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tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

Papa Hobo

2013-03-26 22:38:42 | プチ放浪 山道編

 

ポール・サイモンの「 パパ・ホーボー」という歌。
ホーボー(Hobo)というのは、アメリカで世界的な不景気の時代、鉄道を利用して土地から土地へ働きながら渡り歩いた渡り鳥労働者のこと。
1972年の「ポール・サイモン」というアルバムの中に収録されている。

♪Could you slip me a ride?
Well, it’s just after breakfast
I’m in the road♪

前に触れた映画「イントゥ・ザ・ワイルド」の主人公は、ジャック・ロンドンの「ザ・ロード」に憧れて旅を始めた。
かたやジャック・ロンドンは、18歳の時、ホーボーとしてアメリカ各地を放浪する旅を始めた。
労働者階級の家に生まれたロンドンは、11 歳で朝夕の新聞配達、休刊日の週末は、氷屋での配達係や、ボーリング場でのピン立て係などの仕事で家計を助けている。
また、17歳の時には、黄麻工場で、一時間10 セントで一日10 時間の労働をしている。

仕事を求める人の数が仕事より多ければ、余剰労働集団というものが必然的にうまれる。余剰労働集団の仲間たちの間で、仕事を獲得するための争いは、浅ましく残酷だ。そんな時代。

「たそがれ時が過ぎ、夜の最初の暗闇の中で、貨物列車が音をたてて駅に入ってきた。ジョニーは空の有蓋貨車のドアを引いて開けると、不恰好な動作でやっと中に入った。それからドアを閉めた。汽笛がなった。ジョニーは横たわりながら暗闇の中で微笑んだ」(ザ・ロードより)

重労働にすっかり疲れはて、仕事を続けることが出来なくなり、トランプ生活にはいっていったロンドンは、それから語るに相応しい言葉もない困窮のどん底にいた。
・・・物語作家としての彼の成功の多くは、このトランプ時代に生きるための食べ物を得るためにもっともらしく聞こえる話をしなければならなかった経験からくるものだ。
ロンドンは仕事をすることなく、仕事を探すこともなく、昼間は食事を乞って回り、夜は、留置場かホーボージャングルですごした。

一方、ロンドンに、鉄道の無賃乗車の仕方などのホーボーとしてのサバイバル・テクニックを教えたのは4歳年上のレオン・レイ・リビングストンという放浪作家。リビングストンはホーボーたちから尊敬を込めて、「A-No.1」と呼ばれていた。
「北国の帝王」という映画は、このリビングストンの本を元に、オレゴンの森林鉄道で、誰も無賃乗車させないと言われた鬼車掌(アーネスト・ボーグナイン)と、彼に挑戦して無賃乗車することを宣言したA-No.1(リー・マービン)の激しい死闘を描いた映画だ。

「北国の帝王」には、世間知らずの口先だけの若い男が出てくる。これが若き日のロンドンなのか、それはリビングストンが書いた「From coast to coast with Jack London」を読み解かなければならない。
いつの日か、ジャックの足跡を負って、ホワイト・パス・アンド・ユーコン・ルートで鉄道の旅をする日までの宿題にするつもりだ。

 


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