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2007恐竜大陸 その5


好きなものを眺めていると心が洗われる気がします。

 アラ探しやツッコミなんて、そんな小さいこと。。。中国のディロフォサウルス、「絶望のあまり45度天を仰いでいる」とか書くのはやめます。しかし彫刻のような美術品ならば、ポーズを変えることは作品の破壊ですが、古生物の復元骨格は生きている状態を表すもののはず。生きている動物はいろいろな姿勢をとるわけだから、一つの復元姿勢が絶対のものということはあり得ないでしょう。中国の研究者の過去の偉大な業績を否定するわけではなく、展示ごとに異なる姿勢に復元してもよさそうなものでしょう。例えばユンナノサウルスと対峙する形で展示したいから、獲物を狙うポーズにしたいとか、企画することは不自然なことではないはず。なんとか折り合いをつけられないのでしょうか。おそらく関係者の方々は尽力されたのでしょう。

 展示の解説文で、前上顎骨が「前顎骨」となっているのが気になりました。かと思うと別の箇所では前上顎骨になっています。

 「恐竜骨格の名称」の「獣脚類の骨格」では、撓骨と尺骨が逆になっています。

 しかし、これだけの貴重な標本を見ることができて、とても充実した「恐竜の夏」でした。主催者、関係者の方々に感謝と敬意を表したいと思います。
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2007恐竜大陸 その4


おなじみのモンゴルの恐竜には、獣脚類が多いわけですが。今回の収穫の一つとして、神流町恐竜センターなどにあるレプリカの実物が来ていたことがあります。
 その一つがサウロルニトイデスの頭骨。こないだイラストを描き、トロオドン科の勉強をしたばかりなので、一人で感動してました。歯骨の側面の水平な溝、歯の数が多いこと、前方の歯が密集していること、扁平なinternarial barなどトロオドン科の特徴が確認できます。また解説にもあるように、鼻孔の縁に上顎骨が関与していること、さらに涙骨の形なども観察できました。これのモデルがあったら買うのですが。。。
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2007恐竜大陸 その3


コンコラプトル。前肢の指が細くて繊細な感じです。

リンネ式分類の階層と分岐分類を混ぜるなという指摘が響いたのか、今回の展示では「科」という表現も避けて、「何々類」にしたようですね。分岐分析を取り入れた学術論文でも上科、科、亜科という表現は普通に用いられているので、よくまとまったグループとしての「科」を排除することもないと思いますが。
 今回アヴィミムスやカウディプテリクスも登場するので、「オビラプトロサウルス類」でまとめるのは確かに適切です。図録では、獣脚類の系統樹のコエルロサウルス類の大まかなグループとして、正誤表で「オビラプトル類」を「オビラプトロサウルス類」に直しています。しかしそれなら、「オルニトミムス類」も「オルニトミモサウルス類」にするべきでしょう。実際シノルニトミムスの写真のところでは「オルニトミモサウルス類」になっています。またここでの「ティラノサウルス類」はティラノサウロイデアの意味のはずです。つまり見なれない分類単位が出てきて煩雑なことになります。結局、「オビラプトル類」はオビラプトル科ではなくオビラプトロサウリアを表す、と考えれば、何も直すことはなかったと思います。
 ところがガソサウルスの所では、「エウストレプトスポンディルス科」などと妙に細かい「科」が書いてありました。
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