tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

魔女の使い

2021-10-04 21:46:14 | 日記

魔女の使いとして一番に思い浮かぶのはクモだろうか?それとも、コウモリ?
ぼくにとって、魔女と言えば黒猫だ。
黒猫は世界的に不吉な動物として、その名をほしいままにしている。

黒猫を語るうえで欠かせないのは、魔女狩りの対象だった歴史のことだ。15世紀から18世紀などにかけて、ヨーロッパ各地で巻き起こったキリスト教による魔女への迫害。魔女狩りにおいて、黒猫もまた、その体の色が夜の闇をまとっているというだけで処刑の対象となった。

当時の木版画では、魔女と猫はよく一緒に描かれている。魔女の宅急便でも、キキといつも一緒にいるのはジジだ。キキの魔法力が弱まると、キキと会話ができなくなる。

先日のことだ。昼と夜が移り変わる逢魔時。帰宅を急いでチャリンコを飛ばしていた時だ。人気のない田舎道の歩道に、キラッと光る眼が二つ。動物だ。横断のタイミングを計っているようだ。・・・出てくんじゃねえ。
あろうことか、通り過ぎようとしたその瞬間、向こうが飛び出してきた。急ブレーキ。左肩に買い物を入れたトートバッグを掛けていたのは敗因だった。右ブレーキを思いっきり掛けたことから、前輪がロックして前につんのめった。
ほとんど空中を飛ぶような感じで転倒。

子猫の黒猫だった。ん?もとい、黒猫の子猫だった。かろうじて目の前を走り抜けたヤツは、そのまま逃げて行った。

夜は濃度を増し、キャッツアイの自転車ライトだけが田舎道を照らす。と、前からライトバンのヘッドライトにかすんで、子猫を加えた黒猫が近づいてくるのが見えた。思わずブレーキを掛けた瞬間、傍らをライトバンがすれ違って行った。

・・・緑の車体のクロネコヤマトの宅急便だった。車体の横に描かれたロゴマークが、あざ笑うようにすれ違って行った。