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tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

ピクシーダスト

2006-12-25 20:33:04 | プチ放浪 都会編

12月25日の朝8時台の東京へ向かう京葉線の電車。この中にはミッキーやドナルドたちも乗っているのかもしれない。今年もありがとう。君達のクリスマスはこれからなのかな。ファンタジーの世界が広がる夢と魔法の王国では、いつも変わらない笑顔をもらっている。キャストの彼ら、彼女達にサンタクロースが今年もやって来ますように。

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時計は午後10時をまわり、園内放送が流れると、ようやく人が少なくなって来た。昼の間、あれほど人の群れでぎわっていたアトラクションもすべて終了した。向こうに見えるアリスのティー・パーティ(コーヒー・カップ) は、すでにロープを貼ってゲストが入れないようにしている。急に静かになったパークは怖い感じもしてくる。一番奥の方からセキュリティのキャストが出てきて、園内で遅くまで残っているゲストを追いかけるように点検していく。若いカップルが多いゲスト達は、素直にキャストに従って結構きちんと帰ってくれる。ゲスト達は“ピクシー・ダスト”の魔法にでもかかったのだろうか、その素直さが不思議だ。
ゲートのそばのワールドバザールもこの時間になると、店の入り口にキャストが立ってそれ以降の入店を制限しだす。おみやげ屋さんでいつも一番最後に閉まるのはグランドエンポーリアム。施設で一番最後はメインストリートハウスだ。ゲートでは、キャラクター・グリーティングをやっているらしい。女の子の団体が写真を撮りあっている。

夕暮れ時にミッキーによって飾り付けをされたシンデレラ城に、ディズニーの仲間たちが光を灯す。クリスマス・ファンタジーは12月25日が最後の日。明日からは、少しはゲストのイン・パークが減るのだろう。けれど、カストーディアルの彼にとっては、クリスマスはこれからなのだ。ゲストがいなくなるとキャストも帰ることが出来る。時計は11時をまわった。そろそろ、最後のゲストがセキュリティに追われて、ゲートをくぐった頃だろう。
いつも、武蔵野線の最終11:49の帰りの電車の中で、帰宅途中のゲストといっしょになる。彼は、ユニフォームを着替えて表舞台をつっきってゲートに向かった。途中、携帯から彼女に電話する。
「メリー・クリスマス!」

二日前の電話を思い出す。彼女の気落ちした声・・・
「・・・明日も、ダメなの?」つまり12月24日、“イブ”のことだ。
「うん、やっぱり一番忙がしくてね」
「そう・・・、バイトなのね。そう・・・」
そんなにガッカリするなよ。ちょっと遅れるけど、プレゼントは奮発して、有名ブランドの指輪なんだから。
きっと、びっくりするぞ・・・

真っ暗い一人暮らしの部屋に戻って、彼女が作ってくれたクリスマス・プディングを食べる。初めて口にしたのは3年前。
「砂糖を入れ間違えたんじゃない?」と思ったほど甘くて、一口以上食べられない代物だったのだが、次第にその味に病みつきになってしまった。テレビでは、ハイビジョン特集として「カクテル大百科」が放映されている。そろそろ、眠りに就こうかと思った時、部屋のチャイムが鳴った。<誰だろう。こんな時間に?>
ドアを開けるとそこに笑顔の由香里が居た。
「メリー・クリスマス!」
彼女は首都高を車でとばしてやってきた。ぼくらのクリスマスはこれから始まる。

恋人がサンタクロース~♪

*ピクシーダスト 【反強磁性結合メディア】  IBM社が開発した、ハードディスクの記録面にルテニウム層をはさむことで記録密度を増やす技術。ではない。


街角にはクリスマス・ツリー

2006-12-24 21:25:31 | プチ放浪 都会編

200X年某月某日。North American Aerospace Defense Command(NOARD)の Keith Bell博士は、偵察衛星の特殊なフィルターを搭載した軍事赤外線カメラに、クリスマスプレゼントをもらって喜ぶ子供達のあったかい心が瞬間的に点となって現れることを発見し、すぐさま論文をまとめて科学雑誌Natureに投稿した。赤外線センサーに瞬間的に現れる微小スポットは、ノイズの見間違えではないかという指摘が相次いだが、実際のところは、まだ学会でも事実の確認が取れていない状況だ。なぜなら、確証を得るためには次のクリスマス・イブを待たなければならないからだ。Keith Bell博士によれば、プレゼントをもらえず、反応の少なかった地域を重点的に翌年プレゼントを配ることで、世界から戦争が無くなる可能性があるとしている。人類は、戦争のために開発された偵察衛星を、平和利用のために有効に使えることをはじめて学んだのだった・・・。
 
核攻撃を想定し、ロッキー山脈の地下につくられた米コロラド州コロラドスプリングズの北米航空宇宙防衛司令部(NOARD)。SF映画でも良く出てくるこの地下司令部で行われてきた核ミサイルの監視活動は、ピーターソン空軍基地に移転されることになった。冷戦の終結でロシアや中国からの核ミサイル攻撃の可能性が極めて小さくなった上、2001年9月11日の米国同時テロの際、NORADの司令官がピーターソン空軍基地から地下司令部に移動するのに45分もかかったことなどを考慮したためである。核ミサイル攻撃にも耐え、地震も少ないという理由でロッキー山脈のシャイアン山中に建造された地下司令部の鋼鉄製ドアは重量約25トン。非常事態が起きてもドアの内側で約700人の要員が一定期間生き残れる頑丈な構造になっている。まさに米ソ冷戦時代の象徴といえる存在だった。サンタのそりを引くルドルフの鼻の赤外線の波長が、ミサイルの波長とほぼ一致していたらしい。報復の核ミサイルの発射のため、世界中に配備された最新鋭のレーダー、そして世界中をカバーするその画像。報復攻撃の手段を持つことが、相手国からの攻撃を抑止できるとするアメリカ。悲しくてやりきれない。

日本では、航空機が離着陸を除いた各飛行の段階で、飛行することが許される最低安全高度は、航空法によれば都市上空では300m、その他では150mと定められている。また、航空路にも区間ごとの最低安全高度が定められている。 サンタさんが航空法違反で捕まって、罰金を取られないといいのだが・・・。

街角にはクリスマス・ツリー。銀色のきらめき・・・。ひところ、この時期になればどこに行っても聞こえてたこの曲。ずーと、この歌が歌い継がれるものと、一部、期待を込めて思っていた。すべての人が思い続けること、歌い続けることで、世の中は少しずつ変わる。来年のイブは、さらにたくさんの人が幸福になりますように・・・。


子猫をお願い

2006-12-23 16:28:02 | cinema

東大門市場でリーズナブルな洋服を購入するのにもあれこれ悩む女性、そんな若い女性の平凡な生活が等身大で描かれている。
テヒ(ペ・ドゥナ)はボランティアで知り合った脳性麻痺の詩人と愛を育み、ソウルの証券会社でキャリアウーマンを夢見るヘジュは、高卒の学歴のため職場ではただの雑用係扱い。美術の才能をいかしてデザイン関係の仕事をしたいジヨンは、幼いころ両親に捨てられ祖父母と一緒にバラック小屋に住んでいる。そして、明るい中国系の双子姉妹オンジョとピリュは、自ら作ったアクセサリーを道端で売り生活している。彼女たち五人は、仁川の女子商業高校を卒業した同窓生。事あるごとに集まっては、時にぶつかり合いながら友情を育んでいる。誰もが身に覚えのある友情の終わりを、この映画は真っ正面からとらえている。彼女達を結び付けているのは拾ってきた1匹の子猫。捨て猫ティティと共に過ごした時間、生活は予想も出来ない方向に流れていくけれど、悩みながらも彼女達はそれぞれの道を見つけていく・・・。5人の間をたらいまわしにされる子猫が、かつての青春時代や友情が持てあまされている様子と重なり切ない。プチ冒険のつもりで、タバコをくゆらす女の子達。大人への切ないあこがれ。どこの国でも同じですか。そうですか。
映画『リンダ リンダ リンダ』の主演俳優のひとりであるペ・ドゥナ(あのバンドでライブ...)。彼女が2001年のこの映画で、21歳のちょっぴり無茶で非現実的なキャラクターの女性を演じている。彼女が演じると不思議な魅力を持つキャラクターに変身する。
この映画のラストは離陸する旅客機のスローモーションが流れる。新しい未来に向かってテイクオフしていくのだ。その行き先ががどこであろうと、彼女達の幸せをいのらずにはいられない。

     


小説 デジャ・ヴ(グロ注意)

2006-12-22 20:34:46 | エッチ: よい子は立ち入り禁止
12.白い下着
へたへた崩れ落ちたぼくは、どれくらいの時間そうしていたのだろう。しんと静まり返った家の中で、ぼくはゆるゆる立ち上がった。どこかにいるかもしれないやつらの仲間がやってこないうちに、ぼくはこの家から逃げだそうと思った。やつらが犯行をビデオで撮っていたのは、「犯行の場面を撮影して売るのが目的」としか考えられない。きっと、ビデオの売買ルートにはマフィアの組織かなんかがあるに違いない。ただ、逃げる前に、死んだヨーコに別れを告げたかった。彼女の死体が警察に発見されるにせよ、地下組織に処分されるにせよ、ヨーコの裸を人の目にさらしたくなかった。ぼくは、階段をノロノロあがった。階段には、さっきは気づかなかったが、誰のかわからない人間の切断された足が転がっている。みんな殺されてしまったんだ。2階の寝室に戻ると、ベッドに全裸で横たわるヨーコの体に、ベッドの下に丸めてあった毛布を広げてかける。ヨーコは眠るようにして、ベッドにいた。ギリシアの大理石の彫像を思わせるような真白い肌。下腹部に大きく開けられた傷口と、切断された腕が無ければ、まるで何事もなかったように見える。青白く見える顔つきが安らかなのは、致命傷に至る前に気を失ったためかもしれない。ヨーコの体は、まだ、ずいぶんと温かみを残しているように思えた。
床に転がっている血だらけのビデオカメラを拾い上げた。ぼくは、中に入っているテープをとりだした。このテープを持ち出せば、ぼくが此処にいたことは誰にも知られまい。念のため、肉切り包丁を拾い上げ、片隅に脱ぎ捨ててあった女性の水色のワンピースに包んだ。見ると、女性用の白いレースの下着もそばに落ちている。ぼくは、1階に降りると、ヤルダの胸からナイフを抜きとり、これも肉切り包丁とともにワンピースに包んだ。ヤルダは完全に息絶えていた。
家のドアをあけると、外は白み始めていた。また、猛烈な暑さの一日が始まる。体中の痛みをこらえて、ぼくは夜明け間近の外へ一歩、足を踏み出した。庭で寝ていたシベリアンハスキーが、物音を聞きつけて、うなり声をあげながら近づいてくる。薄暗闇のなかで、犬の銀色の目が怒りに燃えて光っている。ぼくは、その目をにらみつけていた。かみついて来るなら来い。ぼくは、脇に抱えていた肉切り包丁の柄を握り締めた。一歩、前に出る。ぼくの進んだ分だけ、シベリアンハスキーはうなり声をあげながら後ずさりをする。距離は変わらない。木戸にたどり着いたぼくは、シベリアンハスキーを睨み付けていた視線をふとはずした。犬も、それを見てうなり声を止める。木戸を開けるとシベリアンハスキーは、こっちを警戒しながらもとの寝床に戻っていった。
外に出て、ぼくは全身が血だらけであることに気づいた。これで町をあるけば、警察がすぐに駆けつけてくる。できれば、人知られずにシチリアから出て行きたかった。警察に捕まったら最後、ぼくの氏名や国籍などが漏れて、一生、どこかの地下組織に命を狙われることになるかもしれない。ぼくは、着ていた血だらけのテーシャツとチノパンを脱ぐと、チェックのトランクス一丁になった。腹に巻いていた、パスポートが入ったウエストバッグはそのままに。この街では、そうした格好で若者達が良く歩いていた。
街角のゴミ置き場で、ビデオカセットのプラスチックを半分にぶち折って録画テープを引き出すと、グジャグジャに丸めて脱いだテーシャツとチノパンに包んで捨てた。ワンピースに包んだ肉切り包丁とナイフは、置いてあったゴミの詰まったダンボールの中に入れて隠す。これで、ぼくがあそこにいた証拠はどこにも残らないはず。そして、ぼくはややもすると意識を失ってしまいそうになりながらも、ホテルまでの早朝の道のりをなんとか帰っていった。

小説 デジャ・ヴ(グロ注意)

2006-12-21 20:24:43 | エッチ: よい子は立ち入り禁止
11.闇の中
その時だった。
チョウがダイニングの扉を開けて中に入ってきた。手に何かをぶら下げていたが、それはマネキンの首に見えた。チョウはぼくを見ると、うれしそうに奇妙な笑い声を発しながら近づいてくる。ぼくはこの事態が飲み込めず、茫然自失になっていた。チョウは手に持っていたマネキンの首をぼくに投げつけてきた。床にころがったそれを見ると、それは目を固く閉じたタカオカの生首だった。首の切り口のところから、血がしたたっている。驚いてへたり込んだぼくを見て、またチョウは甲高い奇妙な声で笑うと、ドイツ語でなにやら言ってくる。おもむろに腹にチョウからけりを食らい、ぼくは悶絶した。息がまったくできなくなってしまった。倒れたぼくの背中をチョウはさらにけりつけてくる。チョウは身動きができないぼくを肩に担ぎ上げると、ダイニングを出て二階につながる階段を上り始めた。必死で抵抗を試みるが、手足を縛られているので逃げられない。階段を上りきったすぐの部屋にぼくは運び込まれた。チョウは担いでいたぼくをベッドに投げ下ろす。投げ下ろされた時、ぼくの背中にベッドの上にあった、なにか柔らかいものがあたった。横を見るとシャワーカーテンを敷いたベッドの上には無残な姿のヨーコがいた。もう、息絶えているようで、ピクとも動かない。彼女の真っ白い全裸の体がそこにあった。腕を切断されて、敷かれたシャワーカーテンの上には血だまりができている。ぼくは、彼女の血だまりの感触を背中に感じて、ようやく事態を飲み込むことができた。ぼくは殺される。
そばで、一部始終をビデオカメラで撮影していたヤルダが、ニタニタ笑いながら近寄ってくる。チョウは、ぼくをうつぶせにすると、後ろ手に縛ったぼくの手を広げ、指をつかむとそれをねじ上げた。
指が折れそうな激痛が全身を貫いた。チョウは、片手で床に落ちていたペンチを拾い上げると、掴んでいたぼくの指にペンチの刃を押し当てた。そして、徐々に力を入れていく。
指先に激痛が再度走り、ぼくの喉から悲鳴が漏れていた。殺される。
ぼくは、ありったけの力を振り絞り、体を回転させ、仰向けになった。チョウの興奮して赤黒くふくれあがった顔が目に入る。その顔は、ケタケタ奇妙な声をあげながら、なおも笑っていた。
ぼくは、体をはねて、ありったけの力でチョウの顔に頭突きを食らわせた。額に強い衝撃が走り、見事にチョウの顔面にヒットした。その勢いで、チョウは後ろに吹っ飛んだ。鼻を抑えて起き上がるチョウ。すぐさま鼻血が吹き出てきて、チョウの顔は真っ赤になった。
ベッドの上の血で、ぼくを後ろ手に縛っていたロープが緩みだしていた。立ち上がったぼくは、ベッドの上に放り出してあった大きな肉切り包丁をめがけて、縛られた後ろ手を体ごとぶつけていった。ざっくりと手首が切れた感触があったが、手を縛っていたロープが切れた。
肉切り包丁をぼくは掴むと、足のロープを切った。切った手首から、おびただしい血が吹き出ている。
肉切り包丁を手にしたぼくを見て、チョウは、血だらけの顔で笑いながらなおも近づいてきた。手には、ナイフが握られている。ぼくは無我夢中で肉切り包丁を手に持つと、腰だめにしてチョウにぶちあたっていった。どうせ死ぬのなら、せめてこいつも一緒に地獄へ落としてやる。
包丁の先に、チョウの腹部のいやな感触があった。みると包丁は根元までチョウの腹に突き刺さっていた。ぼくは、ひざでチョウをひざでけりながら、包丁を引き抜いた。チョウは、自分の腹の傷のところからでてくる内臓を信じられないと言った目で見ている。
そのとき、ヤルダがビデオカメラを手に殴りかかってきた。額に衝撃があり、ぼくは崩れ落ちた。顔面をねらって、蹴ってきたその足を包丁で振り払った。包丁はヤルダの軸足のかかとにざっくりとささったが、ぼくは肩口をけられたショックで包丁を手から離してしまった。
ヤルダがもんどり打って床に倒れると同時に、這って部屋のドアに逃げ出した。
チョウがナイフを手に迫ってくる。ぼくは、跳ね起きると、ナイフを持ったチョウの手めがけて、思いっきり蹴りを入れた。ナイフがけし飛んで、チョウの腹に蹴りが入った。また、チョウの傷口から、血とともにグロテスクな色の内臓がはみ出てくる。ぼくは、床に転がったナイフを手にすると、チョウの喉を突き立てた。チョウが首を押さえるが、喉からは血が噴出すとともに、空気が漏れてシュウシュウ音がする。
ぼくは、這って部屋を出て行こうとするヤルダを追った。階段を転がり落ちたヤルダに追いつくと、背中から心臓をめがけてナイフを突き立てた。鈍い感触があり、ナイフは跳ね返された。ヤルダは意味不明の言葉で悲鳴をあげている。ぼくは、もう1度、同じ場所にナイフを突き立てた。今度は、根元までナイフの刃がめり込み、ヤルダは大きな声でうめくと動かなくなった。