学期末だからだろうか、電車の座席で教材を開いて寸暇を惜しんで勉強している学生たちを見かける。
悪い癖なのだが、最近の学習事情はどうなのだろうと、勉強をしている学生のテキストを覗き込んでしまったりする。
・・・私立高校1年(?)の彼女は、英語の教材を開いて、一心不乱に書き込みをしていた。
ウェアブルコンピュータが進んだ今も、紙に書いて覚える勉強法は昔と変わっていないようだ。
彼女の手にするアイテムは、3つ。英語の文法の教科書だろうか。その文法の教科書に沿った穴埋め式のドリル。
そして昔懐かしい単語帳。
その単語帳に彼女は
「one / twice / three times a ~」
と書き込んだ。
・・・なんか、間違ってねえか?
次に開いたドリル。やはり彼女は、「週に~を何回」とか「月に~を何回」とか、ある行動の頻度を表す構文を勉強中のようだ。
「彼は月に一度病院へ行く = He go to hospital one a week.」
・・・違うじゃん。
こんな時、良識ある大人はどうするのだろう。
満員電車の中で、彼女の間違いを訂正してあげるのだろうか?それとも、自分には係わり合いのないことと、知らん振りを決め込むのだろうか。
ぼくは「くぼすみよ」と書かれた彼女の下敷きを眺めながら、電車の中で迷っていた。
実は、こうしたシチュエーションの掌編を前に書こうとしたことがあった。
登場人物は、中年のおっさん。そして、私立高校の制服を着たフィギュアスケートのキム・ヨナ選手のようなイメージの女子高生。
中年のおっさんは、電車の中で勉強中のキム・ヨナに対して、要らぬおせっかいしてこっぴどくやっつけられる。
これを二人称を主人公とした、つまり、受け手(読み手)の話として展開するものだ。
「君は・・・」と語りかける。
ミシェル・ビュトール『心変わり』やジェイ・マキナニー『ブライト・ライツ、ビッグ・シティ』のパクリ。
キム・ヨナにこっぴどくやっつけられる中年男。救いようのない結末に、書きかけた話を途中で止めてしまっている・・・。
さて、この時のぼくの選択。帰宅時の混雑した電車の中だった。まだまだ世間なれしてない女子学生からすれば、間違いを訂正してもらうことより、大勢の前で知らないおっさんに声をかけられる方が恥ずかしいだろう。彼女の間違いは、塾の教師、あるいは、学校の先生が直してくれるはず。
結局、ぼくは声をかけなかった。
****************************
「くぼすみよ ちゃん!
そりゃあ、one a week じゃなくて once a week」
それから、「3人称単数」の文は肯定文なら動詞に (e)s がつき、否定文、疑問文の時には動詞についた (e)s をとって原形に戻す」
***************************
っつうことで、本ブログで指摘。
・・・ああ、すっきりした。。
写真は、先日の横濱中華街。
津波警報が出ている中、横濱中華街に足を踏み入れると、元宵節燈龍祭を祝う通りは大賑わいだった。
気に入った写真や記事がありましたら応援のクリックよろしくお願いします。
にほんブログ村