tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

キャラメルマキアート

2021-10-12 21:44:48 | 日記

唐突な言葉だった。
「パンツあげよーか?」
思わず、飲みかけていたキャラメルマキアートにむせてしまいそうになった。
帰宅途中、ジムへ泳ぎに行く前に会社の同僚と立ち寄った駅前のスターバックスでのことだ。

若い女性が「パンツ」と言えば、ぼくらの世代で「ズボン」に相当するんだった。
・・・とりあえず気を取り直した。
いつもなら、速攻で「ちょうだい💛」と脊髄反射で答えるのだが、なんせ、まだ夕刻だ。
仕事帰りのOLやサラリーマンたちが、のんびりとくつろいでいる店内の雰囲気ではそうもいかない。

きっと、美脚パンツかなんかか?通販で買ったけどサイズが大きすぎて合わなかったのだろうと推測。会社の同僚の言葉の続きを無言で促す。
その辺は、百戦錬磨の会社員だ。セクハラの防止教育は十分すぎるほどに受けている。

話を聞くと、コロナの緊急事態宣言明けに彼女の母親がマンションに訪ねてきたらしい。
コロナで行動が制約され、いろいろと落ち込んでいた彼女だ。2年ぶりの母親との再会で、積もり積もった話に花が咲いたことだろう。
母親は2~3日、彼女の部屋に泊まったらしい。母親が帰った日に会社から帰宅してみると、ソファーに置かれたクッションは何枚ものパンツをはかされていたという。
母親はそのフルオーダーメードのランジェリーをネットで購入したようだ。その絹のランジェリーは、一枚10,000円以上もするのだという。
男物のBVDトランクスなら20枚も買える値段だ。

しかしながら、そのフルオーダーメードのランジェリー、残念ながら注文サイズを間違えたのだ。母親にはサイズが小さくて、どうしてもお尻が入らなかったらしい。それで、彼女へのおさがりというわけだ。・・・それをお裾分けしようと?。

「きれいなレースの模様だよ」
「・・・・・・・」
きれいだとと言われても、本当に反応に困ってしまう。どう返事していいのやら。。。

会社から帰ってソファーの上のパンツをはいたクッションを見つけて、彼女はおかしくて一人でケラケラと笑ってしまったという。
と同時に、落ち込んでいた彼女を元気づけようとして、母親がクッションにパンツをはかせたことに気がついて、わんわん泣いたとのこと。
こういう話は苦手だ。エロっぽい笑い話から一転、鼻の奥がツンとして、涙がじわぁ~とこみあげてくる。もういい年なのに。。
こんな夜は、キャラメルマキアートにむせたふりして、ごまかすのが精いっぱいだ。