goo

六本木ヒルズでサファリ社の





 六本木ヒルズでは恐竜グッズの売り上げがのびているようである。アマルガサウルスの近くの売店で、サファリ社のカーネギーコレクションを買った。このシリーズは従来はあまり買う気のしないものが多かったが、時々新作を出しているようだ。
 このクリオロフォサウルスは意外と気に入った。吻が長く、胴も長めでほっそりした体型は、2007年の文献をふまえてディロフォサウルス類として復元している。実際に英文の解説にもそう書いてある。とさかが青いのもよい。他にはニジェールサウルスもあってこちらもよかった。

 アロサウルスも新しいのが出ていたようで、これも細めの体型がなかなかいいのでは。ただし二足で立つデザインの製品にありがちなことであるが、これも足腰が弱く、長時間置いておくと倒れてしまう。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

ティアンユーラプトル


ティアンユーラプトルは、白亜紀前期に中国遼寧省に生息した中型のドロマエオサウルス類で、2009年に記載された。遼寧省の熱河層群からは、これまでに5種類のドロマエオサウルス類(シノルニトサウルス2種、ミクロラプトル2種、グラキリラプトル)が見つかっていた。ティアンユーラプトルは6番目のドロマエオサウルス類であるが、他の遼寧省のドロマエオサウルス類(ミクロラプトル類)とは異なり、前肢が短く、叉骨も小さい。

 他のドロマエオサウルス類と異なる固有の形質は、中央の尾椎の長さが胴椎の長さの2倍以上ある、小さく極度に細い叉骨、後肢が長く胴椎の約3倍の長さ、であるという。

 系統解析の結果、ティアンユーラプトルはローラシアのドロマエオサウルス類の基盤的なメンバーと位置づけられた。ティアンユーラプトルは、他のローラシアのドロマエオサウルス類にはみられず、ゴンドワナのドロマエオサウルス類にみられる特徴も持っている。たとえば顕著に長い腸骨の前寛骨臼突起preacetabular processなどである。
 これまで知られている遼寧省のドロマエオサウルス類はいくつかの形態学的特徴を共有するので、単系のミクロラプトル類Microraptorinaeをなすとされる。ティアンユーラプトルは、ミクロラプトル類の特徴のうちいくつか(上顎骨の外側面に小孔がある、前肢の指骨-2が顕著に短縮している、恥骨結合の先端がスプーン状spatulate)を示すが、他の多くの特徴(烏口骨の大きな卵円型の孔、前肢の末端の一つ手前の指骨が短い、恥骨の中程に側方突起lateral projectionがあるなど)は示さない。このことから、ティアンユーラプトルは最も基盤的なミクロラプトル類、つまりミクロラプトル類の祖先に近いものとも考えられる。あるいは、他のすべてのローラシアのドロマエオサウルス類を含むグループの基盤的メンバーかもしれない。

 ティアンユーラプトルは、後肢の下肢(ひざ下)が比較的長いという点では他のドロマエオサウルス類よりも遼寧省のミクロラプトル類と似ている。脛足根骨/大腿骨の比率は、ティアンユーラプトルとミクロラプトル類では1.30以上であるが、ティアンユーラプトルとほぼ同じ大きさのヴェロキラプトルでは1.10である。ところが前肢の長さについては、ティアンユーラプトルは遼寧省のミクロラプトル類とは全く異なっている。前肢/後肢の比率は、ティアンユーラプトルでは0.53であるが、ミクロラプトル類では0.80以上である。また、ヴェロキラプトルでは0.75である。

 ミクロラプトル類は、長い前肢と非対称の羽毛をもつことから滑空など何らかの航空力学的能力をもっていたと考えられている。前肢の短いティアンユーラプトルにはそのような能力はなかったと思われるが、そのことは烏口骨が幅広いことや叉骨が小さいことからも支持される。ドロマエオサウルス類における前肢の著しい縮小は、もっとずっと大型の南米のアウストロラプトルでも独立して生じたと考えられる。

参考文献
Xiaoting Zheng, Xing Xu, Hailu You, Qi Zhao and Zhiming Dong (2010) A short-armed dromaeosaurid from the Jehol Group of China with implications for early dromaeosaurid evolution. Proc. R. Soc. B 277, 211-217.
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

荘川化石フォーラム





 岐阜県高山市荘川町の荘川化石フォーラムに初めて参加してきました。良いところですね。所先生、真鍋先生、平山先生のお話も聞くことができ、短時間ながら野外で化石発掘体験もできて非常に有意義な一日でした。

 今回、真鍋先生は絵本「せいめいのれきし」を題材にしながら、最新の恐竜学の話題を紹介されたのですが、「せいめいのれきし」は昔小さい頃に読んだので、よく覚えています。劇場で観客が見る形式で、舞台上の人物がさりげなくスケールになっていて、古生物との比較ができるのです。第三紀ではエオヒップス、メソヒップス…とウマが進化して大型化するようすが楽しく描かれています。1964年発行ということで内容は古くなった部分もあるものの、本の見返しには博物館の見取り図が細かく描かれているなど、当時としてはアイデア、構成とも非常に優れた絵本です。真鍋先生は古生代デボン紀の脊椎動物の上陸(アカントステガ)から殻のある卵の出現(胚膜)、オスも抱卵していた話、始祖鳥は鳥のようには飛べなかったこと、アンキオルニスの羽毛の色などについて、わかりやすく解説されました。
 平山先生はこの夏の六本木ヒルズの「最古の恐竜展」にちなんで、以前アルゼンチンのイシグアラストに発掘調査に行かれたときの記録に、「最古の恐竜展」の展示を交えて三畳紀の恐竜、ワニ類(クルロタルシ)、単弓類を紹介されました。以前平山先生が発見された骨は、どうも新種恐竜Xらしいとか。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )