウルスの幼体であることがわかっている。
 タルボサウルスの骨格にはティラノサウルスと同様に、洗練された機能美が感じられる。タルボサウルスとティラノサウルスの明確な違いは上顎と下顎の骨の構造にあるが、それは外観からはわからないので、生体復元でわかるのは顔つきと前肢くらいで、その他はほぼそっくりである。ティラノサウルスの方が頭骨の幅が広く、特に頬部・後頭部の側方への拡大が著しい。つまりタルボサウルスの方が顔の幅がせまく面長で、より正確には「細面」である。またタルボサウルスの方が前肢がやや短い。昔はエフレーモフィの印象からティラノサウルスよりもほっそりした体型と書かれることが多かったが、ティラノサウルス科の体型(プロポーション)は成長過程で大きく変化することが知られるようになり、昔のような単純な表現は使われなくなった。実際にタルボサウルスの大形の個体はティラノサウルスと同じくらいがっしりした体型をしている。むしろ、相対的に頭部が大きくずんぐりした体型の標本もあるようだ。
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カルカロドントサウルス1

 カルカロドントサウルス科を代表する非常に大型のカルノサウルス類。魚食とされるスピノサウルスを除けばアフリカ大陸最大の肉食恐竜である。白亜紀後期セノマン期の北アフリカに生息した。頭骨の全長は1.6m。

 1927年にアルジェリアで発見された大きく薄い特徴的な歯に対して命名された。後にエジプトで頭骨の断片と体部の骨も発見され、歯は北アフリカ各地で見つかっていた。1995年にシカゴ大学のポール・セレノ博士の調査隊がモロッコでほとんど完全な頭骨を発見し、研究が大きく進展することとなった。
頭骨は丈が高く幅が狭い。吻の先端は斜めに尖っている。前眼窩窓は非常に大きい。前眼窩窩の腹側縁が外側にめくれているのはカルカロドントサウルスの特徴であるという。眼窩の上の涙骨と後眼窩骨の結合部が幅広い。下顎(歯骨)の先端は角張っている。この眼窩の上と下顎の先端の特徴は、カルカロドントサウルス科に共通する特徴とされる。
  カルカロドントサウルスの頭骨には、ティラノサウルスとはまた違った美しさがある。歯磨きのCMに出られそうな歯並びである。多くの肉食恐竜の歯は強く後方に反っているのに対し、カルカロドントサウルスの歯はあまり反っておらず、サメの歯に似ている。また獣脚類の中でも最も薄く、ナイフのように鋭い。肉や皮を切り裂くために高度に特殊化した歯である。骨ごと噛み砕くこともできそうなティラノサウルス類の歯とは異なる。歯の後縁はわずかにカーブしており、先端部に近づくにつれて微妙に外側に凸、つまり膨らんだラインとなる。前縁と後縁の鋸歯の近くに前後方向に走る特徴的なしわがあり、しばしば帯状に歯を横断している。
 確かに、こんな歯列を持つ陸生肉食動物は他に見当たらない。ワニの歯は魚食用の円錐形で、魚などを逃がさないためのものであり、整然と並んではいない。哺乳類の祖先は雑食性の時代を経ているため、3つの咬頭からなるトリボスフェニック型の臼歯をもっていた。肉食性哺乳類ではいったん咀嚼用の前臼歯・臼歯となった歯の一部を、切断用の裂肉歯として転用した。そのため肉食性哺乳類の歯は現生の食肉類、絶滅した肉歯類とも単純なナイフ型のものは一対の犬歯だけで、裂肉歯は鋭いはさみ状とはいっても山形であり、肉食爬虫類のようなシンプルな形ではない。その点、三畳紀以来、肉食を基本としてきた獣脚類の方が由緒正しい肉食の系譜であるともいえる。獣脚類の歯列は基本的に同じナイフ型の歯が多数並んでいるため印象が強い。その中でもカルカロドントサウルスの歯は特徴的である。カルノサウルス類が、ネコ科動物のように獲物の脊髄を傷つけて動きを止めるような気の利いたことをしたとも思えないので、逃げようとする竜脚類の幼体の体から、生きたまま肉片を切り取ったのであろうか。
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ご挨拶

 ブログブームにあやかって、イラストサイトを作ってみました。
私は古生物学者ではなくアマチュアの恐竜ファンです。また絵は正式に学んだことはありません。
元々は角竜などのおとなしい恐竜を描いていたのですが、数年前からなぜか肉食恐竜を描くようになり、現在に至るまで獣脚類にはまってしまいました。

 素人なので恐竜についての知識は浅いのですが、簡単な解説や個人的な思い入れを語ったエッセイのような文を付しました。この内容については、学問的な誤りや古い点がありましたら、専門の研究者の方、新しい情報をお持ちの方にコメントをいただければ幸いです。すみやかに訂正しますのでよろしくお願いします。
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